相棒21 13話あらすじネタバレ
右京(水谷豊)は亀山薫(寺脇康文)と共に、情熱の画家、牧村遼太郎の展覧会へ。
「椿二輪」という油絵をめちゃくちゃにする不信な男が。
彼は作品をナイフで突然、切り裂き始め、来場者の梅田剛が負傷する事件が発生しました。
「椿二輪」は、遼太郎が自身と愛人を二輪の花にたとえたと言われる遺作。
完成直後に心中を企てたわくつきの作品だったことが判明します。
裏打ちとレタッチを施しても、切り裂かれる前の状態に戻せないと嘆く、美術館関係者、薬師寺。
心中相手は、大宮アカネ(花澄)という女流画家でしたが、彼女は一命を取り留めていました。
しかし、牧村遼太郎の妻、智子(中山忍)は、美術館を襲った男と大宮アカネが共犯だと右京に告げました。
また、自分こそが「椿二輪」に描かれたモデルだと主張。
確かに、心中の様相は、不可解で、遼太郎が自分の胸にナイフを突き立てていたのに対し、アカネは陰茎毒のエカテリーナジャスミンを摂取するというちぐはぐさが。
心中騒動は、アカネによる殺人だと訴えていました。
その頃、薬師寺が大宮アカネに電話をし、「うまくいきました。絵はズタズタです」と連絡。
元々、遼太郎の作品に心を惹かれていた右京は真相を探るべく、亀山と動き出しました。
智子は愛人と夫が一緒に死んでいる姿を目の当たりにしたショックと怒りでいっぱいです。
右京と亀山は、多くの相手と浮名を流した「魔性の女」、大宮アカネを訪ねました。
「彼はありったけの私への愛を込めて椿二輪を描いたのよ」
ここで、アカネは右京と亀山に、絵のデッサンのモデルを頼みます。
去年の春の桜が満開の頃に、牧村と愛し合い、彼は秋に心のバランスを崩したと語ります。
アカネは牧村に浮気を疑われていたとのこと。
牧村が死亡した当時、牧村のアトリエの庭に咲いていたエカテリーナジャスミンを摂取して、心中を決行したと振り返る、アカネ。
右京は、一人は毒草、一人はナイフで死のうとした行動の矛盾をアカネに指摘すると、彼女は激怒。
芸術家ゆえの衝動性がある行動だと反論。
その頃、伊丹(川原和久)、麗音(篠原ゆき子)、芹沢(山中崇史)は、絵を美術館でズタズタに切り裂いた小島を取り調べ。
ダークウェブで知り合った人物から絵を切り裂くように頼まれたとのこと。
夜に、茉莉(森口遥子)「小手茉莉」で夕食を食べる、亀山、右京、亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)。
特命係は激しさと情緒不安定さが相まった芸術家ゆえの愛がこじれたのだと今回の事件を語り合いました。
翌日。
牧村遼太郎美術館を再度、訪問した右京と亀山。
今の客層が切り裂かれたままの、椿二輪を見たいとの要望に応えたと気まずそうに話す、薬師寺。
右京達は、椿二輪切り裂き事件が最初から起きることをわかっていて、薬師寺が加担したのではないかと指摘。
薬師寺は注目を集める為にそんなことはしない、まして芸術家の牧村をよく知っていながらそんな行動はとらないと憤慨。
彼の気を悪くしてしまったので、一旦、特命係は警視庁へ戻りました。
アート羅針盤という雑誌で、牧村の当時の記録を呼んだ2人は、牧村が生前描いていた絵のタッチが、なんと、実際の邸宅をモデルにしていると気付きました。
何と、モデルのスケッチには、実際の場所とかなりリンク。
スケッチのうち、早咲きの品種の侘助という椿を手入れしている寺の住職を訪問。
牧村が生前、この寺を訪問していたことを話す、住職。
侘助は2月から切り始めて3月にはさっぱりだと椿について言葉を続ける、住職。
2輪目の椿は、奥さんでもアカネでもないことを悟った右京。
