Drアシュラ

Drアシュラ5話

Drアシュラ5話あらすじネタバレ

「フィンクのオペの次は院長の逮捕か」

「うちの病院も有名になったな」

「そんなこと言っても仕方ないんですけどね」

「アシュラ先生いないから静かですよね。学会なんですよね」

「大黒先生一人で大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。今日から梵天先生もいるし」

帝釈病院、救急外来の休憩室では救急科科長、大黒(田辺誠一)がスマホでネットニュースを見ていました。

元院長の不動勝治(佐野史郎)が逮捕されたからです。

この日は、朱羅(松本若菜)が学会で不在で、看護師の九曜(結城モエ)、看護師長の三宝(阿南敦子)は朱羅がいない救急科を心配しますが、心臓外科医の大黒は梵天(荒川良々)が仲間に加わった事を知り、余裕でした。

すると、大黒のPHSに初療室から連絡が入ります。

大黒たちがすぐ向かうと梵天が患者を前にうろたえていました。

「自転車で耳を怪我したようで」

「耳?」

「完全に取れてしまって」

「耳だ。これじゃだめですよ。常温保存だと組織がダメになって使えなくなります。すぐに冷やしてくれ。いずれにせよ救命じゃ手に負えません」

その患者は自転車で転倒し、耳が完全に取れてしまったのです。

「形成外科を呼びましょう。」

「オペ中で夜までかかるそうです」

「切断した組織のゴールデンタイムは8時間だそうで、それまでに血流を再開させないとさい接着出来ないそうです」

再接着には形成外科医の力が必要ですが、オペで夜まで対応出来ない状況です。

「俺の耳がー」絶叫する患者。

「杏野がいてくれたら」と大黒。

「お困りのようね」

その頃、多聞(渡部篤郎)は理事長の阿含(片平なぎさ)に呼ばれていました。

「今の帝釈はいつ崩壊してもおかしくない状況だわ。任せられるのはあなたしかいないの。お願い」

「承知しました」

「ありがとう。引き受けてくれて感謝するわ」

「ところで理事長、この状況で救急科をどうするおつもりですか?」

阿含は多聞に救急科を閉鎖することを告げました。

「フィンクからの寄付が撤回されて新病院の設立資金のあてもなくなった今、救命を残すことはできないわ。救急科を閉鎖する。異論はないわね?それともう一つ、ナオミを救命に入れることにした」

その頃、男性の耳を施術する、ナオミに感心する、大黒と梵天。

「あんな定規で計ったような等間隔で乱れのない縫合」

「こんなの初めて見ました」

「杏野よりもうまいかも」

「これでもう大丈夫よ。お役に立てて良かった」

「ところでどちら様でしょうか」

「今日からここで働く形成外科医よ」

その頃、まだ話し合いを続けている、多聞と阿含。

多聞は阿含が姪の六道ナオミを救急科に配属させた理由を知りたがりました。

「どうして救命に?」

「救急科がなくなる前に、アシュラと働かせるのも面白いと思って」

ナオミのおかげで、男性は耳を縫合してもらいました。

大黒は夜に梵天とナオミの技術の高さに感銘を受け、自分達の仕事の負担が減る事を意気揚々と話しました。

「それにしても医者が2人も増えるなんてこれで救急科もうまく回りそうです」

「ナオミ先生は即戦力ですが、私は耳を冷やすこともできず皆さんの足を引っ張ってばかりで」

「救急科に来たばかりですから焦らなくて大丈夫ですよ」

落ち込む梵天をフォローする、大黒なのでした。

翌日、朱羅達のいる救急科に、ナオミが来ました。

「誰?」

「昨日から救急科に来た形成外科の先生」

「ナオミ先生はクレストウッド記念病院で働いていたんだ。」

「形成外科で全米トップの病院ですよね?なんで帝釈に?」

薬師丸はナオミの経歴に驚きを隠せません。

「百合さんの紹介よ」

ナオミは、叔母の阿含百合の紹介で、帝釈病院の救急科に来たのです。

「理事長、私の叔母なの」

「理事長のご親族だったんですか?」と三宝(阿南敦子)

