相棒22最終回(後編)あらすじネタバレ
「警視庁の名探偵」を名乗る右京(水谷豊)が一連の事件の黒幕は、武智内閣官房長官(金田明夫)に違いないと断言した動画が拡散されました。
「身に覚えがないというのにどういうつもりだ。」
衣笠副総監、大河内監察官(神保悟志)に追求されるものの、否認。
しかし、右京は身に覚えがないとの事。
「おそらく生成AIによってこしらえられたものでしょう。着せられた濡れ衣きっちり晴らしますよ。」
内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)、衣笠副総監(杉本哲太)から謹慎を告げられてしまいました。
「どうせ右から左へ聞き流すつもりだろう。お前の勝手な行動は、ボスの進退に関わることを肝に銘じろ。」
そのボスとは、かつての今日の相棒、甲斐亨の父、甲斐峯秋(石坂浩二)のことです。
亀山薫(寺脇康文)は右京の潔白を証明しようと奔走。
「右京さん、流ちょうにしている場合ではありませんよ?」
「流ちょうになどしていませんが…なるほど、上は僕のせいにして、武内淑郎内閣官房に謝罪させようとしていました。」
この状況に、甲斐も納得いきません。
「この僕にも謹慎しろと?杉下くんに、濡れ衣を被せようとしているのかね。無実なのに。」
「していただけないかと、直属の上司ですから。」
そう、甲斐に深々と頭を下げて頼んでいるのは、衣笠副総監(杉本哲太)。
右京は、角田課長(山西惇)の同意の元、謹慎中の右京は政治学者襲撃事件を起こして拘留中の潮に接近し、背後関係に迫ろうとしていました。
「多賀潮くん、ごめんね、お母さんの借金を肩代わりさせようとして…借用書も無効。今までの分は刑事さんに受け取ってもらったので。」
例の2000万円のやり取りをした男に、角田は潮が借金返済の必要がないように裏で動いていたのでした。
「これで借金を返さなくて良くなったんだ。」
「罪を償ってこの際やり直しましょう?」
角田と古い名探偵のコスプレをして変装した右京は、泣き出す潮をフォローするのでした。
その頃、武智を訪問した社美彌子(仲間由紀恵)は、武智から謹慎を言い渡されてしまいます。
「彼は嘘をついています。彼は一切…今回の件は私の責任です、それは認めます。」
「寝首をかかれるとはこういうことかな。」
「申し上げましたとおり、私には身に覚えのない事。」
「見苦しいよ、石川くんが全部、白状した。君に命じられて作成しばらまいた事。」
「社美彌子は狡猾な女…。とりあえず謹慎してもらおうか?内調のトップが謹慎はまずいな…しばらく体調不良ってことでどうかな?」
その夜、土師(松崎亮太)に「小手鞠」の外で会った亀山は、右京のフェイク動画は内調の仕業だということを知りました。
亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)曰く、榊事務長を追い詰めた関連人物にはお咎めがありました。
右京は自分を見捨てた土師を問い詰め、再び、協力を求めます。
「君は僕を見捨てた。よもや断る理由などありませんよねぇー土師っち。」
そうこうするうち、殺害されたプロデューサーのスマホに、下川元法務大臣(黒川智花)からの着信履歴が残っていたことが判明しました。
捜査一課の伊丹(川原和久)、出雲麗音(篠原ゆき子)、芹澤(山中崇史)は、下川に疑惑の目を向けます。
「私は夫と食事をしていました。しかも、大勢の人が証人ですよ。」
アリバイがあり、下川は夫と都内のレストランで食事をしていました。
土師は内調が右京に罪を着せたことを特定しました。
捜査一課たちは、次の動画を亀山に見せます。
「元東都テレビプロデューサー。西村さんの件で、正義の名に懸けて暴きます。」
