相棒23

相棒23 4話 背中に生えた驚異のキノコ

相棒23 4話あらすじネタバレ

「そんなこと未来の地球が許さねぇよ」

廃墟ビルで2人の遺体が発見されました。

一人はビルの管理を委託されている高齢者男性、沖田で、もう一人は前科がある加納(山口馬木也)いう男は絞殺でした。

沖田は心臓に持病があり、怪談の上り下りも一苦労していました。

「問題は2つ目の遺体です。検死の結果、絞殺で決まりです。発見の1日前が死亡確認」

「加納は前科が複数。警視庁犯罪収益対策課が追っていたマネーロンダリングに関与した疑いが浮上」

「不謹慎ですね。光ってますけど何か綺麗ですね」

「うわぁ特命係!」

痛みは右京と亀山の登場をうっとうしく思うのでした。

「マネーロンダリング、仲間割れか口封じだな」と睨む伊丹。

警察は仲間割れか口封じの線で捜査を進めます。

ただ、現場の状況が奇妙で、周囲の床には何故か発光するキノコが生えていました。

その光景に興味津々の右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)と共に動き始めますが、問題のキノコはネットにも図鑑にも載っていない希少なものでした。

「キノコは加納の背中にありました。数時間生えるものもあれば数年間で生えるものもあります。科捜研のデータベースにもない珍しいキノコが。」

2人は手掛かりを探し求め、キノコ研究の第一人者永徳大学の信岡教授を訪ねることに。

「土の匂い葉っぱの匂い、鳥のさえずり」

「そしてきのこきのこきのこですね」

「信岡先生の口癖で、研究者もキノコと同じような環境にいなければ彼らと話はできませんからって」

助手の留美は「キノコ仙人」のニックネームで慕われる信岡教授について紹介しました。

「キノコは森の掃除屋ですよ。落ち葉、倒木、動物の死骸などを分解して土に還す、誠に通問役割を担っておりましてね。色も形も様々。杉下さん達はこれがキノコの全てだと思っておられませんか?」

「キノコは菌類です、平たく言えばカビの仲間。一般的にキノコは胞子を作り出す器官ですよね」

「よくご存じで」

「菌糸が成長しキノコが胞子を飛ばす。地中で菌糸同士が会話をして情報交換をしていると思います。私が長年取り組んでいるのはキノコの会話の証明を研究でしてね」

知識豊富な右京に感心する、信岡。

話を聞くと、そのキノコは膨大な利益を生む可能性も秘めた世界が注目する幻の品種であることが判明しました。

「これは新種のキノコでしょうか?」

「まだ新種かどうか証明されていない幻のキノコです。2年前です。ペスタロチオプシスト二トルスを南米アマゾンで発見され、世界菌類学会に報告。生息地域を有する国が一帯を自然保護地域に指定。立ち入り禁止に。珍種かどうかおろか新種かどうかも分からず。門外不出の幻のきのこです。このきのこはどこへ?」

「信岡先生はなにかご存じでしょうか?」

「私もこれ以上のことは。テルース環境研究センターの漆原教授にお話を聞いてみると良いかと。自然環境保護技術科学者です」

そこで、渕橋という若い研究員に、漆原へ会うための案内してもらいました。

「教授はトップの存在ですからくれぐれも失礼のないように」

「殺人現場なので」と謙遜する亀山。

「こ、これは…!どこに?」

「とある殺人現場に生えていたものです」

「プラスチックを分解し土に還元する能力があるキノコです」

「なるほどキノコの第一人者信岡教授が、自然環境保護ご術の第一人者、漆原教授を紹介して下さった理由がやっとわかりました。」

「プラスチックは何万年経っても自然にかえらない人工物。いま世界中の海に目には見えない細かなマイクロプラスチックが大量に漂っています。海の生物がマイクロプラスチックを取り込めば、生態や環境に影響します。しかも近年海だけでなはいこの空気中にもマイクロプラスチックの粒子が漂っていることが発見されています。私の専門はマイクロプラスチック問題です。自然環境保護技術がビッグビジネスになるのは確実です。もしその国がそのキノコでプラスチック分解技術を独占し、特許を得れば」