「それにわたしもアシュラ先生と働いてみたいと思ったし。」

「2人は知り合いなんですか?」

「まぁね。百合さんがよく言ってたわ。救命の為なら手段を選ばない阿修羅のような人だって。でも私は私のやり方でやらせてもらうわね」

「好きにすれば」

早速、歯痛を訴える男性患者が来ました。

「歯が痛くて。」

「虫歯じゃないですか?」

「歯が痛くて病院行きますかね?」

朱羅は男性患者の話に違和感を感じ、診察中の梵天を制止します。

「どうしました?痛み止めを処方しておくので近いうちに歯科に行ってください」

「有難う御座います」

「お大事に」

「待って。すぐに心電図と心エコーする。採血も。トロポニン検査して」

しかし、朱羅が心電図とエコー、採血、トロポニン検査をすると、男性は通院歴があり、心筋梗塞でした。

「心筋梗塞?」

「心筋梗塞の患者は胸じゃなく歯に痛みが現れることがある。」

「しかし、心筋梗塞の痛みは耐えられないほどの激痛なんですよ。普通に受診できるなんて考えられません」

「カルテに糖尿病の通院歴がある」

「糖尿病…それに何の関係が」

「糖尿病の神経障害で本来なら動けないほどの痛みが抑えられていた。このままじゃ心停止する」

「先生助けて下さい」と男性。

「今すぐPCI」

梵天はその後、外科科長の金剛又吉(鈴木浩介)に呼び止められますが、皮肉屋な金剛に嫌味を言われます。

「ゴッドハンドお疲れ様です」

「お疲れ様です」

「いやまさか梵天先生が救急科に来るなんて」

「この度は急な異動でご迷惑をお掛けしました」

「とんでもない寧ろ感謝してますよ。帝釈にゴッドハンドがいるって噂のおかげで外科にVIP患者が押し寄せてきますから。優秀な梵天先生は救急科でも成功率99%なんでしょうね。フィンクが今朝、退院していきましたよ」