右京は次に智子を訪ね、椿二輪の構成はかなり前からで、智子とアカネではないことを告げました。
あの絵に描かれていたのは、誰のことでもなかった可能性もあると穏やかに指摘する、右京。
それでも、智子は椿二輪のモデルは自分だと言い張りました。
亀山はアカネを訪ね、牧村と本当に恋愛関係ったのか?と聞き込みますが、彼女は気分を害してしまいました。
椿二輪は、牧村による写生だったのではないかと言葉を続けます。
ふと、右京は亀山が絵を見て「特に情熱は感じない」と言っていた言葉を思い出し、何かを察知。
特命係は、小島が美術館に侵入して絵を切り裂いた際に、巻き込まれた被害者の梅田剛を訪ねました。
梅田の上着の破れを指摘し、絵の入っていない額縁の件もやんわり話します。
木製の太いフレームには彫刻が施され、繊維が引っかかっていて、光沢があるオレンジ色の繊維。
それは梅田の上着の裏地のものと一致。
牧村のアトリエに梅田が盗みに入り、椿二輪を盗もうとしたことを指摘する特命係。
上着に包もうとしたものの、失敗し、額縁から絵を持ち去った梅田。
牧村の美術館で、椿二輪が出展されるのを知り、驚愕していただろうと梅田を畳みかけます。
つまり、美術館に飾られていたのは贋作で、本物は梅田剛。
右京は梅田が逮捕された後、牧村の死は芝居で、牧村と智子が共謀していたことを指摘した、右京と亀山。
不愉快な気分の朋子。
実は、恋愛に心を燃やしたことすらない、物静かな牧村。
さらに、美術業界からは才能がないと見捨てられてしまっていました。
梅田が盗みに入ったのは、心中事件が起きた人同じ日。
なんと彼は窃盗した日に、牧村の遺体を目の当たりにしてしまったのです。
牧村は自殺で、智子が心中に偽造。
すぐに薬師寺に連絡した智子は、薬師寺に才能あるアカネを呼び出して利用。
牧村を才能あり、恋にも奔放な画家に仕立て上げる為でした。
アカネは自分の為に、牧村の愛人に成りすましていたのです。
そして、薬師寺と智子は、切り裂き事件を偽造。
ギャラリーに飾っていたのは、大宮アカネが描いたもの。
梅田は、本物の牧村遼太郎の絵を無性に欲しくて盗んだと自供。
「この絵を見て人生を変えたくなった。真面目に働いてきた」と梅田。
その言葉を智子に伝える特命係。
智子自身が夫の才能をちゃんとわかっておらず、愚かな犯罪に手を染めたことを後悔するのでした。
相棒21 13話感想・みどころ
牧村遼太郎の美術展に侵入した小島と彼のせいでケガを負った梅田の正体。
梅田は牧村の絵に魅せられて無性に盗んで自宅に飾りたくなったと口にしていて、根はとても純粋なのだなと思いました。
亀山も牧村の本物の絵と、アカネが描いた贋作の違いに気付いて、「情熱が足りない」と指摘していました。
才能が元々、ないと言われていた牧村には、梅田を引き付ける何かがあったのかもしれません。
牧村は物静かに絵を描き、妻に支えられながら作品に没頭する繊細な人だったのに、妻の朋子は実に身勝手ですよね。
一番近くで見守りながら、牧村が持つ不思議な魅力に全く気付かず、牧村が大宮と不倫し、心中まで企てたと偽造。
芸術家の激しい感情と恋愛のもつれのようにし、夫を孤高のカリスマに仕立て上げようとした行動が大変愚かですよね。
今回の事件では、牧村が一番の被害者な気がしますよ。
亀山の勘の鋭さが事件解決に導くヒントになった事も、右京にとって頼もしいきっかけとなりました。
右京の冴えわたる頭脳と、亀山の洞察力が調和され、牧村の妻、智子と愛人を演じた画家のアカネ、美術館館長の薬師寺によるいやらしい共謀が絡んだ事件が幕を閉じた爽快な13話でした。