ザ・トラベルナース7話あらすじネタバレ
医療従事者を目指す貧しい人を支援する、「フローレンス財団」の理事長の九鬼(中井貴一)は周囲に自分の素性を隠して仕事をしてきました。
しかし、病気と闘いながら、トラベルナースをしていて、ついに、愛川塔子(寺島しのぶ)の前で倒れます。
九鬼は、ジムで筋トレ中に肋骨を痛めた、体制が悪いとひどく痛むと誤魔化しました。
翌朝。
部長の愛川塔子(寺島しのぶ)が復帰。
筋線維芽細胞腫が再発し、「天乃総合メディカルセンター」で再入院中の大学生、三上礼(荒木飛羽)の身体にも異変が!
真琴は礼のPET検査が悪かったことを懸念。
一方で、神野(六角精児)と、天沢太郎(泉澤祐希)が、礼の年齢が21歳であることに対し、礼と同じ歳だった頃の自分は、トリュフを食べたりモテていたとくだらない話をしている憤る、郡司。
なんと、礼は、癌が脳に転移し、外科手術が困難になっていたのです。
歩(岡田将生)が病室を訪ねると、九鬼は得意のメイク術を活かし、礼にハロウィンメイクを施しました。
主治医の郡司真都(菜々緒)も、心を痛めながら、礼の母、七海(青山倫子)に説明。
延命治療効果が望める専門病院で抗がん剤の治療を勧められた七海は、礼の意志を聞かずに、転院を決めました。
礼は、映画祭でシナリオ大賞を受賞したばかり。
礼の大学の友達は、礼を見舞い、シナリオ賞を受賞したことを喜びますが、礼の母親は彼の唯一の楽しみである、交友関係すらシャットアウトさせました。
「映画作りなんて馬鹿な事している暇はないでしょ、治療に専念しなきゃ。あなた達も、礼とのお付き合いを控えてくださる?就活や学業などに忙しいでしょ?」
礼は以前から母とスイス旅行へ行く計画をしていて、礼の就職が決まれば親子で祝福をすることを歩に話しました。
歩はかつて、母を幼き頃に亡くした頃、他の医師たちが見放すなか、歩の母の手をただ一人、握る看護師の優しい記憶を思い出しました。
ここで、九鬼は歩の話を遮ります。
九鬼は彼にできることを、歩と共に模索。
「映画「ゾンビは生きている」を作ってみましょうよ。」
九鬼は、礼が現代で言う「毒親」の関係に、七海となっていることを察知。
母親や友人に言えない本音を隠しているからこそ、自分達看護師は、人を診て人を治すことを歩に促しました。
九鬼は礼に自身の病気の事を話します。
「礼くん、私も命の期限がある病気なんです。礼くんが頑張っていることに関して、すごいなと思う反面、苦しいなと思うことがあります。礼くんの本音を知りたいのです。礼くん、苦しくなったり、現実を忘れたくなったら、僕に曝け出してくれませんか?礼くんのつらさや、怖さ、僕が一番わかるつもりでいるから」
「静さん、なんで僕、病気に選ばれちゃったのかな、静さん、僕まだ何も知らないし、何も見てないよ、やりたいことだってもっといっぱいあるんだよ。就活や卒業旅行へ行ったり、映画とったり、好きな子に告白したり、でも何もできないじゃん。なんで?なんで今なの?ねぇなんで僕なの?死にたくない…静さん、悔しい、生きていたいよ、僕まだ生きていたいよ、静さん。このままいなくなるなんてやだよ」と呟く、礼。
静は、歩を抱き締め、彼の気持ちにそっと応えます。
「やろう、僕たちちゃんとサポートするから」
歩も礼の本音を知り、九鬼と共に、礼をサポートすることに。
自分も病気だって不吉なことを言って、最悪だと歩は皮肉を言います。
歩は九鬼が病気のことは嘘だと思い込んでいる様子。
礼は天乃と郡司に外出許可を頼みます。
「治療が落ち着いてからね」とフォローする、郡司。
2人のなんとも言えない状態に、「それっていつですか?」と強めに問いました。
礼の映画製作は九鬼と歩の協力を経て、大学の友達とリモートで打ち合わせをします。
女優のキャスティングとして、麻美(恒松祐里)にも頼みました。
礼の夢を叶えたい、1日だけの外出許可を出し、ショート映画製作の手助けをします。
歩と、九鬼、看護師の麻美がキャスティング。
事態を知って郡司(菜々緒)が駆け付けますが、出張ドクターとして、ヘルプに入りました。
映画監督を志す、礼を気遣い、撮影を続ける一同。
礼に、歩は静は時折、腹が立つことがあるけど、彼の素晴らしさを知っていることを話ました。
当初は、医大へ行き、医師を志しますが、看護師になることが良かったと今では思っている事を話しました。
病院では、礼の母の七海が怒り狂って、愛川と看護師の森口福美(野呂佳代)に問い詰めていました。
礼が九鬼と歩によって、映画製作をしていることを知った七海は現場へ向かいます。
ラストワンカットを寸前に、呼吸障害が起き始めた、礼。
自分の意思を郡司に伝えるように促しました。
「僕の最後の映画なんです。撮らせてください」