「え、そうだったんですか?」

「あなたのことを最後まで命の恩人だと信じてきました。まぁいいんじゃないですか。彼のなかではあなたはゴッドハンドですよ。違う違う、ノーマルハンドなのに」

男性は朱羅の治療で、事なきを得ました。

「PCIうまくいきましたよもう安心ですね」

三宝は男性患者に治療がうまくいったことを伝えました。

「本当にどうも有難う御座いました」

「来る…!」

患者が運ばれてくることを予測した、朱羅。

間もなく、若い女性が搬送されてきました。

「エコーとレントゲン」

「レントゲン技師呼んできます」

「どうして救急車のなかでライン保てないの?あなた車内でなにしてたの?」

ナオミの質問に救急救命士の吉祥寺(猪塚健太)は答えます。

「救急救命士は、原則、心肺停止の患者さんにのみライン確保が許可されています。」

「そうなんだ。アメリカとは違うのね」

朱羅と梵天が女性の体の状態をモニターで見ると、僧帽弁閉鎖不全症でした。

「僧帽弁閉鎖不全症か」

「心不全で肺うっ血を起こしてます。なるべく早く手術が必要です。

「一先ず、肺うっ血を改善させる。利尿剤と血管拡張薬」

「佐竹さん、点滴させてもらいますね」

しかし、女性は目を覚ますと、医療器具を抜いて治療を拒否します。

梵天が点滴をしようとすると、彼女はその手をはねのけました。

「やめて!そんなのいらないって言ってるの。帰ります。ちょっとベンチで休んでただけなのに勝手に救急車呼ばれて迷惑なんです」

朱羅はとっさに腕を掴んで引き止めます。

「手の冷感に頻脈、指先にチアノーゼ。心臓にかなりの負担がかかってる。いつ急変して死んでもおかしくない」

「治療はしないって言ったでしょ」

「佐竹さん?」

追いかけようとする、朱羅を冷静に厳しく止める、ナオミ。

「追いかける必要な無いわ。医学的説明をしたのに、立ち去った。これは彼女が自分の意志で決めた事なの」

「このまま治療しないと死ぬのに?」

「医者には患者に治療を強制する権利はないの」

「権利?」

「患者の意思に反して治療すれば訴訟される可能性だってある。もし病院が訴えられたら先生のせいで私達まで迷惑を被るのよ」

「あの子は今、修羅場にいる。私は目の前の命を見捨てることなんてできない!」

「杏野先生」

「やめなさい。彼女のやり方は間違ってる。あなたまで巻き込まれる必要はない」

杏野を心配する薬師寺を諭すナオミですが、薬師寺は杏野についていきました。

その後、彼女、佐竹里帆を追いかけた朱羅と梵天。

「やはりあなたは治療が必要」

「やめてよ!」

「なにか治療を受けたくない理由があるんですか?」と梵天。

「なにかあるんでしょ?」

「10日後にバイオリンのコンクールがある」

「佐竹さんは少なくとも2週間の入院が必要です。コンクールなら体調を整えてまた次の機会に」

「次んてない。このコンクールで入賞しなきゃ特待生じゃなくなって大学を続けられなくなる。死んでも出るしかないの」

「言い分はわかった。1週間で治してあげる。治療しないでその苦しみがなくなることはない。そんな状態で実力が出せるの?」

里帆の事情と焦りを知った朱羅は、1週間で治す事を伝えるとともに、彼女の心を揺らがる言葉を掛けました。

「私が必ずあなたをコンクールに間に合わせる」

その頃、阿含と六道は、朱羅の里帆への対応を話し合っていました。

「逃げた患者を連れ戻すなんてさすがアシュラ先生ね」

「余計な仕事、増やすような真似しないでほしいわ。アシュラ先生の自己満足なんだろうけど患者も良い迷惑だわ。私やっぱり外科に行くわ。これ以上、救命いる意味を見出せない」

