緊急取調室2021 2話あらすじネタバレ
「小暮しのぶ」名義で、潜伏を続け、ついにはハイジャック事件まで起こした奇特な青年活動家の大國塔子(桃井かおり)。
彼女の取り調べと逮捕に向けて動く緊急事案対応取調班 “キントリ”。
しかし、公安部が出した大國の取り調べ条件に、真壁有希子(天海祐希)が退職届を書くことが含まれていました。
同じ機内に乗っていた真壁や、大國が目の敵にしていて、ハイジャック事件を引き起こすきっかけとなる男、国土交通副大臣の宮越肇(大谷亮平)。
彼の汚職の真相を明かすため、塔子はキャビンアテンダントを人質にとったり、宮越の秘書、東(今井朋彦)にインスリンポンプにいれた毒物を注射して殺害しました。
山上に発砲されたことで負傷し、ハイジャック事件での暴走の末、警察病院に入院する塔子。
彼女が東のアタッシュケースに忍ばせたと宣言する爆弾について捜査していた真壁たち。
ところが、爆弾は偽物にもかかわらず、公安の横山たちは、爆弾は処理中に爆発した」と大々的に会見で発表したことに疑念を抱くキントリ。
その爆弾こそ、公安にとって不都合な汚職の証拠であり、警察の上層部の誰かがこのハイジャック事件の裏を知っているならば、「キントリの顔」にして、洞察力・探求心など優秀な真壁有希子は邪魔な存在。
だからこそ、真壁に大國塔子の取り調べ可能時間を1時間許可したものの、真壁に退職届を書かせる条件を提示したのです。
この交換条件を一番、推進しているのが、刑事部長の北斗(池田成志)。
真壁のことを女性蔑視する発言や、有能振りに苛立つ様子。
キントリ自体も、あと100日で解散し、真壁を含めたメンバーの小石川(小日向文世)、梶山管理官(田中哲司)、菱本(でんでん)は解散後はそれぞれ別の部署や新しい環境への異動が既に決定済みに。
捜査一課の「もつなべコンビ」こと、監物(鈴木浩介)と渡辺(速水もこみち)や、「たまちゃん」こと、元キントリで現サイバー対策室勤務の玉垣(塚地武雅)も、真壁たちの頼もしい仲間として、微力ながら協力して、解散危機を回避しようと動きます。
ハイジャック事件の機内にて、偶然、真壁と同じ機内に搭乗した警乗警察官の山上善春(工藤阿須加)。
彼は過去にキントリの一員だった善さん(大杉漣)の一人息子ですが、自分の出生のことはキントリたちには内密にしてほしいと真壁に頼んでいたり、宮越肇に接触し、不穏な動きをみせます。
その矢先、本物の小暮しのぶ(円城寺あや)が遺体で発見された挙句、遺体の傍にはなんと、塔子がハイジャック事件を起こす寸前に切ったと思われるおさげ髪の束が見つかりました。
死後1か月経過していて、凶器はなんと大國塔子のおさげ髪。
しのぶ殺害容疑で、塔子の逮捕状を別途請求し、取り調べ時間の延長を画策した真壁。
ところが、北斗は首を縦に振ることはありません。
真壁を守るために、キントリのみんなは、辞表を書くことを提案。
その頃、梶山(田中哲司)は、北斗に取り調べの時間を延長してほしいと頼みますが、交渉はうまくいきません。
真壁と渡辺、監物はレストラン経営者の後藤というしのぶの知人に聞き込みをしました。
小暮しのぶが亡くなったことにショックを受ける後藤は、しのぶの家の管理人とも知人でした。
さらに、しのぶは、塔子のことを匿い、「友達の犬に餌をあげたい」と言い、彼の店から食材を調達していました。
1970年以降、人生の大半を「小暮しのぶ」として潜伏してきた塔子。
国民青年派は解体同然で、革命は塔子一人じゃできない状況にあり、小暮しのぶ本人は、塔子が潜伏して、”しのぶ”として生きることを許した「共犯者」。
そんななか、ハイジャック事件で命を落とした東の小学生の一人息子、奨太(石田星空)。
彼は葬儀の際、宮越に対して「死ね」と暴言を吐き、最愛の父を仕事中にいじめたことを小石川達に証言もしていました。
偶々、自宅に来ていた宮越は東に「死ね」などとパワハラを行い、それを偶然、母親の逸子と共に聞いてしまったのです。
心に深い傷を負った奨太は、父が搭乗する直前に郵送してきた筆箱を真壁達に見せます。
「ゼオライアン」という奨太がかつて好きだったキャラクターの筆箱だと告げた東。
しかし、東は子供を思い、「ゼオライアン」の筆箱に隠された証拠品の中身は、誰にも言ってはいけない秘密があることを生前、オブラートに伝えていました。
なんとそこには誰も予想しなかったハイジャック事件にまつわるさらなる証拠品が出てきて、真壁は混乱します。
宮越副大臣が汚職行為のやり取り。
さらに、大國塔子と東はグルで、宮越の汚職事件のデータには、汚職行為で関わっていた企業の電話番号と連絡先が複数記録されていました。
さらに、大國が「小暮しのぶ」として、暮らしていた家の住所も記録されていたのです。
1時間という短すぎる取り調べを行う真壁ですが、50年前に7分間の演説で一躍時の人となった「黒い女神」大國塔子と徹底的に対峙!