右京はその頃、下川が夫と食事をしたレストランで彼女のアリバイを確認しました。
動画の右京は淡々と自信ある口調で喋りました。
内調が武智の指示で、殺人事件を起こしたのは納得いく亀山。
しかし、フェイク動画の件はどうも納得いきません。
「亀山さんだから門前払いはしなかったけど、これ以上はお引き取り願えるかしら。ちょっと風邪気味で体調悪いの。」
内調の社美彌子を訪問するものの、するりとかわされてしまいました。
そんな社の元にも第3弾のフェイク動画が届いていました。
右京はその夜、下川を訪問し、彼女の夫の出世を祝うと言って自宅を訪問。
「ご主人は初等中等教育局でお勤めのようで。あなたの代わりにご主人が出世なさったとは。」
「指揮権発動で出世したのも誤解なら代わりに主人が出世したのも曲解ね。」
「杉下さん、ぼくは声を荒げませんが、相当腹を立てていますよ。」
下川の夫、勇一は花束を持って訪問し、わざとらしく訪問してきた右京を追い返しました。
同じ頃、特捜部長の尾上欣吾(甲本雅裕)は、泥酔して、店で、「武智、殺してやる」と呟き、店のグラスを割ってしまいました。
「武智…殺してやる、あの虫けら…すまない、グラスは弁償する、ここに連絡してくれ。」
バーテンダーに名刺を渡し、店を去りました。
指揮権を発動したことで、梯子を外された特捜部長の尾上(甲本雅裕)は、左遷の憂き目に遭っていました。
そのストレスで、武智内閣官房長を殺そうという気持ちが募っていきました。
右京の新しい動画を見つけた武智は怒り心頭。
フェイク動画の右京は武智をおちょくってばかり。
「もしもし、武智です、どなた。」
「僕をお探しのようですね。」
「あれはずるい!続きが気になって仕方ないじゃないですか。」
「しかしあなたと大っぴらに面会って言うのも少々、具合が悪いな。今夜9時うちにお越しいただけませんか?SPはいませんし、私は庭で日課の素振りを。こう見えて剣道を嗜んでおりまして。丁度、素振りが終わっている頃です。」
右京は一人で、夜9時に武智を訪問しました。
しかし、武智は何者かに首を絞められていました。
そこへやってきたのは、下川が訪問。
「誰?」
「下川さん」
「杉下さん!武智先生ですか?」
「下がって。恐らく亡くなっています。警察に連絡しますので、触らないで。これから騒々しくなるので、ご家族に伝えてもらえませんか?」
「ええっ!確か、ご長男と奥様がいた筈。」
「ああっ!下川さん何故ここへ?」
「彼と内密に話がありまして。」
杉下さんこそどうされたんですか?」
「僕も内密でお話が。」
武智家には間もなく、警察が到着。
緊急配備を手配した右京は亀山と合流しました。
朝にかけて、美和子が記者たちと共に武智家を囲んでいる間、右京のフェイク動画がまたしても投稿されました。
「狡猾なる黒幕に対する最終手段です。私は武智内閣官房を殺害しました。」
大河内監察官(神保悟志)と、衣笠副総監(杉本哲太)は混乱。
「こんなばかばかしいフェイク動画、信じる奴いるのか?」
「我々は明らかに杉下右京の動画をフェイクであったにもかかわらず、本物と謝罪しましたから。」
特命係の仕事部屋では、謹慎中に動き、動画もどんどん投稿されたことで、右京は特命係の部屋に軟禁されることとなりました。
「しかししても謹慎中に動いて、捜査一課にも動画送ったんだろ?どうやって情報共有していたんだよ。まさか内調の青木に頼んでたんじゃないだろうな?」
穏やかに右京を心配しながら突っ込む、角田課長(山西惇)。
「ふふ、ぼくがそんな迂闊なことしませんよ。僕には亀山くんという頼もしい相棒がいますから。」
「ミッションインポッシブル(笑)」とにやりと笑う、亀山。
右京と亀山は、右京が謹慎中、こっそり連絡を取り合い、情報を共有していました。