「ちょっと待って。もうちょっとだけ様子を見てもいいんじゃない」

梵天は朱羅が里帆の手術を絶対にコンクールに間に合わせて手術することに不安を抱いていました。

「杏野先生、本当に大丈夫なんですか?コンクールに間に合わせるって」

「絶対に間に合わせる。これ明日までに読んでおいて」

そして、ミックスという、低侵撃心臓手術右小開胸アプローチ法で、朱羅は女性を手術することにしました。

「ミックス?もしかしてこの手術をするつもりなんですか?」

「通常の胸骨正中切開だと傷が大きく入院も延びる。ミックスなら傷が小さく退院が早くなる」

「しかしミックスは小さな切開部から器具を入れて行うため、通常のオペより視野が狭く難易度は段違いです。杏野先生でもさすがに無理です」

「これ以外、彼女の希望を叶える手段はない」

ミックス以外では、里帆を助けることが出来ませんでした。

その頃、阿含理事長に呼ばれた多聞。

「どうしましたか?」

「大したことじゃないんだけど。アシュラとナオミがうまくやれるよう気に掛けてくれない。優秀な医師同士ぶつかることもあるでしょ」

「わかりました」

里帆のミックスによる、僧帽弁形成手術が始まりました。

「先生、やはり我々にはミックスは無理だと思います。正中切開に切り替えましょう。ご本人も納得してくれると思います」と梵天。

「私は、この子と約束したから。」

絶対に1週間でバイオリンのコンクールに間に合わせるよう、手術をする事に。

「ああ、院長どうかされましたか。杏野がいないなんて珍しいですね」

「杏野は今、オペ中なんですね」

「救命医がミックスなんて聞いたことないわ」

「杏野が?」

「ええ。どうしても早く退院しなければならない患者さんがいまして。」

「杏野先生は間違ってる。いくら患者が希望したからって余計なリスクを負って、難しいオペをする必要はない。その判断を冷静に下すのも医師の仕事でしょ」

「実は先月、私の息子も杏野先生に命を救ってもらったんです。その時も杏野は息子の将来のために、あえて難しい方法を選んでくれました。あいつはそういう医者なんです」

大黒は杏野に一人息子を難解な手術で救われたことを話し、朱羅が患者の為に全力投球なことをナオミに告げるのでした。

手術を行う、朱羅。

「左房を露出させるから広げて。見えないもっと出して」

「この視野の狭さじゃできません。無理に広げて血管を傷つけてしまえば、大出血を起こします。先生、やはり引き返して、正切開に」

「経心房中隔切開に切り替える。ロングメッツェン。大丈夫、絶対に成功させる!把持鉗子、持針器」

「通った!通りました」

「僧帽弁到達。持針器」

「余分な弁尖は切除し、ループテクニックによる、僧帽弁形成手術をおこなう」

「彼女、腕はいいけどやっぱり仲良くなれそうにないわー」

手術の様子をガラス越しに見た、ナオミは朱羅とは肌が合わないと感じるのでした。

その後、女性の母が来て、里帆の手術は事なきを得ました。

「手術は無事、成功しました。1週間で退院できると思います」

「有難う御座います。あのもしかして、梵天先生っゴッドハンドで有名なあの先生ですか?まさかあの梵天先生に手術してもらえるなんて娘は運が良かったですー」

そう言われ、梵天は複雑な心境でした。

朱羅に手術をするのが怖くないのかを聞きました。

「杏野先生は何故、ミックス術を選ぶことが出来たんですか?もし失敗すれば患者の信頼を失うだけでなく訴訟される可能性だってありました。失敗するのが怖くないんですか?」

「怖いに決まってる」

「じゃあどうして」

「私が助けたいのは命だけじゃない。その患者の全てだから」

里帆は、無事、回復し、退院する前に朱羅に礼を言いに来ました。

「先生、退院する前に先生達にお礼を言いたくて。杏野先生、本当に1週間で退院させてくれて、有難う。」

「私はただ自分の仕事をしただけだから」

「でも本当に感謝しています。バイオリンがもし続けられなくなったら、生きてる価値ないって思ってた。コンクールに間に合わないなら治療する意味なんてないって。でも先生は私の為に難しい手術をしてくれた。先生のおかげでまた生きていこうって思えた。先生、あの時、私を追いかけてくれて、手術してくれて本当に有難う御座いました」

「コンクール頑張って」

「うん、絶対優勝する」

その頃、退院したフィンク(厚切りジェイソン)は自分を訪ねて来た梵天を見かけました。

大黒は鍋のままテントでラーメンを食べる朱羅を目撃して驚きます。

「うわなにやってんだ。今すぐ片付けろ」

「やっぱり融資は難しい。救急科を閉鎖しても新病院設立はない」

「帝釈から救急がなくなってもこの地域は他の病院にも救命があります。患者さんに影響は殆どないはずです」

アメリカ帰りの六道は当直明けの薬師寺がまだ勤務中な事を不思議に思います。

「あー昼だ。」

「まだいたの?当直明けでしょ。早く帰りなさい」

「日本の医者は当直明けもそのまま働くんですよ。」

「アメリカみたいに労働基準の規制はないの?」

「去年から医者も働き方改革が始まったらしいですけど人手が増えないのに労働時間だけ減らされても、まぁシフト組めないし無理ですよ。」

「薬師寺先生は帰りなさい。上司のあなたがそうやっていつまでも働くから研修医が休めないのよ」

「そうしないと患者の治療はどんどん遅れるし、助かる命も助からなくなる」

「それは私達のせいじゃない。充分なスタッフを揃えない経営陣の責任よ」

「患者の命の前でそんな言い訳通用しない」

「だからそうやって、自己犠牲続けるつもり?薬師寺先生は杏野先が正しいと思ってるの??」

「坊主、今日は帰りなさい」

「私も仕事に戻るわね」

朱羅は昼間にせわしなく働きます。

「この患者さんにアシドーシス追加」

「はい」と、看護師の歩夢(荒井玲良)。

「杏野先生まだ働いてるの?」

「杏野先生はずっとそうですよ」

一方で、救急科を閉鎖して新病院の設立を話し合う、金剛と多聞。

「さっさと救急科潰して一刻も早く実現させましょう」

「多聞院長が国際帝釈病院の院長になった暁にはこの金剛又吉、この金剛又吉にお任せあれ。切断?こっちは今オペだ。そんなこといちいち私に連絡してくるな。また救急科ですよ。右腕を切断した患者がいて。」