「ええ、莫大な利益を得られますね」

環境保護研究員の漆原もキノコの存在に驚愕します。

「そのキノコをおすそ分けしていただけませんか?」

「申し訳ない、殺人現場に生えたきのこなのでお裾分けすることはできません」

その後、研究室からの帰り道に京都のサミットに加納達夫と信岡教授がいました。

彼らは環境保護団体アースジャッチと関わり合いがありました。

右京と亀山、伊丹、芹沢、出雲は相場に接触しました。

「え?マジ刑事さん?うちの社長なんかやらかしました?俺はただの電話番のバイトっすよ、社長今度なにやらかしたんですか?環境保護家は表向き、富裕層相手のローンウルフ。実際、社長は恐喝で前科もあります。」

電話番の相場ユウ(中尾暢樹)が言うには加納には裏の顔がありました。

「もしかして高跳びの件?3カ月前です、それっきり連絡取れなくて。やばい橋渡ってマジ危ないから高跳び?1週間くらい前に会いました。何に使うのか知らない物を俺にくれました。社長今度はなにやらかしたんですか?教えて教えて!」

「殺害されました」と、右京。

「うちの社長が?どこで」

「とある廃墟ビルで、殺害されたのは一昨日と推定されます。」

「1週間前ここに顔を出した社長の様子はどうでした?」と伊丹。

キノコを持ち逃げしたのは、加納達夫の可能性を視野に入れる、右京なのでした。

その後、捜査一課の伊丹らは、漆原を捕まえて取り調べます。

「加納さんとは環境保護セミナーで知り合いました。3カ月前に加納さんにキノコを手に入れるよう持ち掛けられて。私はぺスタロチオプシストニトルスがどうしてもほしかった。その加納さんが殺され、居ても立っても居られず。でも殺したのは私じゃない」

加納が亡くなる日。

「漆原先生にはアマゾンへの潜入資金のご援助、300万円でどうですか?金は現物と引き換え。先生を見込んでのここだけのご相談で。その気がないなら良い、ほかにもあたるので」

その頃、右京は信岡の助手、留美からカフェで、信岡について聞きました。

「わざわざお呼び建てして済みません、昨日、研究室であなたの浮かべた表情が思いあたりまして。信岡先生が漆原先生の名前を出された時、あの時何に驚かれていたのでしょう」

話を切り出す右京。

「覚えていません」

「気になる事があるなら話してもらえませんか」

「信岡先生があんな顔をなさるの初めてみたいで。信岡先生と漆原先生は、今とんでもない競争のライバル関係にあります。先生はプラスチックを分解するかもしれないぺスタロチオプシストニトルスに着目され、環境保護の技術開発という名目で、国の科学研究費助成のスペシャルカテゴリーにエントリーにされました。同じ頃、漆原教授も、そのキノコをカギとしたプラスチック分解技術の研究を、スペシャルカテゴリーにエントリーされたそうです。最終選考に漆原教授が残りました。」

「スペシャルカテゴリーとは?」

「その審査に通れば、最大10憶の研究費が助成されるんです。」

「しかし入手困難なキノコを選ぶのは苦肉の策ではありますね」

右京と亀山に、タブレット画面を見せる、留美。

「そして漆原教授の名前を殺人事件の捜査で訪れた我々に信岡教授は告げた。」

「なんだか私怖くて」と留美。

「エントリーされたのはいつ頃でしょう?」

「3カ月前です」

警視庁に行くと、内村刑事部長(片桐竜次)が捜査一課と特命係を問い詰めます。

「お前らは早口言葉みたいなキノコを調べているな」

「信岡教授も漆原教授も反省しています」

警視庁で、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)のお咎めを受ける、特命係と捜査一課。

「お前たちを呼んだのはほかでもない早口言葉みたいなキノコが化膿殺しの件に関係しているというのは本当か?」

「加納達夫は1年半前環境保全サミットの懇親会で、漆原誠一教授と英徳大学の信岡利三教授に声を掛け3カ月前にその早口言葉みたいなキノコを手に入れるのと引き換えにそれぞれ300万円せびっていたことが判明しました。」

