まんぷく第23週のあらすじ
昭和44年5月。
大阪では日本万国博覧会が行われていた。
即席ラーメン工業協会を立ち上げ、会長となった立花萬平は、池田信用組合理事をしていた頃の家に戻り、以前のような暮らしをしていた。
しかし、即席ラーメンは需要数が伸び過ぎたことからこれ以上の成長も見込めず、画期的な新しい商品を作らなければ、まんぷく食品も倒産している業者同様に危うい状況となってきた。
60歳になる日が近づく萬平は、引退してもいい年齢だと後ろ向きであったが、福子と友人の世良勝夫から背中を押され、新しい商品開発を進めていくことにした。
萬平は、アメリカにまんぷくラーメンを売りに行ったことがあり、アメリカには丼ぶりと箸がなかったため、紙コップにまんぷくラーメンを食べてお湯を注ぐ欧米人の姿を思い出し、若手を集めた新商品開発チームを作って、容器に入った新しい即席ラーメンを作ることにした。
新商品開発チームには、息子の源も加わり、親子で開発が進められていく。
スープエキスの味は萬平の舌“べろメーター”が握ることから、萬平は社長自ら自宅でスープエキス作りを手がける。
自宅の台所を占領すること1週間。
萬平は望む形のスープエキスを作りあげた。
萬平が新しく作ろうとしている容器に入った即席ラーメンは、通称“カップ麺”と名づけられた。
それを100円で売ろうとする萬平に、売れるはずがないと世良は反対意見をぶつける。
萬平は、容器の形を紙コップのような逆円錐型、立ちながら食べれるように熱くならない素材というイメージが頭の中にはあったが、商品開発チームの職員にはそれが思うように伝わらず、開発はなかなか進まなかった。
着々と萬平の頭の中では開発イメージが進んでいき、新商品となるカップ麺の名前は、まんぷくヌードル”に決定。
まんぷくヌードルは海外市場を目指していく。
そんな矢先、娘・幸が、外国人の友人を自宅に連れ帰ってきた。
萬平は、これはチャンスと幸の友人に即席ラーメンを食べてもらう。
しかし、欧米人は麺をすすれないと知り、麺の長さをまんぷくラーメンの半分にすることにした。
新しい麺のサンプルを自宅に持ち帰った萬平は、福子に手伝ってもらい、麺を揚げる最適な温度と時間を探し始めたがそう簡単には見つからない。
福子は参考に、自分が天ぷらを揚げる時の話をした。
そこからヒントを得た萬平は、麺の揚げ方を工夫し、その成功から新たな利点を発見する。
萬平がどんどん閃いていく一方で、萬平の思うように開発は進めることのできないチームのメンバーは、萬平のスピードに付いていけないとぼやき始めてしまう。
萬平と開発チームの関係から会社の雰囲気は悪くなり、義兄であり専務である小野塚真一から話をして欲しいと頼まれた福子は、萬平に足を止めてあげたらどうかとアドバイスをした。
まんぷく第23週の感想
昭和45年5月。
大阪では、日本万国博覧会が行われていました。
立花家は、萬平さんが池田信用組合の理事長をしていた頃の家に戻り、以前のような裕福な暮らしに戻っていました。
萬平さんも福子も年を取り、源はすっかり大人に成長していました。
萬平さんと源は朝から、まんぷくラーメンを食べています。
萬平さんはあれから11年間、毎朝まんぷくラーメンを食べ、まんぷくラーメンは体に悪いものが入っていないことを身をもって証明し続けているところでした。
そんなある日の朝、即席ラーメンを作っていた会社が倒産したことが新聞で報じられます。
まんぷく食品も安心していられません。
まんぷく食品が傾くことがあったら、福子も手伝うと心強い言葉をかけます。
鈴も源も、福子に何ができるのかと言いますが、無一文になった頃、パーラー白薔薇でウエイトレスとして一家を支えてきたのは福子でした。
鈴もそれを見ていたはずですが、その頃とは比較にならないほどまんぷく食品は大きく成長していたのです。
幸は大学生となり、70年代らしい様相で、可愛らしい女性に成長していました。
そんな幸に鈴は、大学を卒業したら大きな会社のカタギの人とお見合いをするようにと言います。
克子に裏切られ、福子に裏切られ、タカに裏切られてもまだ、鈴は諦めていませんでした。
しかし、そんな鈴を幸までもがハラハラさせてしまいます。
幸は、万博で知り合って友人になったレオナルドととても親しげでした。
幸は、レオナルドのことを友人だと言いますが、結婚すると言い出したらと鈴は心配をしていました。
