ヤンドク!6話「さらば!青春の記憶」あらすじネタバレ
鷹山は中田に、宮村亜里沙のデータを書き換えたことを伝えました。
そして、データの一部をシュレッターにかけました。
(中田)さすがは事務局長、用意周到でいらっしゃる、これで安心ですね。
お台場湾岸医療センターに北岡孝典(杉本哲太)が転院してきました。
(高野)北岡孝典さん 63歳。海馬近くに海綿状血管腫を患い、記憶障害です。
記憶をつかさどる海馬近くに海綿状血管腫を患い、記憶障害が進んでいた、孝典。
その詳細をカルテを見ながら、看護師長の高野から聞く、湖音波。
(高野)北岡孝典さん63歳、芝浦中央病院からの紹介で転院してきました。左側頭葉の海綿状血管腫です。
(湖音波)海馬近くか。珍しいっすね。
(高野)何度も出血を繰り返しており、記憶障害が進んでいるようです。
そこへ看護師の松岡佳世(薄幸【納言】)が孝典がいないと駈け込んできました。
(高野)いや、頼むよ初日だぞ。いなくなったって。
(松本)済みません。北岡さんいません。ご家族が手続している間にいなくなったみたいで。
転院初日、家族が目を離した隙に、病室を抜け出し、院内食堂を訪れました。
(孝典)すみませんカレーライス一つ
(湖五郎)済みません、まだ営業時間前出し。ここスタッフ専用なんです。お腹空いているなら、1階にカフェが。やっぱり北岡孝典や。こいつは俺の宿命のライバルだ。俺、田上湖吾郎や。久しぶり
(湖音波)ちょっと済みません。北岡孝典さんですね。病室に戻りましょう。え、お父さん知り合い?
(孝典)田上湖吾郎さん?済みませんちょっと覚えてなくて
(湖吾郎)なにすっとぼけたこと言ってんだ、たぁけが!
食堂で回転準備をしていた脳神経外科医、田上湖音波(橋本環奈)の父親、田上湖五郎(吉田鋼太郎)は、突然、現れた孝典を見て喜びました。
湖吾郎と孝典は知り合いで、元ヤン時代のライバルでした。
しかし、孝典は記憶障害で、湖吾郎のことを全く覚えていません。
妻の真理子(櫻井淳子)は、半年前から物覚えが悪くなり、ここ1か月は昔の記憶も覚えていないとのことでした。
(真理子)お父さん、お願いだからじっとしててー
(孝典)だって、お腹空いちゃって
(湖音波)なに食べたかったんですか?
(孝典)えっとなんだっけな。
(湖音波)カレーライス食べようとしていたみたいです。ではお名前フルネームで宜しいでしょうか?
(孝典)北岡孝典です。
(湖音波)生年月日もお願いします。
(孝典)昭和37年の8月。
(湖音波)ここはどこか分かりますか?
(孝典)済みません。病院ですよね?
(真理子)それは私の誕生日。お父さんは5月20日生まれ。
(湖音波)謝らなくて大丈夫です。ここはお台場湾岸医療センターです。孝典さんは芝浦の病院から転院してきたんです。
(真理子)お父さん、朝言ったでしょ。
(孝典)聞いてない
(真理子)言ったの!
(湖音波)まぁまぁ後でお話しましょう。孝典さん、検査していきましょう。
一旦、真理子に席を外してもらい、湖音波は彼女から、孝典のこれまでの経緯を確認しました。
(湖音波)孝典さんお仕事は
(真理子)ああ、洋食屋さんで調理師を。体調を壊してから引退しました。
(湖音波)記憶力はどうですか?
(真理子)ここ最近は、半年前に最近のことが覚えられなくなって。ここ1か月は昔の湖とも忘れるようになって、仕事も辞めました
(湖吾郎)済みません。田上と申します。孝典さんとは岐阜の頃からよく知っておりまして、孝典、体悪いんですか
(湖音波)自分の父です。病院の食堂で働いていて、孝典さんともそこで会って。
(真理子)はい。脳の病気で記憶障害が酷くて、前の病院でこちらで手術を受けたほうがいいと。向こうの病院で、手術をすれば命は助かるんですが、記憶がなくなる可能性があると…。
(湖五郎)孝典に会ってもいいですか?
