スカイキャッスル8話あらすじ・ネタバレ
山田未久(田牧そら)の誕生日会が開かれたものの、未久本人が屋上から転落する事故が発生しました。
未久は重体で、帝都病院に緊急搬送されます。
宿直中だった、浅見紗英の夫、浅見英世(田辺誠一)は、よもや未久が自分の実の娘だとまだ知りません。
そこで、厚生労働大臣、東原政務官(矢柴俊博)の息子のオペを優先してしまいました。
未久のオペは、非番の医師が到着後に開始されました。
「未久!こんなところで死んじゃだめだ」
しかし、未久は21時3分に、紗英と同行した、南沢家の長男、青葉(坂元愛登)の目の前で息を引き取りました。
一方、紗英の夫、英世は未久が娘だということを知らず、東原政務官(矢柴俊博)長男、誠也を助けました。
誠也はまだ未久より年下の10歳です。
「これで東原政務官のおかげで、不正が隠ぺいされます。」
夏目龍太郎(本多力)は、英世に囁きました。
「未久さんが亡くなりました。」
帰宅後、真珠(白山乃愛)、美咲(高橋メアリージュン)、息子の健作(松藤史恩)、南沢泉、二階堂杏子と翔(柴崎雅楓)もいました。
真珠は未久の死に激しいショックを受け、大泣きしました。
紗英は真珠を抱き締めます。
「警察は、自殺か事故か、事件性かを捜査するために捜査が長引くそうよ。今日はゆっくり休もうね。」
その場にいたに名も悲しみに包まれ、子供達を連れて帰宅していきました。
「瑠璃、どうしてみんなと一緒にいなかったの?」
「私、未久の不幸を願った。」
「誰にもいっちゃだめ!パパも知らない。未久さんが落ちたとき瑠璃はどこにいたの?」
「まさか私を疑ってる?」
瑠璃は未久の死に混乱し、九条をすぐ頼りました。
「どうしましたか?」
「未久が死んじゃった。わたしが疑われている。先生助けて!先生は信じてくれるの?」
「当たり前じゃない。大丈夫よ、私が味方だから。」
警察は事件性も視野に入れ、未久の落下事故の捜査を開始します。
「幼い子供を優先したのは正しかったんですよ」
二階堂亘(鈴木浩介)は、未久の遺体を目の前に霊安室に立つ彼にそっと呼びかけるのでした。
その頃、紗英は未久の死から、警察の捜査が長引くことを知り、彼女の携帯を叩き壊します、
なにか手掛かりは内科未久の遺留品を探し、ごみ袋に入れていきました。
何食わぬ顔で、ごみを捨てる彼女を二階堂杏子(比嘉愛未)は心配しています。
そして、警察が浅見家へやってきました。
「未久さんが落下したとき、瑠璃さんはなにをしていたのかな」
「瑠璃を疑っているんですか?」
「みんなはゲームをしていましたが、そんな気分じゃなかったので、受験講師の先生と電話してその後は夜風にあたっていました。」
「それを証明できる人は?」
「いません」
「確認のため携帯電話を預からせてもらってよろしいでしょうか。」
かねてより、未久と折り合いが悪く、事故当時、一人でいることが多かった、紗英の長女、浅見瑠璃(新井美羽)に疑惑が向けられます。
警察は南沢家も訪れ、青葉にも事情聴取をします。
刑事の若井は瑠璃に質問したのと同じように青葉に訪ねました。
「みんながゲームをしている時君はどこにいたかな?」
「ちょっと待ってください。うちの青葉は未久さんの救急搬送に付き添っていたんですよ。」
すかさず母の泉(木村文乃)は青葉を庇うのでした。
翌日。
南沢(大谷亮平)は大河内病院長(小野武彦)から脳外科部長解任を言い渡されました。
「脳外科部長を解任?」
「君には部長職を退いてもらうことになりました。」
「理由を説明して下さい。」
「弱者救済の志に溢れる君のような人材は管理職の仕事から解放されたほうがいい。データ改ざん隠ぺいの為に東原政務官を紹介することを私が拒んだからですか?」
「いやいやいや、あれは単なる報告ミスだったんだ。天下の帝都病院がデータ改ざんなどしないよ。はいどうぞ」
「浅見くん丁度良かった。脳外科部長の業務の引継ぎをしてください。
そこで、部長の昇進をしたのは英世。
「今日はいい報告がある、部長昇進が決まった。反応が薄いな。おふくろが家族で昇進の祝いをしようと言ってきた。」
「その前に未久さんの弔いが先じゃないですか?遺体を引き取って、日曜にはお葬式があります。」
