Drアシュラ9話あらすじネタバレ
患者を命の修羅場から救いたい思いで救命を続ける、朱羅(松本若菜)。
彼女は家に帰ることは殆どありません。
救急科の科長、大黒(田辺誠一)から咎められる、朱羅。
「杏野!屋上のテントは片づけたのか?」
「明日やるつもり」
「この前も明日やるって言ったよな。いますぐやってくれ」
「科長、車椅子持って来て。どうしたの?」
大黒に注意されながら、廊下を歩いていると、うずくまる妊婦の女性(村川絵梨)に遭遇しました。
「バイタルは落ち着いている詩、血圧も安定してます」
「なんともなくて良かったです」
「大国先生、三宝師長、杏野先生、いつも有難う御座います。申し遅れました、梵天の妻です。主人がお世話になっています」
朱羅と大黒は、彼女を初療室に運んで手当すると、朱羅や大黒、看護師長、三宝(阿南敦子)の名前を読んで礼を述べました。
自分達を既に知っている女性に驚く、朱羅達。
するとそこへ、梵天(荒川良々)が女性の元へ駆けつけました。
「ICU終わりました…美鈴!」
なんと、彼女は梵天の妻、美鈴(村川絵梨)でした。
「具合どうですか?」
「だいぶよくなりました」
「よかったー」
「梵天先生、お子さん生まれるの?」と六道。
「パパ友として宜しくお願いします。いつ頃生まれる予定ですか?」と大黒。
「今、35周で、来月が予定日です。うちは夫婦とも年齢がいっているので初めてのことで不安ですが」
「男の子?女の子?」
看護師長の三宝佳代(阿南敦子)も梵天の子の誕生を心待ちにしています。
「女の子です」
「あら女の子、楽しみですね」
「ねぇねぇ梵天先生と奥さんの馴れ初め知ってる」
「外で立くらんでいた奥さんを梵天先生が声掛けたんですって」
「あー羨ましい」
「私も結婚したい」
「相手いないんですか」
「そうならゴールインできてますよ」
「薬師寺先生は?
「いません」
大黒が横から割り込んできますが、看護師の沙苗(結城モエ)も、水吉歩夢(荒井玲良)も薬師寺(佐野晶哉)も聞いてません。
「甘いな。結婚すれば自動的に幸せになれるわけじゃない。特に男にとって結婚はポイント制だ。ごみ出したらプラス1点、子供の送り迎えでプラス2点、結婚記念日忘れたらマイナス50点。うわぁ…最初は運命で始まった2人だとしても、関係を続けるには努力がい必要だ…うん、こういうの慣れてる」
朱羅は、屋上で、肉を食べていると、美鈴に声を掛けられました。
「さっきは有難うございました。あの、夫はちゃんと皆さんの役に立てているでしょうか?うちの夫はご存じの通りかと思いますが、気が小さくて心配性で皆さんに迷惑をかけてないか心配になってしまって」
「迷惑はかけてないと思うけど」
「よかったー心臓外科にいた頃のあの人は、いつもなにかに追い詰められていて余裕がなさそうでした。でも今は毎日生き生きしています。皆さんとの関わり合いがそうさせたんだと思います。杏野先生、これからも夫のことを宜しくお願いします」
その頃、一人の耳が不自由な高校生が、歩道に飛び出てきた自転車に衝突しました。
ホットラインが鳴り、交通事故で外傷を負った女性(吉冨さくら)が搬送されてきました。
意識があるものの、呼びかけへの反応に乏しい状態です。
「わかる?名前言える?…聞こえてないかもしれない。筆談の用意して」
朱羅は耳が聞こえていない可能性を悟り、筆談を試みます。
梵天がまず、杏野と自分を紹介します。
間もなく、彼女の父親が駆け付けますが、女性は父親(三浦剛)の姿を見るなり、顔色が変わります。
「明日花!先生、娘は大丈夫なんですか?」
「しばらく入院は必要ですが、安静にしていれば大丈夫だと思います」
「有難う御座います。よかった」
明日花と孝は手話で会話しますが、彼らには距離がありました。
「大丈夫か?どこもけがはないか」
「大丈夫」
「誕生日おめでとう」
明日花に誕生日プレゼントを掲げて見せる、孝。
「もう帰って」
梵天家では生まれてくる娘のエコー写真を見て喜んでいました。
「この前よりも顔がよく見えるね」
「うん、経過も順調だって」
「もうすぐこの子に会えるね」
「太郎さん、私ずっと妊娠できなくて、母親になっちゃいけないと思った。でもこの子は私達のところに来てくれた。諦めなくてホント良かったね。今更不安なんだよね。この子が無事生まれてくるかどうか。今日のこともだし、高齢出産とかリスクばかりチラついちゃって。ごめん変な事言ったね。元気に生まれてくるといいね。写真撮ろう」
翌日。
梵天が筆談で、美鈴に寄り添います。
「痛みはありますか?困っていることはありますか?なにかあれば言って下さい」
また、鷹が明日花に会いに来ました。
「夜はちゃんと寝れたか?ご飯は、薬は飲めたか」
[そんなこと言うな !」
