相棒22 13話あらすじネタバレ
匿名で5通もの「ラブレター」を受け取った、亀山美和子(鈴木砂羽)。
美和子は小料理屋「花の里」で、女将の茉梨(森口遥子)が聞いているなかで右京に相談。
色めきだって、警視庁特命係の、杉下右京(水谷豊)に差出人の特定を依頼しました。
その様子を横目で見ていた、相棒で、美和子の夫の亀山薫(寺脇康文)は、不機嫌モードです。
そんな中、伊丹(川原和久)と偶然、路地裏で出くわした薫は、喉を切られて息絶えている男性を発見しました。
「おっと、珍しい亀がのこのこきたぞ。警部殿と待ち合わせ、もしくは”亀子”と一緒だよな?」
一人の亀山を揶揄う、伊丹。
「俺だって一人になりたいときがあるんだよ。」
その手には、なんと、「亀山美和子様」と書かれた封筒が握られていました。
被害者で、23歳の佐藤晴樹は、美和子が行きつけにしているカフェの店員で、封筒の中身は持ち去られていました。
「このイケメン!よく行くカフェの店員さん。」
「佐藤さんは亀山美和子さんにラブレターを書いて手に握っていた。」と伊丹。
「ちなみにこれまで美和子さんに送られたラブレターですが…」
右京が切り出すと、麗音(篠原ゆき子)が読み上げます。
「あなたは太陽…僕の心は」
伊丹と芹沢、麗音も見守るなか、奇妙な事件に好奇心が動く、右京。
捜査に乗り出した右京は、被害者が戸倉充(モト冬樹)という画家の絵画展のチケットを所持していたことに着目しました。
「12年前、戸倉さんの奥さんは忽然と姿を消しています。」
戸倉は一人ぼっちでご飯を食べ、寂しそうな表情で妻の肖像画を見つめていました。
12年前に、失踪した妻の捜索を求めていて、地元警察署の前で座り込みを続けている曰くつきの人物でした。
所轄の刑事、春日によると、戸倉の妻、祥子について悲しい事実が浮かび上がりました。
「気の毒にね、奥さん死んでいるのに。」
「え?死んでいる?失踪じゃ…」
「戸倉さん、売れていない画家だから。奥さんね、昼間は家事代行、夜は居酒屋で働いてた。男に付きまとわれていると相談がありました。清水久という画廊のオーナーがお金を返すよう、奥さんに迫っていたとの近隣住民の証言もあります。」
戸倉のパトロンが容疑者として浮上したものの、問題の男は、暴力団同士の抗争に巻き込まれて死亡したというのです。
経緯を知った右京と薫は、戸倉の元を訪ねました。
「戸倉さん、よろしいでしょうか。佐藤さんについてお聞かせ願えないでしょうか?」
「こうして立っているのが生き甲斐なんです。佐藤くんは良い子でね、妻の事も力になってくれました。一人だった私の家にもよくお茶を飲みに来てくれた。絵画展を開いたらって提案もしてくれました。小さな区民センターですけどそこで開催することもできました。」
「実は佐藤さんは雑誌記者に手紙を書いていまして」
「内容をご存じありませんかね?」
「いえ。」
「熱心な佐藤さんは事件を記事で取り上げてほしかったのかもしれませんね。その記者はは佐藤くんの勤めるカフェをよく利用していました。つまり、12年前のことで恨んでいる方がいるのかもしれません。」
右京は独自の推理を伝えました。
「証拠がいつ帰って来るかわかりませんから。きっと何か理由があって戻らないだけですよ。全くどこでなにしているんだか、そろそろ帰って来てくれないと、私ももう…」
「お薬を飲んでいらっしゃいますがご病気ですか?」
「ええ、長くないんです。このままだと祥子に会えずじまいで終わってしまいそうです。」
右京と亀山は戸倉の切ない思いに胸を痛めました。
「しかし、なぜ、奥さんの絵を個展に出さないのでしょう。12年前の事で手掛かりを知りたかったら、展示するはず。」
ふと、画廊に来ていた戸倉祥子の知人女性に声をかけた右京達。
「戸倉さん大変でしたでしょう。働きづめで」
「本当に仲の良い夫婦で…。祥子さんも夫の役に立って幸せだったと思いますよ。せめて遺体が見つかれば戸倉さんも区切りがつくんでしょうけど。」
「パソコンで見ると、使われた凶器は石型です。」
