院内警察8話あらすじネタバレ
結依(梨里花)は、親しくしていた高齢患者の清宮(でんでん)の死がショックで、自身の命の行方に不安を感じていました。
榊原は他界した妹と同じHLHS(左心低形成症候群)に苦しむ、結依(梨里花)を励まそうと病院の外へ連れ出しました。
「ああ、お母さんに頼まれたんだ。いつまでたっても子供扱いだからねお母さんは。私、お母さんのために存在するんじゃないかな?私の心配をするためにお母さんが存在しているのかな。このまま死んじゃっても悲しむのはお母さんだけだし。」
「交感神経ノルアドレナリンがリンパの神経を抑制することが分かっている。病は気からって言葉はあながち間違えてない。」
「榊原先生、私を元気づけようとしている?」
「お母さんに頼まれたからじゃない。君を救える可能性を考えてここへ連れ出したんだ。」
榊原のなかでは救いたい患者である、結依を同じ病気で命を落とした、14歳の妹、希(井田すず)に重ね合わせてしまうのでした。
武良井治(桐谷健太)は、勤務中に当直室で不倫をしていた男性医師に証拠を突きつけました。
川本(長濱ねる)はその様子を目撃。
「治験に関する情報を下さい。」
その医師が阿栖暮総合病院と製薬会社の取次役だと情報を得ていた武良井。
かねてから、捜査していた治験に関する情報と不倫の証拠写真は気を交換条件にして出します。
そんな折、院内交番に救急搬送されていた患者が、行方不明になったと連絡が入りました。
曽根崎茉莉(美山加恋)という名前と特徴を聞いた川本響子(長濱ねる)は、高校の同級生のかもしれないと言い出しました。
「もしかしたら私の友だちかもしれない。人違いかな、茉莉は結構ぽっちゃりしていたはずなのに。」
病院の近くで倒れている茉莉(美山加恋)に気付いた川本。
思わず車に轢かれそうになった茉莉を抱きとめた、武良井。
川本は彼女の、自身が知っている時と、痩せ方の変化に気付きました。
「どうして茉莉が外にいるってわかったんですか?」
「摂食障害の患者が、自分が病院にいることが認識していなくて、意識障害を起こす可能性がある。ビタミンB1が不足していることが原因だ。」
茉莉を診察した総合内科医の田尻賢太郎(忍成修吾)から診断結果提供を断られた川本は、院内交番に与えられたアクセス権を利用して、カルテを検索。
すると、処方されていない食欲抑制剤、睡眠薬を大量に服用していることが判明しました。
「処方されていない薬を大量に飲む?どうやって購入したんでしょう。」
「ネットで購入ができる。反社会組織が医師と組んで、転売することもできる。」
「ひどい!そんなこと!」
「武良井くんが言っていた方法が正しいとは限らないよ。」
その頃、今井結依の容態が悪くなっていることを他の医師から指摘された榊原。
「榊原先生、自分の妹とあの子を重ねている。あの子を救えれば妹を救えなかった無念が晴らせる。そう思っているんじゃないの?だとしたら同じ言葉を返してやるよ。あんたも過去に捉われている。」
武良井は榊原を呼び止め、自分と同じ過去に捉われていることを伝えました。
川本は意識を取り戻した茉莉を心配します。
「響子、私、前より綺麗になったでしょ。」
「でもそこまでして手に入れてしまったなら、それは悲しいな。良かったらこれどう?食べやすそうなものを買ってきた。」
プリンを見せる、響子。
「ずっと細い響子にはわからない!久々に会っただけで余計な心配しないで。」
同じ頃、院内交番室長の横堀仁一(市村正親)は田尻が生活保護者に睡眠薬ばかり処方していることを知りました。
「勿論これだけで田尻先生が犯罪に加担していることと思えない。生活保護の患者を熱心に診ていることは褒められる。」
武良井に相談を持ち掛ける川本。
