Drアシュラ6話あらすじネタバレ
「アドレナリン投与」
「波形確認します」
「坊主、DC準備」
「ショックします、離れて。心拍再開。」
「腕上げたわね薬師寺先生」
帝釈総合病院救急外来、杏野朱羅(松本若菜)の指示通りに動き、研修医の薬師寺保(佐野晶哉)。
朱羅は珍しく、薬師寺の成長を褒めました。
寝言と共にソファーから落ちた薬師寺はそれが夢であることに気付くのでした。
薬師寺は診察部長に就任することを多聞(渡部篤郎)から聞かされ、大喜びです。
「診療部長になれるんですか?この金剛又吉めにお任せあれ」
「これで救急科と他の診療科との連携を進めることができます」
「新病院のためにも赤字の救急科は閉鎖するんじゃなかったですか?」
「フィンクから連絡がありましてね、救急科を残すことを条件に、新病院を支援してくれることになったんです。」
「どうして急にそんな心変わりを?」
「杏野がフィンクを救ったことを梵天先生が、正直、打ち明けてくれたおかげです。」
「救急科の赤字は紛れもない事実です。閉鎖しないとしても縮小はするべきです」
「いいえ。その逆なんです。
「救命がどの患者に対しても受け入れを拒まず、全て救えば、病院全体の黒字を支えることになるんです」
「どういう意味でしょうか」
「救命が全ての患者を受け入れて救えば、その患者は他の診療科の治療も受けられる、その結果、病院全体の収益向上に繋がるということです」
「いや違う違うこれまで以上に我々が救急科の患者を受け入れるってことですか?」
「金剛先生の力を是非お貸しください」
救急外来の初療室には夜勤明けの心臓外科医、梵天太郎(荒川良々)、形成外科医、六道ナオミ(小雪)の姿がありました。
「今日の当直も大変でしたね」
「この忙しさにも慣れてきたけどやっぱり疲れるわ」
そこへ上機嫌な大黒修二(田辺誠一)がやってきました。
「みんなおはよう、院長から辞令があって、ちょっと聞いてくれ。救急科科長に戻ることになった」
「やっぱり救急科の課長は大黒先生じゃなきゃ」
「ですね」
「おめでとう御座います」
大黒が救急科科長復帰を喜ぶ、救命科のナース、三宝と九曜沙苗(結城モエ)。
「有難う、薬師寺にも期待してるからな」
そんななか、救急外来のホットラインが鳴ります。
「来る」
「建築現場の崩落で負傷者発生」
「10分後に来るよ」
「お名前言えますか?触りますよ」
「挿管します」
「待って坊主、気胸はしたの?もし患者が緊張性気胸を起こしていた場合、挿管して陽圧換気すれば心停止する。前に言ったはずだけど」
「すいません!忘れてました。すぐ気胸します」
「心停止だ」
「DC急いで。アドレナリン準備」
薬師寺は慌てふためき、作業が思うように進みません。
歩夢(荒井玲良)が、薬師寺が取る前にアドレナリンをとって、対応してしまいました。
あまりにも集中力にかけ、慌てる彼は、転んでしまいました。
「外科がすぐに対応してくれて良かったですね」
「今日はやけに受け入れ早かった」
「確かに、なにか裏があるかも」
「また金剛先生に嫌味言われるかも」
「皆さんどうも。たまたま通りかかったので、来たまでです」
一方。、大黒、看護師の九曜沙苗(結城モエ)、三宝加代子(阿南敦子)は外科科長の金剛又吉(鈴木浩介)から予期せぬ事実を告げられるのです。
「噂をすれば金剛先生が」
「外科部長、こんなとこで油を売って良いんですか?」
「油、油だよー」
「診療部長?!」
「なにか企んでる」
「だから聞こえてますよ。救急科の皆さんを全力でサポートします。困った事があったらいつでも言って下さいね」
その後、歩夢は落ち込む薬師寺をフォローします。
「患者さんも助かったし良かったじゃん」
「でもみんなのおかげだ。結局、僕は足手まといの坊主だな」
約束をしていた彼は、慌てて退勤します。
「研修医だから仕方ないでしょ。焦らなくてもいいのに、じゃあ私が慰めてあげようかな」
「もう帰りました。幼馴染と会うって」
「なんだ元気じゃない」
その後、幼馴染の圭太と彼の婚約者、あかねと会う、薬師寺。
「圭太」
「保、久しぶり」
「誰?」
「沢村あかねさん、俺の婚約者」
「結婚するなら言ってよ」
「サプライズしたかったんだよ」
「すいません、私が薬師寺さんに会いたかったんです。圭太君が俺の自慢の親友だって言ってたので」
「保、ハチの巣公園覚えてる」
「うん覚えてるよ」
「最近どう?」