亀山は凶器に使われたひし形の刃物の手掛かりを右京に伝えました。
「…ん?これ、絵の具ですねぇ」
「戸倉さんの絵を預かっていたとか?」
佐藤の家を捜査すると、キッチンに絵の具の痕が。
さらに、佐藤がもらった年賀状のなかに、祥子からものがありました。
祥子は佐藤が子供の頃に、年賀状を送っていたのです。
家事代行サービスで戸倉祥子と佐藤が知人だったことを突き止めた特命係。
「ああ、戸倉さん、お客さんとトラブルになって、やめたんですよ。」
そう語るのは、家事代行サービスで、戸倉祥子の元上司、高倉でした。
「虐待?」
「トラブルになったってことは戸倉さんが声を上げたということですね?」
「祥子さんは真面目だから…こっちとしても祥子さんに居づらくなってね。」
祥子が家政婦代行サービスをしていた高島家で虐待を受けていた少年こそ、佐藤晴樹でした。
佐藤はその後、親戚に引き取られていきました。
次に右京と亀山は、個展で、佐藤の同級生、長田瑞穂を訪ねました。
その場には伊丹、芹沢、麗音も同席。
「戸倉さんの絵画展、佐藤さんがあなたに声をかけて手伝ったそうですね?」と伊丹。
「仲が良い同級生でしたので、上に相談して私が担当になりました。」
「佐藤さんとはそれだけじゃないですよね。」
「実は子供の頃、佐藤くんが辞めた家政婦さんの事を気に掛けていたことがあって。そしたら、その家政婦さんが浮気をしていて。2年前、佐藤くんは戸倉さんが奥さんを探していると知って。」
子供だった佐藤と、長田は、戸倉祥子が車に乗る不倫相手に別れを告げていた場面を目にしていました。
その男は清水でした。
少年だった佐藤は、自分を両親の虐待から助けてくれた祥子の姿にショックを受けていました。
「もしかして12年前の失踪は金を貸していた清水ではなく、浮気のことかもな。12年前のこと調べ直すぞ。」
伊丹達捜査一課は、警視庁に戻ります。
戸倉を訪ねる特命係。
「祥子さんは浮気をしていた。12年前、佐藤さんと翔子さんは知人だった。」
「家事代行サービスに連絡していましたよね?」
「戸倉さん、あなたは12年前の件で、佐藤さんを調べ、12年前から戸倉さんと翔子さんが知人だったことを知った。かつて祥子さんに恩があったにもかかわらず、それを隠した。恐らく佐藤さんはあなたを疑っていた。なぜか事件前の夏だけ…祥子さんは長袖を着ていた。例えば、家庭内暴力の傷を…」
「私が証拠の浮気を知って暴力を振るって殺した。そう思っているんですか?」
「ええ」
「まるで見当違いです、失礼します。」
右京と亀山は不信感が募るばかり。
「まぁ女房の不貞なんて知りたくないよな。」
後ろからそっと声をかける、角田課長。
「では清水は、金を借りていたのか?」
「金を清水から借りていたのは戸倉さんでしょ?」
「じゃあなぜ、目撃者は祥子さんだけだったのでしょうね。」
右京と亀山は、戸倉のパトロンだった男を銃撃で売った暴力団員たちに接触。
「まだなにか?」
戸倉を再度、確信を持って訪ねる右京と薫。
「あなたの絵は立体的ですね。ペインティングナイフを使って立体感を出していますね。ペインティングナイフはこんな使い方もありますよね。」
「間違った道だとしても私の道は変わりません。お元気で。」
なんとペインティングナイフで絵を削ると、祥子からのメッセージが。
金銭の話ではなく、男女の話。
祥子は清水久と関係を持っていた。
祥子の失踪に清水が関わっていたと佐藤は疑っていました。
佐藤は頑なに個展の出品を拒む戸倉に違和感を抱き、戸倉の不在時に絵を持ち出して、祥子のメッセージを知った事でした。
「なぜ、あなたが警察に言わなかったのか…」
「佐藤さんはそう考えて雑誌記者に手紙を書いたのではないですか?」
「亀山美和子様 連載されている未解決事件の記事を拝読しました。ぜひ、知っていただきたいことが…」
そして、真実を知った佐藤を殺害した、戸倉。
戸倉は絵を持ち出した佐藤の家に行き、佐藤と口論になりました。
「絵がなくなったのを見てすぐ戸倉さんだとわかりました。」
「わかっているのか?君がしたことは住居不法侵入罪に窃盗罪だ。」
「祥子さんは家を出て行くつもりだったんですね。祥子さんが働きづめで、とてもつらい思いをしていた。祥子さんが他の人と幸せになることを許せなかった。僕は有名な記者を知っています。あなたがしたこと、全部ぶちまけてやる。」
佐藤を追いかけた戸倉は、冷静に話し合おうとする素振りを見せて、ペインティングナイフで佐藤を殺害しました。
そして手紙を持ち去りました。
「あなたはわざと祥子さんとのつながりが途絶えない為に絵を残していたんですね。」
「俺を捨てて、あの男の元へ行こうとしていたのか!ふざけんな!」
「違います…もう終わりにしたいんです。」
「お、終わり?」
「ああっ!…ああっ!」
妻が自殺したいと思っていたことを知ったのです。
「暴力は振るっていないっていう戸倉さんの証言が事実なら、祥子さんは躊躇い傷を隠したかった。」
「そうじゃなかったら、祥子さんを殺していないんですよね?それならなぜ、佐藤さんを殺したんですか?」
「違う、違う、違う、違う!なぜそっとしておいてくれなかった?佐藤くんもあんたらも何も分かっていない。私はもう68で病気もあって長くない。遺体が出ないうちはもしかしてという希望を感じれる。見つかったらその希望が終わってしまうじゃないか。山の奥で生きているかもしれない。愛する妻が不倫して、その男を思って自殺した。そんなことを認めたら、人生終わってしまう。」
「あなたこそ、大事なものがわかっていませんよ。清水は夢を持つ芸術家を食い物にしていました。暴力団員との抗争に巻き込まれて死んだのではなく、暴力団と繋がっていました。闇金ですよ。」
清水は闇金の元締めで、祥子に、夫への支援を断ち切ることを告げました。
それが嫌なら、自分と肉体関係になることを強要していたのです。
つまり、祥子は夫の夢を支える為に、性被害に遭い、不倫はしていませんでした。
そして、清水とのこと、夫を支えなくてはいけないことなど、精神的にまいっていた祥子の死因は、自死でした。
「祥子さんは芸実に生きるあなたに、負い目を感じさせたくなかった。あなたを支えることが喜びだった。そのうえでこの書置きを読むと僕にはあなたが捉えているのとは別の意味だと思えてくるんですよ。命は絶ってしまったけれどもあなたへの愛は変わらないという…祥子さんからあなたへのラブレターだったのではないでしょうか。」
そして、美和子が受け取った「僕の太陽」というラブレターの主は、亀山でした。
「美和子、そのラブレターなんだけどさ…」
「薫ちゃんでしょ?だと思った。」
「あなたは僕の太陽です…」
「あーあー聞こえない(笑)」
亀山夫婦を微笑ましく見守る、茉梨なのでした。
右京も、かつて、「花の里」の初代女将だった元妻、たまきに手紙を書き始めていました。
相棒22 13話感想・みどころ
12年前に失踪した妻を探し続ける、戸倉に、視聴者は心を痛める事でしょう。
ところがこの戸倉こそ、最低な男でしたね。
夫が絵描きを続けられるようにと、闇金業者の清水から性的関係を強要された状況のなか、自決するまで追い詰められていた、祥子の悲しすぎる真相。
妻の腕にリストカットの痕があるのに気付いたならば、戸倉も冷静になってほしかったし、もう少し家族のことを信じてほしかったなと思います。
さらには、その祥子に子供の頃、虐待から助けられた晴樹まで殺すなんて惨すぎますよ。
晴樹は祥子が精神的に戸倉の生活を支える為に、清水に体を売り、亡くなった真相を知ったことでどれだけショックだったか。
晴樹を殺す必要なんてなにもなかったし、なにが人生の「生き甲斐」でしょうか。
愛する妻を自死に追い込んだ挙句、罪のない若者を自分の保身のために殺すなんて…開いた口が塞がりませんでした。
失踪した妻が、山奥で生きているかもしれないと信じて待ち続ける自分に酔っている戸倉の人間性が恐ろしかったです。
最後は美和子に「太陽のような」とラブレターを出したのが、亀山だったという幸せなオチ。
本日のエピソードは心がヒリヒリと痛みましたが、亀山夫妻のほっこりした真実に救われた13話でしたね。