相棒20 18話あらすじネタバレ
亘(反町隆史)が何者かに刺される事態が発生!
その36時間前に、警視庁では、中園(小野了)は、AIの活用や事件の防止に関する研修が行われていました。
伊丹(川原和久)や芹沢(山中祟史)はこそこそ話し合います。
刑事は足を運んで事件を追うことが正しいのにAIに任せきりかと悪態をつく伊丹。
伊丹を「昭和の刑事」と批判する芹沢。
中園が読んでいる資料は、サイバー対策課の青木(浅利陽介)によって書かれた専門用語が溢れている為、四苦八苦する中園。
帰り道、街を歩いていた右京(水谷豊)と亘は踏切前でうつろな目をした女性に声を掛けます。
自殺未遂かと心配しますが、大きなことにはなりまえんでした。
その女性、マキは小料理屋で働いていたものの、小料理屋の店主の女性が倒れて亡くなり、途方に暮れていました。
彼女は、マキ(太田莉菜)は「千里一歩」というペンネームで手作り詩集の路上販売を始めていました。
そこに、カタギとは思えない風貌の男、大倉(日向丈)が近づき、軽く挨拶をして去りました。
聞き耳を立てると出所して間もないヤクザであることが判明。
ますます気になった右京は、民事不介入を訴える亘を説得し、マキを尾行。
彼女が血相を変えて手にした雑誌には、KAZUHO(篠原麻衣)という気悦のデザイナーの特集記事が組まれていました。
「私は惨めな思いをしてきたのに」と愚痴をこぼすマキ。
その頃、KAZUHO(篠原麻衣)は大きな企画を提案する上司を批難して、仕事に取り掛かります。
その夜。
いつものように、「小手茉莉」で夕食をとる右京と亘。
「名札のないわたし」という詩集を読んだ茉莉(森口遥子)は思わず食事を右京たちに提供後に、涙ぐんでしまいました。
「雨に濡れていた私をおばちゃんは猫を拾うように拾ってくれた。怒りも悲しみもない酒場と出会い、私は生まれ変わった。羽根が土地を赤く染めた怒りも悲しみもない」
右京も翌日、この詩を読んだ後、マキがいた居酒屋をパソコンで特定。
角田課長にマキに話しかけていた出所したヤクザの男について捜査すると言って出かけました。
亘は、青木を連れて捜査、右京は単独で、マキが働いていた小料理屋を訪ねました。
小料理屋の大家によると、マキの面倒を見てくれた店主の澄江は心筋梗塞で倒れて死去。
マキは身寄りのない何かしらの事情があって、澄江に世話になっていた模様。
その頃、亘はマキを追いながら、偶然を装って入ったホームセンターで、マキが包丁を買おうとしているのを目撃。
自分も果物を切るように包丁を探していると話しかけると、マキは亘が買おうとしていた包丁をひったくるようにして購入して去りました。
右京は澄江の小料理屋の大家から、マキが澄江から詩を教わり続けていたことや、マキが途中で、KAZUHOの会社に、KAZUHOがいないか確認して不在だと分かると、すぐ切っていたことを探りました。
KAZUHOと上司の陽子(クノ真季子)と話をする右京。
マキのことを尋ねると、知らないし、SNSでKAZUHOを妬む者もいると答えます。
陽子はふと、危ない雰囲気の男がKAZUHOに絡んできたとこぼしました。
亘は引き続き、車で待機を続ける青木の怒りを買うものの、彼をおだてながら協力を引き続き頼むのでした。
角田から間もなく連絡が入り、ヤクザの男は貧困ビジネスをし、弱者を食い物にしていたことを特定。
ヤクザの男の保護司を調べ済みの角田。
伊丹と芹沢もその場にいて、右京が自分達を出し抜いて捜査を進めることをやめてほしいと苦情。
しかし、右京はそんなことはするともりはないし、捜査に協力してほしいと依頼。
その夜、マキにわざとらしく話しかけ、詩集を買う亘。
間もなく、KAZUHOと陽子、撮影のモデルが偶然同じ場所に到着。
KAZUHOは夕方、仕事でモデルのポージングが納得いかず、一日中、何度も撮り直しをさせていて今に至ります。
伊丹たちがさらに右京と合流。
「千里一歩」こと、グラフィックデザイナーのKAZUHOは、マキの戸籍を買いました。
