人事の人見

人事の人見6話

人事の人見6話あらすじネタバレ

「日の出鉛筆」では、新卒採用試験が行われ、面接会場には就活生が集まっていました。

「それでは自分を日の出鉛筆の文房具に例えると」

「ホッチキスです。人をまとめるのが得意です。私はチームやプロジェクトをまとめるのが得意で」

「うまいこといいますね」

学生たちの自己アピールを聞き、感心する、人見廉と真野直己。

「私は定規です、几帳面が似ていると思うからです」

「鉛筆です。真っ直ぐで芯がある人間だからです。

「鉛筆です。書き直しが出来る道具です」

「自分を例えるなら、2020年に販売された日の出鉛筆ボールペンデラックスです。なぜなら、書いても書いてもインクさがなくならないタフさがあるからです。でも、ロングセラーの日の出消しゴムの方が近いかもしれません。地味だけと使い勝手がとても良くて。去年発売されたノック式のインクも捨てがたい。」

「すげぇめっちゃ詳しい、なんでそんなに日の出鉛筆好きなんすか?」

人見は思わず、健太郎に質問しました。

「とても丈夫で何年も使えるし、何より私の祖母も、日の出鉛筆の文房具が大好きだったんです。私は小さい頃から御社で働くのが好きだったんです。」

その後、真野にいつも通り注意を受ける人見。

「どうしても参加したいっていうから、人見君が出しゃばってどうするの?実際面接するのは面接官、私達はサポートなのよ」

「すいません。でも新山健太郎の日の出鉛筆への思いは本物すよ。ホチキス君口はうまいけどあれは文房具に興味ないっすね。俺そういうの分かるんですよ。」

「面接は良いからみんなの仕事手伝ってあげて」

真野(前田敦子)に無理を言って、面接のサポート役を務めることになった、人見(松田元太)。

集団面接を受ける学生の発言に興味津々の人見。

学生の一人、新山健太郎(安藤冶真)に関心を持ちました。

彼は、日の出鉛筆の企業への愛は勿論、文房具への愛を語ります。

人見はその発言に感動してしまいました。

「大人しくしてるって言ったのに」

「どうした?またなんかやらかしたか?」

「めっちゃいい学生がいたからちょっと質問しちゃっただけっすよ」

「子供と一緒ね」

「そこが人見君のいいところ」

「変な質問してない?面接官は会社の顔だよ」

「次は大人しくしておきますから」

「信用できない」

「面接させてくださいよー」

「人見くん、この郵便速達で出して」

「暇じゃない」

「警備室の奥に速達ってあるからそこに入れておきゃいいんだよ」

新山の熱意を感じた人見は、試験の後に偶然再会した新山に、面接時の感想を聞かれます。

「新山健太郎じゃん。どうしたの?」

「せっかく日の出鉛筆に来たので帰るのもったいなくて。どうでした?僕」

「どんだけ日の出鉛筆好きなんだよ。新山健太郎以外に熱い奴いなかったよ」

「新山君なら大丈夫」

そして三次面接の通過者が発表されます。

「ようやく三次面接に進む学生さん達が決まりました」と平田。

「ようやく3にか」

「新卒採用は総力戦ですから」

「このまま問題なく終われば医院けどね」

「これ面接に受かった学生ですか?」

「ウジンくん、これ不合格者のエントリーシート。破棄できる?」

しかし、三次面接の通過者に彼の名前はありませんでした。

「真野さん、新山健太郎」

「残念だけど」

「おかしくないですか。絶対新山健太郎のほうが熱いもの持ってますよ。真野さんだってそう思ったすよね。」

「彼らもはきはきして印象は良かったよ。」

「はきはきってそれだけじゃないですか。どこ見てるんですか面接官の皆さん達は」