「それに信岡教授も乗ったんだな」

信岡教授を取り調べた時の状況を、出雲と伊丹は、内村刑事部長に淡々と報告しました。

「ちょうど3カ月前でした…連絡がないままに、面目ない」

「早口言葉みたいなキノコを保護管理している当該国が日本の殺人現場でその…早口言葉みたいなキノコが生えていたという情報を入手したらしい。門外不出のわが国固有のキノコがなぜ日本にある?これは密漁だ。日本政府が関与したんじゃないのかと厳重抗議が外資課からきた。」

「たかがキノコでな。よってこの事件は公安部外事課が預かる。公安にこの事件のヤマを奪われた。奪捜査一課も特命係も今後一切このヤマから手を引け!わかったか」

その夜。

「これ、天然露天風呂キノコ狩りツアー!茉梨さん行きましょう」

亀山の妻、亀山美和子(鈴木砂羽)は料亭「花の里」の女将、茉莉(森口遥子)を誘いました。

「料理上手の美和子さんだけが頼りなの。ちょっと手伝ってくれる?」

「もしかしたら犯人は信岡教授と漆原教授のどちらかですね。加納はアマゾンに潜入し、キノコを入手。金のことで揉め、事件を知っていた漆原教授が怪しいですね。」

「でも漆原教授が現場にいないのはキノコを手に入れていない。信岡教授が怪しいですね」

翌日。

「益子さん、遺体にはキノコが乾燥していました。」

「大した量じゃないんだよ。でもあんたに頼まれちゃ。被害者の背中に生えたキノコあっという間に枯れた。」

鑑識の益子(田中陸三)に無理を言って、採取したぺスタロチオプシストニトルスを見せてもらった右京は興奮のあまり倒れてしまいました。

「あなたなんで泣いているんですか?亀山くん」

「右京さん!ここ警察病院です。キノコで死にかけたんですよ。」

「早くそのキノコを見せて下さい!」

「心筋梗塞かと思われますが、数時間で増え始めるこのLDH酵素がっ搬送時既に大量に血中にあったのが腑に落ちません。後日精密検査に」と医師。

「亀山くんぼやぼやしている暇はありません。遺体は2つあったのです。僕としたことがうかつでした。」

「まだ右京さん安静にしていないと!」

右京は亀山が止めるのも聞かずに、事件の解決に急ぎます。

その後、加納の環境保護団体のアルバイトの男性、相場を追求。

「相場さんどちらへお出かけですか?」

「ちょっと話があるんだけどいいかな」

「アマゾンの秘境ツアーでの土産物が並べてあったのが、気になりましてね。」

「だって密猟を知られたくない加納は土産なんか買わないだろうし、アマゾンに行ったことも言わないだろうからね。つまり加納の死後、真相を隠すために土産物を偽造し、捜査の目を2人の教授のほうに誘導したってことになるね。」

亀山は相場をやんわりとした口調で追求します。

「ちょっと待って!真相って」

「プラスチックを分解すると言われるキノコ、ぺスタロチオプシストニトルスのもう一つの顔ですよ。現場には2人の遺体がありました。沖田さんは検死で病死と判断され、捜査対象から外れました。一般的にキノコの学名の付け方にはルールがあります。最初に属名次に命名、ぺスタロチオシプスとは菌類の属を意味し、トニトリスはラテン語で雷のこと。」

「改めて信岡教授に聞いてみた、密林の先住民がそのキノコを雷と呼んだかららしい」

「雷、なぜ雷なのか?思いもかけない時に光って人を殺す、プラスチックと反応した時に極めて高い胞子を抽出するのではないか。その毒は研究では検出できない類のもの。そう考えた時にもう一つの疑問と繋がりました。なぜ当該国がそのキノコを立ち入り禁止したのか、日本で10億円の研究費助成の最終選考に残っているのか。検出できない猛毒の胞子を利用した生物化学への転用、それが目的ではないか」

「やばい話っすね」

「1年半前サミット会場に君もいたんだよな。第三国軍事関連会社のエージェント。近づきやすい加納にアルバイトとして接近、彼のモニターを介し、密猟の成功を知りました。帰国後、加納はおそらく漆原教授にメールでコンタクトをとったのでしょう。」