「日曜は東原政務官とのゴルフがある。」
「キャンセルして下さい。お葬式には参列して下さい」
「どうした?紗英」
「そうしなければ一生後悔することになります。」
「未久さんは、あなたが昔お付き合いしていた希美さんの子供だったんです。」
「まさか!父親は?!」
「あなたです!未久さんは、あなたの子です!」
「じゃあ俺は自分の子を後回しにして・・・知っていたのか?君は?なぜ教えてくれなかったんだ!」
「瑠璃の受験が終わるまで波風立てたくなかった!」
「そうやっていつも君が隠すから僕は傷つく・・・」
「未久お姉ちゃん、本当のお姉ちゃんだったの?未久お姉ちゃん、可哀想!」
「真珠!」
「うわああああああああああ!うわああああ!」
英世は自分のしたことと紗英が未久が娘だと知ったことに衝撃を受けました。
「未久お姉ちゃんが本当のお姉ちゃんだってもっと早く知ってれば」
「よしなさい、真珠」
「まさか未久ちゃんと瑠璃ちゃんそれで喧嘩したの?」
浅見家を気に掛ける、杏子。
「まさかお姉ちゃんが突き落としたんじゃないよね?」
「そんなことするわけないでしょ!」
「未久さんを殺したのは他の患者の子供を優先した浅見先生、あなたなんではないですか?」
未久の葬儀が終わり、あっという間に警察が訪ねてきました。
「浅見瑠璃さん、署までご同行願えませんか?」
「私は何もしていません!」
「事情聴取は終わりましたので瑠璃さんの携帯はお返しします。ところで未久さんの携帯は?犯人が処分したことでしょう。」
「わかりました。」
「瑠璃?瑠璃、大丈夫?瑠璃、不安だったでしょう。」
「未久のオペをパパが優先していたら未久死ななかったよね!そのせいで私まで犯人扱いされているのよ!」
そこへ九条の秘書、永峰泳児(前原滉)が。
「瑠璃さんをお守りするよう、九条さんに申し付かっておりますのでお2人共お乗りください。」
紗英と瑠璃はそれぞれに九条に現状を相談しました。
「先生、事件前に未久と喧嘩してしまいました。」
「お母様なにかご存じですか?」
「未久さんの携帯が見つからないそうです。」
「それでは瑠璃さんを疑うしかないかもしれません。これは事件当夜、瑠璃さんからの電話です。」
そこには、瑠璃が「あんな奴と姉妹なんて!許されるならこの手で未久を殺してやりたい」と九条に言っていた会話でした。
「まさか先生!瑠璃が・・・」
「ご安心ください。警察には言いません。わたしの仕事は瑠璃さんを合格させること、秘書も協力しています。一緒に瑠璃を合格するために協力しましょう。今日はお引き取りを」
「先生、瑠璃を」
「瑠璃さんは今ナーバスになっています。瑠璃さんは家に帰りたくないそうです。ご両親を信頼できない今の彼女をお母様のに包み込めますか?」
帰宅後、未久の件と家族の心が壊れていく現状に頭を悩ませる、浅見紗英と英世。
「そうか、瑠璃は俺たちより九条先生を・・・お笑い草だな。出世の為に東原政務官の長男を優先して、未久を父親である俺が殺した。未久が俺の子・・・都合の悪い事は全て隠してきた君がこの悲劇の原因ではないのかい」
「そうやって生きるしかなかったの!犯罪者の娘として生まれて、あなたのような恵まれた星に生まれたかった!・・・そうかもしれない、私とも出会っていなかったし、瑠璃も生まれていなかった。あなたは希美さんや未久さんと幸せな家庭を築いたかもしれない。未久さんも死ぬことはなかった。未久さんを殺したのは私かもしれない!私かもしれない!」
紗英は壁の手すりに頭を打ち付け、後悔します。
「未久さんは空に希望の城を描いた。スカイキャッスルって本を持ってた。施設にいた頃の私がボロボロになるまでに愛読した本よ。いつかはこんな場所に住めると思う事で自分を慰めてきた。幼い私と未久さんを重ねていた。貧乏で親が恵まれない・・・私のせいだ」
「俺のせいだ。希美が傷ついたことも知らず逃げてきた。勝手な男だよ。」
「どこに行くの?」
「真珠の部屋だ。せめて今生きている娘をフォローしないと」
「お願いします。」
すると、夜中に、杏子と美咲と泉が。
「ありがとう、心配してくれて」
「相変わらず図々しいわね!私が心配しているのは瑠璃ちゃんよ」
