院内警察5話あらすじネタバレ
2019年8月。
就活生にしつこくバーで絡む男たちを注意しようとしていた、武良井。
「あの、嫌がっていますよね!」
真っ先に声を上げたのが、恋人の美咲(入山法子)でした。
2人は既に知人になっていました。
「ハンドクリーム、手が荒れる仕事をしているのかな?足はペディキュアしていないし。それからかなりの早食いクセ。急に駆け付けなきゃいけない仕事…つまり、看護師さんかなって思って。」
美咲の職業を、刑事の勘から観察し、参らせた、武良井。
美咲は逆に、「採血しやすそうな血管。私好みです。」と、微笑みました。
2023年4月…。
美咲は目に涙を潤ませ、武良井の帰宅を待っていました。
「ごめん、美咲、病院いっしょに行けなくて。で、病院の先生なんだって?」
「胃癌だって。ステージⅣ。緩和ケアしなきゃいけなくて、治療は難しいから痛みを和らげながら…」
「ごめん、意味分かるよ。」
「医療従事者にはよくあることだよ。でも自分がそうなるとはね…」
ショックで涙をこらえきれない、美咲。
「まだ何か手はあるよ。俺もそうだよ。美咲もそうだろ?」
「治ならそういうんじゃないかと思った。」
「他の病院でも同じように言われました、それを承知でここに来たんです…!」
美咲を治せる病院がないか手あたり次第に当たっていた、武良井。
しかし、仕事の多忙さもあり、彼の日常はハードでした。
尾関ゆうやという男を逮捕。
しかし、美咲のことで頭がいっぱいの彼は仕事中、憎々し気な瞳で、尾関を睨み、手錠を掛けられませんでした。
先輩刑事の城川は武良井の状況を分かっていて、察知します。
「武良井…お前しばらく頭冷やせ。」
治ることがない恋人の美咲を気に掛けて、見舞いに来る武良井。
ふと、美咲は一つの希望を胸に、治験で新薬を試したいと武良井に申し出ました。
「私の症状と似ているんだ。治験で新薬が開発されるみたい。」
「やってみる価値があるならやってみようよ!俺にできることなんでもするよ!」
2024年。
阿栖暮総合病院の院内刑事、武良井治(桐谷健太)は、医療安全管理委員会に乗り込みました。
「あの日、なにがあったかお話しします。」
「ご協力有難う御座います。あの日何があったかはっきりさせましょう。」
半年前にこの病院で亡くなったこの病院で亡くなったコメンテーター、乾井卓(中山克己)に関して、医療ミスがあったのではないかと問いかけました。
武良井の死と同時に辞表を提出して病院を辞めた循環器内科の専攻医、前川大樹(近藤頌利)を呼び寄せました。
そこで、前川は乾井の死因は肺感染でしたが、乾井の妻、公子(酒井麻吏)には心筋梗塞だったと説明するよう、指導医である上司、高木学(山崎樹範)から命じられたと証言します。
そうした発言を受け、乾井の執刀した榊原俊介(瀬戸康史)は何があったのかすべてを話すと、武良井たちに告げました。
前川は乾井が大腿骨頭置換術を受けた後に胸の苦しみを訴えたことを受けました。
そこで、インフォームドコンセントを行い、君子に心筋梗塞の可能性が強く、カテーテル検査が必要であること、しかし、致死的な不整脈や脳梗塞など合併症の可能性があることを説明しました。
「乾井さんが倒れた後、インフォームドコンセントを奥様の君子様に行いました。」
看護師の日野に説明していた、前川。
「バイタルは落ち着いていたものの、肺塞栓がないから、様子見ね?俺、学会あるから忙しいんだよ。」
高木の無責任な対応に、呆れる前川。
「血液検査に異常はないし、右心に問題がある。カテーテルを使ったほうがいいと判断したんです。」
そこで前川は榊原に事情を伝えて初見を求めました。
すると榊原は、「実際に患者に触れ、真摯に診た前川先生の見解が最も信頼に足る」と返しました。そんななか、乾井が再び、苦しめ始めていました。
「今、榊原って言った?なんで榊原に相談してんだよ?」
高木の指示を無視して検査を始めようとしていた前川。
