家政婦のミタゾノ1話ネタバレ
「素敵な思い出は人生の宝物。夫とフランスコートダジュールの思い出を振り返りました」
そう文章をワープロに打つのは、ウェブライターの、田中令子(中山美穂)。
「令子、令子、靴下、穴開いた」
「ついこの間おろしたばかりじゃない」
「もういい途中で買うから!」
現実の夫は理想的ではありません。
依頼を受け、ウェブライターの田中令子(中山美穂)の家を訪れた村田光(伊野尾慧)と新人家政婦の大門桜(久保田琳加)。
「こんにちは。結家政婦紹介所から参りました、村田光と大門桜と申します」
「だってしょうがないでしょ。あなた仕事ばかりだし、令子さんは家でパソコンばかりだし。たかし、あなたもよ。あなたのお父さんは昔優しかったのよ?たかし、人の話を聞きなさい!話はまだ終わってない」
「ウェブライターの仕事が立て込んでいて」
「そんな仕事…」
「困ったわねぇ、家政婦さんっていうから女性だと思ったらこんな若い殿方に」
「僕35歳なんです」
若く見える、光の実年齢を知って驚く、田中家。
「ええー!」
「やめてくださいよ、私みたいなおばさんがこんな若い子と」
実は家政婦を依頼したのは、令子の夫、タカシ(ミスターちん)の母、和代(松金よね子)で仕事にかまけて家のことを何もしない令子に苦言する為でした。
「キャー!」
17歳の長女、すみれは彼氏がいつのまにかできていて、結婚願望がありました。
突然のことに令子が戸惑っていた頃、庭の凍結した水柱から水が噴き出しました。
一同、収捨に追われるなか、シャンパンボトルを持って、颯爽と現れた三田園薫(松岡昌宏)を見た令子はまたも戸惑いを隠せません。
「ほぼ10周年の家政夫のミタゾノです。」
「なかなかやるわね」
「痛み入ります。これはあくまで応急処置です」
「丸いフラストにエタノールを使って、エタノールは凍結成分が低いから氷を解かすのには効果的です」
三田園はフラストにエタノールを入れ、それを凍ったすみれの自転車に吹きかけ、解凍しました。
「今日ご飯は?」
「彼と食べてくる」
「彼氏?お母さん聞いてないわよ!」
「なんでいちいち言わなきゃいけないの?」
「あなたまだ17歳なのよ!」
「いつの時代よ、真剣だよ、私は本当に好きな人と結婚したいの。私、パパとママみたいになりたくない。」
すみれは、令子に反抗的です。
そこへ、水道処理会社「エイトプリンス」の代表、八王子健太郎(吉田栄作)。
水が再び吹き出し、八王子が令子の上に覆いかぶさるように噴水から庇いました。
中学の同級生でもある八王子との思いがけない再会に密かに心躍らせる、令子。
令子にとって八王子は忘れられない初恋の相手でした。
「へぇ八王子くん、水道局なんだ」
「おかげさまで。令ちゃんこそ昔のままだな」
「挙動不審まるで職質された犯罪者ね」と、桜。
令子はブログのなかでは充実した日々を送るライターのふりをして、ファンとSNSでやりとりしていました。
「今日はレモンティーにハチミツを入れてハーブティーにしたい」
そのメッセージをファンに送ったつもりが、なんと相手は最初から三田園でした。
「旦那様と世界各国を旅していらっしゃるのですね。こちらの画像の男性は?」
「イメージよイメージ」
「これからも旦那と旅行に行くわ」
「それは思い出ではなく、妄想…もうそうということにしておきます」
「このこと誰にも言わないでよ?」
そんな様子を見た和代は玲子を監視するように光と桜に銘じます。
「続けなさい!あの女を監視することがあなた達の任務です。たかしがいるのに、死んだ主人に顔向けできません。絶対に阻止しなければ」
ミタゾノは修理の領収書を八王子に渡しました。
「また修理が必要ならいつでもご連絡下さい。これ僕の電話番号です。では僕はこれで…同窓会があるとお伝えください」
「同窓会があるの?」
「ええ、今度の日曜日に」
そんななか、週末に同窓会が開かれることが分かります。
八王子はミタゾノと和代に、同窓会のお知らせを渡しました。
ミタゾノは、ふと、令子が過去に八王子に書いたラブレターを見つけました。
「ちょっと何やってるの!それはダメ!返して!」
「ひらひらひらハラハラハラ」
ミタゾノは意地悪をして、令子の手紙を取り上げました。
その日の夕食は、光が作ったハンバーグです。
「今日のハンバーグ美味しいわね」
「痛み入ります、国産で」
「本当はあなたが作らなきゃだめよ。主人がハンバーグが大好きで…あなた達もいい夫婦でいなくちゃだめよ」
いちいち嫌味ったらしい姑の和代に、複雑な思いを抱く、令子。
間もなく、長女のすみれが彼氏との食事から帰宅。
「ただいまー」
「ご飯は?」
「彼氏と食べてくるからいいって」
「今日ママの中学の時の同級生が水道局の人だったのよ。今は社長さんなんだって。腕もお良くてすぐ直してくれた」
「ママ、もしかしてその人のこと気に入った?」
「どうして?」
「だって嬉しそう。ママがそんなふうに話すの珍しいし」
「すみれ変なこと聞くのやめなさい。パパがどんな顔するか」
横から口を挟む、和代。
「いますよここに。」
自分の存在感の薄さに、嘆き、家族の会話を聞いていた、令子の夫、たかし。