娘に突然、声を荒げた孝に、明日花は心を閉ざして布団を被ってしまいまっした。
「土井さん複雑みたいね」
「奥さん亡くなってるんですね」
「年頃だし、耳のこともあるし難しい時期なんだろうね」
土井明日花を心配する、六道ナオミ(小雪)や、水吉、九曜。
梵天は病院で泣く明日花に何かを思うのでした。
夜に梵天は美鈴から娘の名付けについて相談されます。
「ねぇ結衣ってどう?人との縁を大切に結ぶ…名前ってこの子が一生背負っていくものでしょう。だからどんな人生を歩んでほしいか思いがこもっちゃう」
「そう考えると益々絞れないな」
「ほら、元気いっぱいだよ」
仕事で忙しい梵天が疲れていることを察する美鈴。
「お母さんがなにがあってもあなたを守るからね。あ、動いた」
梵天は娘の名前を懸命に考える妻と我が子の誕生に不安を募らせます。
同じ頃、朱羅は、明日花の為に手話を勉強していました。
翌日。
孝から話を聞く梵天。
「情けないところを見られてしまいました。父親なのに娘に会うのが躊躇してしまうなんて恥ずかしいです。明日花は大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ご安心ください。」
「よかったです」
「あの私が聞く事じゃないかもしれませんが昨日、娘さんと何を話していたんですか」
孝は娘とこんな会話をしていました。
「夜はちゃんと眠れたか?ご飯は?薬もちゃんと飲んだか?」
「大丈夫。わざわざ来なくていいよ。色々やることあるでしょ」
「お父さんのことは気にするな」
「そうやってすぐ自分のこと後回しにしないで。自分のことばかり」
「お前はなにも気にしなくて良い」
「全部、私のせい」
「そんなに思い詰めるな。事故のことなら運転手の脇見運転のせいで、明日花は悪くない」
「違う私のせい!じゃあなんでお母さんの命日にこんなことになっちゃうの!私が悪いからでしょ。私のせいでずっとお父さんに迷惑かけてる。お母さんが死んだのは私を産んだから」
「それは明日花のせいじゃないって。何度も説明しただろ」
「私なんか生まれてこなきゃよかった」
土井孝は妻を出産時に亡くしました。
娘の明日花は、耳の聞こえない自分が生まれたから、母は死んだんだと思っているのです。
「そんなこと言うな!」
「それでお亡くなりに…」
「明日花のせいじゃないって何度も伝えてきたんです。心のどこかで私が妻を引きずっているのを、あの子は感じていたかもしれません。耳が聞こえなくても母親がいなくてもあの子が人生を前向きに生きていけるように私なりに頑張ってきたつもりなんです。あんなことを思わせてしまって。妻に合わせる顔がありません」
朱羅は明日花に筆談でメメッセージを伝えました。
「私には両親がいない。大切な人が突然、いなくなることもある。言いたいことがあるならちゃんと伝えたほうがいい」
救急科の待機室にて。
薬師寺は産科の勉強をしていました。
「お、産科の勉強か。偉いな」
「一応、勉強しとかなきゃって思って」
「でも、正直、全然、妊婦さんのことわかんないです」
「出産は救命医にとっても専門外だしな。俺もさっぱりだよ」と、大黒。
「正直妊婦さんのこと全然わからない」
「師長は助産師さんの資格持ってるんですよね」
荒井は急に、三宝師長が看護師の資格を持っていることを追及しました。
「まぁね。でもずっと私も救命にいるし私も全然よ」
「助産師さんも赤ちゃんを取り上げるんですよね」
「うん、正常分娩ですよね」
「でもお母さんや赤ちゃんに医療行為が必要な場合は、産科や小児のドクターも来るわよ」
「あー僕にとっては未知の世界です」
「新しい命を誕生させるのは大変だよね」
朱羅はぶっきらぼうにも孝に告げました。
「あの子…待ってる」
孝と明日香は心を打ち明け合います。
「ごめん」
「謝らなくていいよ。謝るのはお父さんのほうだ」
孝は、明日花に母子手帳を見せました。
妻の土井春香が、娘の明日花の成長を綴った記録でした。
「あなたが生まれた日、つらいことが今日があっても、明日に花が咲くように、あなたの人生にそんな希望があるように、明日花とつけました。そう願ってお父さんとお母さんからこの名前を送ります」
孝もまた、妻の亡くなった日に、メッセージを書いていました。
「これからはお母さんの分まで明日花を守る」
明日花はやっと家族が自分を思っていることや、自分の生まれたことの意味を知りました。
「私、お父さんとお母さんの子供に生まれてきてよかった」
「俺たちの子供として生まれてきてくれてくれてありがとう」
梵天はその様子を優しく見守ります。
「杏野先生。有難う御座います。私にはあの2人が何を話しているのかわかりませんがもう心配いらないと思います」
梵天は家に帰宅し、美鈴を探します。
「美鈴?!」
「おなかが…出血してるかも」