「前川!僕は君の指導医!君の指導医は俺だよ!」
一刻も争う空気ですが、榊原が登場。
「あなたもしっかり患者を診たらどうですか?肺塞栓でも矛盾がない乾井さんの症状。造影剤を使ってCT検査をするべきでしょう。」
「外科医のくせに口出すな。俺の患者だから、お前はいらない!口出しするな!Dダイマーだって陰性だったんだよ!前川、カテ室に今すぐ患者を連れて来て!患者のバイタルを落ち着かせてからな。」
榊原にも、前川にも命令する高木。
乾井を造影剤CTを撮る以前に、手術をすると、Dダイマーが陰性に。
そして、手術中に、乾井が亡くなりました。
「これで全部?」と、武良井。
「はい。高木先生が心カテを入れることを中断し、高木先生のDタイマーの陰性を信じていました。本当なら遺族に説明すべきでした。それでも、心筋梗塞だと説明をするように言ったのは、榊原先生ですよね?遺族に嘘をついて…なんでそんな平然としていられるんですか?」
前川は今度は榊原に話を振りました。
「まるでこれじゃ俺が指示した医療ミスで患者が亡くなった言い方じゃないか!」
「患者はテレビコメンテーター有名人です。」
「スキャンダルになることを恐れたんですか?」
「患者に事実を言って…その事実を知ってつらい思いをするのはご遺族です。全ては病院の為です。」
「病院のため…?」
武良井は、末期がんで闘病し、この病院で亡くなった美咲の事を思い、怒りがこみ上げてきました。
美咲はつらい闘病生活のなか、武良井の存在だけが支えでした。
仕事の合間をぬって、毎日、見舞いに行き、美咲の好きな花を飾っていた、武良井。
どんなスマートフォンの着信も欠かさず、受け取りました。
しかし、美咲の母、百合子から夜中に容態が急変し、間質性肺炎を発症したことを聞かされました。
「美咲の最期になんでもすると言ったのに何もできませんでした。」
「充分よ…充分!そんな事、言っちゃダメ」
「済みません、お母さんにそんなこと言わせてしまって。」
「武良井さんに渡したいものがあるの。美咲の日記です。これを読めばあなたがつらい思いをすると思ったんだけど、やっぱりあなたが持っていた方が良いと思って…今後どうするかはお任せします。」
美咲の日記を葬儀後にもらった武良井。
打ちひしがれていると、治験の話をしている男性2人の声を聞きました。
「おい、今の話って…治験って…ほかでも間質性肺炎で亡くなった人いるのか?」
「僕ら、上司のお見舞いに行こうと思っていて…」
そこで、室長の横堀(市川正親)に声を掛けられました。
現在。
「心筋梗塞で亡くなった可能性が乾井さんには否めない」
「可能性ね。俺にはもうちょっと聞きたいことがあってね。なんで榊原先生が執刀したの?俺には他になにか隠したいことがあると思うんだけどな。」
そこへ医療安全管理委員会の関係者、武藤が榊原を拘束する武良井に反論。
「随分、乱暴なことをしますね。」
「臭いものに蓋をすることを守ると呼んでしまうんだ。野口さんごめんね、お待たせして。」
「いいよいいよ、武良井さん。」
今回の事件の協力者として、大腸がんの手術をした、元患者の野口が安全管理委員会の席に座っていました。
「心筋梗塞にしたのは、明るみにしたくないことがあったからだ。…医療過誤。ここまで話していた判断ミスじゃない、大きな医療過誤が隠されていたんだ。こちらの野口さん、大腸がんの手術で入院中だった。外科の病棟に空きがなくて整形外科に入院。腹痛と右足の痛みで緊急採血。採血上の問題は野口さんになかった。凝固検査…Dダイマーだけは違った。10.8という陽性の数値が出ていて何の処置もされていない。陰性のはずが急に陽性になって緊急手術中に亡くなった患者…乾井さん。検体の取り違えがあった。」
「取り違え?そんなことが?」
「どうです?全くの的外れなら反論を聞きたい。」
「ふ…わかった。誤解で騒ぎが起きたら困るからね。検体取り違えミスがあったと思い。捜査した。可能性は否定できないが断定もできない。」