手術すれば命は助かるのですが、記憶がなくなるかもしれないと聞いた湖吾郎。
孝典の病室を訪れ、高校時代の思い出を話し始めます。
それぞれが通う高校で番長だった2人は地元一のマドンナを巡ってタイマンを貼っていました。
(湖吾郎)孝典、さっきは急に声掛けて悪かったな。田上だ。覚えてないか?北高でバン張ってた。田上湖五郎だ。孝典は、西高で、バン張ってたよな?俺ら何回もタイマン張っていったじゃないか。思い出せ!2人ともリーゼント決めてドカン履いて、眼くれたったやないか!翔子を取り合った
(真理子)バンって?
(湖音波)番長のことっすね
(真理子)お父さん番長だったの?
(孝典)言われてみれば、着ていたような。ただぼんやり映像は浮かぶんだけど、ぼーとしていて
無理やり思い出さそうとする湖吾郎の一方通行な態度を、湖音波は医師として厳しく注意しました。
(湖音波)この病気の患者さんは覚えていないことを責められると凄く混乱する。だから無理に思い出させようとしないで!
(湖五郎)手術したらなにも思い出せなくなるんだろ。そんなの悲しすぎるじゃないか。
脳神経外科にて、大友のくだらない話を聞く、鈴木(宮世琉弥)、高野(馬場徹)。
(大友)なんなんだそれはマジで考えられない。院内規則的に許されるの?ねぇ高野さんどう思う?
(高野)なにをぐちぐち言ってるんですか
(鈴木)僕とソン先生が皮膚科のナースとご飯行ったのが気に食わないんです。
(大友)違う。申請を出してないのに会食に行ったことが規則に反することだと問題提起をしている。
(看護師ソン・リーハン)【許豊凡(INI)】プライベートですよ。
(高田)なら別に構いませんよ。
(大友)甘い、小児科で出すシロップ薬くらい甘すぎる。高野さん、あなた歩くルールブックじゃなかったのか。院内のスタッフ同士で行ってる。明らかに業務の延長だ。
(看護師)大友先生、皮膚科の美穂ちゃん気に入っていましたもんね
(高野)そういうことですか
(ソン)その子、そうらさんが連絡先交換していました。
(大友)鈴木!まさかその子と付き合うつもりか?
(鈴木)大友先生、昭和すぎーてか、僕、誰かと付き合う気ないので。1人のほうが気楽でいいんです。
(ソン)もったいない。そうら先生モテるのにー
(大友)そんなこと言ってられるの20代だけだぞ 40超えたら一人は寂しいぞ。
(松本)北岡孝典さん、湖音波先生が食堂で見つけてくれました。
湖音波は、孝典の状況を皆に説明します。
(湖音波)うちの父親の古い知り合いみたいで。ただ孝典さん父のこと全く覚えてなくて。
(大友)どの辺に病変があるんだ
(湖音波)MRIで調べたところ、左側頭葉の内側、海馬のすぐ近くに、海綿性血管腫がありました。最近の記憶だけじゃなく、昔のことも思い出せなくなっているのは、その周辺の神経が徐々に傷んできているからだと思います。
(ソン)オペする?
(湖音波)まだ判断が出来ない。手術で腫瘍を摘出すれば再出血のリスクは減ります。ただ、海馬を触れば、記憶そのものが消えるかもしれない。
湖音波が言うように、北岡孝典の症状は気和得て申告でした。
(湖音波)今朝のMRI調子悪いっすね。出血が広がっているのかも。
(松本)【薄幸(納言)】テストのスコアも昨日より落ちていました。
(湖音波)やっぱり手術するしかないっすね
それでも粘り続ける湖吾郎は、革ジャンとリーゼントヘアスタイルで、孝典に思い出させようと試みます。
(湖五郎)俺だよ、湖五郎だよ!孝典、よう見ろ。この格好見て思い出さないか。昔のリーゼントのヘアスタイルを見たら思い出すかと。
(湖音波)だから無理するなって言っただろ!
(孝典)済みません。ちょっとびっくりしちゃって。
それでも、湖五郎は諦めが悪く、必死に孝典に話しかけました。
(湖五郎)俺は親父の食堂を継いでお前は東京屋の洋食屋でコックになった。今度は喧嘩じゃなくて!料理で勝負しようって話したの覚えてるか?!
