あなたを奪ったその日から

あなたを奪ったその日から4話 罪を忘れた男を許さない

あなたを奪ったその日から4話あらすじネタバレ

結城萌子であった、中越美海(一色香澄)の幸せな未来のため、結城旭(大森南朋)への憎しみを心の底に閉じ込め、美海を実子として育てようと決意した、中越紘海(北川景子)。

「何卒、お小遣いを前借したく」

「お小遣いは月に1回。電車賃のチャージを」

「ダメダメ」

「将来は鉄道設計技師になりたい。いちから鉄道運営に関わりたい」

「それと前借と何の関係があるわけ?」

「試験の為に車両とか駅舎とか見なきゃでしょ」

天真爛漫で明るい美海に、思わず笑顔がこぼれる紘海なのでした。

ある日、勤務先の保育園の自動販売機で飲み物を買おうとしていた紘海は、自販機業者の若い男性と偶然、出逢いました。

彼こそ、結城家で長女、梨々子(平祐奈)の元家庭教師だった、玖村(阿部亮平)でした。

「お客さんついてますね。ちょっと待ってください。今、補充しちゃうんで。あれこれよく出るな」

「黒蜜きなこソーダですよね」

「はい、毎日1本、時々2本」

「マジすか」

「これ美味しくないですか?」

「え?これクソまずいじゃないですか」

「売ってる人がそんな事言っていいんですか。」

「やべ、会社には内緒で」

「じゃあ私がこればかり飲んでいることも子供たちには内緒で。私、管理栄養士なんですけど、このソーダ、糖分過多、保存料、着色料たっぷり」

「栄養的にはあれですよね」

「子供達には内緒」

「はい。あれ?」

「故障ですか?」

「部品交換すれば治るんですけど。すいませんがまた明日来ますので」

一方、結城は今やスイッチバックで義理父に期待されるほどの後継者として奮闘中。

ふと、美海が帰ってきました。

卒業文集を読むと、紘海に言いました。

「ここプライベート空間、勝手に見ないでよ」

「だったら美海が自分で綺麗にしなさいよ」

紘海は思春期を迎えた美海のことを相談。

「中学生って何考えているんですかね」

「男の子?女の子?」

「親戚の子で姪っ子なんですけど」

「女のことはよく分からない。いや女ってマジ謎でしかない。俺、家庭教師してたんですけど、セクハラされたって嘘を拡散されたんです。就職先の内定取り消されて。SNSは凶器ですよ。でもその家、娘も娘で親も相当やばかった。でもその親、世間を騒がせた総菜屋の社長で、知ってますか?」

「ええちらっとニュースで見ました」

紘海は自身のことを悟られないように誤魔化しました。

「死亡事故を起こしたYUKIデリ。今元奥さんの父親が経営する会社に就任。YUKIデリ潰れても無傷だったってこと。狂ってますよね。人殺しが出世するなんて。

家庭教師先で、梨々子からセクハラの濡れ衣を着せられたことをきっかけにSNSで誤解があっという間に梨々子によって拡散された、玖村。

内定を取り消されるなど、日常生活に支障をきたしていたのでした。

その頃、義父、木戸雅人(中原丈雄)と会食をする、結城。

「常務就任おめでとう。」

「有難う御座います」

「私の後ろ盾はここまでだ。たたき上げの社員にとっては当然、君の登用は面白くないだろう。厳しい目に晒されるのは覚悟してほしい。」

「まずは関西進出を成功させ、結果を出します」

「例の関西中央地所との出店交渉は?」

「計画通り順調です」

「将来的に全国展開を視野に入れてるんだ」

玖村の話から旭が、タイナスの常務になった事を知った紘海は、旭のことを検索し、新業態スーパー「スイッチバック」を立ち上げ、社員を募集していることを知りました。

娘を失って絶望しているかと思いきや、今もなお、同じ業界で精力的に働く旭に怒りが込み上げた、紘海。

朝、結城が出勤すると、東砂羽(仁村紗和)が待ち構えていました。

「常務就任おめでとう御座います。その節はどうも。記事を握りつぶしていただき有難う御座います。」

「懲りない人ですね、あなたも」

「上司が変わったんですよ。新しい上司は圧力なんかに怯まない人なので、いくら広告主の御社でも口出しできない。取材に応じてもらえませんか?これ見たら気が変わるんじゃないですか?取材日程のご連絡をお待ちしております。」