「その結果に満足したんですか? 」
「続行中ですよ。」
「続行中ね?それならこそこそ隠さずに最初から説明すればよかったんだろうが!なんてね、じゃあ続行中の結果、一枚噛ませてください。院長と同レベルのアクセス権限を俺に与えてほしい。俺に外部に何も言われたくないんで。阿栖暮総合病院をクリーンな病院に変えていきましょうよ。」
「わかった。それじゃあ、前川先生を病院に戻してください。でも紹介状の内容が充実していたと思えないけどな。」
「お前になにがわかる」
「循環器内科医として、患者を救いたいんですよね?高木先生からいじめられないように見張ってやるよ。前川先生は患者にただひたすら向き合っていただけです。」
「なっ…!」と高木。
「もう一度…ここで働かせてください!」
前川のピンチを救った、武良井。
その後、川本(長濱ねる)と共に事態が落ち着いてほっとします。
「まさかあのたぬきたちの可能性は否定できないを信じている?素直で良い子だな、川本さんは。」
美咲の日記を美咲の母から渡された過去を思い出す、武良井。
「今日は調子が良くて、治と一緒に中庭に出られた。あの日、一歩、踏み出して勇気が出た時、治と出会えてよかった。あの日から治と一緒に生きている。これからもずっと信じたい。昼ご飯食べられた。立てる気がしない…私がどうしてこんな目に遭わなければならないの?一秒でも長く治と一緒にいたいのに。治験薬のせいで呼吸が苦しい、治にやめようと相談しようと思ったけど、これは私達に残された唯一の希望だから。結婚して治を幸せにしたいと思っていたのに、守れなかった…ごめんね。治は生きて。」
その後、川本は、院内警察室長、横堀に言いました。
「武良井さん、もっと何があったか話してくれたらいいのに。」
「武良井さんはこの病院で恋人を亡くしているんです。病院のシステムに悪戦権限を得て、他の患者も治験で間質性肺炎になった人達の真相を暴こうとしています。今、この病院で行われている。そして武良井くんは恋人の死に榊原先生が関係していると睨んでいる。」
「結局は上層部の言いなりですか、患者の命は二の次」
上層部たち、とくに武藤は、「武良井…邪魔だな。」と呟き、武良井を目の敵にします。
「あなたにどう思われようとかまいませんよ。」
「患者の命より大事な正義があると言い張るなら俺は容赦しない。」
榊原と武良井は真っ向から対立していました。
院内警察5話感想・みどころ
悲しすぎますよ。
保身と病院のイメージアップのために、患者の命に関して無慈悲な行為を繰り返す医師の残酷さ。
榊原の冷酷さ、高木の卑劣さ、病院上層部たちも、武良井や、善良な医師、前川を邪魔者扱いする状況。
患者の命に心から向き合おうとしている前川が、武良井の活躍によって、阿栖暮総合病院で再び、働けるようになって本当に良かったです。
また、前川が高木や医療安全管理委員会の上層部に歯向かい続け、真っ向から患者の命と向き合う姿勢に感動しました。
今回は、武良井の恋人、美咲との過去にもフォーカスが当たっていましたね。
「あの日の真実」であり、武良井のトラウマの部分…。
これからの幸せが待っている時に、ステージⅣの胃癌ってなんで…なんで病気は彼女を選ぶのでしょうか。
それだけにとどまらず、武良井と美咲が最後の望みを託した、新薬の抗がん剤の治験が原因で、間質性肺炎を起こすなんて、酷すぎますよ。
しかも、榊原がその治験を取り仕切る担当って、やりきれません。
高木共々、榊原は阿栖暮総合病院から去ってほしいし、二度と医療に従事しないでほしいと思いました。
最後に、美咲が書いた武良井への日記は、武良井の気持ちに共感し、涙で視界が見えなくなりました。
癌の進行と、治験薬の悪影響で、美咲の字が乱れていて、ギュッと胸が詰まりました。
武良井に最後まで愛されていた美咲が報われ、医療界で大切な人を奪われた憎しみが、武良井から消えていくことを願いたい5話でした。