キントリに欠かせない存在だった退職済みの「善さん」(大杉漣)の一人息子、善春(工藤阿須加)も取調を見守ることに。
まず、小石川(小日向文世)と菱本(でんでん)が穏やかに、塔子に話しかけます。
しかし、塔子は強気にかわしていき、「戦争」する気満々。
革命関係の本をリサイクルされていること、飛行機の中ではあんなに演説していたのに、”賞味期限切れな演説”は眠気を誘うなどと発言。
今や「黒い女神」ではない大國塔子の現状を嫌味ばかり言って、塔子の怒りを煽る真壁。
塔子も真壁に「こっちへ来て直接話そうじゃないか」と反応。
なんと、塔子が東を殺したのではなく、東自らが自滅した証拠がネットに拡散し、そのことを黙っていた善春はキントリたちに叱責を受けるのでした。
「爆弾はなぜ爆発したことになっている」と塔子は真壁に問います。
「なぜ、爆弾が偽物なことを黙っていたのか」と聞き返すものの、塔子は答えません。
「ハイジャック事件の裏側が知りたい、今だけ同志になりませんか?東さんは宮越の淡島パーク疑惑を晴らす為にあなたと手を組んだのでは?」と推論する真壁。
「我々は、”同志”とは言わない。今の警察は想像で捜査をする」と毒づく大國。
「じゃあ、”仲間”ですか?」と優しく問いかける小石川。
北斗は緊急取調室に駆け込み、取り調べの様子を映したモニターを切ることに訴えます。
梶山は仕方なく応じましたが、小石川は真壁が取り調べをすることを批判してやめさせようとする北斗に「いいところなのに余計な”雑音”入れないでください」とチクリ。
真壁は小暮しのぶが、両親を亡くし、国を恨んでいたこと、レストラン経営の亭主から、”友達の飼っている犬に餌をあげる”と言って、塔子のことを隠し続けて庇っていたことも塔子に追求します。
それでも、塔子はのらりくらりとかわして、拒否。
北斗の横暴な妨害を無視し、真壁が取り調べしやすいように手助けするキントリたち。
事件当時、おさげの一本は部屋に、もう片方のおさげは、しのぶを殺した凶器で、しのぶの遺体と一緒に埋めたと指摘。
「あなたに時間をあげます。7分で覚悟を決めてください。たった7分だなんてあなたは思わないはずだ・・・だってあなたは7分で機動隊の攻撃を止める奇跡を起こしたんです。」
真壁は真実を塔子に吐かせる為に決断を迫るのでした。
塔子は過去に演説をして「黒い女神」と呼ばれた昔を走馬灯のように思い返していました。
「”できもしないことを考える・・・はい、その通りです”19歳の女の子が革命の本を読んでかじったも同然・・・借り物の言葉だった」
「この50年、鳩に餌をあげるほど正常な判断力を徐々に失っていったのもわかります」真壁は周囲に理解されがたい塔子の生きづらさに共感。
また、同時に、小暮しのぶを殺した日のことも思い出します。
「レストランのオーナーにプロポーズされていて、結婚することになっている、だから私の名前はもうあなたに貸せない」
しのぶは塔子に殺される寸前、突然、そう口にしました。
「あんた近所におさげのばあさんって呼ばれているのよ」塔子が気狂いな女性だと近所に馬鹿にされていることや、塔子との決別を伝えた、しのぶ。
そこで、塔子はそれまで「仲間」と思ってきたしのぶを突発的に殺してしまいました。
塔子のおさげ髪はかなり長く、しのぶを殺した時にほどけなかったので、切って一つは殺したアパートの部屋に、もう一束は、しのぶの遺体と一緒に入れました。
これが小暮しのぶが殺された動機でした。
さらに塔子は自暴自棄でふてぶてしい態度をとり、自分は死に場所を求めていた、「飯の恨みで人殺し」なんて書かれるなんてまっぴらだから、しのぶを殺したとも口にしました。
あまりの身勝手な犯行動機に絶句する真壁。
しかし、最も根本的な背景として、ハイジャック事件を起こす前から、長年、宮越肇の父親をデモを起こした19歳当時から恨み続けていた塔子。
息子の肇が淡島パーク計画の疑惑を起こしたことで、さらに怒りがヒートアップしたと話します。
事件を起こす前日、東(今村智彦)からハイジャックをわざと起こし、死に場所を求める塔子を殺すことを条件にすると持ち掛けられていた塔子。
東は、毒物として、青酸カリを持ち込み、自分が制止するふりをして塔子を殺すこと、誰かが正義を通さなければ滅びてしまうと話を持ち掛けていました。
爆弾は偽物ですが、あえて「本物」と貫き通し、真壁にも「偽物の爆弾はやがて本物になる」と意味深な言葉を口にします。
真壁は、最初から塔子を殺す気はなく、自滅する気だったと真実の糸口を話しましたが、塔子は認めません。
「東が、”許さない”という東の最期の言葉は、あなたへのメッセージだったと思ったけど、東は塔子を最初から利用しようとしていた」
真相は、真壁の言う通り、塔子は最初から、東に都合の良いように利用されていたこと。
東は宮越肇から家族の前でも「死ね」など暴言を吐かれ、淡島パークの件についても宮越が起こした汚職の全ての罪を東が被り、自滅しろと言われていたなど、精神的屈辱を受け続けていました。
だからこそ、彼も宮越を恨んでいて、汚職事件のデータも息子の筆箱に入れて忍ばせたり、のちに、大國塔子を利用しようと前から練っていたのです。
また、ハイジャック事件を起こす前日、当時19歳で、宮越肇の父親に向けて、大勢の民衆を引き連れてデモを起こして有名になった大國塔子に接近。
真壁は根っこに正義を秘めた塔子を涙ながらに説き伏せることを試みました。
「殺人をごまかすために死のうとするなんて・・・ふざけている」
「この日本は生きるに値する世界なのか?!」
「あなたは結局、借り物・・・偽物にすぎない」
「じゃあ真壁、本物とは何か説明してみろ!」
白熱した真壁と大國の怒号が取調室に響き渡り、見守る小石川、玉垣(塚地武雅)、監物(鈴木浩介)、菱本(でんでん)、渡辺(速水もこみち)たち。
「あなたが隠れていた50年は何なんですか?!死に場所ではなく残された時間を探して生きてほしい。死ぬ前に美味しいドーナッツを食べていたほうが嬉しい。大國さん死ぬのではなく、生きてほしい。生きて罪を償ってほしい」と訴えます。
「だから嬢ちゃんだっていうんだよ!私は国のお金で食べて生き延びてやる。偽物の爆弾を本物に変えてやる」大國は真壁に取調の時に渡された水をぶっかけて対抗。
白熱した2人のバトルは短時間で終わったものの、まだ完全なる「解決」には至りませんでした。
東の自殺の真相が自殺だと発表され、公安でのさらなる取調にて、大國塔子は黙秘を続けます。
宮越は未だに自分の罪を認めず、「あの化石が拘置所で死んでくれれば助かる」と北斗に告げ、塔子が死ぬことで、自分の罪が葬られることを望んでいました。
北斗はそれに何も言わず、同意します。
拘置所にいる塔子の食事を監守の斎藤が運んできました。
食事にドーナッツがあり、塔子は「死ぬ前にドーナッツとか美味しいものを食べて生きる」という真壁の言葉を思い出して笑います。
東の死の真相が公表されたものの、梶山(田中哲司)は真壁と大國の取り調べの様子を北斗に提出しなければならない理不尽さをみんなに報告。
納得いかない真壁ですが、東の死因が解明され、東家の奨太とその母、逸子は報道を見て涙を流すのでした。
真壁達は奨太に電話をして、「お父さんの正義が報われた」と言って、東家の遺族に寄り添います。
いっぽうで、さらなる隠された真相を語らないまま、塔子は拘置所で過ごすことを選ぶのでした。
緊急取調室2021 2話感想・みどころ
天海祐希さんと桃井かおりさんの熱い1時間の取り調べバトルは魅入ってしまうほど大興奮しました。
桃井さん演じる塔子の毒舌と頭の回転の速さ、天海さん演じる真壁有希子が、塔子の弱点を突き、真相を吐かせようとこれでもかと、皮肉をまじえて追及する熱気が伝わりました。
塔子は真壁を、真壁は塔子を見下す態度を敢えてとり、短時間の間で怒り、泣き、どちらも感情的になりながら幕を閉じましたね。
ただ、北斗が宮越の側についていて、真相を知りながら、彼を守っている悔しい状況や、東の死が自殺と発表されたものの、宮越は秘書の東の死を死後も美談にしている露骨な一面も覗かれ、真壁達の悔しさに共感。
大國塔子はさらなる鍵を握っていても、その真相のカギを決して真壁達には口にせず、公安には黙秘を貫き通します。
ただ、拘置所で真壁が差し入れたドーナッツを食べた時の彼女が笑ったのは、真壁の強すぎる優しさが少し、彼女の頑なな心に光が差したのではないか?と思う感涙のラストでした。
塔子がこの2話で「退場」するはずはないなと私は思います。
だって、事件解決に至っていないし、宮越(大谷亮平)は自分の立場を維持しながら、北斗と繋がっているのですから。
東も、自身が宮越から受けたひどすぎる人格否定を含めたパワハラと、淡島パークの汚職行為の罪を一人で宮越から背負うように強制されて、その歯がゆさや、愛する家族を守る為に闘った背景は胸が痛みます。
ただ、革命家として有名な塔子に声を掛け、自分が宮越からされてきたことを話して手を組み、汚職疑惑の真実をハイジャックを起こすことで解明してほしいと託したのは複雑ですね。
次週は物語が打って変わり、若手ボクサーと不良少年のケースに真壁達は挑みます。