「色々制約があるなか精一杯見てくれてるよ。大変なのよ。面接官も。喋り方も敬語で」

「プライベートな質問しちゃいけない」

「プレッシャーかける質問しちゃいけない」

「それで本当にわかるんですか?どんな学生か!」

人見は学生たちの本質をきちんと見て、採用してほしいと思っていました。

しかし、人事部の面々は仕事として厳選な審査をせざるを得ません。

「どうなってるんですか!健太郎、小さい頃からうちで働くのが夢だったみたいなんっすよ。どうにかチャンスをあげられませんか」

「それはできない」

「逆にいまいちだと思ってた子が輝いたり」

「改善の余地はあると思う。里井常務にも考えてほしいって言われてるんだけど、いやなかなかね」

「見ている通り採用するだけで精一杯」

「受からせてあげたい学生さんは人事の仕事をしていれば毎年1人か2人は出会う。でも私達、人事部が誰かに肩入れしていたら採用なんか成り立たない。だから学生さん達の為にも、私達人事部だけでも公平でなくちゃいけないの」

美和に諭されるものの、人見は納得できません。

新山の熱意が本物だっただけに人見は会社の採用基準に不満を持ちます。

ウジンは早退し、転職活動をしていました。

「人事部以外の経験はないんですね」

「はい」

「合否は追って連絡します、お疲れ様でした。」

その夜、母と妹に電話するウジン

「荷物届いた?あんたの好きなもの送った。仕事どう?」

「楽しくやってる」

「あんたが考えた文房具いつ出るの?」

「一生懸命作ってるよ」

「あんたがやりたいことが叶って良かったね。楽しみにしてるから」

「お兄ちゃん頑張れ。愛してるよ、ファイティーン」

妹と母の声を聞き、複雑な思いに駆られるウジン。

採用担当のウジン(ヘイテツ)に相談します。

選考に落ちた学生をもう一度集めて、一人一人とちゃんと話をしたいと言い出します。

「ウジンちょっといい?ウジンはどう思う?採用のやり方。健太郎みたいなやつがが落とされるなんておかしい」

「まぁそれは…」

「でしょ?ウジンなら絶対分かってくれると思った」

「部長の言う通りですし、いや一人をひいきするわけにいかないし」

「残したほうがいい学生がいるかもしれないっていうならさ、落ちた学生の話を聞いて、うちに来てもらったほうがいい学生を探すんだよ。で、もう一度、チャンスをあげてほしいって。部長たちを説得させる。ウジンだっておかしいと思ったでしょ。ウジン、お願い、手伝って!まずは落ちた学生の情報を集めよう」

「自分達だけでやりましょ」

「俺達が諦めちゃダメ。極秘ミッションすね」

人見とウジンは選考に落ちた学生のエントリーシートを集めました。

「まずは会いたい学生を集めましょう。」

「そのほうが本音を聞きやすいと思うので」

「了解」

そして、カフェで選考に落ちた学生と話し合う事にします。

「日の出鉛筆は本当に入りたいと思う会社だったのでまだ立ち直れていません。これを読んでいただければ」

多機能定規の企画までプレゼンテーションを書いた学生は思いを伝えました。

「納得いきません。あんなお祈りメール一つで。ずっと日の出鉛筆に入る事だけを目指して頑張ってきました。」

「他の会社は受けてないの?」

「はい。まだとても考えられなくて。気持ちを切り替えなきゃいけないのは分かってます」

「大丈夫、俺達がどうにかして」

「人見さん!」

「いるね。健太郎以外になんで落ちたか分からない学生達。でも逆に他の会社の内定貰っている学生も結構いる。とりあえず受けてみた学生もいる。やっぱこうやってちゃんと話せば、どんな奴か分かってくるじゃん。みんなで仲良くバーベキューしない?仲良くなればもっといろんなことわかってくるし。」