「本当にごめんなさい、主人がみんなの前で英世さんのことを責めたから、瑠璃ちゃん余計傷ついたでしょう」
「ご主人は本当の事言っただけ。嘘偽りない人もの。」
「私達、瑠璃ちゃんの潔白を信じてるわ。瑠璃ちゃんのためならなんだってするよ」
「瑠璃ちゃんは今どうしてるの?」
「九条先生の家にいる。私や夫と今は一緒にいたくないみたい」
「おかしいでしょ?こんなときには家族一丸となるこの一大事に瑠璃ちゃんがいないなんて・・」
「今の私は、九条先生に逆らえないの。」
「ねぇ冴島さんに会うのはどう?なにか答えが見つかるかもしれない。」
泉は、紗英に冴島哲人(橋本じゅん)と会うことを提案しました。
そして、紗英と泉は哲人を訪ねました。
「瑠璃ちゃんのことは私も本当に心配です。時々思うんです。九条先生と紗英さんとさえ出会わなければ・・・今も遥人や香織と楽しく暮らせていたのではないかと」
「さくらさん!あんなひどい仕打ちをした私に!まさかその子は!」
「私こそお母様に・・・あなたの孫です。じゃあ遥人と君の?!」
「ええ」
「遥人!」
遥人も父との再会に笑顔がこぼれていました。
九条という共通の女性により、人生を狂わされた2人は、少しずつ時間をかけて関係を修復しようと歩み寄ります。
「遥人くん、やせたね」
「紗英さんこそ・・・瑠璃のことは父から伺いました。」
「九条先生のこと話してあげなさい。」
「僕は医師になれと強要する両親にずっと反発しました。自分の人生を自分で決めたかった。両親は聞き入れず、勉強を強要し、僕に暴力さえ厭わなかった。僕は心の底から両親を憎悪していました。唯一の味方だったさくらさんに罵倒して。僕はどうしていいかわからず九条先生を頼りました。」
「ご両親がしていることは教育ではなく飼育です。ご自身の成功体験を信じるご両親は何を言ってもあなたの望みには寄り添いません。あなたが自分の人生を生きていきたいならご両親と決別するしかありません。子ご両親に深い絶望を抱かせることがそのための唯一の方法であり、同時にそれは、供に深い傷を負わせた彼らへの復讐を果たすことになります。まずはあなたが努力して帝都医大に合格し、彼らに最高の喜びを与えた後、入学を辞退し、家を出て自分の人生を始める。ご両親を幸福の絶頂から地獄の絶望へ突き落すのです。」
「僕はそのとおり実行しました。僕を追ってきた母にもひどい仕打ちをした。今思えばどうしてあんなことができたのか。母に謝りたい。言えなかった感謝の気持ちを伝えたい。一緒に食事をしていろんな話もしてみたい。だけど母は・・・」
「もういい。」
「遥人は九条先生に心を支配されていました。そして瑠璃さんも同じ状況だと危惧しています。あの頃の遥人のように支配されていたら何をしてしまうか分からない。妻を殺したのは九条先生だと考えています。」
遥人と自分の経験から、瑠璃の身を一番に案じる哲人。
哲人に会ってから、紗英、美咲、泉、杏子は九条を訪ねました。
「瑠璃を引き取りに来ました。」
「申し訳ありませんが、まだ帰せる状態ではありません」
「子供を親に引き渡さないなら警察呼びますよ。拉致監禁ですよね?」
「随分大袈裟ね。わたしは娘さんを合格するための仕事をしているだけです。それをじゃましたいならどうぞご自由に。あなたは行かないのですか?」
「冴島哲人くんに会いました。遥人くんの心を支配して冴島家を破壊したのですね!」
「私は遥人くんに目標を与えて子供の受験成功という親の望みを叶えてあげただけです。」
「誰が彼女を殺したのか、少なくとも冴島さんは、香織さんはあなたが殺したと考えています。」
「殺した?香織さんは自ら死を選んだのです。」
「導いたのはあなたでしょ?そして今、浅見家を標的にしている。どうしてですか?」
「あなたが認めないなら小説であなたの罪を世に問います!」
「小説は遥人君の為に諦めたんですよね?」
「遥人さんも応援してくれています。九条先生の悪意を世に晒して罰を与えるべきだと!」
「ほんとうにそれは望まれるべきことかしら?世間に公表して喜ぶかしら?家族の悲劇を受験講師のせいにして失笑を買うのは、あなたのほうですよ。」
「瑠璃ちゃん!」
「九条先生」