歩と九鬼、郡司は礼に理解を示し、礼は九鬼と歩に支えられながら、ラストカットを撮りました。
「ゾンビは生きている」クランクアップし、礼は生まれて初めて自分のやりたいことをやりきりました。
礼は倒れたまま、転院。
そして、転院先で礼はシナリオを書いている途中で、息を引き取りました。
礼の母親は葬儀の後、院長の天野に抗議。
主治医の郡司まで一緒になって、取り返しのつかないことをしたものだと責め立てる天乃親子。
七海は病院側を訴えると言い出します。
そこで、歩は自分を訴えるように、懇願。
九鬼は、礼が最期に遺した「ゾンビは生きている」のDVDと、母への手紙を添えました。
「自分の最後のわがままです。九鬼さんや那須田さんにも観てほしい」
映画内では、麻美が自分はまだ死にたくない、生きたいというセリフを吐くラストシーンが。
「僕はお母さんの子供に生まれて良かったと思っているよ、ありがとう。この映画を観て僕がいなくなっても、笑っていてほしい。僕は今、最高に生きているって感じがするんだ、本当にみんなありがとう」
礼からのメッセージが流れ、我が子の気持ちが少し伝わったのか、シナリオを抱きしめて嗚咽する、七海。
ここで、九鬼の容態が急変。
九鬼は身体を抑え、誰もいないところへ隠れます。
その様子に気付いた歩は、九鬼を追いました。
「良い映画でしたね・・・笑いがあって感動があって、礼くんにとって…」
九鬼にも、礼と同じように、命のタイムリミットが迫っていました。
ザ・トラベルナース7話感想・みどころ
三上礼くん…なんていい子なんだろう。
母親の七海は、息子が命の危機に直面していて、生きる時間が限られているのにもかかわらず、友達との交友や、映画製作をすることをあんなに強制的に止めさせる行動や話し方に、最初は心の底から腹が立ちました。
子供の交友関係すら親という立場を利用して、抑圧的環境に置く。
礼にとって生きている事を実感できるのが、映画製作。
友達との温かい交流すら、入院生活のなかの唯一、笑顔が増える事なのに。
子供が明日、生死の瀬戸際にいて、普通の学生生活を過ごす事も、社会人になることもできない体で、唯一、夢として叶えたい映画製作をあそこまで止めるなんて、毒親ですよ。
九鬼が礼に、本音を言うことができず、自分のやりたいことを伝えるフォローをした時の言葉の掛け方が素敵すぎました。
「礼くん、僕はあなたの本音を知ることができないのが苦しい。現実を忘れたくなる不安を僕に曝け出して下さい。僕だけは一番、礼君の気持ちを分かるつもりでいるから」
九鬼自身も彼の心に寄り添い、同じ境遇を生きている事から共感だったり、礼が親に逆らえず、ずっと自分の気持ちを閉じ込めていることを察する優しさが滲み出ていますよね。
「まだ生きていたい、でもなんで今なんだろう?なんで病気は自分を選んだの?卒業旅行にも行きたい、就活や好きな子に告白もしたい。これからって時に…なんで僕が病気に選ばれたの?悔しいよ・・・俺、何もできないじゃん・・・生きたいよ。」
礼の心の叫びが、絹を引き裂いたように胸が詰まりました。
自分には何もできない・・・その悔しさや、怒り、計り知れない思いが画面越しから痛いくらいヒリヒリと伝わりました。
九鬼と歩は礼を外に連れ出して、仲間と笑い合う時間、お弁当を食べる事、大好きな映画を撮る事・・・3つのことを経験するプランを練った行動はまさに、スーパーナースですね。
郡司も途中で協力し、出張ドクターとしてサポートするものの、最後の力を振り絞って映画を撮り終えた礼に、お疲れ様と言いたい、大きな花束を贈りたくなりました。
礼が亡くなってすぐに葬儀からそのまま、天乃病院へクレームを言いに来た礼の母、七海を見た時、親の心、子しらずの逆だなって思いました。
礼君が将来、映画を撮りたいという希望も、普通の人生を歩む時間がないからこそ、体が動くうちに、望みをかけようとしている行動すらもまだ、まだ、分からないのか!ってざわざわしました。
しかし、礼の監督映画作品「ゾンビは生きている」が上映された時、脚本と礼の手紙を胸に抱いて泣き崩れた彼女に、ようやく伝わるものがあったのでしょう。
転院先の病院で脚本を書いていた礼が空へゆっくり昇って往った・・・神様は残酷すぎますよ。
そして、九鬼はもう自分の中にある「爆弾」を隠せない状況になっている…。
歩がかつて、亡き母の手を握ってくれた看護師・・・もしかしてそれは、九鬼なのではないでしょうか。
歩が礼に母を幼き日に目の前で亡くした時、医師達が何も処置をしないなか、ただ一人の看護師だけが礼の母の手を握り続けたという話をした時、九鬼がその会話を遮ったのは、確実な何かが隠されているからですよね。
九鬼は歩に、どんな真実を次週、告げるのか、歩は、人を診て、人を治す看護師として、九鬼に何ができるのか、最終回となる来週は必見です。