「切断ですか?」

「例のアメリカ帰りの形成外科が定時で帰ったそうです」

「でも形成外科医がいなければ再せっゆあくは無理でしょう」

「どうせまたアシュラが無理やり受け入れたんでしょう。腕を失う患者が可哀想です」

薬師寺は、定時で帰ろうとするナオミに伝えました。

「先生、腕を失った患者さんが他の病院から手に負えないって運ばれてきました。緊急オペになるから今すぐ来いって。救命には接着できるのは先生しかいないんです。」

「私はもう帰る時間だから。医者がいないのは私のせいじゃないでしょ。アシュラ先生もいるし命は助かるでしょ」

「運ばれてきたのは佐竹さんなんです。それでも命だけ助かればいいって思うんですか?佐竹さんが腕を失うのは嫌です。これからもバイオリンを弾かせてあげたいんです」

「患者が誰であろうと関係ない。医者はどんな患者にも平等であるべきよ」

「僕と杏野先生で対応します」

そんななか、帰ろうとしたナオミは、治ろうとする意志を持つ、里帆の顔が浮かび、心が葛藤します。

薬師寺は、駆け込むと朱羅が、措置をしていました。

「断端形成する、坊主、介助して」

薬師寺に指示する、朱羅。

「断端形成って傷口塞いじゃうってことですよね。どうしてですか?杏野先生なら腕だって繋げられますよね?」

「腕が事故の衝撃で飛ばされて、探すのに時間がかかってどこにあるか分からないんです。」

「腕が届いてない」

「時間がない。腕は諦める」

朱らは珍しく悲しい選択肢をとります。

「待って。私が腕が到着したら、再接着します。腕をなくすことは私が許さない」

「腕より命よ。彼女はバイオリンニストよ。だからこの子をミックス手術で治したんでしょ。」

「待てない」

「待てるでしょ。出血もバイタルもコントールできてる。この一瞬の判断で、この子の人生が大きく変わるのよ」

「だからそう判断したの!腕を選べば彼女は助からない!」

朱羅は里帆がとても深刻な状況にあり、腕をやむを得ず切断しなければならない苦渋の決断をしたのです。

「あれ、まさか…」

「仮性動脈瘤。外傷性のものよ…これじゃあいつ破裂してもおかしくない」

なんと、里帆は、外傷性の仮性動脈瘤も発症していました。

「彼女にとってバイオリンは命と同じくらい大事」

なんと、動脈瘤があり、腕を接合すると、命の危機に陥るのです。

「先生、腕を繋げて下さい。娘にとってバイオリンは命と同じくらいです」

「腕は繋げられない。もし腕を接着すれば動脈瘤破裂で出血性ショックで死に至る。」

「じゃあ先に動脈瘤手術をすれば」と薬師寺。

「この子の動脈瘤は大きい。どんなに急いでも7時間はかかる。」

「腕の切断から4時間立ってる。動脈瘤オペの後じゃゴールデンタイムの8時間は間に合わない」

「命の為には腕を諦めるしかない」

「先生どうにかなりませんか!お願いします。」

「今、こうしている間にも動脈瘤は破裂するかもしれない。救命をすることが何より優先なの。出て行って」

泣き崩れる、里帆の母をフォローします。

そこへ多聞が来ました。

「本当にそれでいいのか?」

「杏野、お前ほどの腕を持つ救命医は他にいない。そして六道先生、あなた程の腕を持つ形成医も他にいません。この2人が揃っていてそんな選択肢しかできないとは非常に残念だ」

