院内警察10話あらすじネタバレ
武良井(桐谷健太)は、新しい抗がん剤の治療の治験中に間質性肺炎で亡くなった3人目の患者が宮内香織(川原琴響)という24歳の女性だったことを突き止めます。
しかも、記録されていた更新者の名前は、榊原(瀬戸康史)でした。
「なんで改ざんなんて」
「物凄いお金をもらっているとか?」と川本。
「宮内さんのカルテを突きつけて治験の裏を履かせてやる。そんな顔しないでよ、横堀さんは俺のお目付け役だから一応話しただけ。」
武良井は改ざんされたカルテを榊原に突きつけて問い詰めると息巻いた態度をとりました。
「改ざんされたカルテを突きつけて問い詰める。」
「心配なんですよ。くれぐれも無茶しないで下さいね。」
「横堀さん協力してくれないんですか?私は協力します。」
「川本さん院内交番は病院と医療従事者を守る事です。」
室長の横堀仁一(市村正親)は、そんな武良井に無茶をしないよう、忠告します。
一方、川本響子(長濱ねる)は、香織の担当医だった安原誠(中村靖日)が、なぜ、カルテの改ざんに気付かなかったのか疑問を抱いていました。
安原は3カ月前から休職しており、閉そく性肥大型心筋症で阿栖暮総合病院に入院していました。
しかも現在は会話もできないほど、病院が悪化していました。
「オペの執刀医は?」
「榊原先生です。」
「どうかな?人間死を前にすると思わぬ行動をとるものだ。」
執刀医は榊原になる予定でした。
そんな折、院内交番に上條萌子(玄理)と白石葵(馬場ふみか)が慌てた様子で駆け込んできます。
「あいつが、榊原先生が失踪した!」
安原の手術を控えていた榊原が忽然と姿を消しました。
「ダメだ、繋がらない。手術前に連絡つかないなんて今まであり得ない。メスを持てなくなったりしていたし。」
「結依ちゃんが泣くなってから…」
武良井は榊原の精神状態を察知していました。
川本と共に榊原の行方を追います。
「川本さん急ごう!」
やがて、院内交番のモニターで場所を特定した武良井は川本と外へ飛び出しました。
「それをどうするつもりですか?」
背後にいたのは、結依の母親、千里でした。
なんと彼女は包丁を持っています。
「わからない」
「結依さんのことは残念で…」
「そんな言葉で片づけないで!人殺し!結依にはなりたいものもやりたいこともいっぱいあった!まだ14だったのよ?あなたじゃなくてもっと別の人に診せていたら死ななかったの?私があなたを探してきたから。なんであの子が…なんで!」
榊原の脳裏に同じ病気で亡くなった希(井田すず)の記憶がフラッシュバック。
「私もそう思っていました。これだけ医者が揃ってなんで妹を助けてくれないのか。だから万能になろうとした。でもなんの意味もなかった。」
千里は精神的に心が限界に達し、榊原を刺そうとしますが、武良井が榊原を庇いました。
「これも院内警察の仕事だよ。榊原先生のせいじゃない。映像もカルテも残っています。結依ちゃんの死は予期せぬものだったんです。」
「嘘よ…違う!」
「待ってください!これ、結依ちゃんからです!私宛だけどお母さんへの手紙です。」
川本が結依が最後に川本に書いた手紙を千里に渡しました。
「これは遺書じゃないよ。友達への手紙。院内警察の人に会えて楽しかった。退院して川本さんが真面目にやっているのチェックしにくるから。でももし万が一、私が死んだらお願いがあります。お母さんが死んだら悲しむから。お母さんは私が死ぬ話をすると悲しむから。なかなかこういう話ができなくて。手術前よりも手術後のほうが思う事がある、生きているってすごいな。お父さんとお母さんの間に生まれて来て良かった。だから伝えて。14年間、生きた私の人生を悲しむんじゃなく、褒めてほしいって。」
「もし、最初から救える命と救えない命があったなら私がしてきたことは無意味でしかない。」
「そんなことない」と川本。
「具合が悪くなると、家族や友達が助けてくれた。でもむしろ助けさせてくれてありがとうって感じ。」
その言葉にますます、妹の希を重ねる、榊原。
「頑張って頑張って生きて、色んな人に優しくて、だから、だから無意味なんかじゃないんです!」
川本は榊原を泣きながら説得。
「無意味かどうかはあんたが決める事じゃない。目の前の患者の力を見くびるな。患者の命より大事な正義があるというなら俺は容赦しない。」
ずっと患者本人と向き合い続けてきた、榊原の心に問いかける、武良井。
「結依さんのこと助けたかった。生きてほしかったです。」
千里は榊原の思いを受け取り、泣きながら頷くばかりでした。
「聞きたいことがある治験のことです。」
「これ以上はやめたほうがいい」
「探られるとまずい事があるのか。今回の治験で根治する可能性があるって倉田も言っていた。なんでそこまでして患者を集めた。どう考えても歪な力が働いているとしか思えない。」
「政府から何も言われなければ、ルール通りに進められる。我々医師は計画書通りに治療を進めます。治験に一縷の望みを託しているのは患者も医師も同じです。」
「じゃあなんで宮内さんのカルテ改ざんしたんだよ。」
「私ではありません」
「しらばくれるな!」
「1月23日」
「出張から入って来て、緊急手術をしていました。手術室の記録が残っている筈です。」
「じゃあ、宮内さんが間質性肺炎なの知らなかったのか?」
「報告は受けていない。」
「責任地権者のあなたに報告はない。じゃあ安原先生が黙っていたということか。ここで死なせるわけにはいかない。聞きたいことが山ほどある。」
その後、間もなく、榊原は安原誠の手術へ。
しかし、心電図の音が。
心室細胞に異常が起こり、電気ショックを与えようとしますが、数値が安定しません。
心停止の安原に一同は、医師達は困惑します。
榊原は安原の心臓を直接揉み始めました。
「目の前の患者の力を見くびるなよ」武良井の言葉を思い出し、優しく心臓マッサージを続ける、榊原。
アドレナリンを投与し、心臓の動きが戻りました。
手術が終わり、翌朝を迎えました。
「話ができるようになるまで時間が必要です。」
武良井に話しかける、榊原。
武良井の手には、結依の母、千里から榊原を庇った傷ができていました。
「当時多くの患者を抱える中で私の病気が発覚し、忘れていました。」
「うっかり忘れていた?患者が亡くなったのに。」
「気になる点があります。手術直前問診で、麻酔科医によると、レントゲンの問診結果には異状なしと書かれています。」と榊原。
「担当麻酔科医って?」
「葵先生だ。」
そこで、葵を呼び出す武良井と川本。
「何事ですか?」と葵(馬場ふみか)、
「葵先生に聞きたいことがあってさ。治験を受けていた宮内香織さん覚えている?」
「術前訪問で気になることありましたか?」
「なにかあったんですか?」
「宮内さんの死因が書き換えられていた。」
「榊原先生」
「履歴ではないです」
「榊原先生に罪を着せるには他人のパスワードを盗むしかない」
「短い時間で盗むのには無理があるのでは?」
榊原が数日前、パソコンを開いて確認。
「肺炎を合併していても手術は困難です。私を疑っているんですか?」
「待ってください、スケジュールを」
「今聞かなかったね。改ざんされたスケジュール」
「もうやめましょう。先日、間質性肺炎の患者が出ました。宮内さんが発症した日、榊原先生は出張で倉田先生は後日で良いって。あっという間に悪化して、宮内さんは亡くなりました。榊原先生に報告した時に。」
「助けて下さい、私を助けられるのは安原先生しかいない」
葵に黙っているように懇願されました。
「今の話は事実ですか?」
「安原先生がなにを仰っているのかわかりません」
「葵先生!」
「改ざんしたパソコンを更新したのが犯人。」
「そんなはずない、そうだよね、お姉ちゃん!」
葵の妹、日向(工藤美桜)も姉に訴えかけます。
「葵先生も改ざんしたんですね?金ですか?」
「そんなんじゃない!恋人…なんです。この治験薬の開発責任者が。うちで治験しているから日向にも秘密にしていました。」
その開発者は吾妻。
「術前訪問の時、前兆はありました。宮内さんは手術を切望していたし、吾妻さんの為に手術の実績を挙げたかった。だから…でも間質性肺炎が急性増悪し、手術中止。動転して吾妻さんに連絡したんです。そしたらカルテを修正できないかって。」
「海外治験では間質性肺炎の結果が出ていない。このままだと世界中の患者さんの希望を摘んでしまう。お願いできるのは葵しかいないんだ。」
恋人に頼まれ、宮内のカルテ改ざんに手を染めてしまった、葵。
「既に一部から継続を疑問視する声も上がっていました。効果があった宮内さんが肺炎になれば治験中止もありうる」
「宮内さんはこの治験で特別な患者だったんです。」
「利用する者は利用される」
「利用されていない!危険な薬を追求していない。この薬で多くの患者さんを救えると信じて時間稼ぎをしていただけです。」
「でも治験のことで何百億のお金が動いて、追い詰められていなかったか?そうじゃなきゃあなたにこんなことさせない。葵先生が一番この変化に気付いていたんじゃないの?」
「日向…ごめん。」
その後、武良井は葵に話しかける。
「あんたは医者の心を忘れていないんじゃないの」
「ごめんなさい!武良井さんにちゃんと謝らなければならないことがあるんです。」
その内容は、武良井の恋人、夏目美咲(入山法子)のことでした。
美咲はプラセボじゃなかった。
吾妻が、美咲の死の真相について、嘘の情報を流したことが原因でした。
「どこまで隠ぺいすれば気が済むんだよ!お役所仕事に付き合っている時間はないからな。」
病院長の武藤(山田明郷)からの圧力に屈し続けていた榊原。
そこで、武良井と組んで、真相解明に動きます。
内部告発をすることに決めました。
そこで、元患者の厚生労働大臣、岩井(ベンガル)を尋ねます。
「現在の治験について、阿栖暮総合病院の治験を中止します。内部告発があったかもしれません。」
そして、治験薬のミラゼール使用廃止が決まりました。
「ようやくこの病院に来た意味がありましたね。」
「聞いたよ治験薬の事、あんたは黙ることで守れる者が多いと思っている。でも治ちゃんはどんな真実も明らかにしたいと思っている。何が正義なんだろうね。」
尼子唯織(さとうほなみ)は榊原に、武良井の徹底した正義感を伝え、何が正義なのか問いかけるのでした。
武良井にとって長い長い闘いが終わりました。
そこへ榊原が。
「あんたが訪ねてくるなんて初めてじゃないか?何か用?」
「治験問題が明らかになった今、武良井さん、あなたが知るべきことがあります。夏目美咲さんの本当の死因について。彼女は、自殺したんです。」
院内警察10話感想・みどころ
結依の死から精神的に心が限界になってしまった、榊原の変化に心が痛みました。
結依の母、千里も、正常な心を失い、冷静さもなくして、榊原を殺そうとしますが、武良井と川本が間一髪のところで駆け付けて良かった。
結依が川本に宛てた…実際には母親に思いを伝える為に書いた手紙の内容に涙腺が緩みっぱなしでした。
なんて良い子なんだろう…生きる事への渇望と、闘病でいつどうなるか、手術の恐怖もあったのに、周りに感謝がしたいなんて…。
14年間頑張って生きてきた自分の人生を悲しむんじゃなくて褒めてほしい…。
この言葉の深みがとても身に沁みました。
お父さんとお母さんの子に生まれてきて良かったなんて、武良井や川本、榊原のように、結依にはもっと生きる人生が沢山あったはずなのにって私も思います。
葵はかつての宮内香織のカルテを恋人の出世のために改ざんしてしまった。
恋人の力になりたかったかもしれないけど、違法行為はダメですよ。
葵が自分がしたことを償い、改めてほしいですよね。
美咲の死がプラセボでないことが分かり、治験に使われていた治験薬も販売と使用が中止になり、阿栖暮総合病院に平和が戻ったと思っていました。
ところが、美咲の死は…自殺。
榊原が少しずつ医師として、患者に向き合う心を取り戻そうとしていた矢先、今度は武良井がまた、美咲のことで心を見失わないことを願いたい10話でした。