イチケイのカラス2話あらすじネタバレ
東京地方裁判所第3支部第1刑事部・・・通称、イチケイ。
その刑事裁判官の入間みちお(竹野内豊)は自由奔放な行動と、型破りで少年のような純粋性、探求心を持っています。
みちおが勝手気ままに行動する様子に度々、苛立ちを感じるのは、イチケイに赴任したばかりの裁判官、坂間(黒木華)。
頭脳明晰なブレーン的存在ですが、頭が固くて、融通が利きません。
みちおと同様、不利な状況で裁判に挑む人たちをほっとけない正義感があります。
日本の刑事裁判において、数多くの無罪判決に関わっている「伝説の裁判官」の異名を持つ、イチケイのボス、駒沢義男(小日向文世)。
彼と共に、みちおの理解者であるのが、元みちおのファンの傍聴マニアで、裁判所書記官の石倉文太(新田真剣佑)。
気の優しい主任書記官、川添博司(中村梅雀)、3つ子を守る逞しい裁判所機関、浜谷澪(桜井ユキ)。
新人裁判所機関、一ノ瀬糸子(水谷果穂)も、みちおの良き理解者の一人。
街頭で、深瀬(前田敦子)が当時1歳半の長女を育児ストレスから揺さぶって死なせた痛ましい事件が報道されました。
深瀬は不服を訴えて、控訴を申し出ていて、裁判は難色を示しています。
みちおたち「地裁チーム」は、甲子園出場経験がある仲間の検事、井田伊織(山崎育三郎)を含む地検チームらと共に恒例の草野球をすることになりました。
坂間(黒木華)は2打席連続ホームランの井出を迎えた投手のみちおに対し、敬遠すべきだと主張。
しかし、みちおは0.1%でも可能性があるなら勝負したいと意見します。
その夜、坂間は最高裁判所判事で、司法研修所時代の上司、日高(草刈民代)から呼び出され、あるパーティに出席します。
そこで坂間は、最高裁事務総局の事務総長の香田健一郎(石丸幹二郎)を紹介されました。
健一郎は坂間が東京地裁第3支部の立て直しを任されていることを了承していて、人事局でもみちおの存在が問題視されていることを坂間に伝えるのでした。
それを受けて日高(草刈民代)がみちおの問題行動について処分が必要と判断された場合は、人事局にあげてほしいと坂間に指示してきたのです。
「あなたにしかできないこと」と日高から念を押され、思わず空気から了承せざるを得なかった千鶴。
入間にも業務態度を改善してほしいと頼みました。
そんな折、イチケイの部長、駒沢(小日向文世)は、合議制で扱いたい案件があると地裁チームみんなに告げました。
その案件とは、1審で有罪判決が下された事件で、人気料理家の深瀬(前田敦子)が1歳半の一人娘を虐待した許し難いケース。
当時1歳半だった娘が泣き止まないことに激しい苛立ちを感じた深瀬は、激しく揺さぶるなどして娘にけがを負わせたのです。
娘は現在、夫の元に引き取られて、後遺症なく、健全に成長しているとのこと。
虐待によるSBS(シェイクンベイビーシンドローム【乳幼児揺さぶられっこ症候群】)。
深瀬に下ったのは、傷害罪で2年6ヶ月の有罪判決で、深瀬側は不服として控訴。
それを受けた高等裁判所は、審理内容を精査して地裁に差し戻しをしたのでした。
この案件、さらに厄介なのが、第1審の裁判長を香田の息子、隆久(馬場徹)が務めた「取り扱い注意」案件だったのです。
第1回差戻し案件が開廷・・・。
途中で、香田の息子、隆久(馬場徹)からプレッシャーをかけられる入間たちですが、彼の嫌味にも負けず、法廷へ。
深瀬の夫(渋谷兼人)と、姑(松金よね子)も法廷を訪れ、2人は深瀬が自分の罪を否定することに憤りを感じていました。
SBSの件で、揺さぶられっこ症候群の状況を確信するため、入間は自分を揺さぶることを千鶴に揺さぶってもらって確認。
その結果、激しい揺さぶられかたをされた詩織の当時の様子を認識できました。
詩織の治療を担当した医師(金井勇太)含めた医師の10人が集まりました。
外傷を負ってから症状が出るまで3日間あったと一人医師が証言。
傍聴マニアたち(ミルクボーイ)は入間がこの件に、事件が起きるまで3日間を遡るという判断に興奮。
その夜、詩織が暮らす家へ向かった入間と千鶴。
事件が3日前、詩織を保育所に預けていた啓介(渋谷兼人)。
その保育所のスタッフが偶然、彼が深瀬と結婚する以前に交際していた女性だったのです。
女性と婚約破棄をして、深瀬と結婚した啓介。
啓介はまさか、託児所スタッフが愛娘を預けているうちに・・・と不安を入間たちに口にします。
入間はその保育士も法廷に呼ぶ必要性があると判断。
帰りに、千鶴は自身が早くに母を亡くし、母の愛を知らずに育ったものの、祖父母と妹に温かい愛を受けたことを入間に話しました。
千鶴は祖父母を将来的に安心させたくて必死に努力を続け、裁判官になったと自らの生い立ちを話してから、今回の案件から自分を外してほしいと入間に申し出ました。
それに対し、入間は、自分達も被告人をさばいているようで自分達も人に裁かれている・・・だからこそ、こんな面白い仕事に熱中できない千鶴が理解できないとこぼします。
後日、千鶴は事件当時の心境をつづった深瀬の記録を読みます。
彼女は、詩織を心から愛していることや、仕事を優先したければ子どもは生まなきゃいいと夫、啓介に言われたことが記録されていました。
さらに、姑からは虐待を疑われていること、自分が送検された当時、誰かの携帯が鳴って思わず笑みをこぼした時、その姿が「鬼女」だと世間から誤解を受けたと綴っていました。
小野田という当時、詩織をみていた託児所の女性は自分は虐待していないと強く法廷で訴えて取り乱します。
検事(西尾まり)から詩織は婚約破棄された男性と別の女性の「愛の結晶」であることから、詩織を憎んで犯行に及んだのではないかと疑いをかけられたからです。
しかし、小野田は安達医師(金井勇太)が当時、小野田が詩織に微熱があり、病院に連れて行ったところ、診察時間が長い違和感を覚えたことを訴えました。
安達医師は入間たちから話を聞かれることを拒否。
そこで、病院の看護師たちに、足達が昨夜、誰かと揉めていたことを吐露。
それがなんと、香田裁判官(馬場徹)でした。
香田のことを過敏に気にしていたことを指摘した入間。
高校の大学部で剣道部の上下関係だった香田と足達。
証人尋問の件で2人は揉めていることが看護師たちの証言でわかりました。
入間はその夜、各国の裁判官が集う仕事に出席してほしいオファーが届いたことを「地裁チーム」のみんなに報告。
その前に、海外の仕事に向かう足達医師を院内で尋問すること、香田隆久(馬場徹)も法廷に呼び、尋問することを提案した入間。
立場の高い香田を法廷に呼ぶなど前代未聞の試みだと意見する千鶴に対し、駒沢(小日向文世)は入間の提案を了承。
入間、伊織(山崎育三郎)、駒沢(小日向文世)、千鶴(黒木華)らでなんとか13時台にベルリンへ旅立とうとする足達を足止めすることや、香田裁判官を法廷に呼ぶことに成功。
公判が開廷し、香田裁判官に足達との件を優しく問う入間。
「誰しもが様々な荷物を抱えて生きている、間違いを認めるのは勇気がいる。自分達は裁判官で人の人生がかかっている仕事をしている」だと口にする入間。
証人尋問をおこなうもう一人は足達。
足達は詩織を診察する前に、目を離したすきに診察台から詩織が落ちてしまいました。
深瀬瑤子には以前から虐待の疑いがあったので、瑤子に責任転換しようと考えたのです。
自分の失態を隠すため、詩織がSBSだと診断し、香田裁判官に相談。
そこで、自分達のミスを隠蔽するように強制されていたのです。