「わたしが瑠璃さんを守り抜くからね。」
「瑠璃ちゃんこの人の言うことを信じちゃダメ。この人は関わっちゃいけない人なの。」
とっさに思ったことをはっきり言う、杏子が瑠璃をフォロー。
そして一同は瑠璃を家に連れて帰りました。
「目撃者は見つかりましたか?」
「はい」
紗英たち母親と、瑠璃がその場を後にしてから、九条は秘書の泳児(前原滉)に意味深に囁くのでした。
紗英が瑠璃を浅見家へ連れ帰った時は朝になっていました。
紗英たちスカイキャッスルの守衛(南圭介)が怪しい表情を浮かべていました。
「お姉ちゃん!パパも心配して病院から駆け付けてくれたんだよ。」
「パパ」
「瑠璃、お帰り。みんな瑠璃の事信じているから」
青葉、翔、健作も瑠璃を励まします。
間もなく、警察が来ました。
九条は泳児(前原滉)に紗英たちが瑠璃を保護した後、伝えました。
「南沢青葉くん、傷害致死の疑いであなたを逮捕します。」
「どうして?どうして青葉が?何かの間違いです!」
「彼の犯行を目撃した方がいます。」
「お母さん!お母さん!」
「青葉!青葉!青葉―!」
泉は警察に連れて行かれる我が子の名前を悲痛に叫び続けました。
紗英、美咲、杏子らはその様子を複雑な気持ちで傍観することしかできませんでした。
スカイキャッスル8話感想・みどころ
未久が不遇すぎますよ。
まだたった14歳で、大人の陰謀に巻き込まれて、命を落とすことになるとは・・・。
家庭で、紗英から姉の瑠璃と比較されていた真珠にとって、未久は本当に心の支えだったでしょう。
そしてその未久が自分たちと同じ父親の娘であることを知った真珠は、さらにショックが大きいですよ。
英世は、紗英から未久の事実を聞き、我が子を見殺しにしたも同然の行動に後悔と悲痛な声が痛々しかったです。
揉めた時は紗英に、生い立ちを含めた彼女の隠す癖が、家族を台無しにしたなんてよくもそんな酷い言葉が出るなという印象です。
彼こそ、家族と向き合わず、自分からも逃げ続けてきたから、紗英を責めちゃいけないと思いました。
未久と未久の亡き母、希美の人生は難だったのでしょうか。
かつて紗英が九条に、人の血が通っていないと暴言を吐きましたが、紗英は正しかったと言えます。
彼女自身、子供を虐待しているといっても過言ではありません。
少女期に九条自身も、親との抑圧された環境下に恐らく、翔や、遥人のように苦しんできたのだと手に取るように分かります。
自分の復讐心を子供の従順さと素直さを逆手にとって利用し、受験生の親子関係を潰していく露骨なマインドコントロール。
九条に洗脳されやすい、瑠璃と、洗脳が解けた遥人。
遥人は父親の哲人や、母の香織からの教育虐待とDVから逃れるために九条に助けを求めたあまりに、家庭をめちゃくちゃにされ、彼自身も生きづらくなった被害者といえます。
しかし、哲人との毒親関係が九条という共通の敵に出会い、洗脳が解けたことで、希望ある一歩を踏み出せて本当に良かったですよ。
哲人と遥人の微笑む姿を見て涙が出ました。
でもちょっと腑に落ちないのは遥人の子供を授かったさくら。
家政婦として雇われ、遥人の精神的支えだったにもかかわらず、中学生の彼と関係を持ったことは歓迎されないと個人的には思いました。
哲人もよく温かく受け入れ、孫の誕生を喜べる余裕があったなとも思いました。
冴島親子は、九条の洗脳と圧に苦しめられた過去をきっかけに希望と再生の道を歩めそうですね。
しかし、浅見家は瑠璃がまだ、九条を頼りすぎてしまっています。
依存で、九条は思春期のナイーブな感情を操るのが怖いくらい長けています。
そんな瑠璃の為に、立ち上がる紗英、美咲、泉、杏子の母親たちの力と結束にさらに感動が止まりません。
紗英を軽蔑するようになった美咲も、元々性根が悪いわけではないので、紗英には相変わらず口が悪くても、瑠璃という一人の子供の為に立ち向かう勇姿がカッコ良かったです。
孤独に押しつぶされそうな紗英は最早、一人じゃありません。
九条彩香というミステリアスで常軌を逸した教育モンスターと共闘する周囲に恵まれて、尚更、強い志で、家族を守る自分に戻れることでしょう。
九条のメッキが徐々に剥がれていく急展開に興奮が止まらない8話でした。