海のはじまり最終回あらすじネタバレ
夏は海と水季がいる世界を想像していました。
水季が生きていたら…と彼は思うのです。
ベッドではなく、床に敷いた布団で目を覚ます、月岡夏(目黒蓮)と月岡海(泉谷星奈)。
ランドセルや海のお気に入りのイルカのぬいぐるみが視界に入るものの、海の姿はありません。
「海ちゃん」
娘がいない事を痛感する夏なのでした。
それは海もまた同じで、南雲家で目を覚ました海は、寝起きのままリビングへ。
「夏くん」
朱音(大竹しのぶ)と翔平(利重剛)あいるだけで、夏はいません。
「自分が帰らないって言ったんでしょ?」
朱音の厳しい言葉に海は返す言葉もありませんでした。
その頃、月岡家では、和哉(林泰文)とゆき子(西田尚美)も夏の好物を作って過ごしていました。
パジャマ姿で寝そべる海に、翔平と朱音は気を遣います。
「朝ご飯を食べようよ」
優しく声を掛ける翔平。
「食べたくない」
海はそっぽを向きました。
朱音は台所でおにぎりを握り、海に差し出します。
「お箸持つ元気がなかったらおにぎり食べる野。食べなきゃダメ。生きいかなきゃいけないから。おじいちゃんとおばあちゃんねママが死んじゃった日もご飯食べたよ。海のために生きて行かなきゃいけないから。元気ないときはお行儀悪いの許す。」
翔平は卵焼きを2個海にそっと差し出しました。
「ママはお行儀悪かった?」
「ママは元気なときもお行儀悪かった」
朱音は海に水季が亡くなった日におにぎりを食べたエピソードを伝え、海は少しだけ微笑むのでした。
「食べな。」
「食べな!夏も寂しがってたよ。唐突にお父さんはって無邪気に聞いてくるの。もういないよって言いくるめちゃった。夏があの人のこと覚えてなかったのあたしのせいかも。いないことにさせたから。」
やがて、夏のスマホに弥生(有村架純)から着信が入ります。
「弥生ちゃん?」
「海ちゃん?」
夏が電話に出ると、弥生は海からの伝言があると夏に伝えました。
「伝言」
「ん?伝言」
「ママは夏君の話沢山してくれた。夏君といたことなかったけどいないときから夏君のこと好きだった。夏君とママの話ししたかったんだって。」
「今向かってる。」
「お腹の子がいなくなったあと凄い寂しくなってね。頑張って忘れようとしたらもっと寂しくなっただからいたって事実は大切にしようと持ったの。エコー写真だけど大事にして忘れないことにしたの。時々ああやって罪悪感の蓋がバーッて開いちゃってご迷惑をお掛けしたけど、忘れなくていいと安心して忘れる時間が作れた。だから他の子のお母さんに本気でなろうと思ったんだよ」
「弥生ちゃん寂しそうって海ちゃんが心配してた」
「私に罪悪感押し付けないで。新たな罪悪感が生まれるでしょ。ちゃんとパパやって。しっかりしてくれ」
夏は南雲家に到着し、縁側で落ち込む娘の海を見ました。
「一緒に読んでいい?・・・ありがと。ごめんすぐパパにならなくて。ママがいた時に一緒にいなくて3人でいられなくてごめんね。俺もお父さんいなくてさびしいっておもうことあった。いた人がいなくなったからさびしかった。でも海ちゃんは最初からママと2人で最初から俺はいなかったから、一緒にいた人がいなくなるのと最初からいないのは違うからいなくなるのはいたって知ってるから寂しいんだよ。わかる?海ちゃんよりずっと短いけど俺も水季といたから。いなくなって寂しいよ。誤魔化したり無理するだけで、ずっと寂しい。」
海は水季からもらった絵本を読んでいました。
「海、夏君と2人でいるのずっと寂しいママだったらどうすればいい?」
「図書館行って津野さんに会っても良いし、弥生さんと又遊びに行っても良いし」
「いいの?」
「良いよ。行きたいとこ行って会いたい人に遭えばいいよ。夏君はどうするの?」
「待ってるよ。海ちゃんが寂しくなくなるか待ってるよ。どうしたら少しでも寂しくなくなるか考える。」
夏は海にペンダントを外してもらい、母の形見で、母の遺骨が入ったそのペンダントを笑顔で渡します。
「寂しい時貸してあげる。寂しかったら言ってね!」
「海ちゃんもね」
「あ、これママのでしょ。大学生の時つけてた」
「夏君と一緒にいた時?」
「水季といた時」
「ママいたよね。」
「うん、いたよ。」
その様子を見守る、翔平と朱音。
その頃、弥生は家を作ったコロッケを美味しそうに頬張るのでした。
そして海の状況を連絡する、夏。
「お昼食べた?食べて」
「有難う御座います、いただきます。」
「立ったまま食べないでよお行儀悪い」
「ごめんなさい」
「あなたが海を食べさせるために健康でいて」
「はい」
そう言って、朱音からのおにぎりを頬張る、夏。
「ママのどこが好き?」
「海のことを全部好きでいてくれるところ」
海を連れて、夏の父、基春を知る写真屋店長、新田良彦(山崎樹範)の「新田写真館」へ行く、夏。
「これお願いします」
「はい、かしこまりました。喜んで」
親になった夏に微笑み、海の愛らしい姿に癒される新田のでした。
「これ探したら少しあった。」
「ママ!」
「ここにもママがいた証拠。」
夕方、写真店から帰宅すると、夏は、現像された水季と自分の写真を海に見せました。
「俺、日曜日仕事だ、海ちゃん」
「え、日曜なのに仕事なの?」
「お留守番するの慣れなきゃ。」
「いや、甘えよう。」
そこで後日、夏は津野(池松壮亮)に海の子守りを任せました。
「海ちゃん、ケーキ買ってきたよ。夏くんの分はない。証拠隠滅しよう。」
津野はその後、弥生を呼びました。
「海ちゃんから連絡もらって。」
「じゃあ僕帰りますね。」
「いえいえいてもらって。」
「ここに3人いるのも変でしょ。」
次に海はなんと大和(木戸大聖)にも声を掛けていて、大和は間もなく到着。
「海ちゃんお邪魔しまーす!!あ・・・失礼します」
大和は、弥生と津野を恋人だと勘違いしてドアを締めようとします。
夕方、帰ろうとする津野に駆け寄る、海。
津野は温かく海に微笑みました。
「津野くん!ママも津野君のこと好きだったよね。ママにも内緒?また図書館行くね!」
「待ってます。」
津野は海をハグしている時、水季と過ごしている間、眠る海を抱き上げたことを思い出しました。
「海の父親ですか?」
「後悔ないの」
「一人でいなかったら大学出てないし、そしたら、津野さんとも会えてないでしょ。」
津野は夕方、弥生と共に、眠る海を見守ります。
「弥生さん断ってもいいんですからね」
「ううん、ほんと楽しいから会ってるの。逆に月岡君が嫌がったら教えてね。私さっといなくなるから。」
「当分ないと思うけど彼女出来たら教えますね。」
「お願いします。」
「え、あ・・・おはようございます」
「寝てましたね済みません。あ、終電・・・」
「まだあります」
「あ、じゃあ帰りますね、すみません」
「済みません楽しくなかったですよね。面白い話できないし一緒にいても楽しくないだろうなって寝てたし」
「わたしが楽しいかどうかは私が決めます。」
「すみません」
「面白い話聞きたくて付き合ってません」
「はい」
「でも横にいて眠たくなるくらい心地いいです。それは私の楽しいなのでお構いなく。すみませんすごい寝て。」
「あ、いえ」
「楽しかったです、お邪魔しました」
「明日、お仕事ですか」
「はい」
「朝、早いですか?」
「はい、まぁまぁ。終電ってまだあるんでしたっけ」
「ないと思います」
「ですよね。早朝、月岡さん起こさないようにさっといなくなるんでまだいてもいいですか?」
「いてください」
「じゃあ、います。」
後日、再会する弥生と夏。
「おう!」
「おお」
「海ちゃん寝ちゃって大和君が見てる。」
「あまり休日出勤に見えないけど、俺も楽しかったんだよね。」
「そう?なら良かった」
「駅まで送る」
「いいよ、海ちゃん寝てるでしょ。うん、じゃあ送ってもらおう。パパ頑張ってるね。」
「うん」
「またそんな返事して!まぁはいかいいえで答えられることはないよね」
翌日。
海の投稿前に、海の髪を三つ編みした夏。
「おお上手にできた。やばい」
「上手!」
「夏君へ、お久しぶりです元気でしたか?内緒で生むと決めた事後悔していません。夏君はいなかったけど海と過ごせて幸せでした。1人で海を育てたわけじゃないよ。たくさんの人に助けられてきました。たまーに夏君にいてほしい事はあったけど全然大丈夫でした。海と海を大切にしてくれる人がいたからです。その人たちは絶対夏君のことを大切にしてくれます。親から子供への愛情は選択肢を上げることだと思う。海には自分の足で自分の選んだ道を進んでほしい。夏君には大きくなっていく海の足跡を後ろから見守ってほしいです。私達がお別れしてから夏君はどんな風に生きてましたか?誰と出会って誰と過ごしてきましたか?何を知って何を大切にしてきましたか?私や海と違って夏君にとって大切なものがある。それを大切にしてください。人は2人から生まれてきます。夏君も誰かと生きてね。海を幸せにしながら自分も幸せになってね。2人がいる姿が見れないのは悲しいけど想像するだけでちょっと幸せになれます。海と生きることを選んでくれてありがとう。海の母より。」
