ペンディングトレイン~8時23分、明日、君と~2話あらすじネタバレ
2023年春のとある朝。
表参道の美容室で働くカリスマ美容師の萱島直哉(山田裕貴)、高校の体育教師、畑野紗枝(上白石萌歌)、消防士、白浜優斗(赤楚衛二)は、水も食料もない中で、68名の同じ電車に乗り合わせた乗客達とサバイバル生活をすることになりました。
頭脳派で、博士課程を持つ農学部大学院生、加藤祥大(井之脇海)、ネイリストで何かと反発することが多い、渡辺怜奈(古川琴音)、専門学校に通う動画好きな、米澤大地(藤原丈一郎)、警備員サラリーマン、田中弥一(杉本哲太)、人材紹介会社を経営するキャリアウーマン、寺崎佳代子(松雪泰子)、明石周吾(宮崎秋人)。
全員が2026年に電車の車両の一部ごとタイムループで飛ばされたことを知りました。
優斗(赤楚英二)が食料と水を集めた矢先、大量の天然水が入ったカートを何者かに盗まれていることが判明しました。
玲奈が鋭くみんなを疑い、乗客の一人の鞄を確かめようとします。
犯人は誰なのか疑心暗鬼になる、佳代子(松雪泰子)。
「木の根っこのところに置いてあった。まだまだ沢山あったよ」
萱島直哉は不意に言って、白浜に挑発的に突っかかりました。
「ふざけていないで教えてください。皆さんで協力し合っていきましょう」
「じゃあ土下座しろよ…俺に…なんてな、疑いをもった方が良いと思うけど」
紗枝の提案で、各々の持ち物を出し合い、平等に分配することで切り抜けようとするのです
食料も僅かで体調の悪い中高年もいます。
白浜と紗枝は何げない会話で心を通い合わせ、直哉は相変わらずの一匹狼。
「月を見るとお好み焼き食べたくなる」と白浜。
「お好み焼きですか、食べに行きたいですね」と、紗枝。
「うちの近くがお好み焼きなんですよ。そういう約束をたくさんしよう。いつか戻れた時の為に」
乗客たちもストレスで心が閉鎖的に。
植物から水を生み出せないか、人が水分なしで持続できる時間は限られていると分析する、加藤。
その頃、車内では佳代子が水のなさから不安を口にし、綜合警備会社勤務の年長、田中(杉本哲太)は縫物をして気が狂い始め、車両を飛びだして行きました。
自殺を恋人の江口和真(日向亘)と考えていた、女子高生の佐藤心春(片岡凛)も、大好きな両親に会いたいと泣きながら口にしました。
食料もなく、みんなが食べ物を盗んだか、水を盗ったかを口論。
残り僅かなモバイルバッテリーを奪い合う、玲奈(古川琴音)と、米澤(藤原丈一郎)も、お互いを疑り、ギスギスした空気に。
パニック状態で運転手の小森(村田秀亮)に何とかしてほしいと訴える佳代子。
しかし、小森は営業時間内だと言って、相手にしません。
ざわざわと疑りの目を向ける乗客達に、システムエンジニアの立花弘子(大西礼芳)は怒鳴り散らしました。
「うるせぇな!・・・うちの母が言っていました。心の乱れと気の乱れは関係しているって。今から車内清掃を始めます」
そんななか、乗客のなかでまたしても暴走する者が…。
それは、田中(杉本哲太)。
田中が一人外に出て、水を見つけた姿を目撃した会社員の明石周吾(宮崎秋人)。
彼を追求しようとすると、田中が襲い掛かってきます。
立花は男性、女性、そしてみんなの共有スペースを作り、安心感を作りました。
ようやく水を見つけ出し、田中と明石。
みんなに水を配ろうとせず、お金を要求する田中に歯向かう、玲奈の脚を木の棒で叩き、米澤も跳ね除けます。
「おじさん、何一人占めしとうとしているの」と、玲奈。
「なんだその口の利き方は!」
その横暴ぶりの背景には、家族の中で肩身の狭い思いをし、自分の意見が言えず、おとなしくし続けてきたからでした。
また、会社でも評価が認められず、居場所のなさや嘗められた気持ちを抱き続けていました。
そんな田中に小型ナイフを突きつける、直哉。
「このおっさんをここに置いて良いと思う人いる?」
「暴力はやめろ。そんな見せしめみたいなことするな」
白浜は直哉の暴走を止めます。
「でもこのおっさんはみんなのことを考えずに自分だけ水を独占して、一人暴走している。当然だろ」
それでも、多数決で田中の必要性を問い、田中を連れ戻しました。
田中は我に返り、みんなに不愉快な思いをさせたことを謝りました。
結果、乗客全員が水を飲むことができました。
翌日。
紗枝、白浜、直哉、立花で行動。
そこで、なんと、流れる滝の水を見つけることができました。
ところがその先を歩くと、富士山と海が…。
何十年後の未来だと予測する、白浜。
既に死亡者が多い廃墟か、ウィルス脅威かもしれないと煽る、直哉。