「この件は私が一人で調べます。身近で茉莉のように苦しんでいる人がいたら許せませんから。」
川本は、医師の伊藤(西村元貴)と、看護師の日向(馬場ふみか)に聞き込みます。
「あの人、ケチらしいよ。羽鳥先生っていう人が部下で、羽鳥先生が患者に刺されたことがある。患者さんが生活保護受給者で羽鳥先生が薬を出さなかったことで怒ったみたい。」
川本は、ついに田尻が男から金銭を受け取っている現場を目の当たりにしました。
「羽鳥先生と同じように生活保護受給者に違法に薬を販売していますよね。」
「あまりこの件に関わらないほうがいいですよ。痛い目に遭いますよ。」
田尻のことを全面的に疑う、川本。
榊原は、結依に手術を早めないと危険だと忠告。
「本来、お母さんに伝えるべき内容を、君に先に伝えた。そのほうが良いと思ったから。君とお母さんは別々の人間だ。君がもし子供じゃないというなら、そのことをわかってほしい。」
武良井は、川本から不満を訴えられました。
「私も院内交番の一員です。何か協力させてください!」
「俺に任せろ。川本さんは危険が過ぎる。」
「もういつもそればかりじゃないですか!私にも何かさせてください。」
「わかったよ。」
しかし、武良井は単独で動き出します。
そんな彼を気に掛ける、横堀(市村正親)。
「川本さんを出し抜いて。榊原先生のことと言い、ちょっと武良井くん、突っ走りすぎて自分を見失っていないか心配だよ。」
「横堀さん、俺、元刑事ですよ。一人で大丈夫ですって。」
その頃、一人店で飲んでいた田尻は、羽鳥と久々に会っていました。
「あの、田尻先生が部長に咎められているところを見ました。黙って薬を渡す医師にはなりたくなくて。僕がやりすぎなんじゃないでしょうか。」
羽鳥が刺されたあの日のことを思い出す、田尻。
武良井は町で聞き込みをし、その男、木村と接触。
「なんで俺を探しているの?」
「わたくし、阿栖暮総合病院のスタッフでして…田尻さんがあなたにお金をもらっているところを見ました。」
「ああ、あれは、田尻先生に以前、診ていただいたことがありまして、手紙を渡そうと思って。」
「強請るつもりか?」
「ただ私も一枚かませていただきたいかなと。阿栖暮の給料ではやっていけなくて。」
「田尻先生にはどのくらい渡していますか?」
「月に2回30万づつ。お前、仲間のふりしているな?」
「ばれちゃったか。」
スマホで会話のやり取りを録音していた、武良井。
しかし、武良井は、駆け付けた木村の仲間たちによって、鉄パイプで殴られてしまいました。
スマホも破壊されます。
居酒屋にいた、田尻は、武良井の状況を木村のビデオカメラ付きの電話で知りました。
「田尻先生、この人知っている?」
「ええ、阿栖暮総合病院の関係者です。」
武良井を殴りつける木村。
「お前、どうやって睡眠薬や処方箋を売り飛ばした?数えきれないほどの処方箋を田尻に書いてもらった。」
「お前みたいな奴のせいで…!」
歯向かう武良井を仲間に殴らせる木村。
その後、木村と人気のない駐車場で田尻と接触。
「病院スタッフには手を出さない約束ですよね?あなたが羽鳥先生のことも仕向けたんですか?」
「ご想像にお任せします。」
木村は仲間に、木村を殴らせようとします。
そこへ、横堀と武良井がバイクに乗って駆け付けました。
横堀は力の強さで木村達の仲間を倒しました。
「横堀さん…」
「今どき凄いですね。川本さんがなくしたイヤホン型のGPS。」
そして、木村との会話を別の機材に実は録音していた、武良井。
「羽鳥先生が襲われた事件、貴方が原因だと思っていました。考えたらあべこべでした。羽鳥先生が辞めてからあなたは木村と手を組んだ。あなたはPTSDや薬物支援施設に寄付をしていますね。あなたがしたことは許されるべきことではない。でも何かあったんでしょう。羽鳥先生が刺されたことで責任を感じたあなたは、今いる若い医師達を守りたいと思ったのでは?」
羽鳥の心の核心につくように声を掛ける、横堀。
若手を飲み会に誘うなど、不器用にも歩み寄ろうとしていました。
学校の体育の授業に出れなくて寂しい思いをしていた羽鳥は、田尻に少し似ていたのでした。
田尻は「医者は薬を渡すだけ」と思う睡眠薬を欲する女性患者に寄り添おうとしました。
「眠れない原因を教えてください。」
「医者って薬を出すだけでしょ。」
「何か原因が起こらなければ薬は処方できません。」
「もういいです、他の医者を当たります。」
「阿栖暮の田尻はすぐに薬を出してくれるって。他の医師に言ってみてください。」
その後、木村と関わったことで、田尻は逮捕されていきました。
木村も警察へ連行されていきます。
院内交番に戻った、武良井。
「川本さんにお礼を言いましょう、上司としての命令です。」
「川本さんのおかげで助かりましたよ。ありがとう。これからはもっと素直になって頼ろうと思います。」
「お願いします。」
羽鳥は病院に復帰。
「いいんじゃないですか、今のままで。私が失ったものを君は持っている。私は君の真っ直ぐさを尊敬している。」
羽鳥はあの日、田尻と飲んだ時に彼の優しさに触れたことを思い出しました。
翌日。
「退院できて良かった。」
「先生にも言われたんだ。自分を許すことが大事だって。心療内科にも行ってみようと思う。」
「私にできることがあったら言ってね。」
「ありがとう。」
茉莉の退院を願い、一歩を踏み出す、川本。
結依は榊原のおかげで笑顔を取り戻せるようになりました。
榊原は屋上で結依の手術を成功させるべく、シュミレーションしていました。
その頃、武良井は彼の亡き恋人、美咲の件について重要書類が届いたことを川本と横堀に知らせました。
「川本さん、横堀さん、本当に俺の事情に巻き込んで良いんだな?」
「ええ。」
「まさか…プラセボ。美咲さんの死は治験と無関係…」
美咲の死の要因が別にあることを確信した、武良井、川本、横堀なのでした。
院内警察8話感想・みどころ
拒食症で倒れて搬送された、川本の親友、茉莉。
茉莉のように、食べられない事で苦しむ人にとっては、病識がない川本からもらったプリンは傷つきますよ。
摂食障害って食べる事そのものに罪悪感を持っていたり、ガムなど小さなお菓子を口にするのも食べることに時間がかかったり、抵抗感がある等聞いたことがあります。
茉莉は最終的には川本のおかげで、自分に向き合うことができて良かったです。
今回のエピソードは、反社会組織と繋がりながら、薬を生活保護者に向けて違法販売している事実。
しかし、田尻の根本には、羽鳥のように、若き校は良いしが、自分を同じ方向に進んでしまうことを防ぎたい思いも感じられましたね。
田尻は逮捕されてしまったけれど、PTSD治療や薬物施設の支援金を集める目的で木村と関わってしまった…。
「お金がほしかったんだ。」
その言葉の深みが画面越しから伝わりました。
田尻の優しさに、医師としての自信を取り戻した羽鳥が、復職した背中は応援したくなりましたね。
榊原は相変わらず、亡き妹、希と同じ歳で同じ病気の、結依の背中と面影を重ね合わせていて、胸が詰まりました。
もういいよというくらい、榊原の心の中には、武良井が美咲を思うのと同じくらい、希がずっと「まだ生きている」のでしょう。
そしてラストは、美咲の死の真相は治験ではなかったことです。
プラセボ…。
臨床試験で使われる薬と似たようなものが原因でした。
ずっと、治験の責任者である、榊原を疑り続けていた武良井の感覚を全てひっくり返す今後が楽しみですね。