その頃、紘海も、玖村の言葉が頭から離れず、再び、彼に接触を試みますが、今日は別の業者でした。

「あのいつもの方は?」

「エリア担当が変わったので」

そこで、玖村の勤めている自動販売機の業者の電話番号を調べて、向かいました。

紘海を不審そうに見る社員達。

その玖村が三宝食堂に入ったので、偶然を装い、同じ店に入りました。

「あれ?あなたえっと。あ、黒蜜きなこソーダの」

「どうしたんです?」

「近くで用事があって。そちらは」

「仕事帰りです。」

「偶然」

「デジタルタトゥー聞いたことありますか。そのくそ親子に嵌められた俺もクソってこと」

「そういえば父親が人殺しって言ってましたよね。何故ですか?」

「そう思ったことあって。あの事件が報道される前かな。いつも通り家庭教師の依頼を受けて行ったんです。」

玖村が入ると、調理業者の鷲尾が結城に言いました。

「こんなの隠ぺいじゃないですか」

「あのインターフォン押しても応答がなくて」

「悪いが今日は帰ってくれ。授業料はお支払いしますから」

あの日を振り返る玖村は、結城がYUKIデリの会社ぐるみで隠ぺいしていると知りました。

「あの時なにも思わなかったんですけど内輪揉めだろうなって。でもその後に例のピザ事件の報道が。今思うと、なにか社員ぐるみで隠ぺいしてたんじゃないかって」

「…許せない」

「あの…」

「なんて、なんか熱くなっちゃいました」

紘海は慌てて誤魔化します。

翌朝、美海を送った後、彼女を騙しながら罪を重ねていることを自覚する紘海。

「いつか手放さなければならないだろう、だけど」

そう思いながら、YUKIデリの食品事故でアレルギーで亡くなった、愛娘、灯(石原朱馬)が蘇る、紘海。

スーパーで灯が食べたミックスピザを見て何とも言えない気持ちになるのでした。

「紘海先生これいただいたの。この大根立派でしょ」と園長の雪子(原日出子)が話しかけてきました。

「雪子先生、私がここ辞めたら困りますよね。人手不足なのは分かってるんです。」

「紘海先生、ここの仕事に何か不満がありますか?」

「いえ、不満だなんて」

「ではなにかやりたい仕事でも?」

「やりたいのかどうかは分かりません。ただ、どうしても諦められないことがあって」

「それはなにか大事なこと?」

「はい、とても。済みません、それ以上は」

「そうね…私だったら、私だったら後悔しないほうを選ぶわ」

結城は夜に望月と飲みます。

望月は結城に、萌子の懸賞金をかけた捜索活動はもうやめるように告げました。

「萌子ちゃんの情報は136件、その全ての情報に一つ一つ足を運んできました。嫌がらせもう半分は報奨金目当てのガセ。さすがにもう…」

「報酬に不満があるなら考える。役職に不満があるなら会長に相談する。」

「違うんです。そういうのはもう十分すぎます。旭さんもうわかってますよね。そろそろ現実を見つめなきゃいけない時なんじゃないかって」

夕方に、美海が帰ると転職活動の準備をする、紘海。

「ただいま。」

「ちょっと会社の面接を受けようと思って」

「今の仕事は?保育園の調理師」

「まぁ受かったら変えるしかないよね。美海だって車掌さんになりたいって言ってたけど鉄道設計士。そうだ、お小遣いアップしようか。電車賃チャージして」

「大人と子供は電車賃一緒だし」

「そんなの屁理屈。子供と大人は違います」

「自分だって部屋でこそこそしてるし、どうしてそんな大事なこと言ってくれなかったの?その髪型キモイ。スーツもダサい。おばさんのくせに」

翌朝。

「行くの?」

「うん」

「お弁当」

「いらない、コンビニで買う」

紘海は反抗期を迎えた娘に戸惑うのでした。

美海は初芽に会いました。

その頃、紘海はスイッチバック社の面接へ行きました。

「どうぞ」

「失礼します」

そして、紘海は結城の顔を改めて見ました。

感情を押し殺しながら面接に挑むことにする、紘海。

「中越紘海と申します」

「おかけください」

「失礼します」

「人事部長の丸尾です。中越さんまずは簡単に自己紹介をお願い致します。中越さん自己紹介を」

「私は中越紘海です。はちどり保育園で管理栄養士として働いています。子供達に喜んでもらえるような彩鮮やかなメニュー作りが得意です。例えば動物をかたどったハンバーグやコロッケ、磯辺揚げ…おやつなら…」

「中越さん簡単で血行ですので、志望理由をお聞かせ願えますか?」

「私は管理栄養士として培ってきた経験を活かし…より広い世界で職を提供してみたいと思い、志望しました。

「小売業の経験はないんですよね?」

「スイッチバックはスーパーマーケットタイナスの新業態ということで」

結城を前に、気を取られて、しどろもどろになる、紘海。

「中越さん子会社のご経験ないんですよね?中越さん、どのようなご活躍が出来ると思いましたか?うちで通用すると思った理由は?」

「これ圧迫面接ですよね」と望月。

「あの、向けの料理が得意ということはお子さんがいらっしゃいますか?」

「その質問はタブーでは?語損意地と思いますが家庭環境による質問は、厚生労働省のガイドラインに抵触しますので」

「ですよね。ごめんなさい、答えなくて結構ですから」

紘海に慌てて謝る、望月。

「質問もないので今日はこれで」

しかし、結城が紘海に質問します。

彼は紘海の顔を意味深に見つめ、質問しました。

「私からいいですか? うちの店舗は御覧になりましたか?」

紘海の脳裏に過るのは、無責任な結城の態度と、食品管理をきちんとせず、子供の安全を軽視する姿でした。

「はい拝見しました。」

「どう思われましたか?」

「失礼ですが、残念に思いました。私は保育園の管理栄養士として長年、働いてきました。沢山の子供達、沢山のご家庭を知っています。その上で思ったのは、お店が今の家族向けに合っていません。例えば簡単に調理できるミールキット。共働きで忙しいご家庭では、今すごく求められていると思います。でもスイッチバックでは普通のご家庭が買いたくなるようなミールキットがありません。気取ったフレンチやエスニックばかりでカッコつけすぎだと思いました。スイッチバックのコンセプトは、ナチュラル、ヘルシー、サスティナブルということですが、お総菜コーナーを目にしたところ見かけがあまりにも寂しすぎます。なるべくナチュラルに地産地消を大切にと言うのは分かるのですが、子供は味だけじゃなく見た目で食事を楽しみます。あれでは子供が喜びません。ようするにスイッチバックは全然楽しくないんです」

「楽しくない?1つ聞かせて下さい。それほど残念なスーパーであるのになぜあなたは採用試験を受けたんですか?」

「後悔しないためです。私は子供達に美味しいというだけでなく食事を楽しむ自信があります。しかし、スイッチバックには食事を楽しむという視点が欠けている。このまま目を反らしていたら悔いが残ると思っていたので。私は母親です。子供に与える食べ物には誰よりも真剣に向き合ってきました。ここにいる皆さんにも負けません。」

面接でスイッチバックの欠点を伝え、自分の意志を伝えました。

美海からメールと電話が来ました。

「もしもし」

「今どこ」

「学校帰り。面接どうだった?」

「ダメだった。お昼食べたの?」

「コンビニでおにぎりと菓子パン買おうと思ったんだけどうちに置いてきたお弁当思い出して。初芽ちゃんにも怒られた。毎日弁当作るのがどれだけ大変か知ってるの?って。ごめん、お弁当置いて行って、それとキモイとか言ったこと」

