僕とシッポと神楽坂 最終話
放送日:2018年11月
テレビ朝日金曜ドラマ
僕とシッポと神楽坂 最終話のあらすじ
加瀬トキワの元に、行方不明だった夫・佑が見つかったと外務省から連絡が入った。
佑は記憶を失っており、それを知ったトキワは1人不安を抱えていた。
一方、高円寺達也の元にはアメリカの獣医大が新しく立ち上げるプロジェクトへのオフォーの連絡が入った。
そんな中、坂の上動物病院に犬が迷い込んでくる。
犬の名前は“タロウ”。
タロウは認知症を患っていたが、飼い主の井坂蔦子は寝たきりの母親の世話もしなければならず疲れきっていた。
タロウの面倒まで十分に見ることができない中、タロウは交通事故に遭い、蔦子によって病院へ運ばれてきた。
僕とシッポと神楽坂 最終話の感想
トキワにとって達也は佑以上の存在に?
前話の第7話の終わりに、一緒にイカダ作りに行こうと達也はトキワを誘いました。
最終回の今回はその続きから始まりました。
イカダ作りに行きたかった達也の母・貴子。
貴子のお弟子さんのまめ福もすず芽も達也に誘われましたが、トキワが一緒だということにすず芽は不満の様子。
和やかな高円寺家とは反対に、7年前に行方不明になった佑が見つかったトキワは大地がいるからとアルゼンチンに行くことができずとても残念そうです。
佑が2週間後に帰ってくることになり、これからトキワは準備で忙しくなると動物病院にいる達也に報告をしにやって来ました。
「良かったですね」と言う達也の言葉にトキワは顔を曇らせます。
達也は佑以上の人になっていたのだろうか?
大地は連れ子だし、離婚して達也と一緒に海外に行くという方法もあります。
この時は何も知らずにそんなことを思っていました。
記憶を失った犬と人間
動物病院で仕事をしていた達也。
動物病院で飼っている大吉が庭に反応を示します。
それに気づいた達也が庭につづく扉を開けると、一匹の犬が勢いよく入ってきて吠え回りました。
獣医師の達也もびっくりしている様子です。
どうやら迷子犬のよう…。
翌日動物病院に出勤してきた広樹は犬の様子がおかしいことに気がつきました。
広樹が気がついたということは、達也も当然気がついているのでしょう。
飼い主を探すために犬の絵を描いた達也。達也の絵が下手だと指摘した広樹の絵はもっと下手くそでした。
写真を撮ればいいことに気がついた広樹。
そして、達也の絵と広樹の写真を使った貼紙が近所にされました。
その貼紙を慌てるように回収する女性。
その女性は動物病院にやって来ました。
迷い犬の飼い主さんの井坂さんでした。
しかし、貼紙を迷惑だと言うのです。
井坂さんの住まいを聞いた達也は自宅まで井坂さん送り届けました。
迷い犬の名前は“タロウ”。
達也はタロウを飼い始めたきっかけを聞きました。
タロウは井坂さんの母親の犬で、母親が寝たきりになってしまい、井坂さんは1人でタロウの世話をしていました。
タロウは自分の家がわからず迷子になっていたようだと達也が言うと、タロウはナルタウン動物病院で認知症の診断を受け、家だけでなく、井坂さんのことも母親のことも覚えておらず、昼夜問わず吠えるので近所から苦情を受けていたということでした。
達也は井坂さんに寄り添おうとしますが、タロウのことにまで手が回らないと言われてしまいます。
そして、もう1人、記憶を失っている人がいました。
佑は記憶を失っていました。
7年ぶりの再会。
大地は一生懸命佑に話しかけますが、佑は宙を見ていて、言葉を話せる状態ではありません。
医師からは完治が難しいと言われます。
自分のために生きたいように生きていい
再び、井坂さんのもとを訪れた達也。
千葉に徳丸先生が開いた施設があるのでタロウを預けてみてはどうかと提案します。
井坂さんはとても疲れていました。
しかしやはり、「たかが犬のことで…」と言われてしまいました。
トキワの方はというと、今までの写真を佑に見せても相変わらず目は宙を浮いています。
佑のお見舞いから帰宅したトキワを佑の父親が待っていました。
佑の父親は大分の病院に佑を転院させたいと言いました。
父親は自分達両親が一緒に大分に行くからと、トキワには東京に残っていいと言います。
佑と結婚し、大地の母親となり、佑が行方不明になってからトキワは1人で大地を育ててきました。
それを知っている父親は「これからの人生、自分のために生きて欲しい」と言います。
佑の帰国を知ったすず芽が大地の食事を作るためにトキワの元を訪れました。
いつも喧嘩腰のすず芽ですが、なんだかんだトキワのことが心配のようです。
佑が帰ってきたことで、当然、達也に思いを寄せておくことはできないのですが、「さよならしていいの?」とすず芽はトキワに言います。
達也のところにいたいならそうしていいし、佑だって自分のために南米に行ったのだから、人に何を言われようとトキワが生きたいように生きていいのだとすず芽は言ってくれました。
皆、トキワに幸せになって欲しいのです。
思い出は宝物
喚き叫ぶ母親の看病。昼夜問わず吠えるタロウへの苦情。
井坂さんははとても疲れていました。
玄関で倒れるようにうたた寝していた井坂さんの耳に車の急ブレーキのが聞こえました。
音が聞こえた方に目をやると、玄関の扉が少し開いています。
タロウが逃げ出し、そして、車に轢かれたとしか考えられません。
血まみれになったタロウを抱きかかえ、動物病院へ走る井坂さん。
井坂さんとすれ違ったトキワはぼーっとしていたけどその血を見て我に返りました。
タロウの具合は左大腿骨の骨折。
骨折の整復手術が必要となりました。
タロウは必死に生きようとしていたのだからもっと早く達也を頼ればよかったと井坂さんは後悔の言葉を漏らしました。
井坂さんの思いを受け取り、手術に挑んだ達也。
手術中、井坂さんには大吉が寄り添い、井坂さんには大吉がタロウに見えていました。
本当はタロウのこと大好きだったんですね。
タロウの手術は成功しました。
しかし、タロウは認知症。
記憶が消えても一緒に過ごした時間までは消えることはない。思い出が消えたら新しい思い出を作ればいいし、タロウが天国に行ったら、その思い出は井坂さんが覚えていればいい。思い出は井坂さんの宝物になる…達也はそう言いました。
それを聞いていたトキワは佑のことを重ねます。
佑の記憶が無かったとしても、佑と過ごした時間は消えないし、佑との思い出はこれから作ればいい。トキワが覚えていればそれはトキワの宝物です。
そして、トキワは大地と一緒に3人で大分に行く決心をしました。
きっと、達也との思い出も宝物になることでしょう。
トキワと広樹がいなくなった坂の上動物病院。
広樹は達也の推薦でアメリカへと旅立ちました。
誘われた新しいプロジェクトを広樹に譲ったのです。
病院を去るトキワを見送り病院に戻ると、机の上には沢山のトキワのメモが残っていました。
病院のことやシッポのこと、そして、達也の身の回りの心配も残されており、達也は涙を流しました。
その後、大地から手紙が届き、加瀬家ではセラピードッグとして犬を飼い始めたと書かれていました。
名前は“チョーダイキチ”。
1人になってしまった達也ですが、母親やまめ福、すず芽もいるし、たまに突然やって来る徳丸先生もいます。田代先生とも仲良くなったようだし、頼子ともいい関係を築いてるよう…。
そう言えば、再開発問題ってどうなったんでしょうか?
そのことだけが気がかりなままドラマの幕が閉じられました。