まんぷく 第134話のあらすじ
暴走気味だった立花萬平は自身の発明のスピードを緩め、商品開発チームのメンバーに寄り添い始めた。
直後、チームの一員でもある息子の源は、仕事に対してやる気を見せ始め、福子はそれを喜んだ。
これまで開発が進んでいなかったスープエキスは、粉末スープで試したいと前向きな意見が萬平にぶつけられた。
粉末スープにすることに大きな課題はあるが、萬平はチームのメンバーを信じ、任せることにした。
その矢先、買い物に出た福子は、魚屋で見かけた発泡スチロールがカップに適しているのではないかと源に提案をしてみる。
源は、一度発砲スチロールの案を却下していたが、改めて考え直し、萬平に発砲スチロールで作ったサンプルを見せた。
まんぷく 第134話の感想
萬平さんは、これまできちんと語ることのなかったまんぷくヌードルのカップの役割を商品開発チームのメンバーに伝えました。
そして、今までは早く作れと急かしてきましたが、急がずじっくり考え、わからないことがあれば聞き、相談もしてくれていいと、チームのメンバーに寄り添い始めました。
萬平さんの変化は、すぐに源に現れました。
源は自宅だというにも関わらず、朝食を取りながら、カップについて考えていました。
食事を取りながらも仕事のことを考えてしまうあたり、萬平さんにそっくりです。
福子は、源がやる気になって嬉しく感じてはいましたが、その熱意がいつまで続くか心配でもありました。
鈴は、源も自宅で仕事のことを考えるようになり、不服でなりません。
そんなやる気に満ち溢れた源とは反対に、幸は昨晩帰りが遅く、とても眠たそうです。
どうやらレオナルドと一緒にいたようですが、そんな遅い時間まで2人は何を語っていたのでしょう。
福子は、昼間にパーラー白薔薇でトシちゃん、ハナちゃんとお茶をし、買い物のために商店街の魚屋さんに寄りました。
福子はそこで、魚が入っていただろう空の発泡スチロールを見て、萬平さんが求めるカップが、丈夫で軽くてコストがかからない条件を思い出します。
発泡スチロールを手にすると、思った以上に軽く、閃いた福子は、公衆電話を使って会社にいる源に電話をしました。
家に帰って電話をする時間も待てず、生活をしながらヒントを探すあたり、やはり萬平さんの奥さんだと感じます。
福子は、元々そういう素質はあったのかもしれませんが、萬平さんと暮らしているうちに直観力が冴えてきたのではないでしょうか。
ということは、萬平さんと血が繋がっている源は、とんでもない才能を持っているのかもしれないと期待できます。
福子が電話をすると、源は既に発泡スチロールは案にあったと言いました。
しかし、発泡スチロールは薄くすると壊れやすいことから却下されていたのです。
源は電話を切ると、却下したはずの発泡スチロールを再度見て、何かを考え始めます。
源のやる気のある姿は観て、思わず嬉しくなってしまいました。
茂もこういう姿を見たかったのかもしれません。
萬平さんの声がけで源が変わったように、商品開発チームのメンバーにも変化が見られました。
スープエキスの着味は、何度実験しても成功はしていませんでした。
しかし、できないから諦めるのではなく、粉末スープにして着味をチャレンジしたいと、メンバー自ら萬平さんに提案をしたのです。
粉末スープにするためには大きな課題がありました。
それでも、メンバー達は「やってみせます」ととても頼もしい言葉を発します。
萬平さんはとてもせっかちです。
本当なら全て自分で手がけたいところでしたが、メンバー達を信じ任せることにしました。
萬平さん自身としても、社長としても大きな成長です。
そして、メンバーは社長に直々意見をぶつけ、またひとつ成長したのではないでしょうか。
一方、同じく新しいものを追い続けている忠彦さんは、心機一転出直してきた純也に、技術は美大で学んできているのだから、何を描きたいかを追求して欲しいと言葉をかけます。
忠彦さんが純也の年の頃、鳥の色彩に魅了されていました。