(湖音波)お父さん!済みません、父が勝手に。ソウラくん、外連れて行って
湖音波と看護師の鈴木颯良(宮世琉弥)が慌てて病室の外に連れ出そうとします。
(孝典)済みません、覚えてないです。晶也…見舞いに来てくれたのか。
(真理子)なに言ってるのお父さん、晶也じゃないの。ここの看護師さんよ
(孝典)何言ってんだ、母さん晶也だよ。カナダからわざわざ来てくれたのか。
彼には10年前に亡くなった息子、晶也がいました。
(湖音波)息子さんカナダにいらっしゃるんですか
(湖吾郎)呼んであげたら
(真理子)息子の晶也は10年前に亡くなりました。カナダに留学していたんですが、事故に遭って。あの時ショックで、毎日、泣いてばかりいました。何もする気力が起きなくなって。いっそのこと死にたいと思ったくらいで、でも夫がずっと支えてくれたんです。あの人だって悲しかったはずなのに、私の前では弱音も吐かないで。晶也の話をしたら私が壊れるって気を遣って。心の奥で晶也への想いを我慢していたんだと思うんです。さっきの夫を見てそう確信しました。
(湖五郎)亡くなった…。
湖五郎と湖音波、鈴木は、孝典の背景を知り、胸を痛めました。
息子と同世代の鈴木を我が子と間違えたのです。
(鈴木)あの、僕ってそんなに似ているんですか?
(真理子)同世代だったので息子に見えたんだと思います。
湖吾郎は、晶也のふりをしてくれないかと鈴木に頼みました。
(湖吾郎)【吉田鋼太郎】孝典の息子のふりしてやってくれないか?だってもうすぐ手術するんだろ。なにもかも忘れてしまう前に息子との思い出を味合わせてくれないか。頼む、この通りだ
しかし、鈴木は断りました。
(鈴木)お断りします。嘘をついても患者さんを苦しめるだけです。
(湖吾郎)どうして?!
父の気持ちもわかる反面、医師として鈴木の正しさも共感する、湖音波。
一方で、鈴木は手術台の掃除をすると、トラウマを思い出しました。
それに気づいた中田はそっと声を掛けました。
(中田)手術台を掃除までやる看護師は君ぐらい。君はいつも昔のことを思い出すとそれをやるな。人間の脳は、つらい記憶程、強く刻まれると言われている。ただその上に新しい経験を重ねれば、記憶は書き換わる。
(鈴木)無理です。忘れるなんてできませんよ。
湖音波は中田が北岡孝典のカルテを見ている時に話しかけます
(湖音波)中田先生、まだいたんですか
(中田)君は?
(湖音波)北岡孝典さんの奥さんと手術について話していました。中田先生、鈴木くんのこと聞きたいことあるんすけど。
(中田)鈴木颯良がうちの病院に来た時、何故、脳神経外科で働きたいか志望動機を聞いた。高校生の時、同じ音楽部に所属していた恋人が脳腫瘍になったそうだ。左側頭葉の内側、海馬のすぐ近く。今回の北岡孝典さんと同じ場所だ。自分が絶対に治らないことを知ってしまい、鈴木颯良を避けるようになった。それから半年後、脳神経外科の看護師を選んだのは、彼女と同じ病気の人に寄り添いたいから。
【回想シーン 学生時代の颯良と優菜】
優菜は今の北浦と同じ病気でした。
そんな彼女に「絶対治る」といったことに責任を感じています。
(鈴木)優菜が好きなプリン買ってきたよ。一緒に食べよう。
(鈴木の学生時代の恋人 優菜)いらない。ソウラ。私、治るのかな、またピアノ弾けるようになるかな
(鈴木)ちゃんと食べないと、元気でないよ。絶対元気になってまた一緒にピアノを弾こう
鈴木の過去を聞く、湖音波
翌朝。
孝典に手術のことを言う、湖音波。
(湖音波)北岡さんの手術、1週間後に行うことになりました。
(孝典)手術?なんの?