ベルリンから1週間で戻ってきた足達は、詩織が診察台から落下した際、詩織の様子から、ベルリンにいる恩師を頼りました。
詩織の件でその恩師に調べてしまったところ、当初はSBSだという診断でしたが、事実は乳幼児揺さぶられっこ症候群ではないとの診断が下りました。
思わず、瑤子は泣き崩れます。
そして、入間は深瀬瑤子に無罪判決を下すのでした。
入間や千鶴など裁判官は「あなたの痛みは計り知れない・・・なんの罪もない人を有罪にしてしまい申し訳ない」と頭を下げます。
後日、姑と圭太によって、娘の詩織に再会。
詩織は事件が起きる前、必死に詩織をあやして歌っていた「雨降り」の歌を思い出して、瑤子の前で歌います。
これでようやく、家族が一つになりました。
香田裁判官は、状況を変え、真実を暴いた入間達を批判。
ここで千鶴は、香田裁判官が不正をしてそのまま自分がしたことを反省しない態度や発言を批難。
香田裁判官の父、香田健一郎(石丸幹二郎)は、息子は失態で懲戒免職処分としたとイチケイにあり、「地裁チーム」ははほっとします。
その夜、千鶴は日高(草刈民代)に、入間の処分はなしになったと報告。
しかし、日高から過去に入間が関わった案件で関係者が亡くなったことを聞かされました。
来週3話のゲストは、岡田義徳さんと佐津川愛美さんです。
イチケイのカラス2話感想・みどころ
映画「クロユリ団地」などの過去作で、怪演ぶり、女優魂を高評価されている前田敦子さんがゲストでしたが、当初は、前田さん演じた深瀬瑤子の精神的な不安定さが際立ち、彼女を疑ってしまいました。
圭太が詩織に当初、「仕事を優先したいなら子供を生まなければよかったのに」と話していた記録を見る限り、瑤子が母としての自分を否定されて追い詰められたのでは?とも思いました。
しかし、次第に足達医師(金井勇太)が香田裁判官(馬場徹)から、立場的に「裁判官」と「医師」という差をつけられ、立場を利用して、彼が目を離したすきに詩織が診察台から落下したことを隠蔽し、瑤子による揺さぶられっこ症候群で詩織が危機的状況に遭ったと嘘の証言をさせられた事実。
香田裁判官は人として最低ですよね!大人になっても学生時代に剣道部の後輩だった足達に職業から上下関係の圧力をかける未熟さが伝わりました。
足達は気が弱く、意志も弱いところもあって、職業の違いから、先輩に逆らえない自分と葛藤していたことがわかります。
当初、妻の虐待を疑っていた啓介役には、「相棒」の過去回のエピソード「スポットライト」などに出演し、優しい好青年役から猟奇的殺人犯の役まで幅広くこなす、渋谷兼人さん。
妻、瑤子に対して、「仕事したいなら子供を生まなければ」などと発言した啓太と、法廷で瑤子が確実に詩織に危害を加えたと強く訴えていた姑(松金よね子)も少し怪しいなと思っていましたが、全然違って良かった。
拘置所にいる間、愛娘、詩織のことを片時も忘れず、詩織をあやす時に歌った童謡を口ずさむ瑤子の姿は心が痛かったですね。
子供を普通に愛し続けているのに、虐待という最悪な疑惑を世間に向けられた瑤子の立場を思うと胸が張り裂けそうになります。
最終的には真実を見抜く入間によって、無罪の正しい判決が下った瑤子が、詩織に再会できたシーンはほんとうに救われましたね。
千鶴が刑法を並べて、香田裁判官を厳しく一喝した姿は最高に気持ちよかったです。
ゆるっとした「凪のお暇」などの柔らかいイメージがある黒木さんが千鶴のときは別人のようにがらっと空気が変わり、ぴりりとした緊張感が漂いますよね。
千鶴の厳格さと入間の温和さの融合が来週も楽しみです。
入間と駒沢の過去がラストシーンの日高(草刈民代)の口から少しこぼれ、次回の3話も期待です。