さらに、夫の寺崎茂道(坪倉由幸)と10代の娘、ゆらがいる佳代子は極限状態になり、車両を出ていきます。
専門学校生で動画配信者の米澤(藤原丈一郎)は愛する家族への遺言を動画に撮りました。
母を思い、動画を撮る、立花や、大学の教授にSNSでメッセージを送ろうとする、加藤。
みんなが死を覚悟して、悲しみや不安を抱えていました。
「必ず帰るからね…パパ、ゆら…大好きだよ」
家族を誰よりも愛している佳代子は涙をこぼし、家族との思い出の動画を見ます。
「畑野さんは、誰かにメッセージを残す?」と立花。
「教え子たちや、両親とかですかね」
動画を開こうとする、紗枝。
その頃、警視庁では、永田(濱津隆之)と、村木(白石準也)が行方不明者リストを参考に、捜査会議中。
報道で行方不明になっている白浜たちの様子をテレビで見ていた、直哉の上司、三島すみれ(山口紗弥加)。
そこへ来たのは、直哉の弟、達哉(池田優斗)。
すみれ以外にも、佳代子の夫、寺崎茂道(坪倉由幸)と、中学生の娘、ゆらが。
格好のメディアのネタに2人を獲ろうとするマスコミを、ゆらを守りながら、拒否する寺崎。
「兄貴は死んでねぇよ!何勝手に死んだことにしているだよ!撮るな!」
怒り狂い、被害者たちの会で怒りをぶつける達哉。
直哉は、紗枝に、恋人を亡くしたと言いますが、それははぐらかし。
本当は拘留後に行方不明になった弟、直哉のことを誰よりも気に掛けてしました。
直哉は時運のスマートフォンが充電切れになっても、紗枝があまりにも世話を焼くので、「このお節介ぽわぽわバカ」と悪態をつきます。
「見ず知らずの奴になんでそんな世話焼くんだよ」
「見ず知らずじゃないです…」
ふと、直哉は、紗枝の勤務先の学校を通りがかり、紗枝に一目惚れしていたことを思い出しました。
そして、白浜も、好意を寄せているお好み焼き屋の店員、樋口真緒(志田彩良)のことを思いながら充電が切れたことを確認。
その夜もみんなから離れた田中は歌を歌いながら、何者かが近づく気配を感じ取りました。
ペンディングトレイン~8時23分、明日君と2話~感想・みどころ
水と食料獲得にかけて混乱する乗客達の苦悩や、この大事故に遭うまでの間、家族や大切な人を想ってきた背景が伝わりました。
食料と水のなさから不安を口にし、誰が食料や水を盗んだかと疑心暗鬼になる乗客たちを一喝した、立花は人間的に勇ましかったです。
「心の乱れと気の乱れは同じ」確かに、この状況下で協力することもなく、誰が命綱を奪ったか醜い争いしかできない乗客たちは心が乱れていますよね。
みんなのスペースを作り、衝突を少しでも回避する柔軟さも印象的でした。
大人し気で落ち着いた雰囲気を纏う立花を演じた、大西礼芳さんの口論するみんなを一瞬で我に返らせた場面はカッコいい。
特に、佳代子は家族を誰よりも愛している人だと思いました。
愛する夫と思春期の一人娘、ゆらを想い、料理をしている家族の姿に、「大好きだよ。必ず帰るから待っていてね」と口にしたシーンは涙が止まりませんでした。
みんなのなかで、小森に突っかかり、焦りを一番感じていた彼女の心の奥底は愛する存在があったからなのでしょうね。
普段は冷静沈着な人物を演じることが多い、松雪泰子さんのナイーブな名演が素晴らしいです。
一方で、気性が荒く、情緒不安定に歌ったり、縫物をしたり、大声を上げる田中も目が離せない存在。
みんなのなかで突然、暴走して空気を凍り付かせ、玲奈や米澤のように頑固者な自分に歯向かう若者にも容赦ありません。
特に、玲奈の脚を棒で叩いて跳ね除けた時は彼自身の横暴さが家族に影響を及ぼしているのではないかと疑ってしまいました。
家でも静かで、滅多に声を荒げることなく、家族とのコミュニケーションがなくて、仕事へ行く…。
職場でも部下が自分よりも成長して実績を上げていて悔しさや苛立ちを内に募らせていた反動が今の、田中なのだとわかり、切なくなりました。
一見、気が変になったかと思うくらい、ハラハラさせられる田中。
本当な実直で誠実…。
心に無理をしすぎて生きてきた結果、あのサバイバル環境が逆に彼を解放的にさせ、抑圧されていた気持ち、意見を言えなかった環境を変えようとしていると思いました。
正義感が強い白浜、お節介焼きで可愛い紗枝も、そして、我が道を行き、乗客達の深層心理を探るように挑発的な直哉。
ようやく水を見つけたというのに、みんながペンディングトレインで飛ばされてしまった空間は本当に2026年の未来なのかと疑うくらい何もないですよね。
そしてそこに生息する、怪しげな人物…田中が見たのは一体何なのか気になる2話でした。