近況を聞き、圭太が海外支社の仕事を任され、活躍していることに、自身との差を感じる、薬師寺。
「それがさ、海外支店の仕事任されちゃって、今、大変なのよ、昨日、半月ぶりに、日本に帰って来たこと。うちの社長まじでひどいの。何も知らないのに現地に放り込まれてさー」
「もう無理だってよく電話で叫んでたよね」
「言葉もよくわかんないし、土地勘もゼロで、日本の感覚で飛び込み営業したら警備員に追いかけられて散々だったけど、半年藻掻いてやっと形になったかな」
「僕なんてまだ研修医でさ」
「医者とサラリーマン比べてどうするんだよ」
「ねぇ保くんはなんで医者になったの?人の命預かるの大変な仕事なのにそれでも目指したのはなんでかなって」
「大した理由はないよ。親が医者だからなんとなく」
「なんとなくだけどなれたのはすごいよ」
「まぁ医者としては全然なんだけどね」
3人でビリヤードやダーツを楽しみ、仕事のストレスを解放する、保。
「あかねさん良い人だね」
「どうしたの?」
「営業で足つっちゃった。もっと頑張らないとな」
「応援してる保、人の命預かるの色々大変そうだけど俺は応援してる」
「うんありがとう」
翌朝。
「昨日は楽しかった?」
「良い仕事をするには良い息抜きも必要よ。そもそもあなた研修医でしょ。頑張りすぎないで、そこそこでいいのよ」と六平。
「久しぶりに仕事のこと忘れそうで、今日から頑張れます。」
大黒と薬師寺は、胆石の男性患者、小林の対応をしています。
「痛みが強そうだからNセイズでいいよね」
大黒が他の患者で手が回らない時、保はパソコンで調べて、Nセイズを小林に打ちました。
杏野は次の患者を予知し、慌てて小林の元へ向かいました。
「…来る」
小林の喘鳴に、薬師寺が投与した点滴が、アスピリン喘息を引き起こしたと知りました。
「アスピリン喘息」
聴診器を小林にあてて、バイタルと血圧を確認。
「僕はちゃんと確認しようとしました。小林さんが言わなかったので。カルテにも書いてなかったのに、言ってくれれば、Nセイズを打たなかった」
「修羅場に言い訳は通用しない!」
朱羅にまたしても迷惑をかけ、落ち込みます。
小林の妻に謝罪する大黒と三宝。
「他の患者を優先して、研修医なんかにやらせて夫の命を何だと思ってるんですか!謝るんじゃなくて、どういうつもりなのかって聞いてるんです。なんとか言って下さいよ」
その様子にますます落ち込む、薬師寺なのでした。
大黒と梵天は、薬師寺の話題になり、彼を心配していました。
大黒は自分が一時的に離れて、治療をまかせた責任だと感じます。
「小林さんの家族大丈夫ですか?」
「なんとか収まりました」
「薬師寺先生は?」
「今日は帰らせました。私がその場を離れたせいです。杏野先生も無事来て患者さんの命も助かったみたいですし、あまり引きずらない方が」
「しばらくはへこむでしょうね」
朱羅も、六平ナオミに薬師寺のことを心配されていました。
「薬師寺先生のことちゃんと気に掛けてあげてるの?研修医のフォローをするのもあなたの仕事でしょ。辞められたら困るでしょ」
「そうなったらそこまでの医者だったってことでしょ。辞めるも続けるも人に言われてするもんじゃない」
「冷たいのね。杏野先生だって誰かに励まされたことあるでしょ」
薬師寺は翌日、勤務に戻ります。
心電図の音に過敏に反応し、小林の件でのトラウマが、蘇り、手が震え、挿管チューブがずれました。
「研修医、さぼってるのか」
「サボってなんかないです」
「なんだまた杏野に叱られでもしたか?」
「僕はもう救命にいる資格はないんです。患者さんを死なせてしまいそうになって。救命医になるわけじゃないのに、こんなつらい思いしてまでなんで検収しなくちゃいけないんでしょうか。僕は救命むきじゃない、不器用だしとろいし」
「本当は救命医になりたいのか?」
「いやあり得ません」
「そう聞こえたんだけどな」
「僕に救命医は無理です。杏野先生みたいに才能ないから」
「昔の杏野はね、今の薬師寺先生と殆ど変わりないよ。医者の仕事は才能よりもっと大事なものがある。じゃああんまりサボりすぎるなよ」
薬師寺は多聞にフォローされ、身を引き締めて、何とか怖気づく心と立ち向かいます。
搬送されてきたのは、あかねでした。
「あかねちゃん」
「知り合いなんですか?」
「無理しない方がいいわ薬師寺先生は下がってて」とナオミ
「大丈夫です、僕も出来ます」
「出血、口腔内損傷が強い。坊主、挿管して。早く挿管。坊主、止血」
「薬師寺先生出て行ってくれない?このままじゃ、患者さんを助けられなくなる」
ナオミの言葉に自信をなくし、一旦は出て行こうとする、薬師寺。
「保?ここ保の病院だったんだ。あかねは助かるよな、死んだりしないよな。保なら助けられるんだろ。助けてくれよ」
落ち込んでいるところに友達で、あかねの婚約者、圭太が。
「ごめん」
「なんで、なんで謝ってんだよ」
「今、他の先生達が治療してくれてる。お前、医者なんだろ?医者ならあかねを助けてくれよ!なんか言えよ保!」
「僕だって助けたいよ。でも僕じゃ無理なんだ、ごめん、なんにもできなくて、本当にごめん」
「俺だって何もできない。なんでだよ…なんで俺じゃなくてあかねなんだよ。やだ、あかね、やだ、あかね!」
圭太はあかねが亡くなるかもしれないと不安に駆られ、倒れてしまいます。
「圭太、どうしたの?圭太?圭太?」
「え、心停止…廊下で急変です!心停止です」
保は突然、圭太が心停止したことで彼の心臓を触ります。
三宝が医療器具を持ってきます。
「先生、心臓マッサージは?しっかりしてください。」
「杏野先生は来れないんですか」
「先生方は2人ともオペ中で離れられません。薬師寺先生が処置するしかありません。先生しかいないんです!指示をください」
「僕じゃ無理です…圭太を助けて下さい!杏野先生」
「圭太…ごめん…」
自信喪失する薬師寺は、頭の中がパニックになります。
「坊主!あんた何様?無理ってただ諦めてるだけでしょ。あんたの意思で死なせているのと一緒。そんなの知識も経験もないただの坊主が言う言葉!あんたただの坊主なの?!患者が助けを求めてるのに医者が諦めてどうするの!」
朱羅に叱り飛ばされ、薬師寺は医師として、心臓マッサージを続けます。
「圭太、もうすぐ結婚するんだろ。圭太、頑張れ。DCの用意をお願いします。チャージ150…離れて」
「心拍再開。なんでこのままだと呼吸の維持もできない。考えろ、なにか原因があるはず」
圭太が足がつりそうだと言っていたことを思い出すと、彼のズボンの裾を捲りました。
「帰りの飛行機、つりそうでさ、足つりそうになった」
足に血栓が生じ、エコノミークラス症候群による肺塞栓管だとわかりました。
「左足が赤くはれてる。下肢に出来た血栓のせいで、腫れが生じ、その血管が肺の血管に詰まった。心停止の原因はエコノミークラス症候群による肺塞栓かもしれません。」
「すぐに造影CTとって、ノルアドレナリンで循環維持をします」
「救急科研修の薬師寺です。重度肺塞栓です。昇圧剤でも脈が上がりません。緊急オペに入ります」
「…クソ、外科にお任せあれ、様子次第、オペ室に連れて来てください」
その後、圭太もあかねもなんとか助かりました。
「患者の様子はどう」
「2人とも落ち着きました。杏野先生有難う御座いました」
「お礼を言われることはしてない。」
「でも感謝しているんです」
「まぁ薬師寺先生も良くやったんじゃない。じゃあお疲れ」
朱羅のように、命を救える医者になりたいと誓う、薬師寺なのでした。
朱羅は少女時代を思い出しました。
彼女も重傷で運ばれ、命の危機を感じました。
「私、死んじゃうんだ…もう生きられないかもしれないんだ」
そう思い、希望を失いかけた、小学生の朱羅。
「もう無理かもしれないな。手の施しようがない」
出血多量で他の医者が諦めていた時、ある女医が言いました。
「医者が患者の命を諦めてどうするの?よく頑張ったわね。もう大丈夫よ、必ず助けるから」
その声の主は、阿含百合(片平なぎさ)でした。
Drアシュラ6話感想・みどころ
夢を見ていた薬師寺は、早く朱羅から「坊主」と呼ばれなくなるほど、一人前の医師であることを目指しています。
相変わらず情緒不安定で、親心のように心配になるところはありました。
薬師寺の友人、圭太とあかねは、薬師寺のあまりの落ち込みぶりと、命を諦めようとしている心理にどうなることかとヒヤヒヤしました。
大切な親友とその婚約者を助けるべく、自信喪失していた弱さになんとか打ち勝つことが出来て良かったですね。
朱羅からしたら、まだまだ先が思いやられるところはありますが、挫けがちな彼は一歩ずつ成長していると思います。
「坊主」を卒業した、薬師寺先生に待ち受ける試練はまだまだ序の口じゃありません。
しかし、優しすぎるゆえに、パニックになりやすくても、命に責任を持つ者として生きる彼の背中を応援したい6話でした。