マキは、父親は自殺、母親もなく、親せきも誰も彼女を引き取らなかった愛のない生活をしてきました。
その後、ヤクザの男、大倉(日向丈)を捕まえた伊丹、芹沢、右京は追求。
彼が貧困ビジネスをしていたことを指摘し、「千里一歩」の戸籍も売ったことを追求。
男に騙されて借金を作った千里一歩は戸籍を大熊に売りました。
KAZUHOと本物の「千里一歩」であるマキは電話のやり取りをし、自分の名前でグラフィックデザイナーとして成功した道を歩むKAZUHOを許せないと怒り心頭。
すると、KAZUHOもマキもお互いを標的にしていて、KAZUHOはマキをナイフで刺そうと襲いました。
思わず、庇った冠城は刺されましたが、マキの詩集を胸に隠していたおかげで、刺した傷は軽症で済みました。
やがて、KAZUHOは、自身の身の上が、男に依存がちな母親から切りつけられる程の激しい虐待を受けていたサバイバーだったこと、その生活なかで唯一、絵を描くことが希望であったことを右京に告げました。
そして、大倉にマキとの関係を脅迫されていたとの事。
そして、母が自殺した当時、15歳で家を出てから、戸籍を大倉に売り、今の生活を手に入れました。
「千里一歩」というマキの本名が好きだったと言い、寂し気な笑みを浮かべました。
一方で、マキも母の死後、父は自殺。
男に騙されて金銭的に困っていた彼女は、自身の戸籍「千里一歩」を大倉に売りました。
自殺を考えた時に、澄江が思いとどまらせてくれて、詩を書くようになったとの事。
マキに対し、「千里一歩」として、彼女の詩をどこかで待っていてくれる人がいるから、名前通り、一歩ずつ更生することを促す右京と亘。
そして、マキは澄江が亡くなる前に遺してくれた手紙を右京たちから受け取り、涙するのでした。
澄江は詩の才能があるマキを応援していること、小料理屋を引き継ぐことが綴られていました。
亘もマキの詩を全部は読んでいないけど、好きになったことを告げ、彼女を励まします。
マキは、千里一歩として更生を誓うのでした。
相棒20 18話感想・みどころ
「千里一歩」というとても和風で凛とした名前を売って、両親の死後、澄江に救われたことで自分を取り戻そうとしていた矢先、最愛の澄江の病死に直面し、心も病んだマキ。
一方で、男性への依存が高く、自分の感情次第で娘を虐待し、腕を切ったり暴行を加えるなど、最低の「毒親」から15歳の時に逃げ出せたKAZUHO。
右京や亘が言っていたように、2人はまさに、コインの裏と表のような人生を歩んできたと言っても過言ではありませんね。
悲惨な人生を経験して、グラフィックデザイナーとして立ち上がった今を歩きたくて、「千里一歩」の名前で生きようとしていたKAZUHOと、親のように気にかけ、なおかつ詩の才能も見出した恩人と行き場のない怒りだけを抱えて歩くマキがそれぞれ切なかったです。
マキもKAZUHOも、更生して誰にも虐げられることのない人生を歩んでほしいものですね。
戸籍を売ってまで人生を手に入れようとしたKAZUHOも、自分の本当の名前でグラフィックデザイナーとして日の当たる生活ができると良いな。
マキは澄江によって詩を書く喜びを、KAZUHOは絵を描くことに唯一の喜びや生きている実感を感じている共通点があると思いました。
戸籍を捨てたマキこと、「千里一歩」と、名前を買って自分の新たな人生を手に入れようとしていたKAZUHOの数奇な運命を感じました。
亘が刺された時は次週はどうなるのかと思っていましたが、殺人に発展せずに済んだ今回のケースはある意味、希望がある18話でしたね。
次週からなんと、「冠城亘」最終回スペシャル前編ですよ!亘が特命係を去ってしまうって色んなものがこみ上げてきますよね。
今まで色んな相棒に出合ってきた右京ですが、亘こそずっと長続きしてほしい相棒だったのになぁ。
亘と右京がまたしても濃厚な面子と複雑な事件に遭遇し、どんな決別をするのか期待したいですね・・・でも、やっぱり寂しいなぁ。