クジャクのダンス、誰が見た?最終回あらすじネタバレ
深く深く何処までも続くその森、それでも私は辿り着きたい…あなたがそこに閉まった小さな光に。
私は、私は進む…。
そう思いながら真相に辿り着こうとしている、山下心麦。
「大丈夫だから」
心麦にそっと拘置所の面会室で声を掛けた、松風。
そこに現れたのは赤沢京子(西田尚美)。
「お久しぶりです体調いかがですか?」
「京子さん…」
少し前に、心麦たちは林川家で、包丁を持つ京子と倒れて息絶えた赤沢を見ました。
一方、心麦(広瀬すず)、松風(松山ケンイチ)神井(磯村勇斗)は、赤沢(藤本隆宏)のGPSを追いかけて林川家に辿り着きます。
扉を開けた先には、刺された赤沢と妻の京子(西田尚美)の姿がありました。
「神井さん救急車」
「わたしが死んで全部終わらせるつもりだった」
包丁を首に突き立てようとする京子の腕を掴んで止めた、心麦は怒りをぶつけました。
「卑怯です!そんなの卑怯です!あなたですよね?私を生んだのは?そんな勝手なことしないで!」
拘置所の京子と対峙する松風と、心麦と松風。
「教えてください。全部私は知らなきゃいけない、あなたの娘として」
「あの子はごみの中で死んだ。餓死…弟はまだ5歳だった。あの日からきっと始まってしまTら。」
ネグレクトを受けた少女だった京子は弟の、みきおが死に、赤沢と結婚し守が生まれました。
「私とこの子の未来は私は切り開く。この子だけは幸せにする。私とこの子の未来は、私が切り開く。そう、心に誓った。お金さえあればあんなことはもう起きないと思った。それなのに…」
守がまだ小さいのに働きに出ることを赤沢に申し出たものの、仕事をすることを反対した赤沢。
「守を預けて働きに出る?俺は反対だ。守はまだ小さいだろ」
そこで、廣島育美(池谷のぶえ)と事業を開始し、林川安成に出資してもらうことにしたのでした。
「私は幼馴染の廣島育美と会社を立ち上げた。赤沢に秘密で。」
「健康意識高めの主婦狙いですねー商品に林川家の名前を入れることを条件として私に出資させてもらいませんか。」そう語るのは林川安成(野間口徹)。
「その時、私を助けてくれたのが…。私はそのチャンスをものにした。そして私達は互いに必要な存在になった。赤沢と別居した私は、守と一緒に次の人生に進むつもりだった。そんな時安成さんとの子供を妊娠していることがわかった。私は迷わず生むことを決めた」
林川安成(野間口徹)との間に「歌」こと心麦を生んだ京子。
「それが…」松風は察します。
22年前のあの日…。
「妻とは別れる。別れたら、一度林川家の子として迎え入れさせてくれ」
「え?」
「正直、林川家の体裁もある。外からは妻が生んだと思わせないといけない。妻とうちの親は必ず説得して見せる、必ず君を林川家に迎え入れる」
「これで私もあの子も守もあんな思いをしなくて済む。それからしばらくして離婚が成立したと聞かされた」
林川安成から里子との離婚成立を聞かされ、林川家に歌を抱いて行ったものの、そこには心が壊れた、里子が待ち構えていたのです。
あの日、家にいないはずの、妻の里子がいて、安成と京子を敵視しました。
「悪いのはあんた達。私から奪おうとしたでしょ。奏太と、音…全部あんたのせい!」
「奏太と音は全部、逝かせた」
「嘘だー!いやだー!」
長男の奏太と音を殺した里子は精神的に心を壊していました。
里子(安藤輪子)は息子の発達障害に悩み、心療内科に通院していました。
そして夫の京子との浮気を知り、ショックと衝撃で、安成は妻の首を咄嗟に殺めて自死しようとしました。
「僕のせいで何の責任もない奏太と音が!こんなことが世間に知れたら林川家は終わりだ。せめて林川家の名誉だけは!それより手伝ってくれ。全員、殺されたことにする」
「何言ってるの」
「最後に僕も死ぬ。歌は…歌ちゃんはどうするの!あなたの子でしょ!」
「君しかいないんだ!林川家の為に」
「いや!うわあああー」
「京子、有難う」
京子の目の前から飛び降りた、安成。
京子は幸せになろうとすると幸せが遠のく虚しさを感じていたのでした。
拘置所で問いかける松風。
「では力郎さんは冤罪」
何者かの侵入によって家族みんなが殺されたことにしてほしいといい、京子は安成の自死ほう助を手伝いました。
「みんな私の邪魔をする…この子を連れて戻れる場所などなかった。でも、赤沢から聞かされたの。あなたを山下さんに引き取ってもらうことにする。忘れようとしたのに、こんなに近くに。それでも全て忘れようと決めてそうやって生きてきたのに、遠藤友哉さんも山下さんも東賀山の事件を。」
「遠藤力郎さんが冤罪だったとわかればあなた方家族にとって最悪な事態が起きてしまう。赤沢さんは勿論、警察官になった守さんの将来にも、影響を与える。だから隠し通さなければならなかったんですね?何ものに変えても。それには協力者が必要だった。それが…」
「わたしは目の前のものを」
「もういいです!…もういいです。父の、父の…最期は、教えてください。ねぇ京子さん!京子さん!」
「そろそろ時間です、時間です」
看守に時間制限をされ、京子は行ってしまいました。
同じ頃、神井は服役中の鳴川(間宮啓行)を追い詰めていました。
「ねぇ娘さんのキャリア守るために協力したんだろ?はぁいや、なんだろ。超浅はかっすね結果娘さんにも、ねぇ」
「お父さんの話は裁判で明らかになるだろう」
「覚えてますか、松風さんがここで言ってくれた言葉」
ジャングルまでは付き添う、僕が君の目になる。
「わたしの目になるって、あれ顔キメてましたよね」
「やめれ(笑)」
「約束守ってくれて」
「それはあれだよ君しつこいから。こけてもこけてもまた立つから、山下心麦はほんとしつこいんだ。でもそれは強さだ。僕はただの護衛。君の後ろをドラクエみたいについていっただけ。あなたが自分の足で辿り着いたんだ。」
「わかります」
「いや謙遜しないと。でもまだジャングルの入り口だ」
京子の裁判が始まりました。
傍聴席にいる、心麦、松風、守、神井。
「被告人、鳴川徹は被告人、赤沢京子と共謀し、令和7年1月14日東賀山の河川近くで氏名不詳の者に染田進さんの殺害を指示しました。その5日後、阿波山京一郎さん、高畑まのかさんに接触し、阿波山さんの自宅に火を付けました。続いて被告人、赤沢京子さんお願いします」
林川家で自殺しようとしていた、京子。
「全てを狂わせたあの場所で死のうと思っていました。」
「京子やめろ!」
「ダメ!来ないで!離して!」
赤沢は妻を止めようとした矢先、刃物が刺さってしまいました。
「頼むから逝かないでくれ守の為にも」
京子に殺意はなかったのです。
「あの日…」
次に、山下春生が亡くなったクリスマスイブにさかのぼりました。
「電話鳴ってるよ」
「はーい」
息子の守から山下春生(リリーフランキー)から電話がありました。
「クリスマスイブに申し訳ないけど、少し会えませんか?話があって」
「東賀山事件のことで」
「私は覚悟を決めました。山下春生さんの家に向かうと」
「遠藤力郎さんは冤罪だと思ってます」
「え?なんでその話を私に?」
「あなたは林川安成さんと関係がありましたよね。貴方も隠していたように私も隠していた。事件があったあの日、別の事件の聞き込みをしていたんです。」
事件当日、別件の事件の聞き込みをしていた、春生。
「林川さん警察です」
春生が家に侵入すると、赤ん坊の痛々しい泣き声がしました。
「凄惨な現場だった…。よしよし、どうなってるんだよ。こんなもの見ちゃいけない」
春生は乳児だった、「歌」こと、心麦を抱き上げて林川家の2階に上がりました。
そこにはベビーベッドとオルゴールが鳴っていました。
乳児の彼女に凄惨な現場を見せないよう、おくるみで覆いました。
「よしよし、大丈夫、大丈夫だよ」
歌をベビーベッドに寝かせた春生は、赤沢が少し遅れて林川家に侵入したことを知ります。
「山下さん!」
そして赤沢は事件を知るい、2階に歌がいることに気付きました。
「山下さん2階に生存者がいます。子供というか赤ちゃんが」
「それに当時、警察もマスコミも遠藤力郎さんが犯人であることに疑いはないと思っていました」
「私は何も言わなかった」
「赤ちゃんは1階にいた。間違いないですね?」
「はい」
「いいえ2階にいた」
春生は歌を2階に移し、力郎の事実を捻じ曲げた事を悔やんでいました。
「山下さんは力郎さんの真実を捻じ曲げたことを悔やんでいました。一通り話し終えると私に尋ねました。あなたの知ってることを教えてくれないか?と…。あなた自身の口から真実が聞きたいんだと」
涙をこぼす京子を傍聴席から見守る松風と、心麦。
「もう、心麦に嘘をつくのはやめよう。だからあなたの口から聞きたいんだ。私もあなたもあの子の親だから。」
「ねぇお願い!ねぇお願いです!このことは誰にも言わないで」
「それはできないよ」
「全部めちゃくちゃになるんですよ!山下さんも心麦ちゃんも守も!」
「めちゃくちゃになったのは力也さんなんです。私はこれからの人生、間違いを正す為に…使いたいんです。そして、誇らしい父親になりたい」
「あなたも、私の邪魔をするんですね。もう戻れないの」
京子はあらかじめ、薬を春生の飲み物に盛っていました。
「心麦は…必ず辿り着きますよ。あなたを、クジャクを」
「薬で眠らせたあと火をつけました。そして、現場近くに呼び出していた遠藤友哉さんに捜査の目がいくように仕向けました。それが、全てです。ごめんなさいごめん、ごめん、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
心麦は父が殺された事実を京子の口から知り、なんとも言えない心境でした。
愛してくれた母が犯した罪を知った守(野村康太)もショックを隠し切れません。
裁判が終わって、寛ぐ、心麦、松風、波佐見。
「心麦ちゃんさえよければパラリーガル続けていいんだよ」と波佐見(森崎ウィン)。
「そう言ってもらえてうれしいです。大学あるんで」
「粋であり粋じゃないね」
「そういえばこれ赤沢さんから」
「さぁ…」
「にしてもさみしくなるなーなぁテル。」
「あーうん」
「なにそのぼんやりした返事は粋じゃないね:
「お元気で」
「松風さんも本当にお世話になりました。」
「いいの?これで」
「これで一仕事終わったそれだけー」
「さようでございますか」
その頃、赤沢は病院で回復し、意識を取り戻しました。
「刑事が家のこと知らなかったって惨めだよな。笑わせるな、腹に響くだろ。全部失格だよ、俺は」
「はい」と西陣(斉藤優)。
「馬鹿」と訂正する、秋貞隆雄(絃瀬聡一)。
拘置所で面会する、鳴川と阿南(瀧内公美)。
「何しに来た、お前はここに来ちゃだめだ。お願いします。」
「逃げるな!言ったはずです!あなたの背中を見届けると!だからあなたも覚悟を持ってまっとうしてください。私の父であることを!」
心麦は松風からもらった手紙に赤沢からの手紙と山下のスマホがありました。
「山下心麦様。詫びても詫びきれないほどの罪を京子は犯しました。私たち夫婦は一生をかけ償っていきます。同封した携帯は京子がずっと隠し持っていたものです。お返しいたします」
「夫婦…」
父のスマホを触る、心麦。
そこには動画や写真が溢れていました。
父が最後に撮った動画を見つけた心麦は、春生が同じ河川敷にいたことを知るのでした。
「え?あの日、ここにいた?」
その頃、遠藤友哉(成田凌)は拘置所から帰って来た父、力也(酒匂芳)と自宅前で再会します。
力也は神井に付き添われていました。
「老けたな」
「まずはお帰りだべ。随分遅くなっちまったけど用意してたんだで。クリスマスプレゼント。」
それはグローブでした。
「ああサイズが合わねぇべか。泣くな」
「よかったじゃん友哉、念願だ」と神井。
「うるせぇ」
「神井さん、何から何まで本当にありがとうございました」
「やめておじちゃんやだよそういうのは。」
「ああ。カーブ投げられるようになったんだべか、神井!」
「全然」
神井を通して、遠藤親子は一歩を踏み出そうとしています。
「えーえー心麦、あのーもしこの動画を見つけてしまったら今すぐ見るのをやめてください。」
「なんで?」
「えーこれは直接心麦に伝える為の練習だからです。えー心麦、ちょっと恥ずかしいんだけど、あのでも心麦は聞きたがっているので、さっきも約束したし、約束したけど感謝の言葉。」
