人事の人見

人事の人見1話

人事の人見1話あらすじネタバレ

人見廉は、町中のパフォーマンスを見てから、日の出鉛筆へ向かいました。

大手文房具メーカー「日の出鉛筆」。

「買ってきました」

森谷(桜井日奈子)が外回りから戻って来ました。

「研究開発の坂巻さんまた勤務時間抜けてます。」

「また?困ったわねー」と、人事部部長の平井美和(鈴木保奈美)。

この状況に四角四面で曲がったことは許さない、真野直己は慎重に美和に確認します。

「先月もですよ?あっちの部長さんにちゃんと言ってくれたんですよね?」

「言ったかな?」

「あそこの研究チーム、先月働きすぎで労基に目を付けられたじゃないですか」

「はい分かりました言っておく言っておく」

「部長が強く出られるわけないだろ」

真野に声を掛けたのは須永(新納慎也)。

「こないだ入社自体した新卒いたろ?研究開発の部長が一押しだったんだと。それに逃げられてカンカン、人事は何やってんだ!っつって」

「関係なくないですか?言うべきことは行ってもらわないと!社内の労働環境を健全に保つのが我々の使命じゃないですか!」

「もう激しいんだよ」

「じゃあ須永さん行ってきてくださいよ」

「あ、俺、ほら他で忙しいから」

体育会系気質が色濃く残り、営業部などの現場の声が最優先の社風でした。

人事部のオフィスでは、労務担当の真野直己(前田敦子)が会社の現状を憂い、正しい労働環境に変えようと奮闘中です。

部長の平田美和(鈴木保奈美)は部署間のパワーハラスメントなど無視して問題点を訴える真野に、ハラハラしています。

真野と須永圭介(新納慎也)は意見が対立。

そんな人事部はカラオケ好きの社長、小笠原治(小野武彦)の発案で始まった社内カラオケ大会の準備に追われていました。

「はいみんな注目!我ら人事部が主催する社内対抗カラオケ大会まであと4日に迫った。今年は3年振りの開催で社長も例年以上に期待しておられる。気を引き締めて行こう。やっぱり士気が低すぎる。うちが失敗したら里井常務が恥をかくことになるんだぞ」

須永圭介(新納慎也)が堀愛美(松本まりか)森谷詩織(桜井日奈子)、ミン・ウジン(ヘイテツ)らに発破を掛けるのですが、自分では何もしません。

「堀さんなんで日本人はそこまでしてカラオケしたがるんですか?」

「本心でやりたい人なんて誰もいないって」

「そうなんですか?じゃあやめちゃえばいいじゃないですか」

「そういうわけにはいかないの」

「なんでですか?」

「社長がカラオケ大好きだから。それに出世したいおじ様方にとっては社長にごまするチャンスだし」

「カラオケなんかで出世に繋がるんですか?」

「じゃないとあの人が立候補しないでしょ」

そう言って愛美は、ウジンに須永のことを伝えました。

堀愛美は韓国人と日本人のハーフのウジンに説明します。

まとまりのない人事部でしたが、常務取締役の里井嘉久(小日向文世)が海外から抜擢した人事のスペシャリストが中途入社でやって来ると言い、日の出鉛筆社員にとっては、その人材が僅かな希望でした。

