相棒20 5話あらすじネタバレ
角田(山西惇)は水木(伊藤洋三郎)という顔見知りの元刑事が落ち込んでいる姿を見かけます。
水木は退職届を出すことにしたと角田にこぼします。
2か月前から行方不明になっている大学生の一人娘を探すため、警察官でありながらネットで情報提供を呼び掛けていました。
しかし、彼の元には冷やかしばかりが届いて、本人は騒動の責任をとって辞職。
光が見えない状態であると水木の状態を嘆く山西。
そんななか、警備員の男が施錠されたアパートの自室にて、紅林という若い男性の遺体を同僚の警官、桂木と共に発見。
捜査一課の出雲(篠原ゆき子)、伊丹(川原和久)、芹沢(山中祟史)らは、男は当初、自殺だと思われていたものの、室内の指紋が不自然に拭き取られた上に外傷があることから、密室殺人ではないか推測。
そして、この事件の一部始終を見ていたのは、なんと紅林が飼っていた亀。
愛くるしい亀の姿に和む捜査一課と、駆けつけた特命係の右京と亘。
事件に関心を持った右京(水谷豊)と、冠城亘(反町隆史)は、周辺に聞き込みをすると、隣に住む三宅富士子(草村礼子)という老婦人には長く引き籠っている息子がいると判明。
右京は咳き込む男性の声がしたと三宅に伝えると、息子が病気で寝たきりだと告げました。
しかし、真相を聞くと、紅林は女性を自宅に連れ込んでいたことや、三宅家の一50過ぎた一人息子は引き籠りであることが判明。
翌日、右京と亘は怪しげな動きをする男を捕まえて話を聞きます。
彼は水木の元部下の刑事で、警備員の男が亡くなった部屋を非公式に家宅捜索していたと話しました。
そんな無茶に及んだもう一つの理由として、女性が紅林のアパートに監禁されているというネットの書き込みを見たからだとの事。
紅林は自分はそんなことをしていないと拒絶。
よって水木はこのことで責任を取って退職をしたのです。
その頃、捜査一課は、桂木雪乃が紅林と交際していることを知りました。
桂木は複雑な表情を浮かべ、紅林とは2か月以上前に別れたことを伝えます。
さらに、雪乃は交際していた当時の合鍵を紅林に返しに、紅林を訪ねたと言いました。
一方で、右京と亘は、行方不明の大学生、水木沙也加の家庭事情を水木本人から知りました。
水木は娘が空港でアルバイトをしていたことや、大学を休みがちで遊び歩いてばかりな行動を厳しく指摘。
沙也加は落第しなければいいという甘い考えで遊びに行こうとしていました。
娘との接し方が分からず、沙也加の反発や学校にろくに通わない行動に心配と怒り任せに、彼女の頬を殴りつけてしまいました。
当然、沙也加は父親に対する不信感を募らせ、それ以降、行方不明に。
沙也加が空港でアルバイトをしていることで、警備員をしている紅林と接触している可能性を疑い、不安を感じていたのです。
自分のせいで紅林を死に追い込んだことや、沙也加がいなくなった原因は自分だと後悔している水木。
次に、三宅家の富士子に聴取。
趣味の件で話が合う紅林とネットで足り取りをしていた三宅家の卓司は、水木沙也加は紅林に監禁されている可能性があるとSNSに書き込んでしまったのでした。
その情報を見た水木は沙也加の行方を案じています。
富士子は、10年も引き籠っている息子について頭を抱えており、卓司はコンビニに一人で行くことも以前はあったけれど、店員と揉めたことで一歩も部屋から出られなくなってしまいました。
「あんな息子、逮捕してくれたらせいせいする。」と悪態をつく富士子。
富士子は80代で工場勤務ですが、物忘れや足のもたつきなど、彼女自身の体に問題を抱えながら、息子を養っています。
また、彼女は、右京と亘に、自分が亡くならない限り、息子は一生外へ出ないだろうと口にしました。
紅林の家を右京や捜査一課が再び訪ねたところ、なんと、床下には誰かが監禁されていたと思われる血痕があったのが拭き取られていたことが判明。
伊丹たちは、水木沙也加は生存していて、紅林を水木が自殺に見せかけて殺してから、沙也加を連れ出したのでは?と推測。
何者かが若い女性を背負って、事件当日、紅林の家を出た写真と映像も出てきました。
追求するものの、紅林の他殺の線が消えたことを捜査一課の麗音が報告。
青木年男(浅利陽介)から連絡があり、沙也加失踪事件について、紅林が沙也加を監禁したとされる書き込みは消去。
さらに、沙也加を背負って救出した人物は男ではなく、中学生ぐらいの身長の小柄な女性であることが判明。
その女性が三宅富士子である可能性を推測し、三宅卓司が事件の大きな手掛かりを知っている張本人だと睨む右京と亘。
一方で、事件現場にいた可愛い亀の引き取り手は、右京と亘の行きつけの小料理屋「こてまり」の女将、小出茉莉(森口遥子)に。
亀は光が当たるところを好むと小出に教えた右京。
「亀の飼い方に詳しいですね、以前、飼っていたんですか?」との問いに、右京は「手のかかる亀を”飼っていた”」と答えます。
その言葉の意味は、初代の右京の相棒だった亀山薫(寺脇康文)のことでした。
後日。
右京と亘は、社会との接触を拒んできた卓司が、沙也加が紅林の家に監禁されているとネットに書き込んだことを指摘。
合鍵を桂木が返しに来るタイミングで、富士子は隣室の紅林の家に何かが隠されていると察知した富士子。
水木は家宅捜索ののち、床下のことを発覚できませんでしたが、隣家の富士子は、桂木が紅林のアパートの窓付近に置いて行った合鍵を手にします。
紅林の家には見守りカメラを搭載していて、その通知が紅林に発覚。
しかし、右京は次に、沙也加を本当に救った人物は、富士子でした。
沙也加が紅林家の床下に監禁されているのを発見し、途中で帰宅した紅林と一騎打ちになりますが、富士子は照明器具で彼を気絶させました。
監禁事件が発覚したことで自殺をした紅林。
そして、沙也加は救出されたのち、現在はホームレスの医療ケアをしている非営利活動法人の病院に入院。
犯人の紅林に自分の顔が知れているので、事件当時は、自身が働いている工場へ沙也加を背負って移動させます。
それで、沙也加を背負っている人物の写真が発覚したのでした。
沙也加には紅林に監禁された時に顔を殴られた痕があり、2か月も監禁されていた沙也加は父親の水木が声を掛けても、無反応で言葉を失うぐらい、精神的に喪失していました。
水木は娘が無事助かったことを知りながら、敢えて事件現場の証拠を隠ぺいし、床下の血痕を拭き取って隠したのは、三宅富士子の立場を思ってのこと。
監禁事件から被害者を救ったとはいえ、三宅富士子が住居不法侵入罪や監禁事件の隠ぺいに加担したとされ、逮捕されれば、彼女の息子、卓司が苦労すると察知したからでした。
監禁事件事態をなかったことにすればという2人の思いは、子供を思う親心からきていたのです。
「あなたまで巻き込んでしまって申し訳ない」と謝る水木。
三宅富士子は言います。
「良いんだよ、謝らなくていい・・・親なら同じように思っている・・・子供が不幸なのは皆、自分が至らなかったからだ・・・私がちゃんとしていたら子供は苦しむことはなかった」
逮捕されていく母の姿にようやく、姿を現した卓司。
彼に敢えて言葉を何かかけるのではなく、捜査一課たちによって警察へ連行されていく富士子と、監禁罪を隠ぺいした水木。
右京は卓司に「外に出られて良かったですねぇ。今日は穏やかで良い天気ですよ」とそっと声を掛けるのでした。
相棒20 5話感想・みどころ
可愛い亀が相棒の過去エピソード以来、久々の登場!右京が小出茉莉に対し、「手のかかる亀を飼っていた」という発言・・・思わず、初代右京の相棒、亀山薫を思い出させる相棒ファンにとっては胸がキュンとなる匂わせでした。
引き籠り生活を10年も続ける卓司が、監禁事件に気付いて、ネットの書き込みや、行方不明の女子大生、沙也加を救い出す手掛かりを発信したのはお手柄でした。
殆どの犯罪は後期高齢者の彼の母、富士子と沙也加の父で元刑事の水木がやったことですが、お互い親という立場から助け合ったはいいものの、警察に監禁罪を通報していれば状況はもっと良い方向に変わったのではないでしょうか。
沙也加は、元々、気難しい父親との間に距離を感じ、水木は刑事である忙しさから、妻に育児の殆どを任せきりにしていた彼の後悔が伝わりました。
しかし、沙也加がしたことは彼女自身の浅はかさがとても滲み出ている行動です。
大学なんて落第しなければいいなんて甘い考えや、学校を休学しがちな彼女の行動は親として何かしら小言以上に言いたくなりますよね。
妻を亡くして以降、育ててきた一人娘の将来を案じ、カッとなったとはいえ、娘の頬をビンタする水木も水木だと思います。
女の子にとって男の強い力で顔をぶたれることはたとえどんな理由や親心があっても、傷つくからです。
水木は沙也加を顔に痣や痕が残るまで叩いていないにしろ、たった一度の、親の愛の鞭が、女子大生の娘にとっては、家に居づらい、誰も自分を分かってくれないのでは?と感じさせ、沙也加が漂流するきっかけを作ってしまいましたね。
沙也加は案の定、自分の行動が災いして、紅林に誘拐されたのはちょっと自業自得だと思います。
引き籠り生活を送り、社会と断絶し続ける卓司を気にかけ、右京と亘に「あんな息子、逮捕してくれたほうがせいせいする」と口では悪態をつきながらも、親として、人として、暗闇の中に閉じ込められている沙也加を救った富士子の行動力には賞賛しかないです。
沙也加も、卓司もこれから、時間はかかるけれど、親が逮捕されたことをきっかけに、自分自身を取り戻していき、彼らに光が射すことを祈りたい5話でした。