中学聖日記 最終話
放送日:2018年12月
TBS火曜ドラマ
中学聖日記 最終話のあらすじ
未成年者誘拐罪の疑いで警察署に連行された末永聖。
一緒にいた黒岩晶も取り調べを受けるが、未成年のため相手にしてもらうことはできなかった。
その後、聖は晶の母・愛子の代理人の弁護士から、晶と接触しないなどの誓約をするよう迫られた。
晶への思いを選んだがために何もかも失った聖だったが、晶の未来を思い、晶との別れを選んだ。
中学聖日記 最終話の感想
未成年者誘拐罪の疑い
愛子に見つからないようにとオープンキャンパスから走って抜け出した聖と晶。
しかし、そこに現れたのは警察官。
未成年者連れ去りとして、愛子により110番通報されてしまいました。
聖と晶はそれぞれ警察署で話を聞かれます。
聖は、愛子に話をすることができたら誤解だとわかると言うものの、警察官にその言葉は届きません。
晶は、連れ出したのは自分だと言うけれど、未成年者が承諾していても、保護者の意志に反していれば聖は罪になるのだと言われてしまいます。
警察署には愛子とジョフィーも来ていました。
警察官は、事の重大さは伝えたが、今回の場合は事件化しても嫌疑不十分となると言います。
しかし、愛子が納得できなければ、別の措置も取るというのです。
愛子とジョフィーの前に晶がやって来ました。
聖が悪いんじゃないと言う晶に、聖を引っ張って逃げたのは晶だと愛子は言いました。
どうか振り返らないで…と思っていましたが、虫の知らせを感じたのでしょう。
真実をしっかりと見ていたのです。
でも、真実を見ていながらも、110番通報までするだなんて…。
何かあったら聖の罪が増えるだけ。
愛子はそう言うと、晶から携帯を没収し、聖の連絡先を消しました。
ジョフィーは愛子の心中を理解はしていました。
しかし、あまり強行な態度に出ると逆効果だと注意します。
本当にその通りで、ここまで事が深刻化したのは、愛子の執着のように感じます。
晶は未成年だけど、どうしてここまで反対するのか。
愛子の異常さを感じます。
警察署から出てきた聖の前に愛子が現れました。
聖が事情を話そうとすると、「話は明日」とメモ書きを渡しました。
自宅に帰った聖。
疲れ果て、ベッドに横たわると、インターホンが鳴りました。
開けたドアの向こうに立っていたのは母親の里美でした。
愛子から里美に連絡が入っていたのです。
「もう好きにしなさい。聖のことが信じられない。これからは1人でやっていきなさい」、里美はそう言うと聖の前から去っていきました。
里美は世間体を気にし過ぎるところが以前からありましたが、本当は聖思いの母親です。
しかし、今回ばかりは、世間体重視となり、聖の味方にはなれなかったのでしょう。
誰のために何ができるのか。何が正解なのか。正解なんかわかるわけはない。だから、自分自身の正解を探す。1人で立って進む先に答えがあると信じて
翌日。
聖は愛子に指定された場所に行きました。
そこにいたのは愛子の代理人の弁護士。
警察への告訴や教育委員会への通報は行わない代わりに、晶に連絡しない、接触しないと言ったことを誓約書で求めてきたのです。
それができなければ、500万円の賠償を求めるというのです。
500万円って…幾らなんでもやり過ぎです。
確かに、晶は未成年だけど、聖と晶はただ恋愛をしているだけなのに…。
最終回にして重過ぎる内容です。
そんなことを知らない晶は、受験に専念するから聖のこともいつか認めて欲しいと言います。
しかし、愛子は「すべては終わってから」と言うのです。
すべて…それは受験だけではないのではないでしょうか。
“すべて”なんてケジメはないのだと思います。
弁護士と別れ自宅に戻ると、アパートの前に千鶴が立っていました。
千鶴は聖にとても冷たい態度を取っていました。
今さら何かと思えば、職員室にあった聖の私物を持ってきたそうです。
「うまくいくわけない。皆に反対されて、酔いしれて。自業自得」、聖を思い通りに全うな人間にしたいと思わせる千鶴の言動はもうお腹がいっぱいです。
もう放っておいて欲しいとさえ思ってしまいます。
千鶴は聖の元を一度は去りますが、足を止め、戻ってくると聖を抱きしめます。
落ち込んでもうダメだと思ったら、食べて、寝て、喋りなさいと言います。
そして、喋る相手がいなかったら連絡をするようにと言うのです。
千鶴はなんだかんだ聖を憎みきることができなかったようです。
千鶴とは違い、真っ直ぐに聖の味方になってくれている原口さんは、勝太郎が側に現れると母子手帳を隠します。
勝太郎から、聖が愛子と揉めて騒ぎになっていると聞き、原口さんは驚いていました。
それにしても、千鶴が聖のアパートを知っていたり、勝太郎が聖の現状を知っていたり、すべては里美なのでしょう。
里美の口の軽さにはビックリします。
聖が騒ぎになったのは自分のせいだと、原口さんはお詫びの品を沢山用意します。
オープンキャンパスに晶がいると連れて行ったのは原口さんでした。
自分の気持ちに嘘は吐かないと決めたのに、誰のためにどうしたらいいのか聖は悩んでいることを原口さんに話しました。
会話の最中ではあるけれど、原口さんが席を立つと倒れてしまいます。
救急車で運ばれ、付き添った聖は、看護師から促されると原口さんの荷物を開きました。
そこに母子手帳とエコーの写真をが…。
お腹の子供は勝太郎の子供。
聖が連絡すると勝太郎は病院にやって来ました。
母子手帳を見せ、3ヶ月であることを伝えます。
CT、MRIに問題はありませんでしたが、血圧が高いため、原口さんは入院となりました。
翌日。
原口さんの着替えを聖が持ってくると、原口さんは出勤しようとしているのです。
大事なプロジェクトがあり、仕事に行って病院に戻ってくると言うのです。
原口さんに子供が授かったことより大事なことはないと、聖は安静にするよう原口さんに言いました。
原口さんは素直に聖の言うことを聞くと、1人で母親になる覚悟ができたという決心を聖に伝えます。
誰のために何ができるのか。何が正解なのか。正解なんかわかるわけはない。だから、自分自身の正解を探す。1人で立って進む先に答えがあると信じて…原口さんの言葉は、同じように悩んでいた聖への答えにも繋がっていきます。
「誓約書」
誓約書の提出期限は1週間。
提出期限が前日に迫ってはいたけれど、聖からの提出はされていませんでした。
愛子は提出されないかもしれないという不安を抱えていました。
しかし、帰宅した晶に誓約書のことを聞かれてしまいます。
愛子がしていることはもはや騙し討ちのようなもの。
理不尽さに晶は腹を立てます。
「今はわからなくてもいつかわかる。晶のため。しっかりした大人になるまで」
晶のため…って一体なんでしょう。
子供を持つ親の常套句にしか聞こえません。
聖の資料を見て、花屋で勤めていることがわかると、晶はいつものように聖の元に走り出しました。
しかし、花屋に聖はいませんでした。
手に持っていた資料に現住所が書かれていることに気がつくと、聖の自宅へと向かいます。
聖のところに向かったのだと、愛子と弁護士も聖のところに向かいます。
聖の部屋のインターホンが鳴りました。
晶なのだろうか。愛子なのだろうか。
どちらなのだろうと思っていると、晶の声が聞こえてきました。
ドアのぶを握る聖。
ドアを開けるのか開けないのか。
そして、弁護士も聖の部屋へとやって来ました。
「上がってもいいですか?」と聖の部屋に上がり込む弁護士。
誓約書の件と言うけれど、部屋の中に晶がいないかと探しているのがわかります。
翌日。
聖は弁護士も同席のうえで愛子と話をします。
前夜。晶は来たけれど、聖はドアを開けていませんでした。
そして、そのうちに晶は聖の部屋の前を後にしたと…。
聖が愛子に“当初”伝えたかったことは、「私達の決意は固い。待てる。信じて欲しい」というものでした。
しかし、それは変わってしまったようです。
晶は18歳で、危うくて、何かの拍子に感情に流されて、進めず、昔に戻ってしまい、聖は愛子が心配する気持ちがわかったようでした。
そして、誓約書を提出。
愛子も弁護士も驚いた顔をします
晶にとって大事なのは未来。どんなに思っても表に出してはいけなかった。本当に思うなら時間や距離や可能性を与えることが大人の責任だった…それをできなかったことを聖は謝罪し、二度と会うことはないと晶に伝えて欲しいと言います。
愛するからこその決断でした。
しかし、愛子はこんな結末を本当に望んでいたのでしょうか。