捜査一課の会議に眼鏡をかけて潜入し、情報を仕入れていた亀山。
捜査一課の出雲麗音も、右京と亀山にこっそり次のようにメールを入れていました。
「武智官房長官殺害事件、重要参考人浮上するものまたもやアリバイで躓く しかも異常なアリバイ 名探偵の助言を乞う」
やがて、右京のフェイク動画を拡散したのが、社美彌子の秘書、石川(林泰文)だとわかりました。
さっそく石川を追求する特命係と社美彌子。
「今朝方、拡散した杉下さんの右京動画、仕掛けたのはうちでした。いえ、正確には、そこにいる石川大輔の仕業。」
話を切り出す、社美彌子。
「あんた謹慎中だろ?…引っ込んでろ!」
「謹慎って何のことかしら?体調優れず少し休んでいたけど大丈夫よ。」
社も石川をなだめます。
上司にもかかわらず、激しい怒りをぶつける、石川。
「ええ、ぼくと社さんとあなたですよ。」
激高する石川を皮肉めいた言い方で追い詰める右京。
「杉下右京と社美彌子は厄介者だから助言されたんだってさ。」と亀山。
「頼みの綱の武智官房長官が殺されて出世が遠のいたから。」
石川の弱点を指摘する、亀山。
「これは処世術なんだよ。」
「武智官房長官が殺人事件を犯したことを知った上で、右京は武智官房の悪だくみの片棒を担いでいたとは。」
「どこのどいつだよ武智先生を殺したのは!そいつをさっさと捕まえろよ。名探偵。」
「ふふふ、ぼくのフェイク動画を今朝拡散したのも、僕への腹いせですかねぇ。東都テレビに社さんを偽って抗議したのもあなたですかね?」
「それは俺じゃない。俺は哀れで惨めな男なんだよ!」
襲い掛かろうとする石川を亀山が慌てて抑えました。
その頃、捜査一課は尾上を訪問。
「バーで武智官房長官を殺したいとおっしゃっていましたね?」
「昨夜の午後8時半過ぎ、武智官房長官の自宅の近所のコインパーキングに、あなたがいました。犯行時刻と同じ。」
「下川法務大臣に会っていました。」
下川をその後、訪ねると彼女は認めます。
「武智官房長官にお詫びしたいから間を取り持ってくれって頼まれて、左遷が答えたんでしょう。向かう途中で尾上検事ったら。」
「申し訳ない、この話はなかったことにしてください。」そう言って、武智官房長官の家へ向かう途中、断念して帰っていきました。
西村巧三元プロデューサーは、自分の会社を持つことが目的だった。
「内閣のトップから番組へ苦情が入れば、局を辞める自然な口実になる。」
その西村は出来レースで武智と関わっていました。
起業資金を援助するために加担した武智。
その夜に、下川は尾上を名乗る特命係から電話を受け取りました。
「もしもし尾上です。今回の件、自首します。僕は検事ですから。…あなたは尾上検事と結託していたようですね?」
「杉下右京…」
その後、右京と亀山は下川家を夜に訪問しました。
「ごめん、杉下右京と亀山薫に、君が武智を殺した犯人だって言われて。もしこのことが明るみに出れば君が自殺しないように見張ってほしいと指示されていたんだ。」
妻が不倫していることを知った下川勇一は、右京と亀山が、下川が武智を殺した犯人として可能性が高いことを示唆し、この件で下川が自死しないよう、見張るよう、言われていました。
西村拓三元プロデューサー殺害には尾上が絡んでいました。
伊丹、芹沢、出雲ら捜査一課が、尾上家を訪問。
「夜分遅くに失礼します。すみませんがご同行願えますか?」
「武智官房長官の件なら…」と伊丹達を遠ざけようと無関係を予想った尾上。
「いえ、その前の西村拓三プロデューサー殺害の件で参考人としてあながが浮かび上がりました。」
伊丹の重々しい口調に、尾上は妻が後ろで見守るなか、応じました。
下川と尾上は警視庁へ呼ばれました。
2人は犯行当日、以下の会話をしていました。
「あなたには心からお詫びします。指揮権発動で仕事の邪魔をしたこと、人生を狂わせてしまったこと、私には選択肢はなかった…主人も犠牲者。あなたを巻き込んでしまって申し訳なかった。武智はどんな手段を使ってでも潰す。チャンスがなかったら無理やり作るしかない。西村を抱き込んでいた。」
「西村プロデューサーは武智とグルだったのか!」
「この屈辱を味合わせたい!」
そして警視庁にて、それぞれの罪を自白する、下川と尾上。
尾上が、武智殺害に至る経緯を右京と亀山、捜査一課の伊丹達に語り始めました。
「一旦権力の座についたものは、そこを退いても、隠然たる存在のままなんだよ。犯人と疑ったが空振りに終わった人物には、捜査線はどうしても負い目を感じて、別の目で疑いを向けるのには心理的圧迫が生じる。」
次に、下川も武智を恨んでいることを認めました。
「そう、ずっと権力者。命ある限り権力を振るい続けて、周りをかしづかせる。屈辱以外なにものでもない。武智は主人を人質にとっていたのよ。」
「武智の単なる私怨を晴らすために、権力の奴隷を抹殺しようって。」
武智を殺した犯人は下川、そして、西村プロデューサーを殺したのは、尾上でした。
下川前法務大臣はピンヒールを履いて、現場に足跡を残しました。
犯行当時、防犯カメラに映る下川のふりをしていた女性は、尾上の妻でした。
「久しぶりの夫婦水入らずのデートに、プレゼントした服を着てもらって、女房はしゃいでいた。その笑顔で僕は何とかその夜、正気を保てた。」
捜査を攪乱させるために新しい服をプレゼントした彼女に協力をしてもらいました。
「武志殺しに下川さんを浮上させないための目蔵騙しでした。我々は共犯関係なんだ、それぞれ2人、殺したんだよ。」
「ねぇどうして私の犯行だってわかった?」と下川。
語り始める、右京。
「犯人はそう遠くへはと考えたところであなたが現れた。あなたはあたかも到着したかのように振舞い、僕より先にあの庭にいたんですよ。僕が木戸を叩いた時、ちょうど殺害が終わるところでしたね。そして木戸を開き、今到着したように見せかけました。」
「逆光でシルエットになってみっる、外の光が差し込んできて、貴方は内側から木戸を開けただけ。」
「あなたを見くびっていたわ。後悔した。」
「後悔するというのなら、まずは人殺しをしたことを悔いなさい!そして、恥じなさい!…勿論、あなたも。」
悪びれない下川を怒鳴りつけ、尾上にもそっと忠告。
そして、2人は逮捕されていきました。
翌朝、右京と亀山は道を歩くと、道行く人が、フェイク動画の影響で、2人を名探偵と指さしました。
「世間の皆さんは忘れっぽいですからねぇ。」
「皆さん恐ろしいほどのスピードで忘れて行きますよ。」
穏やかに街を歩く特命係の2人の捜査はこれからも続きます。
相棒22最終回感想・みどころ
内調の社の秘書、石川が仕組んだ右京のフェイク動画。
普段は大人しくて無害そうな石川の豹変ぶりが恐ろしかったですね。
右京の疑いが晴れて本当に良かったですよ。
社、亀山、右京で石川をじりじり追い詰めているトリプルタッグが笑えました。
石川って人間が小さいどうしようもない男でしたね。
そして事件のほうは、金田明夫さん演じる武智は腹黒すぎますよ。
本当に権力を振りかざして、自分の手は汚さない露骨さが伺えました。
武智と組んでいた西村元プロデューサーも尾上によって、矢を射抜かれて殺され、しかもそれをやったのは、尾上。
出世を絶たれ、彼自身も精神的に石川とは違う意味で心が圧迫していた様子が伺えました。
しかし、右京によって、下川も尾上も、殺人をしたことを悔い改めない態度に、最後の一喝!
右京の怒号は2024年も心ない凶悪犯には、お灸が据えられたと思います。
本日が最終回という名残惜しさですが、また秋に特命係との再会を待ちたい最終回でした。