「ああ…」
あのクリスマスイブの日、ラーメンを屋台で食べていた時に、感謝の言葉をクリスマスプレゼントにほしいと言っていた、心麦。
「あーあれほしいかも感謝の言葉」
それが春生と心麦の最後の会話でした。
「あのお父さんが苦手なピーマンをあのー細かく刻んでおかずのなかに忍ばせてくれてありがとう」
「ばれてたんだ」
「お父さんが背中にクリーム塗るのを届かないのをできるようになるのをストレッチをしてくれてありがとう。あ、これこれはあのお父さんが教えたみたいになっちゃっているけどこすったら割れやすくなるの、あれ教えてくれて有難う。」
心麦がまだ幼い頃、割りばしをくるくると回して、割ったのは心麦でした。
「なにしてんの」
「くるくるしてみて?」
「お!綺麗に割れた」
「おおーすごいね心麦ちゃん」
心麦が箸をくるくると回してから割ったのを微笑ましく見守る、春生と静香と、染田(酒井敏也)。
心麦にとって幸せな時間でした。
あれを教えたのは、父の春生だと思っていました。
「有難う」
「私だったの?」
「そうだよ、心麦なんだよ、ありがとう。お父さんをお父さんにしてくれて。心麦、生まれてきてくれてありがとう」
クジャクのいた深い森で抱擁した、心麦と春生。
春生は愛情深く、心麦を抱き締めていました。
心麦は父の腕の中で再会を喜んでいるような気持ちになりました。
そして現実、一人二なった心麦は空腹になったのを気付きます。
「お腹が鳴るのは生きてる証拠。初めて見たよ、泣きながらお腹鳴らす人。ミシュラン級のラーメンみつけたんだけど奢ろうと思って」
「行きます」
「マッハ?!」
「私は今日信じられないくらい食べますよ。松風先生」
「どうぞお好きなだけ」
心麦と松風は切っても切れぬ優しい縁を持ち続け、ラーメンを食べに行きました。
心麦には離れていても、父の春生や静香と繋がっていました。
そして、松風という、支えてくれる味方がすぐ隣にいたのです。
クジャクのダンス、誰が見た?最終回感想・みどころ
全ての真実が解き明かされましたね。
心麦の実母であった、京子は心麦の育ての父、春生を口封じに殺害し、鳴川と結託して、染田の殺害にも関与していました。
京子が、ネグレクトで弟を失い、貧困と飢えに苦しんでいたことには胸が痛みますが、大人になってからの京子は幸せを手に入れる為なら手段を選ばない人になったことが嘆かわしかったです。
京子のなかでは、幸せを壊す人や環境が増えてゆくと思ったのでしょうけど、殺人を犯してまでも、愛を渇望していた乾いた心が迷子になっていた印象でした。
安成と京子が不倫という過ちをおかし、なおかつ、安成は狂人になった妻の里子を止めることはできなかった悲劇が避けられなかったのは無念でした。
不倫は誰も幸せにならないと思います。
春生が自分が二階に心麦を抱き上げて行ったことを告げていれば、遠藤親子は罪に問われなかったのにな。
遠藤親子が明るい方向へ歩いていける希望と、心麦と春生が目に見えない親子の絆で繋がり続けた絆には心打たれました。
2人の親子はそれぞれ方向が違えどもそこに確かな愛があると確信する場面でしたね。
赤沢が一命を取り留めたのも良かったです。
赤沢家は、「林川歌」から、実父、林川安成と育ての父、山下春生を奪った罪に向き合いながら、茨の道を進むことになるでしょう。
鳴川と阿南は検事と元ヤメ検弁護士の被告人として対峙しながらも、親子として彼らなりの一歩を進めると思いました。
最後に、スマホに映る春生が、心麦に贈るクリスマスプレゼントの感謝の言葉。
一つ一つが小さく積み重ねた家族の温もりある日常を伝えていましたね。
「生まれてきてくれてありがとう。自分を父親にしてくれてありがとう」という言葉に涙腺が緩みっぱなしでした。
この親子の優しい日常が、京子の手によって運命が変わってしまったのが切ないです。
心麦の心の中に春生が生き続けているからこそ、愛は目に見えない形で繋がり続けますね。
そして、心麦には両親を亡くしても、松風や波佐見といった仲間の存在があり、希望と再生に向かっていく最終回でした。