(真理子)脳の手術よ
(湖音波)腫瘍の位置が近いので少し時間はかかりますがしっかりやります。
(真理子)お父さん、頑張ろうね。晶也はもう亡くなったの。
(孝典)晶也は?昨日来ていたじゃないか?いない?何言ってんだ母さん。くだらない冗談はやめなさい。親より早く息子が死ぬわけないだろ。晶也と約束したんだよ。カナダから帰ってきたら就職して、初任給でご馳走してくれるって。そ美味いもの食べようって、そしたら一緒にキャッチボールもしようって
真理子を気遣う、湖音波。
(湖音波)大丈夫ですか、どうぞ
(真理子)あんな約束初めて聞きました。私が思い出さないように一人で抱え込んでいたんでしょうね。私のせいでずっとあの人の事苦しめてしまった。最後に叶えてあげたかったな。約束。
湖音波は鈴木に、手術をすれば全部記憶がなくなる孝典の為に僅かな時間のなかで、息子、晶也のふりをしてくれないか懇願しました。
(湖音波)ソウラくん、お願いがあります。1日だけ、いや数時間だけでもいいっす。孝典さんの息子になってもらえませんか?
(鈴木)ことは先生まで何を言ってるんですか。だったら嘘ですよね やりたくありません
(湖音波)でも!孝典さん、記憶が曖昧なのに、自分に息子がいたことを覚えていました。キャッチボールをする約束まで、それだけでも叶えてあげられませんか?!
(鈴木)綺麗ごと言わないでください!僕は嘘をついてまで誰かを苦しめたくないんです。誰かの役に立つんですか
(湖音波)自分も嘘は嫌いです!でも誰かを幸せにするための嘘なら希望なんじゃないですか!孝典さんだけじゃない、孝典さんは手術をすれば記憶がなくなります。真理子さんのためなんです。息子さんとの約束を果たしてくれたのに自分は何もできなかったと後悔します。患者さんとご家族がどう生きるのか、その先まで考えるのが医者の仕事だと思います。少しの間だけでいいんです。嘘をついてください、これは颯良くんにしかつけない嘘なんです!お願いします!
その日、湖五郎は、ヤンキー時代の元患者の友人、城島麗奈(内田理央)に電話しました。
翌日、北岡孝典に外出許可が出ました。
看護師長の高野(馬場徹)に諸注意を受けながら、湖音波と鈴木は、1日だけでも北浦の「息子」として過ごすことなりました。
(高野)まったく中田先生もなんでオッケー出すかな
(湖音波)大丈夫っすよ、すぐ戻って来ますので。
(高野)田上先生、釈迦に説法だとは思いますが、とにかく無理はさせないでください。移動はゆっくり、会談と人混みは回避してください。大きな音と強い光はNG,カフェインとアルコールは当然NG.転倒リスクがあるから歩くときは必ず手を添えてください。鈴木君あくまでもこれは特例です。君は看護師として、同伴するだけですから。
(湖音波)わかってます…うん。
(湖音波)真理子さんのメモ頭に入ってます?もし、会話に詰まったとしても否定せず、合わせるように。
(鈴木)だいたい覚えました。
(ソン)中国のことわざです。嘘も一つの策である。
湖音波は会話に詰まった時の為に、「晶也」についてのスマホに書いたメモを見せました。
大友も協力してくれました。
(大友)これ使え。昔、父親が買ってくれたけど僕は頭にボールが当たるのが嫌だった。
(湖音波)絶対新品っしょ
(大友)煩い。まさかお前その恰好で行くつもりか。目立ちすぎるだろ。
湖音波のヤンキースタイルの上着を指摘する大友。
(湖音波)そうっすね。
(高野)良いですね、絶対2時間で帰ってくること!
孝典と真理子の前で、颯良は「晶也」のふりをすることになります。
真理子は湖音波と鈴木の優しさに涙ぐんで感謝しました。
まずは家族の時間として食事を楽しむことにしました。
(鈴木)ごめん、お父さん、遅くなって。腹減ったから昼飯食おう。俺が店とったからそこ行こう。初任給入ったからそこに行こう。
(孝典)お父さんコックだったから味煩いぞ。トマト好きだったよな、トマトやる
鈴木はトマトが苦手で、湖音波は遠くの席から鈴木に食べるよう、合図しました。
(鈴木)トマト美味い
(孝典)母さんのもあげなさい。いやー久し振りにお腹いっぱいだよ。
(鈴木)じゃあ腹ごなしにキャッチボールでもする?