「海も夏君のやりたい」
夏は海の髪を乾かします。
「どう?わかった?」
「だいたい半分くらい。だいたいどういう意味?」
「海ちゃんのことが大好きだってことと、ママは幸せだったってこと」
「ふーん(笑)。」
「よし、宿題した?」
「する!」
追伸と書かれた水季の手紙の文に気付く夏。
近くに寄った夏と海は南雲家へ。
海はまた水季のアルバムを開きながら話を聞いているうちに眠ってしまいました。
「いつ言おうと思って・・・迷っていた。娘が自分より先に死ぬことを想像してみて。わたしたちは、娘の遺影の写真を選んでいだの。それがどんなにつらいか今なら少しは分かってくれるかなと思って、言いました。意地悪ばっかり言ってごめんなさい。・・・可愛いでしょ?全部可愛くて選ぶの大変だった。」
水季の遺影を見て寂しそうに微笑む、朱音。
朱音はまだ水季が生きていた時、鳩サブレを水季にあげました。
海は水季の膝の上で眠ってしまいました。
「お母さん、海、生んで良かった。」
「そう」
「死にたくないんだけどね。でも娘が自分より先にって想像したらそれに比べたらもう全然。喜んでってかんじ。だから、ごめんね、お母さん。待ってるけどあんま焦んないでね。お母さんせっかちだからちょっと心配。」
「海、生んでくれて良かった。」
「うん」
「海いなかったらお母さん寂しくてすぐ水季のところ行こうとしちゃうもん」
「そう。じゃあ本当んでよかったわ。海のパパがいたからだよ、海がいるの」
「うん」
「優しい人だよ」
「うん。」
「うん、あんま言わないであげてね」
「意地悪は言うわよ」
水季と朱音は、微笑み合っていました。
海岸で、鼻歌を歌いながら無邪気な海を撮る、夏。
「追伸 海はどこから始まってるかわかりますか?海に聞かれて水があるところかなと答えました。始まりは曖昧で終わりはきっとない。今までいなかった夏君がいつからか海のパパになってて。今そこにいない私はいなくなっても海のママです。父親らしいことなんてできなくていいよ、ただ一緒にいて。いつかいなくなっても一緒にいたことが幸せだったと思えるように。」
海は不安で振り返ります。
「いるよ!」
海は何度も夏の存在を確認して振り返るのでした。
海のはじまり最終回感想・みどころ
夏と海の周りは、支えてくれる人がいて、親子は不器用にもデコボコに前に進める気がしました。
いつもは太陽のように元気いっぱいの海が、水季が生きている時、夏がいなかったことに対する複雑な葛藤が、母親への喪失感に繋がり、とても胸が痛みました。
「ママが死んじゃった時もおにぎりを食べた。海ちゃんの為に生きていかなきゃならないから。」
大切な人を亡くしても生きていかなければならない現実はつらすぎますよ。
海に母親の水季の話をすることで、海に少しだけ笑顔が戻ったことは切なくなるほどホッとしました。
まだ7歳の海が、父親の夏が恋しくなっていて前半はとても心配になりました。
夏もそれはまた同じで、夏が朝見た水季と海と3人で過ごす理想の姿が幻想だということが、胸が掻き立てられる思いでした。
そんな夏と海に、海は朱音が、夏は母のゆき子がフォローしていき、どうにか立ち直ることができて良かった。
弥生も夏と海を一歩離れた距離から見守り、優しい距離感で味方でいてくれるのは心強いです。
夏の目線がもう親の瞳になっていて、これまでよりもとても頼もしく感じました。
朱音が夏に小姑のような皮肉を言っていた理由も分かり、伏線が回収された印象でした。
海のことを誰よりも愛し、成長を短い間、見届けてきた水季の温かくも切ない思い、夏と海の意志を尊重した手紙は心が持っていかれました。
そして、浜辺を歩く2人の微笑ましい背中を見守りたくなりました。
海が夏がいるかどうかを確認して振り返る姿はまだ胸が痛みました。
海にとって夏がちゃんといるかどうかは心細いですよね。
「父親らしいことはできなくていいよ。そばにいて。いつかいなくなるときがきても」
親の存在は子供よりも先に逝く・・・。
生まれて来て良かったこと、子供を授かって良かったこと、親になって良かったこと。
そして、悲しみを2人で乗り越えたからこそ、夏と海の新しい親子のはじまりにエールを送りたい最終回でした。