「今日からだよね?例の新人さん」

噂話し好きの社員、相沢今日子(前田友里子)は隣の森谷に話しかけました。

「ああ中途の」

「謎のエリート外資系出身者。海外から抜擢された人事のエキスパートなんだって」

「へぇ」

「え?興味ないの?」

「私あんまりそういうエリートとかは」

「ほら森谷ちゃんのSNSの漫画のキャラとかに」

逢沢は森谷が会社の様子を漫画にする趣味を持つことに触れ、ネタにしないか提案しました。

「いや完璧超人って面白くないじゃないすか。私は会社に実在する面白キャラをリアリティもって描きたいんすよ」

そう言って、須永をモデルにした絵を相沢に見せる森谷。

「なるほどね」

森谷と相沢の会話を聞いた、真野は横から口出しします。

「あまり社内の人の実情をSNSに上げない方がいいと思うよ。しかも人事部が」

「人事にまで情報降りてこない中途社員って何事ですか」

「海外で速攻決まったとかで書類揃える暇なかったって」

真野の質問に答えるのは、採用担当の富樫誠(津和野諒)。

「だとしても写真も履歴書もないんですよ?」

「里井常務の異例の大抜擢らしいから」と堀愛美(松本まりか)。

「あれまだ来てない中途の人」

「新人って入社するまで安心できないっていうか」

「ちょっと怖い事言わないでよ」

「済みません」

「里井常務の肝煎りで来る人ですよね?いきなり飛んだりしないんじゃないんですか」

「その里井常務が抜擢した人が取り逃がしたりなんかしたら」

「ちょっと勘弁してよやだ」

すると、そこに一人の男性が現れました。

「里井常務から話を聞いてます、宜しくね。はいみんな手を止めて注目、今日から人事部に新しい仲間が加わります。」

美和は男性を里井がお墨付きの新人と勘違いして皆の前で紹介してしまいました。

「マーケティング部の瀬沼優さんの退職届を持ってまいりました」

「え?あの…」

そこへ、マーケティング部2年目の瀬沼の退職届を持ってきた代行サービスの男性と同タイミングで、人見が来ました。

「済みません遅くなりました!今日からよろしくお願いします。人を見ると書いて人見廉です!」

待ち望んだ人材だと平田が迎え入れると、その男は退職代行サービスでした。

マーケティング部2年目の将来有望な社員、瀬沼優(田中洸希)の退職届を届けに来たのでした。

「この瀬沼さんって…入社2年目の新人じゃないの?」

「はぁカラオケ大会でくそ忙しい時に厄介な」

「彼、マーケティング部の超有望な新人社員ですよ。ほら入社式で代表のあいさつもしてた」

「優秀すぎて見切りをつけるのが早いんですかね」

「早すぎるでしょ!石の上にも3年いや、5年は働かないと何も見えないでしょ。」

「新卒入社できた有難みが分からないんだろうなこの世代は」

「仕方ないですよ今は売り手市場だし」

「普通自分と合ってない部署で1年も働いたら辞めるんじゃないですか」

「それ瀬沼さんの話よね?自分じゃないよね?」

ウジンの一言に、慌てる美和。

「どうすかね」

「ウジンくん辞めちゃうの?」

「僕は辞めないですけど」

「森谷ちゃん分かる?こういう若者の気持ち」

「ごめんなさい聞いてなかった」

「もう描いているの?退職代行のこと」

「ちょっとそれ大丈夫?個人情報とか」

「あ、個人名ぼかすんで、S沼にするんで」

「ほぼ言ってんじゃねぇか」

須永は森谷にツッコミをいれるのでした。

社内の事を漫画にする趣味を持つ、森谷詩織(桜井日奈子)の言動にハラハラする、平田。

「とりあえず退職時の返却物は揃ってるので手続きしちゃっていいですか?」

真野は瀬沼の退職手続きを進めようとします。

「いやダメだろ、里井常務も仰っていただろ?有望な若手を辞めさせないようにって。」

「辞めさせるわけにはいかないのよ」

「退職届は断れないじゃないですか法律的に」

瀬沼の退職を受理しようとする真野を止める美和と須永。

「そうなのよ退職届は断れないのよ」

「部長どっちですか!」

「うまいこと説得して取り下げてもらいましょう」

退職届は断れない為に、人見を頼ろうとして話を振る相沢。

「来て早々で申し訳ないんだけど、どう思う?エキスパート的に退職に纏わる揉め事は向こうの方が進んでいるでしょ?」

「退職代行ってなんですか?」と人見。

「日本くらいですよそんなサービスがあるの」

「向こうにはそういうのないのか」

廉がアメリカ帰りで常識がないことに気付かない、須永。

「退職代行は本人に代わって代行するサービス。直接退職届を渡せない人もいるので」

富樫は廉に説明しました。

「引き留められたり怒られたりするのが怖くて躊躇しちゃう人もいるじゃないですか。そういう時に間に入るサービスです」

「でも1回は本人と話し合うんですよね」

「いや瀬沼さんは一切連絡を取るつもりはないようですね。連絡は全て業者を通せって」

「え?1回も合わずに辞めちゃうんですか?」

「やっぱりおかしいわよね人事のエキスパートも言ってるし」

「でも民法の退職の自由が」

「真野ちゃん真面目過ぎ」

「当たり前のことを言ってるだけです!」

真面目で堅物な真野は曲がったことが大嫌いで、みんなと反り合いません。

「あーもう、で、どうやって引き止める?」

「来ないなら行くしかないんじゃないですか」

瀬沼の家を訪問しようと考える、須永。

「でもこれ炎上大丈夫ですか?この間SNSで流れて来て、自宅まで凸ってきたやばい上司みたいなやつ。あれも会社辞める辞めないの話しだったような」

「突撃とかじゃないならそっと行くとか?」

「私だったら会社の人が突然家まで来る時点でアウトですけど…」

「でもこんな退職代行一発で新人逃してたら里井常務がなんて仰るか」

森谷は瀬沼の家を訪問することが、ネットで炎上され、会社の付表に繋がることを心配しました。

退職代行を使った社員をどうにか説得しようとする一同ですが、里井の登場にたじろいでしまいました。

そこへ里井嘉久(小日向文世)が突然現れました。

「由々しき事態だとは思っております。よりによってマーケティングの瀬沼君ですが」

「ご安心ください。なんとか説得して引き止めますので」

「トラブルは避けてね?退職代行を使う以上、何かしら会社に対して不満や事情があるんでしょう。くれぐれも揉め事にならないように」

「あ、えっとじゃあ自宅行って説得するのは?」

「論外です。」

「論外ですよ。私も里井常務の仰る通りだと思ってました」

須永は慌てて、里見の顔色を伺います。

「それでは退職ということで進めることにします」

「ですが、優秀な若手社員の離職も問題です。」

「えっとどちらを優先すれば?」

「それで今日から人見君が出勤だと思いますが」

「あれ?人見君は?」

「瀬沼さん日の出鉛筆の人事の人見です。ちょっとお話聞きたいんですけど」

「どうなってるんですか?会社の人訪ねて来たんですけど、そっちが止めてくれるんじゃないんですか」

有能な社員で退職代行を出した、瀬沼の家を訪問した、人見。

慌てて、布団に潜り込みながら、瀬沼は真野に連絡します。

「なにやってるんですか人見さん。ダメですよ訪問したら。今退職代行から苦情入りましたよ!」

真野は人見に電話しました。

真野は間もなく、人見を探して止めました。

「なんなんですかあの人見君は!勝手に訪問するなって言ったのに訪問するし、変なメッセージを書くし、人を見れないで人見廉じゃないですか!」

「海外の人って表現がストレートじゃない?」

「ああ見えて人材のエキスパートなんだよ」

「ずっとバックパッカーで会社務めも初めてって」

「どうりで」

「なんでそんな奴が人事にいるんだよ」

その頃、社長の小笠原(小野武彦)を筆頭に、カラオケ大会について会議が行われているものの、小笠原は「ルビーの指輪」を要望してやりたい放題でした。

「とにかく却下だ!全部白紙に戻せ」

「白紙ですか?あのしかしながらこの企画は先日社長の方から」

「そういう問題じゃないだろ。面白みがないだろ、スクラム組んでぶつかって行けよ。カラオケ大会もそうだよ。みんな前回と似たような歌ばかりだったろ。あれなんか聴きたいよなルビーの指輪」

「これでルビーの指輪8人目ですよ」

「12組中8組がルビーの指輪なんて、それはもうルビーの指輪選手権じゃないの」

この男、噂と違い、会社勤め経験0、ビジネスマナーも常識にも欠けていますが、とにかく素直でピュアな人柄です。

「なんで森谷ちゃんが説得しに行ってるの?」

「わかんないす。須永さん俺は手がふさがっているからって」

「ていうか人見くんは?今朝から見てないけど」

人見が「外出」と掲示板にあり、嫌な予感がする、真野。

廉はバターチキンカレーの配達先が瀬沼の家でそれを届けに行きました。

「いい加減にしてくださいよ!こんな騙し討ちみたいなマネして」

「カレー!注文したカレー」

「ほんとに持ってきてるんかい!」

「だから言ったじゃないですか。瀬沼さんの注文ひくまでここら一体で配達し続けてようやく当たったんすよ」

「ずっと届けてたんですか?うちに当たるまで」

「訪問しちゃダメって言われてたんですけど配達で引いちゃったら行くしかないじゃないすか」

「はぁていうか、届け先うちじゃないんだったら配達受けなきゃいいのでは?」

「そんなこと出来るんですか」

「申し訳ありませんでした。訪問しちゃダメって言ってるでしょ」

「だってバターチキンカレーの配達先ここだったんで」

真野は慌てて廉を止めます。

すると、瀬沼は退職代行に退職を届けた経緯を真野と廉に話すことにしました。

「良いですよ、話聞きたいですよね」

「パワハラ?」

「はい、それでちょっと続けられないなと思って。」

「そうだったんですね。瀬沼さん差し支えなければ状況を教えていただけませんか?職場でハラスメントがあったなら、私達は瀬沼さん味方です」

「パワハラに遭って。うちの部署では僕はいない者として扱われてました。みんなが出席する会議に僕だけ出席させてもらえなかったり、飲み会も僕だけはぶられてて。勿論、ただの職場ですし、仲が良い悪いなら良いと思ってたんですけど。やっと任された仕事も取り上げられて簡単な作業しかやらせてもらえなくなりました。この程度でパワハラとか甘えるなとか思うかもしれないですけど」

「そんなことないです。いえ思いません。私も…無視したり仕事を与えないことも十分パワハラだと思います。立場が下の人が声が小さい人が物を言えないことは変えて行かなければいけないと思っています。瀬沼さん、退職の件、もしこのパワハラが原因なんだとしたら、考え直していただけませんか?被害者がこうして自己都合で辞めてゆく現実は間違っていると思うんです。」

「我慢して働けってことですか?」

「違います。こういったハラスメントが起こらないようにします。」

瀬沼は日の出鉛筆のマーケティング部部長、海藤亮二(平山祐介)から仕事を任せてもらえないように。

「瀬沼さんが安心して働ける環境にすることが我々人事部の仕事です。」

「本当ですか?」

「先程、言っていただいたことの起こった日時と場所などを覚えている範囲で教えていただけませんか?」

「はい」

「はい。最初気付いたのは去年の夏前ぐらいでした。僕のチームのプロジェクトが最後の…」

「ラップやってたんすか。めっちゃメダル取ってる。フリースタイルで即興でやるやつすよね」

ふと、人見は瀬沼がラップで表彰されたことに注目します。

「思ったこと言うってめっちゃすごいすね。会社で言えないのにラップで話せるってすごい」

「えっと、話を戻しましょうか!」

「はい、えっとはい、なんでしたっけ」

「パワハラ!」

部署に戻る、真野と人見。

「パワハラか」

「そりゃそんな有望な新人が辞めるんだもんな」

「いや瀬沼さんは辞めません。被害者の方が辞めません。パワハラで新人が辞めるなんて合ってはならないので」

「勿論、でも穏便にね?」

「大丈夫ですよ部長、僕がついているんで」

「ここは一旦私と部長で、今回ばかりはシリアスなやつだから」

一方、カラオケ大会の吞み会も、参加者が辞退しました。

「なんか仕事の関係で出られ合くなっちゃったんですよ」

「ただでさえルビーの指輪なかりなのに」

「ウジン代打行けるか?昔は人事が代打とか前座とかやってたんだよ」

カラオケ大会の代打を中国人と日本人のハーフのウジンに頼む須永。

「絶対いやです。」

「いやです、じゃないよ。辞退者出たんだから仕方ないだろ」

「書いたら辞めますよ、本気ですからね」

「はいはい」

「森谷ウジンって書いておいて」

「人見くんあっち行っておいて!」

「社歌」

「釈迦?」

「うちの会社の歌」

海藤を訪問する真野と平田。

「パワハラ?私が?」

「海藤さん、被害者側がパワハラと受け取るかどうかが重要なんです」

「だとしても私が何したっていうんですか」

「無視や仕事の連絡からの締め出し、意図的に適切な業務を与えないのもパワーハラスメントに該当します」

「あれは違うだろ」

「違うかどうかを決めるのは被害者が決める事です」

「真野さん」

「言ってもハラスメント言わなくてもハラスメントになるんなら仕事なんかできないだろ」

「ハラスメントしないと仕事ができないならそれは仕事ができないということだと思いますが」

「真野ちゃん!」

熱くなる真野を止める、美和。

「とにかく私は関係ない、失礼」

「経理の高梨部長と生産管理の蒔田部長」

「いや僕は無理ですよ手に負えませんから」

「須永さんそれ無理すようちらに部長クラスの説得は」

「仕方ない、俺が話しつける!揉めてる2組を呼んでくれ」

「とにかく私は関係ない!失礼」

自分がしたことをハラスメントだと認めない、海藤。

「なんで海藤さん怒ってるんだろ」

「あいつこの手の話になると厄介だから」

「あり得ないですよ。もう令和ですよ!部長、あんなの容認するんですか?」

「そうじゃないけど、今あなたは冷静?瀬沼さんの話をしてる?自分の話をしてる?」

真野をフォローする、美和は、真野自身の心の傷を心配していました。

「誰の話とか関係ない。パワハラを止めなければ」

カラオケ大会のことで、上層部は大揉めしてしまいました。

「須永さん、あれ?須永さんは?呼んじゃいましたよ、カラオケの二番煎じで揉めてる2組。須永さんが話つけるって言ったじゃないですか。無理ですよ、僕が行ってもどうにもならない」

須永が言い出しっぺで、カラオケ大会のことで揉める上層部を止めると言いながら逃げたことが判明しました。

「しょうがないな」

そこへ、堀愛美(松本まりか)が仲裁に入りました。

「堀ちゃん」

「蒔田部長ちょっといいですか?」

「ルビーの指輪の件あっちの部署に譲ってくれないかな」

「いくら愛美ちゃんの頼みでもさダメだよ。うちも乗務から言われてるからさ」「

そ「そっか。譲ってくれたら社長の本当に好きな歌教えてあげますよ」

「そんなのあるの」

「多分みんなの前では照れて言えなかったと思うんですけど、チェリーって歌知ってますか」

「うんうん」

「話つけてきた、ルビーの指輪、経理部の方に決定ね」

「どうやって」

森谷は若手男性社員に、堀の裏技を教えるのでした。

「堀さんは社内に言うこと聞いてくれるお偉い方、何人もいるから。個人的なことも知ってるし」

居酒屋にいる海藤は人見と偶然、同じ店にいました。

「何かって言うとすぐパワハラって、大将だってそうでしょ?修行っていうのは厳しいものでしょう」

ここで、人見が同じ店にいる無関係な客を装って海藤に話しかけました。

「あ、俺の知り合いが最近それ系の面談受けたらしいんですけど。」

「なにかっていうとパワハラとかすぐ辞めるって何考えてるんだか。」

「居心地良いところで働きたいんじゃないんですか」

「いやいやいやいや、そもそもこっちはパワハラなんかしてないんだって。なんでもかんでも俺のせい。言ってもダメ言わなくてもダメ。じゃあどうしようって言うんだよ。」

「言っても?」

「こっちは上から結果を求められて、でも部下はすぐにハラスメントとか言ってくる。こっちがどんだけがんじがらめになったと思ってるんだよ。今の若い連中は、俺達の苦労なんて何も分かってない」

「いや海藤さんも言わなきゃ分からないじゃないですか?今、海藤さんも若い人のこと何考えているか分からないって言ったじゃないですか。お互い様です。海藤さんとその後輩とかがエスパーだったらあれですけど。」

「エスパーって本当にいるんですよ。俺がエチオピアとかアフリカ旅していた時に」

「何の話だよ。俺だって先輩後輩とちゃんとやって来た。古川さんって人がいてさ。俺が新人の時、50で、親みたいな年齢でさ、何回怒鳴られてどんだけ残業させられたか、入って3年目の頃は、いつ辞めてやろうかって毎日思ってた。俺が一人で外回りでめちゃくちゃすげぇ失敗したことあって、すげぇ落ち込んでたら、いつのまにかそこにいた古川さんが何も言わずに缶コーヒーくれて嬉しかったな。勿論それだけじゃないんだけど、そういうことがあるから俺は続けられたし、先輩後輩ってそういうものだなって思ってた」

「それっすよ、瀬沼さんにもそういうふうに接してあげましょ」

「それが出来たら苦労しないのよ。そんなことしたってあいつら分かってくれないよ」

「彼奴ら…?」

人見は海藤の「彼奴ら」呼ばわりに違和感を感じるのでした。

その頃、真野は海藤の件で呼び止められました。

「済みません人事の方ですよね?海藤さんの件でお話したいことが」

翌朝、出勤した平田。

「まだ来てない、中途の人…」

その頃、人見は真野を呼び止めます。

「あ、真野さん済みません」

ある人物に電話していた、人見。

「ちょっといいですか海藤さんの件で。俺、昨日海藤さんと飲んだんですけど」

「飲んだ?」

「正体は明かさず。瀬沼さんへのパワハラの件、食い違いがあるような気がしてきたんですよね」

「私も。海藤さんの同僚だったって人に話聞いて」

昨夜、呼び止めてきた男は海藤の元同僚でした。

「僕がマーケティングにいた頃なんて、5年前とかですかね。小泉っていう社員がいたんです。出来る奴だし真面目だし取引先にも可愛がられて、だから海藤さんもかなり目を掛けて熱心に教えてたんですが…ある時そいつが急に辞めたんですよ。海藤さんからパワハラに遭ったって言い残して、まぁ確かに海藤さんも、小泉に期待があってか熱が入りすぎてたし、今思うとちょっとっていう部分はあった気がします。小泉も大事にするつもりなかったのか、会社に何も言わなかったんで調査とか処分にはならずそのまま終わったんですが。それ以降、海藤さんは熱血指導じゃなくなってきたし、未だにパワハラしているのは信じられないっていうか」

そう語っていた海藤の元同僚。

ひとしきり海藤の同僚からの話をした、真野は人見と話を続けます。

「瀬沼さんを無視したのって」

「会議に参加させないのも残業させないためだったとか?」

「新人で裁量労働制を適用させないからだ。」

「じゃあ飲み会も?」

「上司から誘われた時だけ、部下だけ誘われた時もあるから」

「仕事取り上げるのは?」

「土日に準備させることになっちゃうから?」

「めちゃくちゃすれ違ってるじゃないですか。この場合パワハラになるんですか?」

「うーん難しいところ。勿論海藤さんも説明不足だったし、誤解を与える要素がありすぎたと思うんだけど、でもこの場合は」

「僕の話信じてくれないんですね」

人見の電話口から瀬沼の声がしました。

「瀬沼さん、そういうことなので」

「瀬沼さんと繋がってたの?言ってよ!」

「瀬沼さんあくまですが、調査したゆえの結果を報告し合ってるので」

「瀬沼さん、海藤さんには海藤さんの言い分があるし、瀬沼さんにも瀬沼さんの言い分がある、被害者とか加害者とかじゃないんじゃないですか?」

「なに言っちゃってるの?なに火に油注いじゃってるの!」

「お互いぶっちゃけないと」

「瀬沼さん一旦話を聞いてください」

「もうそんな一杯言わないで下さい」

「言うわ!」

「真野さん!」

真野は勝手に瀬沼と電話で繋がりながら、話を進めた人見に苛立ちました。

「真野さん瀬沼さんからメールが届いてるぞ」

「すいません。意見の食い違いじゃないかとかパワハラじゃないんじゃないかとか話してたら、それを瀬沼さんに聞かれちゃって」

「なんで瀬沼さんの前で話すかな」

「瀬沼さんの前ではないです。電話が繋がっていたんです」

瀬沼はなんと、SNSで公表し、日の出鉛筆を訴訟するとメールを送り付けてきました。

「SNSで公表するって言ってる。」

「勘弁してよ聞きたくない!」

堀の事なかれな態度に、美和は大パニック。

「瀬沼さん黙らせるなら海藤さん処分するしかないんじゃないか」

「そもそも行き違いの可能性があって」

「なにかしないと瀬沼さん納得しないんじゃ」

「それはちょっと」

「だからっていいんですか?」

一方で、人見は海藤と2人きりで話し合います。

「告発?」

「2人のすれ違いのこと話したら、瀬沼さん怒ってSNSで訴えるって」

「だから言っただろ」

「この事実をネットで告発すると言い出して」

「彼奴らに話が通じるわけないだろ」

「瀬沼さんにお願いがあって。ここはちゃんと会って話し合ってみてほしんですよ。」

「なるほど、瀬沼を黙らせるために俺に頭を下げろってことだろ。この状況で人事に責任を取らせるのが会社のやり方なら、それが会社の方針なら、もうこの会社でやっていくことが出来ない!」

海藤は人見の言葉を誤解し、日の出鉛筆を辞めようとします。

「本当に海藤さん処分するんですか」

「瀬沼さんが被害を訴えている以上、会社として何もしないわけにはいかないから」

「そうですけど」

「まぁ会社員だから異動はつきものだし」

「海藤さんも分かってくれるだろ」

人見は戻り、海藤に瀬沼のメールの件を伝えたことを人事部のみんなに言いました。

「海藤さんにメールの件伝えてきました」

「なに伝えてるの」

「海藤さん、辞めるって。2人で話し合った方がいいと思って」

「なんか辞めるって…こっちが責任とらなきゃやめるって」

「じゃあ瀬沼さんをとるか海藤さんをとるか」と堀。

「じゃあどうやって瀬沼さんをなだめるんですか」

「熱意!」

そこで、瀬沼を家の前で確保した、真野と人見は彼を喫茶店に連れて行きました。

「僕を説得しようとしても無駄ですよ」

「いえ説得というかお2人のちょっとしたすれ違いではないかと」

「パワハラをすれ違いで片づけるんですかあなた達はパワハラというものを軽く見てるんですよ。みんな口ではそう言いますけど」

「私もも経験者です。パワーハラスメントの被害に遭って部署を移った経験があります。」

「そうでしたか」

「勿論、そうだからって瀬沼さんの気持ちが分かるというわけではありません。でもこのやり方が違うっていうのは分かります。だから他の解決法を考えていきませんか?」

「はい」

「有難う御座います」

「じゃあ海藤さんを処分してください。そしたた告発はしません」

「別の解決先を考えて行きませんか?」

「じゃあ海藤さんを処分してください、じゃあ告発します」

「そんなに告発したいんですか?」

「はい」

「分かりましたそんなに告発したいなら仕方ないす。賛成します・そこまで強い意思があるなら賛成です」

「今まで瀬沼さんて自分の意見言えずに退職代行使ってたのに今はちゃんと意見を伝えようとしてるんすよ。瀬沼さん一歩前進しているじゃないですか」

「違う気がする」

「違う気がする」

「瀬沼さん前進してるけど、事態は悪化してるからね」

「俺は今から告発する派です」

「人見君!人見君!悪知恵授けないで!」

「俺めっちゃいい方法思いつきました」

そんなこんなでカラオケ大会が行われた日の出鉛筆。

人見が歌うことになりました。

彼は天然ですが、英語はペラペラです。

そこで、彼は盛り上げ役を買って出ます。

「50年前、暴力じゃなくてヒップホップが始まりました。言葉の力を伝えたい奴がやってきた。今、うちで言いたいことがある人事部、瀬沼くんかませ!」

なんと瀬沼を呼びました。

「パワハラ野郎マーケティング部海藤。白日とは言えない日常 お前はいいいなくていい、埋もれる真実をサウベージ。まさに場違いこの世界変えるパンチライン。使えるものは遠ざける」

「海藤さん、瀬沼さんの話し聞いてあげてくれませんか」

「俺が謝りに行かなかったらあんな仕打ちか。」

「仕打ちって。瀬沼さん自分の意見ちゃんと伝えてくれてるじゃないですか」

「あんなのが意見を伝えてるって言えるのか」

「ディスってはいますけど」

「またパワハラ扱いされる。大勢の前で言い返せない状況でまくしたてるのが、あんたの言う話し合いなのか?」

「ていうことはやっぱり言い返したいってことですよね」

「海藤さんが何を考えているか伝えてくださいよ。ちゃんと話せば言葉は通じると思うんですよ。

「あいつらに何言っても伝わらない」

「あいつらじゃないです、瀬沼さんです。同じ若者だし同じ部下かもしれないけど、瀬沼さんと辞めた小泉さんは別の人じゃないですか。あいつらとか若い連中っていう人はどこにもいないんですよ。瀬沼さんに言いたい事があるなら瀬沼さんに言っちゃいましょうよ。大丈夫ですよ、瀬沼さん信じましょうよ。だってあんなディスってくるんですよ?大丈夫ですよ。言い返したってパワハラにならないですよ」

「おいちょっと待って。勝手な事ばかり言うな。無視するな?ちゃんと指導しろ?本当に言っても大丈夫だったのかよ。俺たちには立場や責任があるんだよ。家族や会社支えなきゃいけなきゃいけないんだよ、気持ち一つで告発?通報?一発アウトにリスク犯してらんないだろ。」

「そのリスクとかコストをさぼんじゃねぇよ。一方的な決めつけはうんざりだよ。勝手にくくって怯えて遠ざけて、ふざけんじゃねぇ、俺だって人間なんだよ。よそ者でも化け物でもない。俺が欲しいのは普通のコミュニケーション」

「俺だってちゃんと向き合いたかったよ。自分がしてもらったあの時みたいに。厳しくてでも頼りになって酒の席で話を聞いてくれる先輩みたいに、でも俺はそうはなれなかった、また傷つけてしまうのが怖くて。自分が傷つけられるのが怖かっただよ!」

「でもあんたの勝手な気遣いも、線引きも壁も取られた距離も全部悲しいだけだったんだよ。いい加減分かってくれよ。コロナで青春取り上げられて、会社に入っても腫物扱い。人との距離は取れないままで、俺のリアルはどこにあるんだよ」

「寂しいのは悲しいのは俺だって同じだよ。急に辞めるとか告発じゃなくて、普段から伝えてくれよ。言ってくれよここがお前の居場所なんだから」

「ここまでしないと蚊帳の外だっただろ。俺は逃げない!絶対に嘘はねぇ」

こうして、お互いの本音を言い合うことで、海藤と瀬沼は初めて気持ちを理解出来ました。

「おい、最高!いや最高、いやなんなんだ、あの揉めてる2人を呼び込んだ社員は最高だ」

小笠原は大満足。

「色々、お騒がせしました」

「言い合ってた2人は大丈夫だったんですか?」

「あ、一応、和解かどうかはわかりませんが、ネットで告発するとか辞めるというのはなくなりました。カラオケ大会の方はめちゃくちゃになってしまって」

「面白いでしょ人見君」

「ええまぁだいぶハラハラさせられますが」

「私はこれからもどんどん波風を立てていってほしいと思ってるんだ。無茶なことをするけど彼は誰よりも人を見てる人だから」

里井取締役は、廉の能力をちゃんと知っていました。

「海藤さん」

「まぁ結果、良かったですけど」

「出場者には参加賞があったぽいですけど瀬沼さん俺が急遽呼び込んだ感じなのでないっぽくて。これ作りました。」

廉は瀬沼に手作りのメダルを首にかけ、打ち解け合いました。

「高校3年の時以来久々に色々言えたかもです。あ、でもこの字間違ってますけど、参加のさ、間違ってる」

「あ、これちょんちょんちょんか」

「逆ちょんか」

「言ってよ」

「なんで」

翌日。

「瀬沼、ほい」

海藤は瀬沼に缶コーヒーを差し出し、プレゼンへ向かいました。

「瀬沼、ほい」

「有難う御座います」

「今度のプレゼンちょっと大変やれんのかー」

かつて自分が古川からしてもらったように、瀬沼へ古川がしていたような優しさを伝える、海藤なのでした。

帰り道。

「みんな同じ時間に働くって面白いですね俺会社初めてなんで」

「瀬沼さんと海藤さんの件、どこまで最初から考えてたの」

「どこまでっていうか2人が話せばいいなと思ってたんですよ。話せばわかるじゃないですか」

「ごめん、人見くんのこと誤解してた、ただの非常識の人だと思ってた。私こそ、全然人を見る目がなかったかも」

「あのこれ絶対内緒ですよ。人事部で歌うことになったじゃないですか。ここだけの話、歌だけはガチでNGで、マジやばいどうしようと思ってそれで瀬沼さんが代わりに出てくれてマジ助かったんですよ。俺は瀬沼さんに言いたいことを言ってほしかった」

「いや嘘じゃん」

「嘘じゃないですよ」

予測不能の天然な人見に振り回されると思うとうんざりする、真野なのでした。

人事の人見1話感想・みどころ

お人好しで、人の気持ちが分かる、人見廉。

しかし、ちょっと空気が読めないところがたまにキズで、愛らしい憎めない人物ですね。

パワハラをしたと誤解されていた海藤と、被害を訴える瀬沼の言葉のボタンの掛け違いを見抜く人見は観察眼が鋭いと思いました。

双方がお互いに話し合って前進する方向は、ちょっとアメリカ的ですね。

退職代行など常識を知らない彼に翻弄される真野は、四角四面で、学校に一人はいる優等生タイプです。

そんな堅物で、令和的思考を持つ彼女と真野の掛け合いは、なかなかの凸凹コンビでした。

「若い連中は何も分かってない、あいつらに話しても無駄」という海藤。

海藤も決して悪い人ではありませんが、人には個人名があるのに、話の通じない若者とひとくくりにしてるところを、人見に指摘されていましたね。

人見が瀬沼と海藤を呼び出してラップ対決をさせることによって、本音をぶつけ合って前進したハッピーエンドは清々しかったです。

 

 

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