(孝典)おお、いいね。
キャッチボールをする2人。
(鈴木)ナイスキャッチ
(孝典)当たり前やないか。ごめんごめんまだウォームアップしてないから。
(真理子)感謝しています。まさか、こんな日が来るなんて夢みたい
(孝典)母さんもやろう
(鈴木)お父さんどうだった?
(孝典)楽しかった
湖五郎と麗奈が来ました。
湖五郎は麗奈と学生服姿で、孝典に昔の記憶を思い出させようとします。
(湖五郎)孝典が言ってただろ。映像は思い出すけど誰かは分からないって。昔と同じシチュエーションなら、思い出すかもしれない。
(麗奈)湖吾郎さんに頼まれて。孝典さんにお礼が言いたいんだって。
(湖音波)お父さん!お父さん!
止める湖音波を湖五郎は押しのけました。
(湖五郎)いいから離せって!お前、西高でバン張ってる。北岡孝典だろ?俺は北高でバン張ってる田上湖五郎だ。今日は地元一のマドンナの翔子連れてきたぞ。俺の食堂のどて煮に赤ワイン入れろって教えてくれたのは孝典だ!おかげでうちの食堂の看板メニューになった。一瞬だけでも、ありがとうが言いたいんだ!
麗奈も湖五郎と孝典が学生時代に取り合っていた翔子を演じます。
(麗奈)あんたが西高の孝典か。あたいと付き合いたいなら2人でタイマン張りな!勝ったほうと付き合ってもいいよ。
すると、孝典の記憶が一瞬戻ったような状況になりました。
(湖五郎)孝典、俺が分かるのか!
(孝典)このくそ戯け。たこのりが。翔子を俺のスケに。
しかし、孝典は晶也が亡くなったことを思い出し、みんなが自分を騙したと怒りだしました。
(孝典)誰だ、君は?
(真理子)お父さん、晶也よ
(孝典)晶也はとっくに死んだだろ。みんなで俺を騙したのか?!
(真理子)違う!違うの。
その瞬間、孝典は倒れてしまいました。
慌てて、孝典の手術が開始されました。
(湖音波)これより、左側頭葉海馬の海綿状血管腫摘出術を始めます。
手術を終えた湖音波は、孝典の病状と今後を真理子に伝えました。
(湖音波)北岡孝典さんの手術、無事終わりました。容体が落ち着いたら、一般病棟に移ってリハビリを始めます。孝典さん、食べたり、飲んだり基本的なことはできます。ただ、腫瘍が記憶を貯める場所に近かったので、古い記憶もかなり失われているのかもしれません。もしかしたら真理子さんの名前も思い出せないかもしれません。
麗奈と湖吾郎は真理子に勝手な気持ちで動いたことを謝りました。
(麗奈)済みませんでした。何も知らずにあんなことして。
(湖五郎)本当に申し訳ありませんでした。
真理子は麗奈と湖吾郎を責めるどころか、気遣いながら感謝しました。
(真理子)皆さんには本当に感謝しています。久し振りにあの人の楽しそうな顔が見れました。あの瞬間だけ病気のことも何もかも忘れて父親に戻っていました。ずっとやりたかったことを叶えられて本当に良かったです。それにツッパリの頃の夫も見れたし。今日という日のおかげでこれからの人生2人で乗り越えていけそうです。本当に有難う御座いました。
そして手術を終えた孝典。
(真理子)良いお天気だよ、お父さん
湖五郎は食堂で仕事をしながら、涙ぐみました。
そこへ中田が声を掛けました。
(中田)北岡孝典さん古いご友人だそうですね。オペが無事終わって良かったです
(孝典)だけどアイツ何もかも忘れちまって
(中田)何もかも忘れたわけではありませんよ。人間の脳は不思議なものです。言葉や出来事は忘れても、音や匂いには反応することがあります。海馬が傷ついても偏桃体は生きている。懐かしいにおいや音は理屈じゃなく、心に届くんです。
湖音波は孝典に湖五郎を会わせました。
孝典はどて煮を作って持っていきました。
(湖音波)済みません父がちょっと話したいことあるそうで。
(真理子)お父さんの古いお友達よ。
(湖五郎)孝典、お昼まだだろ?どて煮作って来た。田上食堂の看板メニューだ。お前が赤ワイン入れてみろって言ったから出来たメニューだぞ。いいから食ってみろ。どうだ?