「そんな余裕ないし」

「それでなくてもみんな落ち込んでいるから」

人見はウジンの携帯を見て選考に落ちたメールを見ます。

「そういうことか。なんか元気ないなって思ってたんだよね」

実はウジンは人事部のみんなには内緒で転職活動をしていました。

「勝手に見ないで下さい、転職活動してるかばれたら居づらくなる。仕事任せてもらえなくなる」

「心配だからさ。最近ウジン元気なかったからさ。俺達だけの秘密な」

「どうして転職なんて」

「僕、クリエイティブな仕事がしたくて人事部に配属されてからずっと希望を出してきたんですけど。こうして落とされると自分がダメな人間なんだって思えてきて」

実はウジンはクリエイティブ職に就きたく、ずっと人事部で希望を出してもなかなか通らず、転職活動をしていました。

人見は人事部で、ウジンの転職を皆にうっかり話してしまいました。

「ウジン、やっぱりバーベキューやろう」

「でも」

「いいや、やる!」

人見とウジンが人事部に戻ると、最終面接で気を引き締める人事部の面々の姿がありました。

「いよいよ最終面接か」

「もう一息頑張りましょう」

「珍しいな、今日は一緒じゃないのか」

「あ…いや」

「なんか隠してるでしょ」

「まさか言えない事してるのか」

「皆さんダメですよ。プライベートなこと聞いちゃ」

「ジョークだよ」

真面目に何事も受け取る真野を窘める、須永。

「今日は広告系。あ…!しまった」

堀の質問にそのまま答えてしまった、人見。

「ずっと異動希望出してたからね。」

「なんで異動させてあげなかったですか?」

人見は部長の美和に聞きます。

「クリエイティブ部署には希望者も多いし、そう簡単には。それに私、ウジンくんを人事に向いてると思ってたから。」

「分かる。ウジンくん人の気持ち分かるし」

「面倒見のいいところある」

「社会人としてはまだまだ不器用なとこあるかな。ここで社会人経験積んでもらってどうしてもなら異動を考えてた」

「めっちゃウジンのこと考えてるじゃないですか」

「そりゃそうよ。上司だもの」

「ウジンくんが人事部にほしいと言っていたのも部長ですよね」

「転職をするのは当たり前の時代ですし、挑戦することは悪い事じゃないと思います」

「みんなでウジンくんの転職を応援しよう」

「プレッシャーになるといけないので、私達が知ってることは内緒にしておきましょう」

その和やかな空気に人見は呟きます。

「ほら、みんな味方じゃん」

人見と共に学生たちを集めてバーベキューを開催。

「ごめんねみんな大変な時に」

「いえ。おかげで気が楽になりました。同じような思いをしている仲間がこんなにいるって知らなかったから。さっきみんなで話していたんですけど、就活って結局、運なんじゃないかって。」

「運?」

新山の言葉に、ウジンは彼の言いたいことに興味が湧きました。

「だってここにいるみんながなんで落ちたか、わからないような奴ばかりじゃないですか」

就活で多忙な学生たちに申し訳ないと思うウジンに対し、学生達の思いは違いました。

「ちょっとしたことで落ちたり受かったりしてれう。だから自分がダメだとか思わなくていいんじゃない?」

人見は彼なりの優しさで学生たちにエールを伝えます。

「でも自分の人生とか将来が、いい会社に入りたいから」

そこで、人見は自分のバックパッカーとしての経験を学生たちに語り始めました。

「会社で人生が決まるわけないでしょ。どこ行ったって自分は自分なんだから。それに道なんていくらだってある。道と言ったらさ、俺、シルクロード旅していた時に、道に迷って目的地とは全然違うとこに着いた。人と町が良くて、1年以上暮らした」