「大丈夫、すぐに病院行こう」
美鈴は倒れていて、すぐに杏野に伝えました。
「杏野先生、梵天です。妻が急に倒れて出血とお腹の痛みを訴えてます」
「わかった。すぐに連れて来て。緊急オペになる可能性がある。産科と小児科、オペ室に連絡して」
「美鈴!」
「お腹触りますl。板上硬。胎児心拍が落ちてる。赤ちゃんに酸素が届いてない。母体のバイタルは?」
「血圧80の52、脈拍120台ショックバイタルです」
「出血と胎児心拍異常と急な腹痛…常位胎盤早期剥離」
「お願い助けて。私達の赤ちゃんを助けて」
「大丈夫、絶対に助かる」
意識を失った美鈴は訴えます。
「剥がれた胎盤は基には戻らない。既に赤ちゃんも酸素不足で危険な状態になってる。このままじゃ胎内で亡くなってしまう」
「そんな…」
「助ける為にはいますぐ帝王切開しかない」
「千手先生が他の妊婦さんの対応で」
三宝が産科の女医を呼ぼうにも他の妊婦の対応に慌てていました。
「いつ心停止してもおかしくない。今すぐ対応してくれる病院を探して転送したほうがいい」
「それじゃ間に合わない」
「じゃあどうするの?普通の帝王切開とは訳が違うのよ。開いた瞬間に大量出血することもある。私達じゃ手に負えないわ」
「お願いします。妻と娘を助けてください」
「転送はしない。私が帝王切開する」
朱羅は美鈴の帝王切開に挑みます。
「予想以上に出血してる。クランプ」
「泣いて、お願い泣いて。お願い泣いて」
梵天の子供を無事、取り上げたけど、乳児が泣きません。
沙苗と三宝のおかげで、赤ちゃんは泣きました。
しかし、美鈴は心停止し、血圧が50になりました。
「弛緩出血よ。吸引して」
「心拍落ちて来てます。50台です」
「お母さん頑張ってるよ応援してあげて」
出血が50000を超え、美鈴は心停止になりました。
「圧迫しても血が止まらない。縫合する」
「戻らない、美鈴…」
「アドレナリン投与。吸引代わってくれる?」
朱羅は吸引を六道ナオミに頼み、自分は美鈴の心臓マッサージに応じます。」
「梵天先生、あの子は諦めるなって叫んでる。この人を修羅場から呼び戻すにはあなたの声も必要なの!」
朱羅に叱咤激励され、梵天は呼びかけます。
「美鈴、頑張れ!戻って来い、死んじゃだめだ。美鈴。お願いだ!戻って来い。一緒にいよう。これからお母さんになるんだろう。俺達家族になるんだろ!」
心拍がなんとか再開し、39になりました。
梵天の妻子の無事と父になることを改めて祝福する大黒と薬師寺。
「お子さんのご誕生おめでとうございます」
「パパ友として宜しくお願いします」
「奥さんとお子さん頑張りましたね」
「有難う御座います」
「名前なにがいいかな」
「保が決めるつもりなのー」
「杏野先生、妻と娘の命を救っていただいて有難う御座います」
「おめでとう。回診いってくる」
その後、明日花は退院することになりました。
孝と明日花は、朱羅にお礼を伝えます。
「皆さんのおかげで改めて娘と向き合うことが出来ました。明日花がいるだけで私の人生が明るくなるんですよ。本当に有難う御座いました」
「ありがとう」と手話をする明日花。
「元気、お父さん、仲良く、お母さん見てる」
「ありがとう」
「杏野先生って手話できるんですね。さっきなんて言ってたんですか」
「さぁ」
梵天は容態が安定した美鈴と、我が子を見守ります。
「可愛い」
「名前、決まる前に生まれちゃったね」
「ひかりってどうかな。この子がいるだけで僕達の世界が明るくなる。こんなに小さいのに照らしてくれる。僕達だけじゃない。他の人達も明るく照らしてくれる人になってほしい」
「ひかり、ひかり、生まれてきてくれてありがとう」
その姿を朱羅は見守り、笑みを浮かべるのでした。
Drアシュラ9話感想・みどころ
本日のエピソードは2つの命の誕生と葛藤を描いていると思いました。
母が生まれて間もなく亡くなり、耳の障害をもって生まれた高校生、明日花と、梵天の娘、ひかり。
自分を生まなければ母親は助かったと失意のトンネルにいた明日花を出口に導くように助け、大切な家族はいつか急にいなくなるからこそ、家族と向き合うきっかけを作りましたね。
孝も娘を思っていて、つい心がすれ違ってしまい、ボタンが掛け違ってしまう歯がゆさを感じました。
後半は、高齢出産と早産、帝王切開しなければ母子の命に関わる切迫した空気に変わりました。
美鈴の容態が急変して、Drアシュラ史上、最悪の「死亡」か?とざわめきを感じました。
私も家族の話によると、梵天の妻と同じ状況で生まれたので、本日のエピソードは個人的に心にくるものがありました。
明日花じゃないけれど、生んでくれた両親、生かしてくれている両親に感謝を伝えたくなりました。
生まれてきた命の喜びと、2人の女子の未来ある希望を明日の空に願いたい9話でした。