(孝典)美味い。俺が言っただろ
奇跡的に一瞬だけまた、孝典の記憶が思い出されましたが、また、彼は湖五郎が誰だったかも忘れてしまいました。
(湖五郎)うるせぇ!たぁけ!でも…ありがとうな
孝典はどてにを美味しそうに食べました。
(鈴木)孝典さん記憶戻ったんですか
(湖音波)一瞬だけ昔の表情に戻りました。ソウラくんの彼女さん、潮風病院に入院していたんですね。ごめんなさい、中田先生から聞きました。これ、潮風病院の担当医の先生から預かって来ました。彼女、亡くなる直前までリハビリ頑張っていたそうですよ。そうらくんが治るって言ったこと信じてたんじゃないんすかね
湖音波は鈴木に、潮風病院で、優菜がリハビリをしている映像データを渡しました。
それをパソコンで見る、鈴木。
理学療法士に見守られながら、おもちゃのピアノを演奏する、優菜。
その映像を階段で見た鈴木は涙を流すのでした。
屋上で中田に礼を言う、湖音波。
(湖音波)有難うございました。父、凄く喜んでいました。ソウラくんのことも担当医の先生まで繋げてくれて本当に感謝しています。
(中田)ただ独り言を言っただけだ。鈴木はうちの戦力だ。いつまでも情に流されて判断を誤ったら困る。
(湖音波)大切な人を失ったんです。すぐには前向けないっすよ。自分も真理愛の墓まだ行けてないので。とにかく自分、中田先生の気持ちわかってますから。ここ絶対いい病院になりますよ。その為なら自分、なんでも協力しますので。
しかし、中田は湖音波の気持ちとは裏側に、鷹山から電話がかかりました。
なんと、鷹山は、中田の弱みを握るため、離婚して離れて暮らす小学生の一人娘、こころを懐柔していました。
(鷹山)可愛いお客様がいますよ。娘さんからお父さんの話沢山聞きました。
(中田)なんで娘が…そこに
(鷹山)さぁ何故でしょうね。
ヤンドク!6話「さらば!青春の記憶」感想・みどころ
海綿状血管の影響で、記憶障害が激しい、孝典。
10年前に留学先で、一人息子の晶也を亡くし、記憶の混同から、鈴木を晶也だと思い込んで喜ぶ場面は、ハンカチが何枚あっても足りませんね。
杉本哲太さんの名演が本日も素晴らしく、鈴木を見る目線が温かい父そのものでした。
無茶苦茶な湖五郎のお節介もあり、一瞬だけ記憶が軽く蘇り、どて煮を食べて自分がアイディアを出したことを思い出した笑顔はさらに涙が止まりませんでした。
湖五郎は一方通行でちょっと強引ですが、湖音波と同じく、人情に厚くて困った人を見過ごせない愛を感じました。
今回は麗奈も協力していて、ヤンキーに扮した場面は、シリアスなストーリーに笑いの花を添えていたと思います。
湖音波が鈴木に、1日、数時間だけでも、晶也の代わりをしてほしいと頼むシーンも、心が震えました。
「患者と家族のその先を考えるのも医師の仕事」
湖音波は患者の傍に立った愛情深い医師ですね。
鈴木の恋人を亡くした過去も明らかになり、鮮明で繊細な記憶が切なかったですね。
「絶対治る」なんて言葉をかけたがために…。
私も大切な友人を昨年に亡くしたので、湖音波の「大切な人を失ったからすぐには前を向けないっすよ」という部分はとても共感しました。
鈴木も、湖音波の粋な計らいのおかげで、生前の優菜の姿を見て、今は無理かもしれないけど、時間をかけて前を向けるといいな。
田上親子の思いやりと、鈴木の心が動き、北岡孝典は家族としての時間を過ごすことが出来ましたね。
北岡の妻の真理子が、病気のことも何もかも忘れて、父親の顔に戻っていたという言葉もその通りで、自分の家族のことのように嬉しかったです。
そして、鷹山が中田の弱点である、娘、こころを呼びだして探り出そうとしたラスト。
鷹山の言う通りに動き出してしまっている中田がますます心配になる場面でした。