まんぷく食品の会議室には馴染みの顔が揃っていました。
専務の真一さん。製造部部長の森本さん。営業部部長の岡さん。商品開発部部長の茂。
茂、岡さん、森本さんもすっかり年を取り、まんぷく食品を支える管理職になっていました。
会議室では、今日の朝刊で報道されていた即席ラーメンを作っていた会社の倒産の話となります。
現在、即席ラーメン工業協会に入っている会社は350社超え。
即席ラーメンの需要も伸び、これ以上の成長は見込めず、開発能力のない会社が潰れていっている時代でした。
萬平さんは、本当に新しいという商品を作らなければいけないと追い詰められ、皆に発破をかけます。
しかし、そんな萬平さんはこれから還暦を迎え、引退してもいい年齢だと商品開発に後ろ向きでした。
でも、周りが放っておくわけがありません。
福子と世良さんは、画期的な新しい商品を作るようにと背中を押します。
ただ、萬平さんに現状を打破するようなアイデアはありませんでした。
まんぷくラーメンはアメリカにも進出していましたがが、輸出量も減ってしまっていたのです。
福子は、アメリカという言葉を聞いたからなのか、まんぷくラーメンがまだ生まれて間もない頃、萬平さんと世良さんと一緒にアメリカにまんぷくラーメンを売りに行ったことを思い出しました。
まんぷくラーメンはとても便利な商品でしたが、それは日本だからであって、アメリカには丼ぶりも箸もないことに誰も気づかなかったのです。
まんぷくラーメンを割って紙コップに入れ、そこにお湯を注ぎ、フォークで食べるアメリカ人のことを思い出した萬平さんは、はっとしました。
福子は、これまでも計算するわけでなく萬平さんが閃く手助けをしてきました。
今回もまた、福子は萬平さんにヒントを与えたのです。
翌日、まんぷく食品の会議室に集まった管理職の前で、萬平さんは紙コップにまんぷくラーメンを入れ、容器に入ったラーメンを開発したいと言います。
最初から容器に入っていれば、丼ぶりを用意する必要はありません。
萬平さんは茂に、商品開発部の若手を集めて新商品開発チームを作るよう命じました。
萬平さんに仕事を命じられた茂は、立花家に電話をかけます。
茂は、萬平さんから新商品開発チームを作るように言われたことを福子に報告すると、そこに源を入れたいと言いました。
源は、熱心に学生運動をしていました。
しかし、4回生になると、周りが就職活動を始め、源は就職浪人が嫌だとまんぷく食品に就職し、茂が司る商品開発部に配属になったのです。
茂は源が生まれた時から成長を見守り、萬平さんの子供なのだから抜きに出るものがあると信じて止みませんでした。
しかし、具体的なことはわかりませんが、今の源はそういった姿はなく、茂はがっかりしていたのです。
それでも茂は諦めず、源を育てたい、育って欲しい、将来まんぷく食品を担う人間になって欲しいと思っていました。
福子は茂の話を聞き、萬平さんがまんぷくラーメンを作った時のことを源が覚えていないことから、萬平さんの姿を見せて欲しいとお願いしました。
さらにその翌日。
萬平さんの前に、新商品開発チームに選ばれた若手4人が並べられます。
萬平さんは、チームに源が入っていることに何か思うところがあったようですが、新入社員の源にもいづれは戦力になってもらわないといけないと茂に説明をされ納得します
源の他には、大学で食用油の研究をしていた西野紀之、大学で生物化学を学び、まんぷく食品が医薬品の開発をするという噂に流され入社した久坂隼人、女性もチームにいた方がいいという理由から農学部出身の戸塚洋子が選ばれました。
萬平さんは4人に新商品のイメージを説明し、既成概念を捨て、今まで世の中になかったものを4人なら作れると、強くエールを送ります。
萬平さんが張り切り始めた一方で、還暦になろうとしている萬平さんがまんぷくラーメンのような新しい商品を作ると聞き、鈴は心配します。
しかも、萬平さんと源は家でも仕事でも一緒の時間を過ごすことになり、鈴の心配は余計に募ります。
鈴は、すぐ仕事に夢中になってしまう萬平さんに、仕事を家に持ち込まないようにと念を押します。
しかし、スープエキスだけは商品開発チームに任せることができないのか、萬平さんは以前のように自宅でスープエキス作りを始めました。
自宅ということで、福子も以前のように萬平さんの隣に立ち、萬平さんを支えます。
まんぷくラーメンを作っていた頃のようで懐かしく感じますが、家に仕事を持ち込まないという鈴との約束はあっという間に破られ、鈴の不機嫌は募っていく一方。
鈴は、会社で作ればいいのではないかと指摘をしますが、萬平さんは行き帰りの時間がもったいないと空白の時間を無駄にすることができなかったのです。
そして、台所占領から1週間後。
萬平さんは、スープエキスを完成させました。
さすがに1週間も台所を占領され、1週間文句を言い続けてきた鈴は、また文句を言わなければいけないのかと嫌気がさして仕方ありません。
鈴がそんな気分にも関わらず、萬平さんは鈴にも出来上がったばかりのスープエキスの味見をお願いします。
気乗りしない鈴でしたが、スープエキスを口に含むと、不機嫌な気持ちはどこかに飛んでしまいました。
とても美味しかったのです。
さらに、“初めての味”と表現する鈴の言葉で、萬平さんはさらに自信を持ちました。
しかし、鈴の不満が本当に消えたかというとそうではありません。
鈴は愚痴を溜めては、香田家を訪れていました。
そんな香田家でも色々と事件が起きています。
タカは、相変わらず克子に愚痴をこぼしていました。
茂が育児に無関心だったからです。
タカは、大介のことで学校から呼び出される日が続いていました。
その話を聞いた茂は、放っておけばいいと言います。
しかし、呼び出された内容を聞くと、本当に放っておいていいのだろうかという内容ばかり。
1回目は口喧嘩で女の子をいっぺんに3人泣かせ、2回目は言葉の揚げ足をとって女性の先生を泣かせ、3回目は校長室のソファーで昼寝をしていたというのです。
さらに、大介は100点満点のテストで12点しか取れず、大阪大学卒業の茂とタカの子供と思えないほど嘆かわしい成長をしていました。
売れっ子画伯となった忠彦さんは、名木純也という弟子をとっていました。
忠彦さんは、美大で臨時講師をしていた時に純也と知り合いました。
純也は70年代の今時のルックスではありましたが、美大を卒業した画家の卵だったのです。
しかし、出来上がり間近の忠彦さんの絵を「カラスでカオスとエロス」という表現をした後、自分の絵を見て欲しいと出してきた作品は、忠彦さんが書いているものにそっくりで、カラスをカボスに変えただけのものでした。
忠彦さんは、当然、真似をするだなんてことを許さず、自分のテーマを見つけなさいと言うと、純也は泣き出し、香田家を飛び出して行ってしまいます。
数日後、香田家の玄関に、髪を切って、白いシャツに身を包んだ純也が立っていました。
純也は、忠彦さんの真似をせず、世間にも流されず、忠彦さんから学んで自分の絵を見つける決心をしたのです。
さらにその他の香田家の変化と言えば、吉乃が岡さんと結婚をしたことです。
森本さんなんも結婚し、子供をもうけていました。
岡さんはどうやって吉乃を独り占めすることができたのかは未だ語られていません。
ここは是非掘り下げて欲しいところです。
萬平さんが自らスープエキスを作り、完成させている一方で、商品開発チームは、1週間経過しても容器が決まっていませんでした。
商品開発チームは、スープを西野、麺を久坂・戸塚、容器を茂・源が担当することになりました。
肝心な中味の開発が進まない中、萬平さんのアイデアだけはどんどん進んでいきます。
新しく作る即席ラーメンは、“容器に入った麺”では面倒、“容器麺”では不気味なことから、通称“カップ麺”と名づけられました。
その説明を聞いた世良さんは、丼ぶりはどこの家庭でもあるのだから売れやしないと相変わらず反対意見をぶつけます。
萬平さんは、そんな世良さんにも新しいスープを味見してもらいます。
文句を言いながらスープを飲んだ世良さんは、鈴のように一瞬にして笑顔になりました。
それでもやはり、100円でカップ麺を売ろうとする萬平さんの意見には反対でした。
何故なら、袋麺は30円だったため、100円では高過ぎるからです。
萬平さんは、公園でも、野球場でも、なんだったら歩いてでも、ラーメンを食べれるようにしたかったので、カップ麺にこだわっていました。
そこまでして食べたいのかと、世良さんは疑問を持ちます。
その問いに対して萬平さんは、そこまでして食べたくなるようにすると返します。
いつになく萬平さんは強気でした。
世良さんの反対など気にしない萬平さんは、新商品の名前を“まんぷくヌードル”という名前に決めました。
ラーメンからヌードルに変えたのは、海外市場を視野に入れていたからでした。
その矢先、万博に行った幸が、そこで知り合った3人の外国人を家に連れて来ました。
萬平さんは、来客を見てチャンスだと気づき、3人に即席ラーメンを食べてもらいました。
麺はまだ普通ですが、スープは新しいものです。
しかし、箸を使う文化ではない外国人にとって、ラーメンはフォークで巻きづらく、麺をすする風習のない外国人にとって麺は長く、火傷や喉を詰まらせてしまう危険性も出てきたのです。
萬平さんは、麺の長さをまんぷくラーメンの半分にすることに決めました。
カップは、壊れやすくて重いという理由でガラスや陶器は使えず、金属は薄くすると中の熱が伝わって熱くなり、プラスチックも熱くて持てず、開発は進んでいませんでした。
新しい素材を探すか、それともカップ自体を開発するか、さらに開発を進めていくよう萬平さんは指示をします。
麺は、まんぷくラーメンより少し太めで、コシのあるサンプルができあがっていました。
しかし、スープエキスとうまく絡むかどうかはまだわかりません。
スープエキスは、熱を加えると元のスープのような味に戻らず、開発は難航していました。
萬平さんは、できあがったばかりの麺のサンプルを自宅に持ち帰ります。
自宅の台所で麺を揚げる研究をするためです。
萬平さんが家に仕事を持ち帰ったので、福子はそれを手伝えることを喜びます。
しかし鈴は、また台所が占領されるため、小言を萬平さんにぶつけます。
萬平さんは約束を破っているにも関わらず、小言を言う鈴に黙って欲しいと、また強気でした。
自宅の台所で福子と一緒に、萬平さんは沢山の麺の塊を油で揚げていました。
麺の塊は、まんぷくラーメンより厚く、最適な温度と時間が見つからずにいたのです。
まんぷくラーメンを油で揚げるのは、福子が天ぷらを揚げていた時に浮かんだアイデアでした。
それもあってか、福子は自分が天ぷらを揚げる時には、温度も時間もいちいち図らず、泡が小さくなって浮かんできたら出来上がりだと萬平さんに話します。
あくまでヒントになったらと話しましたが、萬平さんは“浮かぶ”という言葉をヒントに、麺の量を減らし揚げてみることにしました。
すると、麺は中までしっかりと揚がり、揚がった形からカップの形が思い浮かぶという利点が出てきたのです。
萬平さんはどんどん閃いていきますが、萬平さんのスピードに付いていけないと開発チームのメンバーは嘆き始めます。
萬平さんと開発チームの関係は、会社にいい影響を与えていませんでした。
真一さんは自分が言っても聞いてもらえないからと、福子から話をして欲しいとお願いします。
福子は、布団に入りながらも仕事のメモをしている萬平さんに、足を止めてあげることも大切だと話します。
萬平さんは、ダネイホンを開発していた頃も、家庭を顧みず、職員の不和に気づかず、いつもイライラしていました。
そして今もまた、イライラしているのです。
萬平さんが天才的だということもありますが、そんな萬平さんの顔色を伺い、皆意見できないのでしょう。
萬平さんは、福子の話を聞き1度は憤慨をしますが、きちんと理解をしてくれました。
翌日、萬平さんは開発チームの前で、丁寧にカップの役割を説明します。
1つ目は、麺を保存できる容器であること。2つ目、お湯を注いで調理器具になること。3つ目は、食器になることでした。
萬平さんの説明を聞き、やっと皆納得します。
萬平さんの頭の中でイメージがあっても、皆の中では全く想像がついていなかったのです。
この説明を聞けば、世良さんも納得してくれるのではないでしょうか。
さらに萬平さんは、急がなくてもいい、わからないことがあれば聞いてくれていい、相談をしてくれていいと、皆で作ろうと優しい言葉をかけました。
まんぷく 第24週の予想と期待
抱き合う幸とレオナルド。それを知って慌てる福子と鈴。
予告では、萬平さんがそのことを知らないのが幸い。
再び逃げ出す純也。恐らく、忠彦さんは戸惑っていることでしょう。
開発は全く進まず、どちらかというと来週の方がカオスな状況になりそうです。
そんな中、家で仕事をしている様子の源。
源は少しずつ変り始め、いつか萬平さんや福子、上司の茂を安心させることができる姿を見せ始めてきたようです。