マルス~ゼロの革命~1話あらすじネタバレ
渾一は成人式で派手に目立つ新成人の動画をスマホで眺めていました。
「部屋で見ているお前もそうだ、いつまでくすぶっている。俺がお前を腐った世界から。」
動画を見た後で、早朝の河川道路にて、「さよなら、マルス」と呟いた、逢沢渾一(板垣李光人)は、道路の中央を目指して歩き始めました。
そこにどこからともなく、白い制服に身を包んだ青年の姿がありました。
渾一のスマホを拾い上げた彼は動画を撮り始めます。
「これから死ぬんでしょラストメッセージをどうぞ?」
酷なことを開口一番に言う彼に、戸惑う、渾一。
「いや、だからそういうのじゃなくて!」
「最後まで逃げるんだ?センスないなぁ。」
青年はそう言い、立ち去って行きました。
車の前に飛び出るものの、死ねなかった、渾一は複雑な心境のまま、翌日、登校します。
登校早々「渾ちゃん」と呼ぶいじめっ子のクラスメート。
渾一のクラスに、美島零という青年が転校して来ました。
彼を紹介する、担任の砂川(山口紗弥加)。
いじめを受けた、渾一の前に、先程の青年が転校生として現れました。
彼の名前は、美島零。
19歳の季節外れの転校生でした。
「わけあって、僕はみんなより少し年上ですが、よろしくお願いします。」
美島は昨日以降、未だに逢沢渾一のスマートフォンを持っていました。
そのスマホでクラスを移そうとする美島。
「美島くん、スマホを仕舞って」
思わず横にいた、砂川に注意されました。
長身で金髪の見た目に思わ阿ず、目を惹く彼は、スクールカウンセラーの毛利(野間口徹)に今朝のことを話伝えました。
「毛利先生、逢沢君が昨日、自殺しようとして…」
「余計なこと言わないで。受験のストレスで死にたいって思ってしまっただけだ。一時の気の迷いだよ。そういうことをする生徒もこの学校にもいる。」
そして、零は渾一にある提案をします。
「君が抱えている問題を解決出来たら俺の言うことをなんでも聞く。もし、言うことを聞かないならここから飛び降りる。」
零は渾一を蹴り飛ばし、屋上の下にいるごみ袋の山に落としました。
「じゃあ賭けで、僕が君の言うことを聞くこともできる。君が死ねと言ったら死ぬ。俺が腐った世界からお前を救ってやる。」
どこかで自分の事を救ってくれそうな零に期待し、彼の賭けに乗る事にしました。
渾一に、「アイコン」という彼のフルネームをもじったあだ名をつけた、零。
その後、渾一から動画研究会の部室に連れて行かれました。
元々、人気動画チャンネラー、「マルス」の大ファンの渾一は、マルスの配信もなくなり、競争社会に厳しい学校生活、いじめも積み重なり、自死しようとしていたのでした。
渾一は、興奮しながらマルスについて話します。
「マルスは登録者11万人で、凄いんです。」
「そのくらいにしたら?あんたのマルス愛にひいているよ。この人ね、マルスが好きすぎて2次元を愛する人と同じ心理状態。」
零が渾一を突き飛ばす現場を見てから後をついてきたのは、貴城香恋(吉川愛)。
渾一の幼馴染です。
次に、動画研究会の部員集めの為、零は彼の直感で決めた生徒に次々声を掛けました。
大学推薦を餌に、優等生の呉井賢成(山時聡真)と、二瓶久高(井上裕貴)に声を掛けました。
次に、裕福な家庭の子女で温厚な女子生徒、桜葉杏花(横田真悠)と、「球児」という名前にもかかわらず、野球のセンスのなさから後輩にバカにされている、優等生の桐山球児(泉澤祐希)に声を掛けました。
その頃、いじめっ子、本野、澤井、橋口に連れて行かれた、渾一は学校の焼却炉に連れて行かれました。
カツアゲされた挙句、焼却炉で腕を焼かれそうになる寸前、零と香恋が救出に来ます。
零が今度はわざとお金を本野らから取られる側に徹します。
「やめてよ!ママからもらったお金なんだ。」
「転校生、弱いくせに生意気なんだよ」
本野や澤井たちはあっという間に、零に殴打を加えました。
ところが、零は香恋に動画を撮影してもらい、渾一がいじめられている様子を、動画研究会のSNSで投稿しました。
「鉄パイプ貸して?アイコン、お前をいじめたこいつらはまた同じことを繰り返す、お前がどうしたいか決めろ。こいつらをやれ。」
鉄パイプを渡した、零。
渾一は鉄パイプをめがけて突進しますが、心優しい彼は何もできませんでした。
一方で、零は澤井がクスリをやっていることを囁き、警察に突き出すと脅迫。
そして、澤井に一発お見舞いしたのでした。
なんとか大事には至らなかったものの、零と渾一は校長の小宮山茂(岩松了)と担任の砂川から叱責を受けました。
「動画、みんなが見ているよ。」
「あざっす。」
「褒めてない。美島くん、君のおかげで我が校の評判はがた落ちだ。」
昔気質な小宮山校長は、「澤井くんはすぐ病院に行ってから退学届けを出した。君がいじめられたことはわかったが、君にも推薦が取れないほど落ち度があったのではないか?今後はおとなしく学校生活を送りなさい。」
その後、渾一の元に謎の脅迫状が届いたことから、「動画研究会」の為に声をかけていた、二瓶久高、呉井賢成、そして、裕福な家庭で育つ、桜葉杏花(横田真悠)に状況を伝えました。
学年主任の萩尾道哉(徳井健太【平成ノブシコブシ】)、小宮校長、砂川ら教師が怪しいと睨む、零。
夜の学校に忍び込んだ、零と二瓶、桐山球児(泉澤祐希)、零は教員のパソコンからパスワード入手に成功します。
翌日。
澤井の見舞いに行き、零は彼を動画をまわしながら脅迫します。
渾一、球児、香恋、久高、杏花、呉井に、「犯人がわかった」と言って意味深に微笑むのでした。
零は夕方、「動画研究会」のみんなに協力してもらいながら、学校の体育館で、犯人の正体を流すことに。
なんと心理カウンセラーの、毛利新(野間口徹)でした。
「スクールカウンセラーの毛利先生、先生がくれた箱にはあるものが入っていました。違法薬物です。南米地方から取り寄せた麻薬で、通称F.若者に流行っていて、先生は生徒にばらまいた。お前の光は今どこにある?このシェイクスピアの言葉が違法薬物を売買する合言葉ですよね。」
「君たち、こんなでっち上げを全世界に配信するなんて…。だったら確かめてみればいい。飲んでも健康になるだけだ。君たちは今、私を犯罪者にして全世界にアップした。君たちは一生、賠償を償うことになる。覚悟はできているだろうね?」
次に、仮面を被せた男子生徒を連れてきました。
「彼は君と同じ匂いがする。」
その男子生徒は、澤井です。
澤井はすっかり退院し、杏花に付き添われて現場の体育館に連れてこられました。
入院中だった澤井に、零は動画をまわして、違法薬物を毛利からもらったと告白させました。
ところが、澤井は証言を覆しました。
「全部、嘘だ。全部、お前のせいだぶっ潰してやる。」
「ほぉ、先に手を回していたとは…」笑う、零。
しかし、毛利が既に洗脳した不良生徒たちが体育館に乗り込み、渾一、呉井、二瓶、桐山らを攻撃してきました。
零はそっと抜け出し、「マルス」に変身した後、学校に侵入。
「みんな久し振り!マルスだよ。ここ立ち入り禁止ってあるけど、こういうところほど侵入したくなるのが僕の悪い癖だよね。あっ!ここはスクールカウンセラーの毛利先生がよく出入りする場所だね。Fを育てる原材料が学校にあるよ。しかも、Fを作る研究室まである!聖職者がこんなことするなんて。Fは人を錯乱させる効果があるからなんとかしなきゃ。」
灯油を見つけた、マルスは原材料に使われた植物、ゼラキノスを灯油で燃やし、毛利の悪事を動画に載せて暴きました。
被り物を外し、自身がマルスなことをあっさり明かした、零。
「貴様…!」
毛利を蹴り飛ばしてから、「動画研究会」の代表、マルスとして、渾一らをカメラの前に集合させました。
「ここにいるみんなのおかげで、違法麻薬栽培を見つけられた。」
「生徒をクスリで支配して荒稼ぎなんて…」
「私は受験などに苦しむ生徒に解放感を与えたんだ。」
「寝言は寝て言えよ。」
そんな毛利を殴りつけた、美島。
毛利はやがて、不適切な行いが学校や保護者に明るみになり、処分されました。
その後、美島零はさらなる衝撃の事実を伝えました。
それは、最初からあった脅迫状の犯人です。
毛利は麻薬を学校で栽培して、生徒を支配していたものの、脅迫状の犯人は別にいました。
「みんなにメールを送ったのはお前だよな。お前は、毛利が違法薬物を栽培していたことを知っていた。それを俺に暴いてほしかった。」
なんと、脅迫状を書いたのは、逢沢渾一でした。
実は、渾一は、毛利がゼラキノスを栽培した現場に偶々、足を踏み入れました。
その現場を見られ、スマートフォンで写真を撮られた挙句、毛利から脅されていました。
「君がここにいると言えばどうなる?じめられっ子の君と心理カウンセラーの僕の言うことどちらを信じると思う?他の生徒を紹介すれば君が僕の栽培している秘密を知ったこの写真は公にならない。」
「零、お前は毛利の手から逃れるために、毛利に澤井らを紹介した。そして毛利の手から逃れた。お前が言っていた受験のストレスで死んだ生徒も本当は薬物依存で死にかけたんだろ?」
「僕だってこんなことになるなんて思ってなかった。澤井たちが苦しめばいいって思った。」
渾一の弱さを見抜き、蹴り飛ばす、零。
「わかっていたはずだ、嘘付くなよ。自分がしたことから逃げる為に自死しようとしたんだろう。」
「僕はマルスがいればそれでよかった。どれだけ無視されても、いじめられても、マルスがいたから…マルスさえいれば大丈夫だと思った。心の支えがいなくなって…どうしようもなかったんだ。」
「一つ教えてやる、マルスはお前の友だちでもなければヒーローでもない。マルスはただの着ぐるみだよ。その着ぐるみに勝手な幻想を抱いたのはお前だろ?人のせいにするなよ。俺を殴ってみろよ。」
「あなたには僕の気持ちは分からない、あなたのせいだ。」
「ひがむだけのお前にそれでも分からない。またそうやって逃げる。」
「前に進むって言ったよな?抗って、抗ってそれでも歯を食いしばって立ち向かう。いじめられても、無視されてもどんなにつらくても、耐えるしかない、闘うしかない、強くなるしかない、この痛みを強さに変えていかなきゃいけないんだよ。それでも…どうにもならないことがある。…ホント、クソみたいな世界だよな。だから、変えるんだ!この腐った世界を変えるんだよ!」
零は必死に訴えながら、かつて恋人か友人のいずれかである同級生、エリを失った悲しみを思い出していました。
「だからお前が俺の言うことを聞く。最後まで付き合ってもらうぞ。」
その頃、零が動画配信者として活躍する様子を唯一知る人物、國見亜門(江口洋介)が零の近況をパソコンで見ていました。
大手通信事業グループ、クロッキーコミュニケーションズの社長です。
零と因果関係にある彼は零の動向が映る、パソコンを、側近の大城大木(戸塚純貴)と、秘書の大咲志乃(菜葉菜)が見せます。
國見は零の動向に「心躍る」と不敵の笑みを浮かべていました。
一方で、零も、逢沢渾一、桐山球児、貴城華恋、二瓶久高、呉井賢成、桜葉杏花のうち、誰かが、エリの死に関係している犯人だと睨んでいました。
零が学校に来た目的は、歪んだ大人達を成敗することと、エリの死の真相を突き止める事だったのです。
マルス~ゼロの革命~1話感想・みどころ
正義感がありながら、どんな手を使ってでも、世の中の不正を暴く、美島零。
動画クリエイターとしての人気者の顔と、裏にある、大切な存在の、エリを亡くし、彼女の真相を追うために、転校したというなかなかの経緯でしたね。
令和ながら、「誰も助けてくれないからこそ、一人で立ち向かうしかない、耐える」等、根性論を重んじてると思いました。
零も悩みながら、弱い心に負けて自分も周囲も見れなかった渾一を叱咤している様子は、彼自身が自分に言い聞かせているようにも感じました。
心理カウンセラーの立場を利用し、学校の庭で栽培している違法麻薬を栽培していた、毛利。
毛利役の野間口さんの演技は、相棒シリーズの猟奇殺人犯を思い起こさせる怖さがありました。
「受験などでストレスを抱える生徒を救ってあげた」ってふざけた言い訳ですよね。
零に殴られて当然だと思いました。
一方で、渾一も保身と、毛利に脅されて、いじめっ子の生徒、本野らに毛利がクスリを栽培していることを伝えて、現実から逃げた弱さが見受けられました。
「推し」であった、マルスこと、零に弱点を厳しく指摘され、叱責された彼が、自分と向き合い、改心していくことを願います。
チーム「マルス」となった渾一らが新たな大人の闇を暴く次回に興奮が冷めやらない1話でした。