晶は、聖のことを愛子に尋ねました。
愛子は、これが聖の答えだと晶に誓約書を見せます。
どうしてこうなったのか。どんな気持ちで聖が誓約書を書いたのか。
この思いにどう答えられるのか考えるように、晶は愛子に言われました。
未成年とは言え、後先考えずに突っ走ってきたことには晶にも責任がありました。
晶は一体何を感じ、何を思ったのでしょう。
愛子が誓約書を眺めているとインターホンが鳴りました。
塩谷元教頭でした。
恐らく、定年退職をしたのでしょう。
再就職をし、いじめ相談員になっていました。
塩谷元教頭は、聖と晶の今について知っていました。
たった1人の息子に恨まれているかと思うと、許すつもりはないけれど、くじけそうになりしんどい時もあると愛子は本音を漏らします。
塩谷元教頭が帰ると、愛子は誓約書を金庫にしまいました。
金庫にまで入れる心境というのはどういった心境を表しているのでそうか。
聖と晶の本当の別れ
国際日本語教会海外教育隊としてバンコクで日本語教師になることを決めた聖は、タイ語の勉強をしていました。
そこに勝太郎からの電話が鳴ります。
聖は勝太郎と遊園地に来ると、原口さんからの指示で1人で観覧車に乗り込みました。
そこに原口さんから電話がかかってきます。
聖に電話をかけている原口さんの前に晶が現れ、原口さんの携帯電話が晶に渡されました。
聖といると幸せで、自分のことしか考えてこなかった。今は聖に幸せになって欲しい。だから会わない。連絡もしない。だけど、幸せになって欲しいとずっと願っている…晶は聖にそう伝えます。
聖は、日本を離れ、海外で働くことを晶に伝えました。
知らない土地に1人で行くなんて、聖は今まで考えたこともなかったようです。
だけど、それができるようになったのは晶のおかげでした。
この先1人で立っていく力を晶に与えてもらったのです。
晶は、高く昇って小さくなっていく聖に、大きな声で「頑張れ!」と何度も叫びます。
2人はこれで本当にお別れです。
だけど、もう二度と会えなかったとしても、2人の間にはこれからも強い絆があるような気がしてなりません。
聖は晶によって、晶は聖によって大きく成長しました。
観覧車を降りると、勝太郎が1冊の便箋を聖に渡しました。
それは、晶が聖と出会った日から綴られた日記でした。
晶が15歳の夏に聖は消え、それから更新はされていませんでしたが、新しく更新された最後の1枚は現在2018年12月のもの。
そこには、本当に聖のことを大切に思っていることが伝わる完結に綴られていました。
こんなにお互いを大切に思い合っているのに叶わないだなんて、残酷な現実です。
5年後。バンコクにいる聖の前に現れたスーツ姿の晶
晶大学受験の日。
晶は受験へ。
聖はバンコクへと旅立つ日でした。
聖は、里美に電話をかけると、今からバンコクへ旅立つこと、0からやり直すことを伝えます。
里美はは、聖の部屋を去った時と同じような冷たさがありましたが、辛いことがあったら帰ってくるように言います。
なんだかんだ言いながら娘を思う母親の愛情を感じました。
それから5年後。
愛子は金庫を開けます。
そこには聖の誓約書が入っていました。
金庫の扉を開けたというのはどういうことなのか…。
聖は、バンコクですっかり教師らしくなり、夕日を見てると、携帯電話のカメラを向けました。
晶と一緒に夕日を見た時のことを思い出していたのでしょう。
聖がシャッターを切ると、もうひとつ、シャッター音が聞こえます。
そこに立っていたのは、恐らく社会人になっただろう晶。
晶は聖に誓約書を返しました。
晴れて、愛子の許しが出て、聖を向かえにきたようです。
警察沙汰となり、法的にも引き裂かれ、このドラマにハッピーエンドはあるのかと最終回まで思っていましたが、これからは誰に反対されず聖と晶が愛を重ねていけるのかと思うと、何だかホッとしました。
純愛と言うには非常に重くもありましたが、どんなに引き裂かれても、どんなに離れても、どんなに時間が経っても、2人の気持ちが変わらなかったのは、本当にお互いを思い合っていたからに違いありません。
現実問題、女教師と男子中学生の恋愛というのは許されないことではありますが、叶わない恋なんてないのだと勇気づけられました。