その後、戦争へ行き、色を失った忠彦さんは絶望したこともありましたが、描きたいという衝動を抑えきれず、魚の絵を描き、美人画を描き、そして今抽象画を描いています。
忠彦さんは自分の経験から、その時その時に感じたものをぶつければいいとアドバイスをします。
しかし、そのアドバイスに対する純也の答えは、その後、忠彦さんが怒って然るに当たるものでした。
純也は裕福な家の育ちで、苦労をしたことがありませんでした。
強烈な経験が人生にないから、キャンバスに絵をぶつけることができないと純也は言うのです。
それはどうでしょう。
強烈の度合いは人それぞれ。
人によっては裕福であることも強烈な経験になることもあるはずです。
それに気づかない純也は、強烈な経験が欲しいがために、自分も戦争に行きたかったと言うのです。
戦争に行って苦しい思いをしただけでなく、戦争が終わってもその後遺症で悩んだ忠彦さんにとって、その言葉は軽々しい発言に感じたに違いありません。
忠彦さんに怒られた純也は、また泣きながら幸田家を出て行きました。
純也が再び戻ってくることはあるのか。
今回ばかりは難しい気もするのですが、帰ってきそうな予感もします。
萬平さんがチームのメンバーを育てるように、忠彦さんもプロとして画家の卵を育てる貴重な経験のひとつなのかもしれません。
この忠彦さんと純也のやり取りを見ていた大介。
大介が発する言葉を生意気と感じたりもしたが、あまりにも大人びていて、吹き出さずにはいられませんでした。
大介は、大阪大学を卒業した茂とタカの子供とは思えないほど、学力的な面では落ちこぼれでした。
しかし、人間としては本当に図太く育っていたのです。
タカは、大介を普通に育てただけのようですが、茂とタカとは全く違う個性を持って生まれてきたようです。
子供のことで悩んでいるのはタカだけではありませんでした。
真一さんはすっかりと父親らしくなり、妻の好美の連れ子の娘の花子、息子の和光ことで頭を悩ませていました。
一緒に屋台に肩を並べた岡さんと森本さんも同じように子供のことで悩んでいるようです。
今回、真一さんが岡さんと森本さんを仕事の後の一杯に誘ったのは、子供の悩みを話したいわけでなく、専務として営業部と製造部から見たまんぷくヌードルに対する考えを聞いてみたかったのです。
製造部としては、製造ラインをどうやって作っていくのかということが一番に頭にあったようです。
営業部としては、30円から100円に上がる値段のことを考えないわけにはいきませんでした。
源は、改めて発泡スチロールで作ったカップのサンプルを作り、茂と一緒にそれを持って社長室を訪れました。
今まで、これといったサンプルを見せてこなかったこともあるのか、こんな素材があったのかと萬平さんは驚きます。
萬平さんは、厚さを2~3mmにし、大きさも小さくするように指示します。
発泡スチロールは、薄くすると壊れやすいことから1度は却下されたものでした。
源は、その課題を乗り越えなければいけなくなりました。
でも、粒子を細かくして密にするというアドバイスを萬平さんからもらったので、0から考えなければいけないというわけではありません。
まんぷくヌードル専用のカップ作りに、源は就業時間を過ぎても励みます。
萬平さんは源より早く帰宅しました。
萬平さんより源が遅いのはとても珍しいことでした。
しかし、源は仕方ないにしろ、大学生のうえ、バイトのない日なのに、幸は帰宅していません。
鈴はとても心配です。
その矢先、幸の声が外から聞こえてきました。
鈴が嬉しそうにドアを開けると、そこには幸とレオナルドが立っていました。
レオナルドは幸に握手を求め、そして、幸にハグをしました。
幸も戸惑ったように見えましたが、鈴はパニック!
当時はまだ、日本にハグという風習がそれほど無かったことから、路上で男女が抱き合うなんてことは鈴には考えられなかったことでしょう。
レオナルドが幸を抱き締めたのは単なるハグなのか。それとも愛しい人として抱き締めたのか。
この事件、一体どんな展開を見せていくのでしょうか。