そこで、大動脈瘤と腕の同時オペをすることに決めた、朱羅とナオミ。

動脈瘤がいつ破裂してもおかしくない里帆。

少しでも傷つけたら大量出血で、死に至る可能性が。

「動脈瘤の根元をクランプして。サテンスキー」

「ちょっとでも傷つけたら大出血する」

「よし遮断できたこれで出血は大丈夫」

「遮断しました」

「まだ終わってない。動脈瘤が腹部まで広がってる」

なんとか遮断したものの、動脈瘤が腹部まで広がっていました。

多聞は大手術の様子を見守っていました。

「この子のこと、後はお願い」

「私を誰だと思ってるの。この子の腕、私が絶対に繋いで見せる」

「後は宜しく」

ナオミにバトンタッチをした朱羅は仮眠をとりました。

「なんか久々に手術したから疲れた」

「そう、お疲れ」

「朱羅先生もお疲れ様」

里帆の術後の安定を見るナオミ。

「あらどうしたの?」

「昨日は済みませんでした。先生に生意気な事言って」

薬師寺は半人前の自分が意見したことを謝りました。

「勘弁してよ。昨日は帰ったけど次はそうはいかないからね。でもまぁ。あの子が助かって良かった。私もあの子にもう一度、バイオリンを弾かせてあげたいと思ったから。だからってアシュラ先生のやり方認めたわけじゃないからね。今回は特別。じゃあね」

阿含と多聞は価値観を改め、フィンク(厚切りジェイソン)の寄付を受けながら、救急科を永続することにしました。

「まさかアシュラとナオミがダブルオペなんてね」

「他の病院では対応できず、転送されてきた患者だったそうです」

「そうだったの」

「他の病院では対応できなかった患者を帝釈の救命で救うことが出来ました。理事長が優秀な命を集め1人でも多くの命を救いたいと思ってきた結果です」

「現場の努力のおかげよ」

「理事長、本当は救命を残したいと思ったのでは?そのために六道先生を救急科に配属させたのでは?」

「先生、救急科の閉鎖を撤廃していただけませんか。私の考えが間違っていたと杏野や他の医師達の姿を見て気付かされました。帝釈に救命科は必要です。救命を残す方法を考え直してください」

「わかったわ救急科を残す道を探しましょう。そう簡単にはいかないわ。厳しい道のりになりそうね」

朱羅に救急科を残すことを伝えました。

「今度は何の用?私はまだ救急科の閉鎖を認めてないから」

「そのことで伝えなければならないことがある。先程、フィンクから連絡があって救急科を残すことを条件に寄付を受けられることになった。梵天がフィンクを訪ねて、杏野が助けたことを伝えに行ったらしい。フィンクは自分の命を救ってくれた救急科を残すことを希望した」

「そう…」

「杏野のおかげで救命を閉鎖せずに済んだ」

「私はただ目の前の命を救いたかっただけ。それと約束を守りたかっただけ」

「俺は間違っていた。俺はこれから院長として救命を立て直すつもりだ。救命で救った命を繋ぎ、一丸となって患者を救う。杏野力を貸してくれ」

「はい」

多聞の改心に、朱羅は身を引き締めて、命を救う事に邁進するのでした。

Drアシュラ5話感想・みどころ

耳を失った患者と腕の切断を迫られた患者。

当初、バイオリンが引けなければ生きている意味を感じられないと自暴自棄になった、里帆。

しかし、命を必ず見捨てない朱羅に出会ったことで、意識が変わって生きることに前向きになれて良かったです。

それでも、大事故に遭い、腕が吹っ飛んでしまう二度目の悲劇。

治療方針で対立し、患者の為になにが優先すべきことか葛藤した、朱羅とナオミ。

この2人はなかなかの戦友になりそうな気がしました。

価値観は違えども、患者を救いたい思いは同じなので、救命科にとって2人は頼もしいバディとなるでしょう。

そして、多聞も朱羅達が、日々、「修羅場にいる」患者の命を向き合い続ける原動力に動かされ、改心し、救急科が継続された心温まる5話でしたね。

data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">
data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください