同期のサクラ最終話あらすじ
2020年3月・・・。
サクラは事故から生還・回復して以来、慌ただしく転職活動に動いてきました。ようやくやっとの思いで小さな建設会社に内定が決まるはずでしたが、その建設会社の社長と取引をしている、サクラの元上司で花村建設の副社長、黒川(椎名桔平)がサクラを花村建設で再雇用するとオファーしてきました。
サクラは自分本意に突き進みすぎて花村建設との間に度々、トラブルメーカーとなり、しまいには花村建設で叶えたかった故郷の美咲島に橋を着工する計画も破たん。
その過去から、自分は復帰していいものかと疑問を感じていました。
黒川によると、彼自身が、今の花村建設の未来に危機感を抱いているようでした。
現在の花村建設では。新しい発想と情熱的な姿勢を持ち、上司に歯向かってでもチャレンジ精神のある人材を求めているとのこと。
そこで新人の頃から見てきたサクラがそのような性質であることをよく知る黒川は、サクラにうちでもう一度働いてみないか?と声をかけたのでした。
新しく着工する橋の重役会議に黒川と共に出席したサクラ。
そこで、橋のデザインと安全面について忖度なしでクライアントと激突。
黒川がサクラの意見に賛同すると、周囲の空気があっという間に変化。
サクラに黒川は「今まで桜が失敗を重ねてきたのは、力不足」と告げるのでした。力とは、権力を意味します。
自分が自分らしくいるためには力を持つしかない・・・とサクラにアドバイスした黒川。
そのアドバイスに感化されるサクラ。
権力や権限さえあれば今までとは違い、正しい意見が通せることを目の当たりにした彼女のなかで、今までとは違う「何か」が変わろうとしていました。
同じプロジェクトチームで働くことになったサクラを葵(新田真剣佑)が心配しながら見守っていました。
サクラはこれまでとは違った環境と新しい仕事への刺激で気分が高揚し、再び、花村建設の新たな環境に適応していこうと努力を続けます。
一方で、NP団体の代表となり、菊夫(竜星涼)も、それから、育児と仕事に四苦八苦中の百合(橋本愛)も、サクラの異変には気付いていました。
これまでの純粋で心真っ直ぐなサクラとは徐々に別人になっているからです。
決定的だったのは、就活中の蓮太郎(岡山天音)がサクラの面倒見が良く、仲間想いなやさしさを頼って、サクラに電話をしてきても、サクラは蓮太郎からの電話より黒川との電話を優先したのです。
あんなに同期の仲間と橋を作ることに携わりたいなどと人との繋がりや絆を大切にしてきたサクラが・・と同期たちは唖然。
元々感情の起伏が激しく、サクラ以上に気の強い性格の百合は、サクラに「あなた変わった、もう仲間なんて必要ないの?」と直球でサクラに問い詰めます。
サクラは10年間、自分が如何なる状況でも信じてきた仲間を見捨て、「黒川サイド」に洗脳されていき、本来の純真無垢な心と、同期達への愛情深さを失ってしまうのかというところですね。
2020年4月・・・桜の同期たちは公園でぼんやりと集まります。
11年経過した彼らの中に、サクラはいません。
遡ること1か月前・・・・黒川がもう一度、花村建設で働けることになった今の環境を疑問に思うサクラ。
しかし、会社到着早々、サクラは新しい建物を造るチームリーダーになってほしいと黒川から頼まれました。
また、今、企画されている建物について意見を求められた際は、相変わらず忖度なしでその建物のデメリットを述べるサクラを認める黒川。
サクラはさっそく、葵が配属されているチームに移動に。
その後、もうすぐ着手するゲートウェイブリッジの企画会議に参加することになったサクラ。
黒川から自分の意見を通すには、力をつけろと言われました。
サクラはその言葉に感化され、早速、会議で意見して一緒に仕事をする新しいメンバーをことごとく非難。
当然、相手から反感を買いますが、そんなサクラを認める黒川。
サクラはすっかり黒川の言う言葉に刺激されすぎていて、同期の葵に対してもちょっと「塩対応」です。
その後、お昼休みに百合とお茶しますが、百合は赤ちゃんの育児にノイローゼ気味でした。
まだ赤ん坊の我が子にイラだつ百合をサクラは「百合なら大丈夫、きっと乗り越えられる」とフォローします。
会社に戻ってその後、残業中には菊夫からパソコンのチャットで連絡がきて、新しい仕事環境に戸惑っている胸の内を伝えました。
大きな責任ある仕事を任されていたり、転職中であったり、育児と女性を支える仕事を続けたいけど現実の厳しさを知るなど同期たちはそれぞれの環境で新たな悩みを抱えていました。
チャット中に、黒川からキャッチで連絡が入った桜は、ゲートブリッジの企画が修正されたと言われ、すぐに新しい仕事仲間と話し合いへ向かいます。
サクラは「再修正案」として新しい仲間にダメ出しをしまくって年上の彼らを苛立たせてしまうのでした。
さらに緊急事態が!花村建設の社長(西岡徳間)が黒川の陰謀によって解任させられてしまったのです。
花村建設は他社と合併したのです。
その夜、百合、蓮太郎、葵、菊夫はサクラが黒川にいいように利用されていて、文字通り洗脳状態であることに気付き、心配して元純喫茶へサクラを呼び出しました。
サクラは黒川の言うことをとても鵜呑みにしていて、どうして今の変わろうとしている自分を応援してくれないか?と同期たちに反論。
再び、会社へ戻るサクラ。
そこで、すみれ(相武紗季)が解雇されたことを知りました。
すみれはサクラに、サクラが新人の頃はこんな面倒を起こす子は花村には向かないだろうと思ったことがあること、かつて働く女としても生きていく勇気をもらえるとは思わなかったこと、同期のみんなを大切にしたほうがいいなどとやんわりとアドバイスされました。
すみれをリストラ対象から外してほしいと黒川に頼むサクラ。
黒川はサクラにすみれをリストラ対象リストから除外する代わりに、サクラが誰を辞めるか決めろとのこと。
サクラはそこで自分が辞めると言いますが、黒川から「北野桜は情に脆すぎる、大きな犠牲は良い建物を造るなど仕事に必要」だと論破されてしまうのでした。
帰宅後・・・、市販のコロッケを食べながら自分の変化はおかしいのか?と悩みます。
翌朝、通勤途中に工事現場で働く隣人、(草川拓哉)から、サクラといつか良い建物を造りたいと思っていると言われて、サクラはハッとします。
また、新人としてこれから花村建設で頑張ろうとする女性(美山加恋)が。
彼女は花村建設が合併することを知っていて、花村建設に入社することに不安を抱えているとサクラに吐露。
そんな彼女にサクラは「この会社は大丈夫、信じあえる仲間と出会えるから」と言います。
かつての新人時代の自分の面影を彼女に重ねたサクラは自分にとって何が本当に大切で優先すべきか気付かされたのでした。
その頃、百合とその娘、夢の父である葵は2人で夢のために生きようと言葉をかけます。
葵は百合にサクラが黒川の言葉に操られ、自分を見失ってて連絡が取れないことをお互いに相談。
花村建設に駆け付けた葵、菊夫、百合、蓮太郎はサクラが寝ずに仕事に奮闘していることを知り、今度こそ力になることや、自分たちの良い近況をサクラに報告しました。
蓮太郎は建設関係に仕事が決まりました。
百合は葵とやり直して結婚することにしました。
菊夫は新たな環境で既に知り合った仕事仲間と今の仕事を頑張る事にしました。
ちょうどそこへ黒川が今のサクラと仕事をする部下を引き連れて通りかかりました。
サクラは会議に出ようと誘ってくる黒川に、なぜこんなにも自分に良くしてくれるのか?と尋ねました。
黒川はなぜサクラを入社時に採用したかを述べました。
黒川には生きてればサクラと同い年になるはずだった娘がいました。
その子はバレリーナになりたくてどんなに厳しい練習でも弱音を吐かずにレッスンに通っていました。
しかし、黒川の愛娘は8歳の時、交通事故で他界。
黒川はサクラを娘に重ねたのでした。
そんな思いを吐露した後、もう一度、サクラに花村で一緒に働かないか?と誘いますが、サクラは退職届を黒川に渡しました。
桜は同期の仲間の絆を信じ、建物を造ることを諦めないことを決意。
自分は今まで黒川に甘えていて彼の言葉通りに動いていた・・・自分を見失っていたことにようやく気付いたのです。
そして、サクラは花村を自ら辞職・・・。
あくる日、いつものように建物の写真を称賛していると、サクラが花村建設で再雇用された日に受けた小規模の建設会社の社長(平泉成)と偶然、再会。
そして、サクラはその社長のもとで働くことが決まりました。
採用決定後、サクラは同期たちと合流。
サクラが同期と待ち合わせした場所には満開の桜が咲いています。
サクラは同期達と共にそれぞれの現在の夢を語ります。
蓮太郎も百合も、菊夫も葵もかつての自分の若い頃の苦い経験から今、サクラのように困っている人の力になりたい、そのために仕事を続ける「夢」を選手宣誓のように誓いました。
「一人でも多くの人が私のように信じあえる仲間をもつこと」などと自分が本当にこれから成し遂げたい展望を語るのでした。
最終回、サクラは自分がダークサイドに落ちそうでしたが、もう一度仲間を信じ、建設の仕事に携わる事で多くの人を笑顔に出来る建物を造ることを誓い、仲間と別れました。
”それじゃあ、またいつか・・・・”。
同期のサクラ感想と見どころ
まさか桜があんなことになるとは・・・すごく意味深ですね。
サクラが今までとは違い、同期の仲間や人と人との絆を重視してきたサクラの予想外な最終話という印象でした。
黒川ってサクラのことを認めているのか、何か彼なりの策略があってサクラの再入社を認めたのか?黒川って読めない。
部下のサクラのことを新人の頃から知っていて、かつてとは違い、サクラを信頼しているとはいえ、「サクラ」呼びはどうかな・・・って思いました。
今の時代だと女子社員を呼び捨てって人や言い方にもよるけど、「セクハラ」って言われそう。
若い世代で建築に関して様々な知識を持つサクラは新しい仕事仲間である年配者たちに悉くダメ出し・・・年長の「桜と仕事をする同僚」たちは表情にイライラを募らせていましたね。
これまでのサクラは仲間に対してとても思いやりがありましたが、黒川がサクラに「力を持てば自分を表現できる」などと言葉巧みにサクラを「洗脳」したがために、サクラの性格はどんどんひねくれていってますね。
百合が言うように「醜いあひるの子は白鳥になって醜くなった」まさにそうです、その通りだと思いました。
サクラが黒川の犬というような状態で、黒川の操り人形ともいえました。
でも最後はかつてのサクラのような新人社員(美山加恋)や、隣人がいつか桜と一緒に建物を造りたいとまるで、これまでの純真なサクラを連想させる素直な姿勢に本当の自分を取り戻せてよかった!
黒川はかつてサクラのように努力型の我が子の成長を見守っていたものの、不運な事故で我が子を亡くした父だったとは・・・。
桜の誰に何を言われようが我を貫き、自分の環境を必死で生きる姿に当時8歳で亡くなった娘を重ねたと語ったところは涙腺が緩みました。
桜を採用したのも、また再雇用したのも、サクラをとことん花村建設の再構築のために利用した部分はあったけど、根っこにある優しさもあったのは意外でした。
桜があのまま仲間を信じる心を失ったら・・・とハラハラさせられましたが、やはり、北野桜は、北野桜でしたね。