「目的地にたどり着けました?」

「えーどうだったかな。忘れた」

「僕の人生の目標は…まか日の出鉛筆は怪しくなってきたので」

「良い顔してますね」

「ウジンもな」

「羨ましい。僕、大学から日本来たんですけど、自分の居場所なんてないって思ってたんですけど、仲間っていいですね。僕は世界で活躍するデザイナーになりたい。」

その頃、採用担当の富樫に電話がありました。

「はい採用担当富樫です。」

「まさか」

「部長恐れていたことが」

「え?なに聞きたくない」

「また新たな辞退者です」

日の出鉛筆を辞退する学生が増えました。

「皆さん残念なことに最終面接まで進んだ10人のうち5名の辞退が確定しました。2次募集を行います。急ぎ準備お願いします」

「ホチキス君じゃん。俺の言った通りじゃないすか。口ばかりで文房具に興味ないって

「ここまできてまた募集からって」

「これまでの苦労が水の泡ね」

「あの皆さん、聞いてもらって良いですか?俺とウジンで落ちた学生一人一人に話を聞いて、新山健太郎みたいなうちに来てほしい学生を探していました。それで今、15人内に来てほしい学生がいます。彼らを辞退した学生の代わりに、選考に戻してあげられないですか?」

「ちょっと何言ってるの?」

「大丈夫です。一人一人に話を聞いてきたので」

「そういうことじゃなくて」

「敗者復活戦ってこと?面白そう」

「落ちた学生を選考すること?」

「そんなことできるわけないでしょ」

「でもやっちゃいけない決まりってあります?」

「それに2次募集といういちから始めるより効率的ですよね。」

「あの、村田康則、ヤスは仕切るのがめっちゃ上手で、うちに入ったら絶対良いリーダーになります。」

「彼は学生時代ボランティアサークルのリーダーを務め、特にアフリカの貧困地域の子供達に学習支援を行う」

「みんなすげぇいい奴なんです。だからお願いします」

「確かに惜しい奴らばっかり」

「相当話を聞いたんですね」

「詳しすぎ」

「殆ど友達レベルっすよ」

「凄い」

人見とウジンの努力を褒める、真野、須永、森谷、堀ら人事部たち。

「部長どうするんです?」

人見の人をよく見ている洞察力に、考え直した平田は、里井常務(小日向文世)に相談することにしました。

「人見君たちが選んだ学生を最終面接に上げるというわけか」

「あり得ないことは分かっています。常務も常々おっしゃっていましたよね。新しい採用手法を模索してほしいと。試してみる価値はあると思いますが」

そして、里井の許可が下り、人見とウジンの新卒採用企画が通りました。

「里井常務が社長と役員の方々を説得してくれるそうです」

「ただし、追加できるのは辞退した人数と同じ5人まで。最終面接が始まる来週までに誰を追加するか、人事部で決めてください」

そこで、学生達一人一人を見て、5人に絞る為、話し合う、人事部。

「むずいすね選ぶって。あんなに時間かけて話聞いたのに」

「言ったでしょうちの面接官たち一生懸命やってる」

「結局、人が人を選ぶって限界があるってことですよね」

「確かに限界はあると思う。選ぶほうは考え抜いて採用しなきゃいけないの。採用するのは彼らの人生を背負うってことだから」

「でも、ずるいですよ。学生には色々聞く癖に、良い部分しか見せない。入社してからわかる事沢山ありますよね。会社説明会なんて上辺なことばかり」

「じゃあ学生たちに逆に聞いてみるのは?うちがどんな会社なのかとことん聞いてもらって、入りたいか入りたくないか学生たちに決めてもらうんすよ」

「逆面接か」

「それで都合良く5人に絞れる?」

「まぁその時は、面接の様子を見て、私達で選ぶしかないかな。学生達が会社に何を求めていてうちがそれにこたえられるかどうかが分かると思う」

「ミスマッチは確実に防げる」

「やってみる価値あるんじゃない。採用の難しさはみんな身に染みて分かってる。いいやり方を見つけたいと思ってるのはあなた達だけじゃないから」

「くーかっこいい!」

「私、会場を押さえます」と森谷。

「私は当日の段取りを。人見君は学生たちに連絡して」

「はーい」

そんななか、ウジンは最終選考に受かりました。

その通知をもらい、逆面接の準備を整えているみんなに気まずさを覚えます。

「面接なんて何年振りかな」

「あんまり人数が多くても学生たちが緊張するだけ」

「あの、ごめんなさい。今日の逆面接参加できません。僕転職活動してて、今日が最終面接なんです。言わなきゃ言わなきゃってずっと思ってたんですけど、準備している皆さんをみたら言い出せなくて。ごめんなさい」

ウジンが顔をあげると、人事部のみんなは彼の転職を応援する気持ちでした。

「最終かおめでとうよかったね」

「最終面接ならしかたないですね」

「まったくもっと早く言いなさいよ」

「人見に言うより俺だろ。なんで相談してくれないの?」

「ごめん、ばれちゃった」

「ウジンくん笑顔が硬いから笑って」

「挨拶だけはしたほうがいいかも。5倍くらいの気持ちで」

「お前らしくいれば大丈夫だ。最終面接はよほどのことがない限り落ちはしない」

「ウジンくんが作ったうちのホームページ、すごく良かったから見せた方がいいよ」

「やる気あるアピールしたほうがいいかも。やる気あるのにたまに、やる気ない風に見えちゃうから」

「ウジンくん責任感強いから」

「頑張ってねウジンくん。それとこれ」

堀は人事部みんなでウジンに作ったお守りをあげました。

実は人事部はこっそりウジンに内緒で、仕事の合間に、お守りを作ったのでした。

「俺達の思いがこもってるからな」

「忙しいのに、いつのまに」

「言ったっしょみんな味方だって」

「有難う御座います。行ってきます」

「待ってウジン、部長っすよね、新卒採用の時、悩んで悩んで誰かを落として、あんなしんどい思いをして選んだんすよね?良いんですかこのままで。遠慮してる場合じゃなくないすか」

「面接は頑張ってほしい。やりたいことをやらせてあげられていないのは事実だし、転職は悪い事じゃない。でも…嫌に決まってるじゃない。ウジンくんがいなくなったら困ること沢山あるし、これからの人事部に絶対に必要だと思ったから。教えたいこともまだまだあるし、転職先でだって希望通りにいくとは限らないから、つらいことも絶対にある。今度はもう少し我慢しなさいよ、すぐに諦めちゃうところがウジンくんの良くないところだから。説教は以上、頑張ってきなさい」