「あーやっとお母さんの偉大さに気付いたか」

「なにそれ人がせっかく」

実は紘海が美海が小学校の卒業文集で、紘海の料理が好きだと書いていたことを見ました。

「お腹空いた?美味しい物作ってあげる」

「早く帰って来て」

「お嬢さんですか?あの時3歳でしたね」

「覚えてたんですか?」

「思い出したんです。話していたらすぐに」

ふと結城に声を掛けられて、我に返る、紘海。

「靴擦れ。合わない靴を履くからそうなってしまうんですよ。入社する前にはもう少し合うものを買ったほうがいい。正式な採用の連絡は人事からさせますので、それじゃあ」

紘海は意外にも結城の心に志望動機がささって、採用となりました。

結城は望月に萌子の捜索と共に、調理責任者の鷲尾について調べるように頼みました。

「あと半年だけ頼めないか。11月17日、萌子が生きているなら13歳の誕生日だ。お前しか頼めないんだ。あと半年、それと…」

記者の砂羽は上司の元木とYUKIデリの元責任者、鷲尾勇(水澤紳吾)の写真を見つめていました。

「この男は?」

「元YUKIデリの調理責任者です。」

「なるほど。この人がピザを作った店長か」

「てか元木さん関係ないですよね。」

「ガラスの天井で打ち砕かれた敗者は窓際で大人しくしてるしかない」

「だったら窓際で大人しく爪でも切っていてくださいよ」

「確かに関係ない、でも興味はある。東がこんな馬鹿みたいな記事にしつこく挑んでる理由に。結城旭に個人的な恨みがあるんじゃないかって」

「理由なんて」

そう言われ、元木が去った後に、意味深にボールペンを見つめる、東なのでした。

同じ頃、自宅で梨々子(平祐奈)は、玖村がマッチングアプリを使っていることを知り、にやりと悪巧みを考えるのでした。

翌日。

紘海は、スイッチバックで働くことになり、社内では、愛想良く対応します。

人は自分を道を踏み外した女、悪女だと思うかもしれない。

自らこの外れた道を選んだと誓う、紘海。

ただ、母親であるために。

その頃、紘海の住所を辿って訪ねて来たのは、なんと雪子。

「うちに御用ですか?」

中学生の美海の姿に唖然とします。

「中越さんのお宅に」

「中越、うちです」

「あなた紘海先生の」

「娘です」

そう答えた、美海に雪子は違和感を拭えません。

あなたを奪ったその日から4話感想・みどころ

美海を育てる母になってから、紘海は厳しくも優しく彼女を見守ります。

しかし、保育園の管理栄養士を突如辞めてまで、結城のスイッチバックに入社し、愛娘、灯の死の真相を探ろうとするバイタリティーが恐ろしかったです。

あんなに良心的な職場を辞めてまで、復讐を優先するなんて、どうかしていますよ。

美海も思春期になり、紘海に少しずつ反発しながら成長していく姿を見守りたいですね。

一方で彼女は勘が鋭く、次週からは、家を訪ねて来た雪子に接触して、紘海の過去を探ろうとするので、肝が冷える思いです。

結城は娘が3歳だったと話していた紘海を思い出し、採用しますが、とんでもない爆弾を入社させましたね。

玖村は紘海にとって協力者になりそうですが、彼は自分が見た不審者の女性は紘海なのではと既に疑っている節があって面白かったです。

一方で、梨々子によって家庭教師を辞め、内定すら取り消された人生を取り戻そうとしていますが、梨々子の執着がおぞましいですよ。

梨々子、家庭の荒み具合は勿論、萌子がいた時から、長女としての役割を押し付けられてきた為、自分を見てほしい承認欲求が化け物化している気がしました。

結城はあまり子供の気持ちに鈍感すぎるので、いつか時間をかけて、長女の気持ちに気付いてほしいです。

彼が紘海と対面した時、地獄の始まりと言えた4話でした。

 

data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">
data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください