100万回言えばよかった3話あらすじネタバレ
尾崎莉桜が事件に関わっているかもしれないと考えた、幽霊の直木。
(佐藤健)と譲(松山ケンイチ)は莉桜に会おうとする悠依(井上真央)を心配し、彼女の元へ急ぎます。
その場所には、池澤(荒川良々)がいて、子供の面談が終わってから偶然、カフェへ。
なんとか間に合って、直木と譲は、悠依を見つけました。
その後、魚住譲は悠依に直木が殺人事件に関与している可能性が浮上。
同僚の田島(少路勇介)に上に相談してもらい、警視庁へ悠依を連れてきた譲。
霊となって見守り、直木の防犯カメラ映像と直木の周辺人物を確認した悠依は、どの人物も心当たりがないと答えました。
しかし、悠依は直木の家族のことなど全てを知っているわけではないが、決して人を傷つける人じゃないと確信し、真実を知りたいと譲に訴えるのでした。
直木はもう一人の幽霊で、謎めいた男、樋口昌通(板倉俊之)に連れられて、「上田ビル」へ。
そのビルは、樋口の元職場。
「幽霊しぐさと言って通り抜けは簡単だけど者に触れない、物体としてもやっとしていて、自分達は存在していること、物を自然と動かせる力があるんだ」
幽霊としての新しい生き方を直木に伝授する、昌通。
その頃、悠依の美容室には、莉桜(香里奈)が正体を隠して客として来店。
年の差の旦那がいることを伝え、何気ない客として会話をする、莉桜。
「以前どこかでお会いしていませんか?」
「いいえ」と微笑む莉桜。
その日の夜、悠依の家で譲と直木は夕飯を食べることに。
悠依は以前、自分に思い出のハンバーグを直木が譲の身体を借りて作った事を指摘。
「うんま~」と、できたステーキの匂いを嗅ぐ直木。
そのことを悠依に伝える譲。
ここで、10年前にオムライスを悠依が直木に作った時に、「うまい」と言って食べてくれた過去を思い出す、悠依。
ソファーで眠る直木を感じながら、譲に思いを伝える悠依。
「直木のつらい気持ち、寂しさを少しでも軽くしてあげたい。一番つらいのは直木ですよね」
翌日。
宋(シム・ウンギョン)に脳を診てもらい、異常がないことを知り、安堵する悠依。
「幽霊が見えることはありますか?」
「ありますよ。実際には幽霊は存在しません。脳がそう錯覚させてみさせることがあります」
悠依の前では普通に振舞う宋ですが、彼女は悠依と一緒に歩いている譲について彼女自身が感じる違和感を覚えました。
「先日、病院にいらしていた方はご家族ですか?」
「あなたにも見えるんですか?…ああ、魚住さんのことですか?事情があって知り合った警察官です」
「知人によく似ていて、本当にそっくりなんです。夫です…でした、かな。でも夫は韓国人なので匂いますね」
「でしたってことは離婚されたんですか?」
「亡くなったんです…事故で」
思わず言葉を詰まらせる、悠依。
事件解決に向けて、捜査が進むなか、譲は田島(少路勇介)は捜査一課で会議をし、家族と関係者を洗うことにします。
そこで、2人は、直木の父親(相島一之)を訪ねます。
「次男が生まれてから、私達の関係は元々、親子仲が良くなくて、20年会っていません。高校で寮に入ってから離れ離れです。次男は難しい病気で…。実は正直、本音を言うと、直木と離れられてホッとしていますよ。向こうももう大人だ、正直こっちはもう関係ない。」
あまりにも、複雑化した直木の親子事情を聞いた、譲は、田島に直木の事を打ち明けようと決意します。
「まいったなーお前に現場離れられるときついんだよ」
「僕は直木さんの幽霊を見たんです。彼から本音を聞きました。」
田島は譲の心神喪失を疑い、心配します。
その夜、悠依は莉桜が防犯カメラに映っているのを確認。
自分の美容院に来客したことを直木と譲に確認。
なんと、尾崎莉桜は、一流起業家の石岡せいじろう(長谷川初範)の妻、石岡美也子と名乗っていました。
元々、石岡と「美也子」こと、尾崎莉桜はホステスと店の客の関係でした。
悠依の美容室にいた当時も、石岡美也子と名乗っていました。
警視庁で譲は、直木が家庭環境で愛されていなかった事実を述べました。
また、莉桜が悠依と直木と同じ里親家庭で育ったことも告げました。
直木の母が急に、悠依に会いたいと連絡してきました。
そこで、直木の許可をとった譲は、直木の母親(長野里美)悠依が会うように電話で伝達します。
「長い事あの子を放置しておいて、今更ですが・・・行きそうな場所を教えてください。私は直木の居場所が知りたいんです、どうしても。」
一見、ごく普通の子供を心配する母親。
拓海という8つ離れた弟がいて、血を作る細胞に影響が出る難病でした。
HLAという骨髄の型があり、その適合率が一番高いのが、直木だったのです。
直木はそこで、弟のドナーになった過去が2度ありました。
そのことで、直木と拓海の件で、2回も息子をドナーになった事がありました。
当初、父親は直木に二度もドナーをさせたことを妻の佳織(長野里美)に相談。
そして、思わず混乱していた父親は、直木を殴りつけてしまいます。
直木は里親施設へ行く前、父親の虐待が横行。
暴力を振るわれていた里美と直木。
そこで、直木は母親に児童相談所へ行くことを告げます。
佳織は精神的に壊れていて、息子に、「あなたはここにいなくちゃだめなのよ」と視点が合っていない目で、直木が逃げる機会を奪いました。
直木は、悠依と同じ里親の元へ行ってからも弟の拓海の事を気に掛けて、佳織に連絡。
しかも、直木にその後も、拓海のために移植をさせる時だけコンタクトをとっていました。
直木の母、佳織は長男、直木の命や存在をどうとも思っていないのです。
悠依と話す今も、佳織は、直木がもしかしたら亡くなっていることを告げられても、こんな信じられない言葉を口にします。
「拓海の手術どうしよう」
あまりの態度と彼女の人間性に、言葉を失う、悠依と譲。
そして、母の非情な性格が変わらないことを察する、直木。
つまり、直木は弟の病気を治すための道具として利用され続けた少年期を一時的に過ごしてきたのです。
現在に戻り、幽霊の直木と現実を生きる、悠依。
「直木、聞いている?あなたが好き、あなたが大好きです。そこに理由なんかないよ」
悠依の温かさに思わず涙する直木。
「悠依にこの顔、見られていなくてよかった」
心から直木を一人の人間として愛する存在が悠依だと確信した直木。
しかし、悠依には彼の姿が見えなくなってしまった現実に、直木の心は悠依への愛と切なさで溢れるのでした。
その頃、直木と思われるある人物の遺体が雑木林で見つかりました。
100万回言えばよかった3話感想・みどころ
直木が悠依と譲が作るステーキの薫りを感じて、「うんま」と言っている姿はなんとも心がいっぱいになる程、切なくて、素直な少年に戻ったかのような無邪気な表情が忘れられません。
直木が亡くなる前後に起こった、第一被害者、涼香と接触し、彼女を騙していたと思われる、尾崎莉桜。
香里奈さんの一見、人畜無害に見えて、内に秘めた闇の部分が覗いていて、美容院で悠依の客として何食わぬ顔で来店する姿は背筋がゾクっとしました。
そして、後半は直木の家庭事情にフォーカスが当たりましたが、あまりにも酷すぎると感じました。
相島一之さん演じた、直木の父は当初、長男が度々、次男、拓海のドナーに妻の佳織によって利用され続けていることに声を荒げたものの、佳織は元々、拓海だけが彼女にとっての「我が子」。
息子が夫から自分共々、次男のことでストレスのはけ口にDVを受けても、「あなたはここにいないと困る」という人間とも親とも思えない常軌を逸した言葉。
直木の生きてきた環境を思えば、佳織の言葉の圧力や歪んだ価値観に憤りを感じました。
自分の息子の身体、存在は、彼女にとって次男を生かし続けるための「道具」にしかない。
二回もドナーにさせておいて、里親に預けられても、拓海がまた病気になった時だけ長男に連絡をとるとか、もはや人の姿をした怪物にしか思えませんでした。
おぞましい親との関係を生き延びたにもかかわらず、直木が優しすぎる人間になったことは救いですね。
父親も直木とは20年以来、会っていない、自分にはもう関係ないし、縁が切れて正直ほっとしたと言える他人事な態度が心苦しいですね。
息子が亡くなったかもしれないと聞かされても、直木の存在などなかったことのようにしています。
直木が父親の混乱している状況を頭のキレで察し、殴りつけられた時、この父親も元々は拓海のほうが可愛いという点では妻、佳織と同類だなという感じはします。
ラストシーンで、悠依が直木を大好きで、そこに理由なんかないと言った場面は全視聴者が泣いたことでしょう。
なんとも心が温かくなると同時に、直木には悠依が見えていても、悠依からは直木が見えないとてつもない切なさが込み上げてきますよね。
直木にとって、悠依がようやく出会えた彼を一人の人間として愛し、大切に関係を繋ごうとしていた存在であったことが喜ばしい4話でした。
ちらっと直木なのか分からないけど、ある人物の遺体が匂わせていたり、まだまだこれから登場する、莉桜の存在にも注目していきたいと思います。