「当然お前は加納のパソコンをハッキングしたよな?」

「加納教授のパソコンからハッキングされた痕跡も見つかりましたよ」

「君は加納の送ったメールをキャンセルし、そして…」

「それがぺスタロチオトニトリスですか?菌糸…考えましたね。菌糸なら比較的持ちだしやすい、考えましたね。まだ枯れてもいなさそうだ」

「お前誰だ」

「エルドビア共和国知ってますか?小さな小さな不安定な国。日本の教授ではなく我々と取引を願いたい。300万と50万プラス、ご希望通りキャッシュで。」

「こいつで生物兵器でも作ろうってわけか。なめるなよ。蛇の道は蛇。向こうで密漁の段取りを色々やってて、こいつの毒のことも小耳にはさんだ。兵器に使うなら350じゃ安いな。それにそんなこと未来の地球が許さねぇ」

「取引を断られ、加納教授を殺して君はキノコを持ち去った。君は容器に入れて持ち去る時ミスをした。加納教授と信岡教授、それぞれの得意分野で成果を出させるつもりだったのか…現場にあった合理的説明、それは容器は2つありました。犯行の際、容器が割れ、ぺスタロチオプシストニトリスが床に飛び散りました。しかし翌日不審火騒ぎで、飛び散った菌糸が成長し、傘を開き、空気中のマイクロプラスチックと反応。そして沖田さんが閉ざされた部屋の中に入り、ひとたまりもなかったでしょう。」

「そこから数時間、沖田さんの遺体がドアストップ代わりになって胞子は外気に希釈された。おかげでその後俺達は無事で済んだ」

「証拠品を入れる袋は密閉できるポリ袋。密閉された中ならまだ生きているかも。その中で危険な胞子を出し続けているなら」

右京は鑑識課で益子の目を盗み、キノコの胞子にやられて倒れたのです。

「ぺスタロチオトニトリス持っていますね。さぁ出していただけますか?」

右京のやんわりとした言葉に、相場は抵抗し、2人を襲いました。

「黙秘する…認めませんよ」

警察に連行しても、取り調べで黙秘を続ける相場。

「相場の野郎、殺しは認めましたが、動機は黙秘するつもりです。」

「外事課も引き続き捜査を続けていますが未だ発見に渡らず…」

その後、信岡と漆原に事件の解決を報告した、特命係。

「毒。あのキノコにそんな力があったとは。漆原くんこの度は」

「漆原先生、どうかされましたか」

「今思うと加納さんが気の毒で、あのキノコに知らない顔があっただけでなく…。昔、ヤクザな生活に愛想をつかされて奥さんが子供を連れて出て行った。そこから環境保護活動を始めた。」

加納が環境保護活動をする理由を、右京と亀山に話す、信岡。

「あの子の為に地球をせめてまともな地球を残したい」

「2人とも証言してくれましたよね?キノコの培養は不可能。」

「相場がぐずぐずと日本にいたのは奪った菌糸も枯れてしまい、次なる手を考えていたからかもしれません。」

「いずれも一つだけ確かなことは人類が手に入れてはならないもののひとつなのでしょう。」

相棒23 4話感想・みどころ

キノコが背中に生えた男性の遺体。

これだけで興味津々で、珍事件ですよね。

右京は、変な事態に巻き込まれて、またトリップしてしまいましたね。

単独行動しやすいので、亀山のような「保護者」がいないとダメかもしれません。

猛毒を放つ、10憶の価値がある幻のキノコを巡って、金と欲に目がくらんだ加納の末路が切ないですね。

子供の為に、優しい地球を残そうとしていた思いが、歪な方向に傾いてしまいましたね。

加納の元で、表向きはアルバイターとして働いていた相場が実は、キノコを狙った第三国軍事エージェントだったとは意外でした。

人を殺してまで殺人キノコを手に入れようとした彼の人生はあまりにもお粗末ですね。

キノコを巡ったこの事件で、巻き込まれてしまった高齢男性の沖野は気の毒でした。

信岡と漆原が、加納の悪事に気付けなかったことを悔いるラストシーンは胸が痛みました。

キノコをめぐって外事課までも動き出す大事件に発展した本日の事件。

触らぬ神に祟りなしですね。

 

data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">
data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください