まんぷく第15週のあらすじ
立花萬平が池田信用組合の理事長になって8年。
萬平はすっかり理事長の顔になり、理事長としての職務をこなしていた。
福子は家事と育児の合間にパーラー白薔薇ウエイトレスとして働いていた。
そこに女学校時代の親友・桑原敏子が知人の町工場を萬平に助けて欲しいと福子に相談にやって来た。
敏子から紹介された織田島製作所に義兄・小野塚真一と向かった萬平は、開発中の万能調理器と運命的な出会いをする。
残業だと嘘を吐き、織田島製作所で万能調理器の開発の手伝いをしていた萬平は、生き生きと目を輝かせ萬平らしくはあったが、あまりにも入れ込み過ぎていることに福子と真一は心配を募らせていた。
時は不景気。
資金援助をしてくれていた梅田銀行から新規の追加融資だけでなく、織田製作所への融資も打ち切るようにと言われた萬平は、小田島製作所への融資を続けるために家と土地を担保にしたいと福子に頭を下げた。
まんぷく第15週の感想
2019年になり、本格的にストーリーが進み始めました。
萬平さんが池田信用組合の理事長を引き受けてから8年…
8年も時が進み、思わず「8年!?」と声に出すほど驚いてしまいました。
昭和32年10月。
福子と萬平さんは池田に移り住んでいました。
門構えからして立派な家に、萬平さんがどれだけ成功しているのか様子がわかります。
職場で上半期の決算報告をする萬平さんはすっかり理事長の顔になっていました。
8年…萬平さんは発明をせず理事長として働いてきたようです。
8年経った福子は、パーマをあて、パーラー白薔薇でとても店主の川上アキラと妻・しのぶ夫婦と一緒にウエイトレスとして働いていました。
今や福子は池田信用組合の理事長婦人。
お手伝いさんを雇えるような福な暮らしをしているようですが、家事や育児を終えるとやることが見つからず、働きに出るようになりました。
鈴はそんな福子のことを恥ずかしいと思っていました。
久々に登場の福子の親友・トシちゃんがパーラー白薔薇に相談があると訪ねてきました。
トシちゃんの知り合いの町工場・織田島製作所を萬平さんに助けて欲しいという相談です。
これが萬平さんと織田島製作所の運命的な出会いの始まりでした。
その翌日、萬平さんは真一さんと一緒に織田島製作所を訪れます。
織田島製作所ではこれまで刃物を作ってきましたが、家電会社で働いていた息子が戻り、織田島製作所の技術を使って新しいものを作りたいと万能調理器の開発をすることを思いついたと説明を受けます。
「万能調理器…」と小声で復唱した萬平さんはとても嬉しそうでした。
以前に萬平さんが作っていた根菜切断機を思い出していたのです。
萬平さんは織田島製作所に100万円の融資をすることにしました。
昭和32年の国家公務員の初任給は約9,000円程度。
現代に換算すると100万円は約2,000万円程度のようです。
とても高額な融資。
しかし、この頃景気が悪くなり始め、梅田銀行から「油断しないでください」と梅田銀行から念を押されていたばかりでした。
だけど、こういう会社こそ助ける必要があり、萬平さんには織田島製作所か伸びるという確信めいたものがありました。
萬平さんは織田島製作所と出会い、自分も昔は家族だけで物作りをしていたことを思い出します。
泉大津に行った時は本当に何も無く、そこに残された沢山の鉄板と目の前に広がる海だけで塩を作りました。
社員を雇い、会社を立ち上げ、ダネイホンという商品を発明し、ここまできたのです。
ただ、懐かしく思う反面こんなことをしていていいのだろうかという思いが萬平さんに過ぎっていました。
理事長として人の役には立ってはいますが、萬平さんが言う“人の役に立つ”というのは異なっていました。
「後悔してるんですか？」と言う福子の問いに萬平さんは何も答えませんでしたが、後に自分を抑えつけていたと告白します。
織田島製作所と運命の出会いを果たした萬平さんは、その日を境に定時退社をしていました。
真一さんと秘書の綾は、源や幸の顔を見るために早く帰っているのではないかと思っていましたが、萬平さんは残業だと福子に嘘を吐き、織田島製作所で万能調理器の開発の手伝いをしていたのです。
それを知るきっかけになったのは世良さんの存在です。
8年ぶりの世良さんは何ら変化を感じない雰囲気でしたが、半年に1回アメリカに大豆を輸入しに行くほど成功し、結婚もして5歳になる息子をもうけていました。
世良さんは帰国して間もなく立花家を訪れ、今回の渡米でマリリン・モンロー出演の「7 Year Itch(7年目の浮気)」を観てきたと自慢げに話します。
そして、本題である萬平さんの居場所を福子に確認します。
萬平さんは残業だと言うと、世良さんが組合に電話をすると萬平さんは定時であがっていることが発覚しました。
残業だと誤魔化すのは女ができ、「16年目の浮気」だと世良さんは福子を脅かします。
8年の月日は香田家にも変化を与えていました。
茂とタカは結婚し、香田家で同居。
忠彦さんの画風は以前とは全く異なり、一瞬で魅了されてしまうほど素敵な絵で、高く売れるようになり、息子の重之と学は京泉大学に通わせることができるほどになっていました。
忠彦さんの絵が出来上がると家族は皆喜びますが、忠彦さんだけ嬉しいという感情が沸いていませんでした。
忠彦さんはもっと違うものを描いてみたいという欲求に駆られていたのです。
そして選んだ“違うもの”とは、美人画でした。
克子は、「ロマンのない男の人は魅力がない」「男は船、女は海」と最近見たばかりの芝居にすっかり影響されていましたが、実際に忠彦さんがアトリエに篭って美しい女性を描いているのを見ると、裁縫途中の針を指に刺してしまうほど動揺をしていました
話は萬平さんに戻り、残業をしていないことを知られたともも知らず帰宅すると、福子と鈴が待ち構えていました。
鈴から女ができたのかと尋ねられると萬平さんは驚きます。
そんなことはしていないけれど慌てる萬平さんを見て、福子は萬平さんの手が油で真っ黒に汚れていることに気がつき、それがどういうことなのか理解をしました。
理事長は町工場で働き、理事長婦人はパーラーで働き、鈴は呆れ返ります。
翌日、福子はこっそりと織田島製作所を訪れ、工場の中を覗きます。
そこには生き生きと目を輝かせた萬平さんがいました。
萬平さんは家族のために物作りをしたい気持ちを押し殺しているのではないかと福子は心配になります。
しかし、萬平さんが張り切っているよそで、織田島製作所への融資を打ち切るようにと梅田銀行から電話がかかってきます。
萬平さんは組合の金庫にあるお金を織田島製作所の融資に使おうとしますが、金庫の中にはほとんどお金がなく、梅田銀行以外の銀行に資金援助を頼むも断られてしまいます。
資金援助をするなら担保が必要になってくるだろうと真一さんに言われた萬平さんは、この後とんでもないことを言い出します。
萬平さんの行動は、神部家にも影響を与えました。
茂は萬平さんが万能調理器の開発に携わっていることを知り、織田島製作所を訪れると一緒に開発の手伝いをしていたのです。
茂の萬平さんへの思いにタカは焼きもちを焼いてしまいます。
茂とタカの間に亀裂が生まなければ…という心配が生まれますが、その前に萬平さんの方が家庭を顧みず、食事を取らないという行動で福子をさらに心配させます。
源が生まれた頃も、萬平さんは育児は福子に任せ、食事も取らずダネイホンの研究に打ち込んでいたことがありました。
憲兵に捕まった時、どれほど食が大切か学んだはずなのに…。
福子は食事を取らない萬平さんのことを、真一さんは織田島製作所に入れ込んでいる萬平さんのことを心配していました。
2人の心配が募るばかりですが、万能調理器の改善点が見えたらしく、萬平さんは「もう終わる」と福子に報告をします。
しかし、万能調理器を商品化する資金はありません。
萬平さんは銀行から資金援助してもらう代わりに、家と土地を担保に入れたいと福子に頭を下げます。
さすがに行き過ぎたお願いですが、8年前、追徴課税を払うことは負けを認めることになると拒否した萬平さんに、本当の萬平さんに戻って欲しいと言ったのは福子でした。
萬平さんが家族のために自分の気持ちを押し殺しているのではないかと福子も心配はしていました。
「自分の気持ちを抑えつけていた」なんて萬平さんに言われてしまったら反対することはできません。
福子は萬平さんの頼みを受け入れることにします。
まんぷく 第16週の予想と期待
萬平さんのお願いには本当に驚きました。
だけど、これまでのことを考えれば、家を失っても福子と萬平さんなら何とか乗り越えていけると思えるのです。
次週の予告では、資金援助は終了し、立花家は正式に担保となった様子。
萬平さんの頼みを受け入れたものの、福子は不安な気持ちを隠しきれません。
そして、大きな動きは立花家だけでなく、香田家でも…。
忠彦さんはとうとうヌードを描き始めた様子です。
果たして、克子はこれもまた黙って見ていることができるのでしょうか。
