競争の番人9話あらすじネタバレ
東京都発注の土木工事の談合疑惑で「ラクター建設」などへの立ち入り検査を行う予定だった公正取引委員会第一審査。
ところが、緊急で中止になってしまいました。
亡き父、誠(高橋努)の死に関連する談合疑惑に、小勝負(坂口健太郎)は独自で調査を開始。
そんな小勝負を本庄(寺島しのぶ)は止めようとします。
しかし、談合の黒幕と踏んでいる、国土交通省事務次官の藤堂(小日向文世)と本庄が繋がっていると疑惑を向ける小勝負。
そんななか、談合の件で国交省を名乗る何者かに呼び出された小勝負は、なんと、刃物を向けられて、襲われてしまいます。
最悪なことに、小勝負を庇った本庄が刺される事態が発生。
小勝負は勝手に調査したことで、謹慎処分が下されてしまいました。
また、殺人未遂事件として警察が動き出したので、公正取引委員会は談合についても、警察の捜査が済んでから動くという指示が出されました。
そんな時、白熊に恋人の大森(黒羽麻璃央)から情報が入ります。
それは本庄と藤堂の繋がり、そして、本庄を刺した犯人が、白熊が公取に異動になるきっかけを作った、「ラクター建設」古賀康弘を殺害した犯人と同一人物の可能性があるとの情報を得ます。
白熊は大森から得た情報を、桃園(小池栄子)、キャップの風見(大倉孝二)、六角(加藤清史郎)に伝えました。
藤堂と本庄の繋がりに、ダイロクメンバーは疑念を持ちます。
一方、謹慎処分になった小勝負は本庄の私物の青いバッグから手帳と怪しげな鍵を見つけます。
その日の夕方、喫茶丘に電話をした、小勝負は木下(石井正則)に繋いでもらいました。
本庄が刺された状況をまず、話した小勝負。
木下は彼の名前にハッとし、小勝負の父が自死することになってしまったことや、ラクター建設の件で、救えなかったことを思い出し、頭を下げました。
木下によると、ラクター建設のことを調べ、本庄は藤堂に取り入っていると話します。
さらに、今の談合が2週間後の12月9日に迫っていて、小勝負がこれ以上関与していることは危険を伴うし、時間がないからこそ、これ以上の追求はやめたほうがいいと忠告する、木下。
しかし、小勝負は第六に到着すると、これまでの第六が調べた過去のデータを調べます。
「あなたが公取に入った理由がわかったわ!藤堂の不正を暴くためでしょ?」と、緑川(大西礼芳)。
「時間がないんだよ!!藤堂は再開発プロジェクトに関わっている。藤堂のビッグ4とも繋がっているんだ。談合が必ず2週間後に行われる・・・逃がすわけにはいかない。」
小勝負は第六や、緑川の忠告を聞かずに独走します。
緑川はここで、小勝負の父の件と本庄が本当に藤堂との接触を示唆。
小勝負は、小津建設に努める、藤堂の娘、環を訪ねますが、環は父と絶縁していて、夫の小津(竹財輝之助)と共に静かに暮らしていました。
これ以上、父の件では関わりたくないと言って、去って行きます。
白熊(杏)は、小勝負を気にかけ、緑川から大半のことを聞いたと吐露。
「警察なら捕まえて終わり。だけど、公正取引委員会なら今も談合で苦しむかつての自分のような人たちを救えるかもしれないと思って、公正取引委員会に入った」
その後、入院している本庄を見舞い、本庄が裏で繋がっているのではないと考え直し始めます。
小勝負は意識が戻らない本庄に優しく語り掛け、自身が本庄を全面的に疑っていたことを謝りました。
ふと、本庄は目を覚まし、フフフと笑います。
実は既に意識がちゃんと戻っていて、普通に会話ができるようになっていたのです。
思わず大きく安堵する小勝負。
「本条さんの努力が水の泡だ・・・本当にごめんなさい。天沢雲海と藤堂の繋がりすらも分かっていたからこそ、公取に調査させてくれた。俺は何も分かっていなかった。わざと藤堂に取り入って動いてくれていたのに」
「小勝負くんが謝ることじゃないよ。私も何も言わなかったのが悪いし、私自身、違反調査をしたのは事実」
小勝負の背中にそっと手を添えた本庄。
小勝負は中学の頃、藤堂のせいで父の死を経験した時も、本庄が大人として、公正取引委員会として寄り添おうと動いてくれた優しさを思い出すのでした。
その帰り、小勝負はラクター建設の社長、樋山雄平原テツ)。
後をつけますが、彼の仲間に暴行を受けて頬に小さなけがを負いました。
樋山は二度と自分を追わないほうが今後の為だと脅迫。
間もなく、白熊と合流し、藤堂の娘、環(前田亜希)を説得。
そして、藤堂には亡き母の着物を借りるという口実をつけて、藤堂家へ。
藤堂家に潜入し、談合が始まる前に、再開発プロジェクトの証拠を探そうとする白熊、環、小勝負。
しかし、予定より早く、藤堂が帰宅。
慌てて、クローゼットに隠れる小勝負と白熊。
環は父の気を引くために着物の居場所を聞きます。
ふと、小勝負は藤堂の上着から手紙を発見。
喫茶シルビアで、談合が開かれる場所が。
環は父が談合に関わっている事に呆れつつも、最後まで協力してくれました。
談合当日。
白熊にもこれ以上頼らないよう、動こうとしますが、白熊は張り込み調査として、やってきました。
やがて、桃園(小池栄子)と、風見(大倉孝二)、六角(加藤清史郎)が駆け付けます。
風見は、立ち入り検査の許可を上に何とか言って、嘘泣きも踏まえて、とりました。
六角は裏口で待機したのち、合流。
そして、みんなで小勝負のピンチをいつも通り、第六チームで協力して立ち向かうことに。
大谷田バイパスと仕事ができると以前、環が嬉しそうに白熊達に報告していたことや、樋山が本庄を刺した疑いも浮上。
間もなくやってきた刑事たちによって、樋山は連行されていきました。
環の夫、小津は、入札に勝てそうだと妻に嘘を言い、会社を続けるために大谷田バイパスとの仕事をもらえるため、藤堂の談合に加担していたことが判明。
立ち入り調査は中断されてしまいました。
本庄を刺したのは樋山ではなく、別の男。
樋山に雇われてやり、小勝負を集団で襲ったことも認めています。
ラクターの古賀が殺されたのも、樋山が原因。
なんと、こんな時に、藤堂が小勝負を公取に尋ねてきました。
樋山と藤堂は談合しているのは事実ですが、私腹を蓄えていた樋山にはそろそろ、逮捕されてほしかったと笑います。
樋山を早々と切り捨てたことを藤堂に指摘する小勝負。
全て藤堂の思惑通りに動いていて、「これ以上、私を追っても無駄だってわかったでしょ?」と余裕の表情。
「弱くても闘いますよ」
「弱い者ほど強がりを言い、出まかせを言う。弱い者がいくら闘っても無駄だ。君は知らないだろう?それがどんな悲劇を生むのか・・・弱い者は排除します、邪魔です!」
競争の番人9話感想・みどころ
小勝負はなんでも間でも一人で背負いすぎですよ。
自分一人の問題じゃないし、みんなをこれ以上、巻き込みたくないと独走する小勝負自身も、自己犠牲的な性分が災いして、暴漢被害に遭う。
しかも仕掛けたのはラクター建設の桶山だから質が悪いですよね。
本庄が敵じゃなくて本当に良かったです。
小勝負が父を亡くす前から心の支えになっていて、公正取引委員会として支え続けた、第二の母ともいえる存在でした。
小勝負が本庄を誤解していたことを涙ながらに病院で詫びた時も、小勝負をずっと見守ってきた側だからこその信頼や、自分が多くを語らなかったせいで小勝負を傷つけて、誤解させてしまった原因を悔いる弱々しい笑みが切なかったです。
小勝負と藤堂だけの問題じゃないからこそ、白熊や桃園、キャップの風見、六角の心強い味方がいるから、小勝負はもっと周りに頼って、自滅する方向を選ばないで欲しいですね。
藤堂は手強い・・・実の娘、環が絶縁するほど、人でなしの心とパイプを利用して、自分の社会的地位を維持している鋼の存在だと思いました。
藤堂のさらりとした喋りとにこやかな笑顔から想像できない、「弱い者は排除する、邪魔です!弱い者は闘えない」という冷徹で非情な人間性。
大きなバックを味方につけている彼と、弱くても一人でも多くの談合で苦しむ人、かつての小勝負と同じ経験をして大切な人を亡くした人のために、立ち向かい続ける公正取引委員会の背中が勇ましい9話でした。