新宿野戦病院5話あらすじネタバレ
ここは新宿歌舞伎町。
ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が院長、高峰啓介(柄本明)とリツコ・ニシ・フリーマン(余貴美子)の不倫の末にできた娘だと知りました。
「望まれない子どもはずっと苦しいの!覚えておいて。」
高峰の長女でソーシャルワーカーのはずき(平岩紙)は、同じくして、マユ(伊東蒼)をDVしている母の彼氏、シンゴ(趙氓和)が聖まごころ病院に怒鳴り込んできたことを知ります。
「なんですか?警察呼びますよ?」
はづきは思わず声を出します。
見つけたマユを追いかけようとするものの、ヨーコは彼が破傷風にかかっていることを見抜きました。
「あんた顎が動かなくなり、多臓器不全で動かなくなる。戦地で見た。」
「お願いだよ!助けてくれよ!」とシンゴ。
そんな彼に、高峰亨(仲野太賀)は残酷に告げました。
「どうしても助かるなら切断しかないですね。」
マユはシンゴに対して刑事告訴し、接近禁止命令が出されて事なきを得ました。
シンゴはあっという間に報道されます。
「あんな奴、治療しなくて良かったのに」
「命は罪人でも、DVでも助ける。それが医者じゃ。」
「結局、膿がたまっていただけ」
「接近禁止命令が出るから。」
「アメリカだと懲役30年じゃけ。ところで顔白、白兎何が言いたいか」「
「うちらのことでしょ」
「いやいや、自分のことだと思う」と岡本勇太(濱田岳)。
そんななか、自分が啓介の娘と知らないヨウコははづきに違和感を拭えません。
事情を知る啓介とリツコ、そして経理担当の白木(高畑淳子)は今後のことを話しました。
「ヨウコさんに、病院を継いでもらう。腕がいいわけじゃない、雑だし言葉遣いも風貌。」
「院長が死んでヨウコ先生が継いだら、白木どうなります?」
「俺が死んでからにしてよ。命と向き合う正しい資格がある。お母さんの顔、ちらつくし、あなたがそこにいるの気分悪いから無理!」
はづきはリツコも敵対視します。
「アメリカでは軍医は優秀。優遇され、大病院のヘッドハンティングもある。」
啓介はヨウコに病院を継いでもらいたいと話しますが、それを聞いたはずきは大反対します。
リツコはヨウコがとても優秀な医者だと知りました。
それを聞いて医者ではないヨウコと自分を比べ、たまらなくなったはずきは、病院を飛び出してしまいます。
そして、ホストクラブで憂さ晴らしするのでした。
マユも母親のカヨ(臼田あさ美)と今後の生活ついて話し合うことに。
児童福祉士の犬居も同席。
「高校卒業するまで児童養護施設で暮らす選択もあります。」
「マユと一緒にやり直したいです。マユの母でいられる時間、限られているし…高校からうちは近いですし、どうかなマユ?」
「携帯変えた?」
「え…?」
「てか引っ越さないの?母親でいられる時間、とっくに終わっている。娘だと思う時間、私も終わった。あんたが母親、ごめん、無理。記憶喪失にもならない限り。家族?はぁ?あんたもうちもあの男も3人とも病気なの!だから一人で生きていくしかない。携帯変えろよ。引っ越せよ。ほら、早く学習しろよ!」
マユは積もりに積もった怒りをぶつけました。
その目には涙が浮かんでいました。
舞(橋本愛)と亨は、宮崎家の問題に心の疲労を感じました。
「情けない、こんなに言われても腹も立たない。」
「はぁ、しんどい」
「マユちゃんのほうがお母さんだったね。何も言えなくてずっと苦しかったんだろうから。言えなくて今もひどい目に遭っている子もいるね。」
「私もすっきりしていいですか?」
やり直したいと思うカヨの気持ちとは裏腹に自分の感情をぶつけてしまいました。
それに立ち会った高峰亨(仲野太賀)と南舞(橋本愛)。
帰り路、南に手を握られて喜ぶ亨なのでした。
そして、聖まごころ病院に、ホームレスのシゲさん(新井康弘)が夏に涼みにきていて、ヨウコは興味深さを感じます。
「ごめんねねぇちゃん、公園のベンチがバッテラになっちゃってさ」
舞に思いを馳せる、亨ですが、なんと、ヨウコがオペ成功で抱き着いた時、心移りがしてしまったのでした。
「スキンシップ過剰だよね」
「ヨウコ先生、子供から高齢者まで人気なんですよ。」
「バイリンガルで方言女子なところがいいんですよね。」
警官の岡本、亨、内科・小児科の横山勝之(岡部たかし)も彼がヨウコが好きなことに意外性を感じるのでした。
その頃、ヨウコはアメリカでは保険が高いことを話しました。
「聖まごころ病院」は救急車をよく呼ぶ患者が多い事に触れます。
「軽傷だけども大事をとって、三次救急にまわす。」
「だったら2.5次元を作ればいい。金持ちも貧乏人も平等にしろ。日本の医者もっと堂々としとけ。」
そのことをヨウコの母、リツコに飲み屋で話す、啓介。
「昔は患者を受け入れていたけど、今は卑屈になってしまった。情けないね、娘にも言われて。」
「啓介さんのせいじゃないよ」
「彼女は着て2ヶ月になるけど昔の歌舞伎町の赤ひげ時代に戻っている気がするんだ。」
「ヨウコさん、兵士を看取ってきたんですよね?絶対助からない患者に掛ける言葉あるんですか?」
「人間の体は最後の瞬間まで生きようとするけん、決して諦めんし、慰めの言葉もかけん、しいていうなら、笑え…。」
その頃、ヨウコは、シゲさん(新井弘康)を風呂に入れ、ふろ上がりのビールも渡しました。
自分の部屋をシゲに貸し、ヨウコは病院の待合室の椅子で眠りました。
「あれ?」
「ああ、ヨウコ先生に良くしてもらってるんだ。」
翌日。
防衛副大臣、川島かずや(羽場裕一)の選挙アピールをしていました。
シゲも「まごころ病院」で涼んで一度は外へ出たものの、熱中症になりました。
「左室が全然動いてねぇ。心筋炎の可能性がある。」
連絡先を探すと、孫と思われる男の子の写真を見つける、堀井しのぶ(塚地武雅)。
そこで、シゲが持っていた「NotAlone」のハンディファンから連絡しました。
白木が駆け込んで、シゲの受け入れ先を報告します。
「ECOMO一台空きあり!」
銀座にある病院搬送されることになった、シゲ。
「シゲ、ECOMOがあれば大丈夫。」
急いで搬送先の病院に到着するものの、ヨウコ達よりも別の患者を通す、病院。
「SPO2、心筋炎、急いでくれ。」
到着した病院で、荒井時江(ともさかりえ)という女医に出会った、ヨウコ。
「ヘイ!なにしてん?はよ処置せんと」
「申し訳ないです。ECOMOを使えません。先程申し上げましたように、ECOMOを使えるのは一人。先生ならご理解いただけますよね?」
「ECOMOを回せ!命は平等じゃ!」
なんと、シゲよりも政治家の川島にECOMOを使わせました。
容態が深刻で死ぬかもしれないシゲは、ホームレスであることから貧富の格差をつけられてしまったのです。
シゲの心臓マッサージを必死にする、ヨウコはわざと笑います。
「舞ちゃん、亨、ポリ公、笑え!」
駆け付けた亨と岡本、舞に、シゲの容態が戻るよう、笑うよう促しました。
タクシー運転手のシゲの息子、祐貴が到着します。
しかし、シゲは息を引き取りました。
ヨウコはシゲを助けられなかったことを悔やみ、亨に抱き着き、涙を流すのでした。
ヨウコが日本に来て初めて、看取ったのは、野島浩介でした。
「8時だ。まごころ病院でこれから急患が増える。シゲの死を悲しむのはあとはそっちでやってくれ。」
夜8時になると、急患が増える為、聖まごころ病院に戻る、ヨウコ達なのでした。
翌朝、シゲの小さな祭壇を公園に、作った、岡本、南、亨。
「ヨウコ先生ってさばさばして熱いね」
「あの感じじゃ殺人犯が死んでも泣くよ。」
「命は平等の人だね。」
ヨウコはECOMOで助かった川島を(羽場裕一)訪ねます。
「マイナンバー保険書も結構だが、対応できないものもアメリカに倣うことも言う事も聞くこともない。ホームレスや家出をした人を排除しないでくれ。日本人は日本人のやり方で命を大事にしてくれ。」
「わかった。厚生労働省に伝えておく。だが仰る通り、アメリカに倣うことはない、肝に銘じます。」
ヨウコのどんな人の命も命懸けで助ける背中を見送る荒井なのでした。
亨は、まごころ病院に戻ると、気まずい空気が。
「お前らなんで黙っていたんだよ。親父もさ!はづきちゃんに調べてもらったよ。アメリカの国家資格証明書。彼奴が持っている資格、これだけ。要するに無免許じゃねぇか。」
ヨウコの資格について、追求する啓三(生瀬勝久)なのでした。
新宿野戦病院5話感想・みどころ
命の不平等とはなんと胸が苦しいことでしょう。
ホームレスで、医療をきちんと受けられないシゲさんを見捨て、政治家の川島を受け入れ、たった一台しかないECOMOを使わせてしまうとは…。
ヨウコが、助からないとわかっていて彼に心臓マッサージをした様子は、とても切なかったです。
「命は平等、罪人もDVも助ける」
マユに性的虐待を働くシンゴまで助けるヨウコの行動に、私なら彼女と反対のことを思ってしまいますね。
それでも、ヨウコは本当に視野が広く、命を平等に扱う誇り高き女医だと思いました。
そんな彼女と対照的で、政治家である川島を優先してしまった荒井(ともさかりえ)は、ヨウコの背中を見て、医師として忘れかけていたものを思い出すことを願います。
そして、マユのケースも解決に向かいましたね。
病院に駆けこんでマユに危害を加えようとするシンゴ。
結局、マユに刺された割りばしの影響で脚が化膿し、ヨウコの治療を受けることとなりましたが…。
それでも、そんな彼を受け入れてしまう、マユの母、カヨに腹立たしさを感じました。
娘のマユを心から大事には思っておらず、接近禁止命令が出されても、携帯電話も変えないし引っ越さない様子は、シンゴを繋ぎとめる為にマユを自分の元にとどめようとしているだけですよね。
「何が母親として限られた時間?あんたの娘でいる時間は終わったの。記憶喪失にでもなれば別だけど。あんたも私もあの男も病気なの!学習しろよ!私は一人で生きていくしかない」
マユからあそこまで積年の怒りをぶつけられても、怒る感情もわかないカヨに呆れました。
男がいないと生きていけないどうしようもない人ですね。
カヨを見て、馬鹿につける薬はないとはまさにこのことです。
それでも、マユがヨウコと関わり、流されて、自暴自棄になり、オーバードーズに手を出すことで心の不安を解消しようとしてきた行動からここまで立ち直れたことは良かったです。
終盤では、ヨウコがアメリカの国家資格合格であるものの、ほぼ無免許なことが発覚しました。
啓三はヨウコの事実をはづきに調べさせ、彼女をまごころ病院から追い出すのでしょうか。
ヨウコだけじゃなく、聖まごころ病院が絶対絶命な5話でした。