そして、ウジンは面接に向かいました。

その頃、学生と日の出鉛筆社員による逆面接がスタートしました。

富樫と相沢(前田友里子)と人見が答えます。

「日の出鉛筆に入社したいと思った理由を教えてください」

「はい、そうですね。私はですね。沢山の笑顔が文房具によって…モノづくりの分野に進みたいと」

「俺は成行きっす」

その頃、面接を受けるウジンは、日の出鉛筆の人事部のみんなが書いた小さな寄せ書きメッセージのメモを見て微笑むのでした。

「ワンマン企業と聞きますが実際はどうなんでしょう?」

「確かにそういった一面はあるにはあります。社員達が緊張感をもって、社内風土の改善に向けて務めております」

「競合他社と比べてグローバル市場への進出が遅れている印象ですが、今後の見通しを教えてください」

「今後はグローバルな人材を集めることがあるというわけですね。海外の販路も」

「本気で見極めようとしてる」

学生たちの食いつきに上手く答えられない人事部社員達。

「では御社の他社には負けないところを」

「鉛筆の販売本数は絶対に負けない」

「残業も少ないです。オフィスもきれいです」

「内定後に辞退する理由になるかも」

「入社後のモチベーションにも」

「SNSで拡散されたら来年の採用にも影響出るんじゃないですか」

「人見さんどう思いますか?」

「えっとそうすね…」

デザイン会社の面接を受け、即合格が出たウジン。

「人手不足でさー…合格。へぇ時間なくてちゃんと読んでなくてさ、いつから来れる?」

「会社と相談して」

「合格。根性ありそうだし、とりあえず頑張ってみて」

「こちら内定承諾書になります。サインを」

あまりにも無責任な会社にウジンは違和感を覚えるのでした。

「あのいくつか質問があって」

その後、ウジンが日の出鉛筆に戻ってきました。

「失礼します。遅れて申し訳ありません。僕も参加させてください」

「ウジンさん御社の世界で一番だというところを教えてください」

「実は僕、転職活動をしていたんです。今日が最終面接で…でも辞退してきました。有名なデザイン会社で給料も上がるし、やりたかったクリエイティブな仕事も出来る環境でした。でも大事なのはそういうことじゃないとわかったのです。日の出鉛筆には僕のことを真剣に考えてくれている人たちがいる。みんな僕の良いところも悪いところもちゃんと分かってくれている。それって凄いことだと思います。今更気付かされました。ここが僕の居場所なんだって。それでなにが言いたいかというと、日の出鉛筆で世界で一番なところは人だと思います。僕にとって、彼らが、彼らが世界で一番です。これだけは自信をもって言えます」

デザイン会社の最終面接を辞退し、日の出鉛筆で働き続けることに決めたウジン。

ウジンは自分を大切にしてくれる人達の存在と企業を見抜いたのでした。

「もうそれ俺が言おうと思ってたのに俺言おう思ってたのにウジン帰って来ちゃったじゃん」

最終面接が無事、終わり、安堵する人事部。

「ウジン戻ってきて良かった。学生と俺ら話し合えて良かったすよ。追加の5人絶対合うんすよ」

「最終面接をした5人全員採用です」

そして、外に健太郎が来ていました。

「ごめん。残してあげられなくて」

「いや、大した質問が出来なかった僕が悪いんです。僕、日の出鉛筆の商品が好きなだけで入社してなにがしたいとか何も考えてなかったんだと思います。僕より相応しい奴が受かったので納得しています。他の文房具会社に内定しました。小さなところですが。社長が文房具マニアでとんとん拍子で内定を。従業20人くらいしかいないんですけど、ここが僕の居場所なんだなって。これから手続きなんですけど、2人にはお伝えしたくて」

そして内々定の連絡をする人事部。

「逆面接だけはごめんです」

「ちょっと良いかな。皆さんにお願いがあって。学生たちを直接、スカウトする方法と、逆面接、来年から取り入れてほしいと思ってね。とても良い採用だった」

「スケジュール全部組み直しね」

「貴方達のせいだからね」

「忙しさ今年の比じゃなくなりますよ」

「これが全部終わったらぱっと打ち上げにしよう」

「ウジン、酔っ払うと、明るくなるんですよ。見ます?動画」

人見達、人事部は微笑ましくみんなで写真を撮るのでした。

人事部とは社員を迎え、居場所を作る玄関なのです。

人事の人見6話感想・みどころ

新卒の学生をまさかの逆面接で採用するという人見の発想力が素敵でした。

人見って本当に人のことにとことん興味があり、人の良さや持ち味を深く追求し、フォローアップすることに長けていますよね。

人の心の成長を手助けし、モチベーションアップに繋げる力があると思いました。

公判では、逆面接の緊張感が伝わりました。

自分達の会社のことを学生たちに説明するって肝が冷えますよね。

新人時代に戻ったかのような人事部たちのあたふたぶりに少し笑ってしまいました。

人見が転職を考えるウジンに気付かせたのは、自分を大切にしてくれる人達の存在です。

みんなが新卒対応と逆面接準備に追われるなか、こっそり書いた小さなメモは思わず涙が出ました。

今回、ウジンが最終面接まで進んだ企業は人手不足を理由に、ウジンのことをよく知ろうともせず、採用を決めました。

社長も面接担当も、採用される側の人生を背負っていないと思いました。

ウジンは温かい仲間の存在と共に、日の出鉛筆で新たな自分を確立していけそうな6話でした。

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