相棒2021 元旦スペシャルあらすじネタバレ
事件現場を歩く、火事で顔に傷を負った右京・・・一体何が?!
右京のすぐそばを救急隊員が負傷者を担架に乗せて救急車に載せました。
柚木という男は「オレオレ詐欺」を働く特殊詐欺グループのリーダーで、部下達の前で別の部下の一人に連絡し、「てめぇも”沈める”」という嫌な展開になりそうな言葉を口にするのでした。
その後、角田課長(山西惇)たちが生田という一人の男を追い、居合わせた右京達が確保。
小さな事件が解決し、右京と小出茉莉(森口遥子)は、彼女の提案で、右京に夫婦を装ってもらい、テーラーのところへ行ってネクタイを新調。
小出の元へ食材を届けることの多い峯田達郎(平埜生成)に偶々、出くわし、彼は右京を小出の恋人と勘違い。
達郎と他愛ない会話をして別れてから、警視庁へ戻った右京。
右京と茉里の距離を偶々、見ていて誤解したサイバーセキュリティ対策課の青木(浅利陽介)がSNSに2人の誤報を流してあっという間に広がってしまいました。
右京の元相棒、甲斐亨の父で、警視庁長官の甲斐(石坂浩二)も誤解して、右京に「おめでとう」と連絡してしまうのでした。
右京は捜査を始めた昨今、自分を付け回す何者かの気配を感じます。
その男が、小手茉里(森口遥子)の小料理屋「こてまり」にまで現れ、男と接触することに成功した際、彼の身元を知ることになりました。
男の名は、仁江浜(岸谷五朗)、職業はフリージャーナリスト。
仁江は右京が数々の難事件を解決している「伝説の刑事」だと噂を聞き、取材したくて動いていたと話します。
右京はいつも通りやんわり断りますが、仁江浜は引き下がる様子がありません。
その場では右京と亘に丁寧に挨拶をして納得したふりをして帰った仁江浜。
深夜、都内の河川敷で、鎌田(永嶋柊吾)という区役所に努める男の撲殺遺体が発見されました。
鎌田は誹謗中傷が貼ったとある問題のある民家に唾を吐きかけた後、不審な男に遭遇して撲殺。
早速、捜査に乗り出す特命係の右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)。
ホームレスの吉村(諏訪太郎)に状況を聞こうとすると、一課の麗音、芹沢、伊丹たちに静止されてしまいました。
吉村によると、現場は、落書きが多い河川敷・・・鎌田は生活福祉課で仕事をしている職員で、怪しい男に鉄パイプで殴られて悲鳴を上げている様子を目撃したのでした。
犯人とおぼしき人物は何らかの理由で、右足を引きずっているとのこと。
鎌田について、右京と亘は鎌田の元職場である生活福祉課に行き、母子家庭で育ち、仕事にも真面目で先輩想いの熱心な人柄が惜しまれていました。
母の美千代(松浦佐知子)は息子の死にショックを隠せません。
ふと、右京と亘は、職員の一人、優香から、とても丁寧で絵に描いたような好青年にみえて、職場の屋上で暴言を吐き、仕事のストレスを発散する一面も覗かれました。
同じ頃、麗音含めた伊丹たちは、鎌田弘明の母が遺体と対面し、ショックを受けているなか、彼女から手掛かりになる話を聞くことにしましたが、精神的にまいっていて不可でした。
右京と亘は吉村を彼の大好きな日本酒で買収して、事件当時のことを聞きます。
河川敷の壁に2人組の男がハーゲンクロイツの落書きをしていたことがあったとのこと。
さらに、撲殺事件の現場にまで現れた仁江浜は、自分も同じ事件を取材中だと話し、「少年犯罪と正義」について、右京に挑発的な態度をとりました。
未成年だからといって刑罰が軽いことや社会に放たれることが納得いかないと話しました。
さらに、ヒトラーの赤ん坊の頃の写真を右京に見せ、もしも時代を遡れたら、赤ん坊のヒトラーを殺すのかという質問に多くの人が「YES」と答えた話もします。
悪は早く摘み取らなければならないなど何かと右京に反論する仁江。
後日、右京に茉里とのことを誤解していたことを伝え、茉里と右京が結婚しているとまでは言っていないと弁解。
右京に対し、鎌田についての情報提供をする青木。
ほどなくして、鎌田には、中学時代、無差別に人を襲った罪で少年院に入っていた過去が判明します。
さらに、ヒトラーを信頼しているような書き込みをネットにしていた鎌田。
捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中祟史)、麗音(篠原ゆき子)らは、中園参事官(小野了)から右京達が青木に聞いたことと同じ話を後々知ります。
過去に鎌田から襲われたことのある被害者による復讐の線も視野に入れ、捜査を続けることに。
すると、鎌田のせいで、大怪我を負わされ、人生に支障が出たと訴える瀬川という男が浮上。
その瀬川は小料理屋で食事をしながら、鎌田から受けた被害を思い出していました。
鎌田の情報が洩れ、内村刑事部長(片桐竜次)と中園から叱責を受けた伊丹と芹沢。
瀬川は鎌田のせいで足を引きずるまでの後遺症が残り、かつてのアルバイト先では足のことを客に馬鹿にされてカッとなってしまい、解雇に。
瀬川の元妻のパチンコ店員の女性、静香(真凛)から事情を聴いた右京と亘。
彼女、静香の話によると、脚の怪我は二度、手術しても元に戻らず、明るくて優しかった彼が家に引きこもるなど精神的に不安定になってしまったという瀬川。
当時は、未成年だった鎌田が法廷では守られた状況にあり、裁判の様子は被害者も知ることができなかったと言葉をつづけた静香。
静香はそれでも犯罪被害者支援を勧め、彼の一歩に繋がるように支えようとしましたが、結果は最悪に。
瀬川は犯人に復讐する意志が強く、被害者支援の会でも浮いた存在になり、静香はどうしようもない彼と別れました。
その夜、瀬川の復讐を考える男女が車から、とあるDVを受けた女性の様子を窺っていました。
男女は、朱美と一緒にいたのは仁江浜。
女性は、男から煙草を押し付けられる、逃げ出さないように窓を閉められるなど、ひどいDVを受けていました。
瀬川が伊丹たちから追いかけられた直後、走行中の電車に飛び込んだ様子を目撃。
瀬川は死亡し、伊丹と芹沢は自宅謹慎処分に・・・。
麗音は解放され、右京達と協力することにしました。
そして、警察内部にネタ元があったことを知った仁浜が右京たちに再び接触。
警察に鎌田の情報が漏れたのは彼が原因でした。
弥代美彌子(仲間由紀恵)が駆け付け、大勢の記者から、瀬川が飛び降りたことについて質問攻めに遭う中園と内村刑事部長(片桐竜次)に挑発的態度をとりました。
美彌子は、麗音と情報を共有。
さらに、瀬川は生前、右京に対しても挑発的態度や次の事件を起こす犯行声明を発表。
「むなしいな、全て空しい・・・」
謎の男女が追跡していた赤ん坊がいるDVを受けていた女性の交際相手の男が遺体となって発覚。
また、長谷部という男が、鎌田への復讐を考える人物で、大槻亨の自宅に侵入し、紐で絞殺されていました。
右京達は、中西という刑事から、朱美という女性のことを知りました。
朱美は、遺体で見つかったDV男、長谷部(柾木玲弥)の交際相手の被害者女性を追跡していた女性。
右京たちはさらに、仁江浜がなんと、フードを被り、凶器を持って防犯カメラに映っていた様子が発覚。
青木に解析してもらい、仁江浜が記者にして、本事件のキーパーソンだと気付くのでした。
仁江浜みつおの名前は、アナグラムで、「おまえにつみはない」・・・・その罪とは、右京の過去に大きく関係していたのです。
その頃、特殊詐欺グループのリーダー、柚木を朱美と共に、仁江浜が襲撃。
右京たちは犯罪被害者支援会を静香が瀬川に勧めたことを思い出し、その支援会こそ、大きなヒントだと気付きました。
支援被害者の会のリーダー、白波頼から、瀬川が鎌田への復讐を口にした際、それに最も共鳴したのが、朱美(中村映里子)と・・・もう一人は、仁江浜こと、大沼だったのです。
仁江浜と名乗る大沼は、愛する息子、直樹を少年犯罪で亡くした遺族で、右京は過去に2人に接触していたのでした。
十数年前の事件と現代が交差し、これまで語られることのなかった、右京の過去も明らかに・・・
まず、大沼の息子、直樹が同級生にいじめを受けそうになり、連れ込まれている様子を勤務中に目撃。
右京は直樹だと気づき、途中で引き返してその場所へ。
そこで、火災が発生し、爆発物が爆破した直後、脚を機材に挟まれた際、なんと、過去に柚木を先に助け、一緒にいた直樹を後から助けようと先に柚木を外へ連れ出した右京。
しかし、それが間違いでした・・・直樹はさらなる爆発によって死亡。
暴力団幹部の息子だった柚木は、父親の目を盗んで銃を所持。
直樹をいじめていた彼は、銃を持って彼を脅そうとしていました。
直樹はいじめをしていた柚木を注意したことで彼に目を付けられ、いじめのターゲットに。
他のその場にいた同級生たちは、柚木に怯えていました。
右京が柚木と男子生徒たち、直樹が火災現場へ行ったあの日・・・、柚木は直樹をリンチし、父から奪った銃を発砲したことで火災が発生。
大沼はあの時、右京が柚木ではなく直樹を助けていれば・・・復讐の道に走るようになりました。
そのこともあり、右京に接触したのでした。
さらに、犯罪被害者支援の会にいた朱美と瀬川と知り合い、鎌田への復讐を練る2人と意気投合します。
右京は仁江浜こと、大沼が全てを動かしていることに気付きました。
その日、小料理屋「小手毬」に食材を仕入れてくれる達也が結婚と子供が生まれることを知った茉梨。
達也と会話して別れた直後の茉莉を誘拐した「仁江浜」こと大沼浩司(岸谷五朗)。
大沼はすぐ右京に自分が茉梨を誘拐したことを白状。
その後、柚木が、大沼と朱美に未だ、拉致され、右京と共に監禁されている状況を知った伊丹達と冠城。
あじとへ行くと、右京は、茉梨と柚木が拉致されている状況を知ります。
朱美も共犯としてそこにいました。
大沼はやがて、当時、中学生だった直樹の命を奪われた過去を話し、柚木を殺すところを右京と茉梨に目撃させようとしていました。
右京が柚木を火災現場で助けたことを根に持っている彼ですが、「おまえにつみはない」というメッセージ・・・。
同棲相手の赤ん坊がいる恋人に目を覆いたくなる暴力を振るっていた長谷部を殺したのは朱美。
生まれてすぐに妻を亡くした大沼は、息子の直樹に一生懸命、愛情を注いできました。
記者の仕事を一時は育児の為に辞め、事務職に移りました。
いつか父と同じように記者になり、人の力になりたいと言っていた直樹。
心優しい直樹に、自分のカメラを託した大沼。
直樹が亡くなった日・・・暴行を受け、顔が真っ赤になった直樹に挑発し、自宅から奪った銃を発砲した柚木。
そして、偶々それが爆発物に当たり、火災。
大沼は事件当時、他の刑事から、右京が火災現場で柚木を先に助けた話を偶然聞いてしまい、右京へも憎悪を募らせていました。
自分が右京を恨むことはお門違いだと自覚しているけれど、直樹よりも、火災での怪我の状況から、柚木を率先して助けたことにより、胸が痛むことを激しく訴えます。
右京と、茉梨は当初、巻き込まない予定だった大沼ですが、気が変わりました。
大沼は、柚木と茉莉のどちらの命を優先するのかを右京に問います。
柚木を撃って復讐を終わらせるつもりの大沼に対し、右京は自分を撃てと覚悟して言いました。
そこへ、駆け付けた冠城により、右京、柚木、茉梨は助かりました。
茉梨は伊丹らに連行されていく大沼を呼び止めますが、大沼は「僕にはこんなことしかできない・・・許してくれ」と言葉を残すのでした。
右京たちは事件解決後、茉梨の「小手毬」で料理を食べ、新年の訪れを実感するのでした。
相棒2021元旦スペシャル感想・みどころ
元旦スペシャルということもあり、濃厚な内容であると同時に、非常に考えさせられる内容でしたね。
冒頭の火災シーンの答え合わせがなんとも悲惨すぎました。
右京は当時、別の事件現場へ向かっていたとはいえ、仁江浜こと、大沼の立場を思うと強い自責の念を感じ、「僕を撃ちなさい」という言葉が口から出るのも共感。
岸谷五朗さん演じる仁江浜は元々、子供想いのシングルファザーだったのに、復讐に走ってしまうなんて辛すぎます。
岸谷さんの演技が素晴らしく、息をのむほど、惹きつけられましたね。
問題行動を起こし、人を傷つけることしかできない鎌田を筆頭に展開していきましたが、この事件のもっと深いところは、鎌田の被害者の会で知り合った、大沼を中心とした朱美や瀬川でしたね。
瀬川は自死しますが、朱美と記者の仁江浜と名乗る大沼がもっと奥深くて心がえぐられるような傷を抱えていたどんでん返しが奥深かったですね。
大沼に育てられた直樹は本当に良い子で、優しすぎる・・・父のように正義感の強さからいじめのターゲットになってしまい、柚木という少年法で守られ、ヤクザの息子ということもあり、彼を裁くことが厳しい現状も、大沼の怒りが分かります。
茉莉の命か、柚木の命か二者択一を迫られた右京の決死の覚悟も最後、目が離せませんでした。
直樹と大沼親子、そして柚木の関係した事件は、まだ相棒に出会えていなかった右京でしたが、冠城が助けに来てくれたことで彼自身も事なきを経て救われたシーンには感動と安堵がありましたね。
良い新年を迎える事が出来、茉莉に最初から接触していた魚屋の峯田も最初から、柚木の手下などでなくて良かった幸せなシーンもあり、見応えのある元旦スペシャルでした。