「済みませんすぐお食事準備します。」
「いいんだ、いつものことですから」
夕食の後、たかしと令子は、会話から、夫婦のすれ違いを感じてしまいました。
「さっきの話し、すみれが言っただけだから。いいわもう。この年で今更興味なんてないわよね」
「お互い様だろ。こっちだって俺に興味ないくせに。この年でじゃないよ、最初から君は俺に興味なかった」
「なにそれどういう意味?」
八王子への想いと葛藤する令子。
その頃、結家政婦紹介所に戻った、ミタゾノや大門、光たち。
「八王子くんプールサイドであなたにキスを奪われてから」
「きゃー!」
「ああもう五月蠅い」
「掃除していた時に手が滑っていました」
「相変わらず悪趣味ね」
結家政婦紹介所の所長、結頼子(余貴美子)は三田園の性格を知り尽くしています。
「奥様は渡せずにずっと大切に持っていたんですね」
令子と八王子の純愛に、胸がいっぱいになる、光。
そんな家政婦紹介所の面々に、桜は刑事の父と科捜研の母譲りの能力を発揮しました。
「八王子さんは中学の同級生で、しかも奥様にファーストキスを捧げた人物だった。以上の動機から田中令子が八王子健太郎に接触を試みる可能性は十分にあると考えられます」
桜はホワイトボードに捜査会議のように田島家の今後をミタゾノ含めた家政婦達に説明しました。
「まるで、捜査会議」
「父は捜査一課長で母は科捜研です」
「テレ朝にもコネ入社できそう」
翌日。
令子はカフェで、同級生と再会。
「同窓会行くの?令子もくれば?八王子くんいるよ」
「もう会ったの。偶然の再会で同い年とは思えなくて」
「わたしは止めないよ道ならずの恋」
「やめてよ私には夫も娘もいる」
「この年になれば訳ありよ。令子が今幸せならそれでいいけど、もしそうじゃないなら昔の思い出を取り戻してみたら?八王子君人気だったから同窓会で誰かが言い寄って来ても、おかしくないわね」
「ただいま」
「お帰りなさい。私、美容室行ってくる。植木屋さんを頼んだから、あなた家でお留守番してくれる?」
「あの、私、用事が、別の日にしてもらえませんか?」
「じゃあ行ってくるわ」
和代は同窓会に行かせまいと玲子に理不尽な留守番を押し付けます。
ミタゾノは間もなく、八王子を呼びました。
「事件が起こらなければ起こせばいい」
「手紙返してよ」
三田園は、令子の髪をほどき、綺麗にします。
「令ちゃん、今日は一段と綺麗だよ」
「もう修理終わったよ。また何かあったらいつでも来て?」
「あの良かったらお茶でも」
「いいの?」
「三田園さんお願いできる?」
「こちら微発砲のワインで御座います」
「いいなぁ令ちゃんにはこんな素敵な家があって。両親が死んで家族いないから羨ましいよ」
「八王子くんの方が羨ましいわ。自由で暮らせて羨ましい。夫は私に興味ないし、娘は何を言ってもうざがるし、義母は嫌味言うし、すっかりおばさんになっちゃって、こんなはずじゃなかったんだけどな、あの頃が懐かしい」
「令ちゃんはおばさんなんかじゃない。ねぇ令ちゃん、俺に令ちゃんの面倒見させてくれないか?俺の家族になってください」
「からかわないでよ」
「俺は本気だよ。令ちゃんと沢山の思い出を作りたい」
「ただいま」
和代が帰宅し、慌てて、カーテンに隠れる、八王子。
「こんな天気の良い日にカーテン閉めるなんてもったいない」
「あら奥様、眼鏡が汚れていますわよ、ふきふき」
三田園は、和代が眼鏡がないと何も見えないことを利用し、眼鏡をわざと外しました。
「あらぁ私眼鏡がないと何も見えないのよ」
その隙に、令子は八王子を玄関へ連れて行きました。
「ごめんね追い出すようなことして」
「いいんだ、さっきのこと同窓会でみんなの前で発表するから考えておいて」
「いよいよXデーか」
「娘さんもいるしいくら影の薄い人でも家族の為にコツコツ働いている人が可哀想」
「八王子様のデスクからこんなものが」
なんと三田園は八王子の私物からキャバクラの名刺を発見。
「どこが真面目でコツコツなのよ」
「よし、被害者の無念を晴らすためにも必ずホシを挙げ…!」
桜は某有名ドラマのセリフを言い放ち、令子の夫を尾行。
案の定、キャバクラに行っていました。
「なんなのこれ…キャバクラ中学校?」
令子の夫がキャバクラ通いしていることを光も知っていました。
そんななか、八王子の件で脅迫状が、令子の元に届きました。
「なにこれどういうこと?八王子君人気あったから同級生の誰かの仕業かも」
「早くしないと乗り遅れてしまいますよ。八王子行きのバスに!」
三田園は、養成テープと洗剤を使って、令子の服を手直ししておきました。
そして、三田園が背中を押してくれたことで、同窓会へ行く、令子。
「八王子くん!」
「令ちゃん!」
なんと、三田園は令子にセーラー服を着るように言って、そのまま令子は同窓会へ向かいました。
自転車や自動車が凍結したらエタノールで開頭、白カビの応急処置には養生テープを使用。
「ちょっと待った!あなたこそ留守番頼んだのになにしているの?」
「ごめんなさい、私、八王子くんと…」
「ちょっと待ったー!お前どうしたんだ?その服」
夫と和代が同窓会へ駆け込んで来ました。
「これってどういう状況?」
まさかの展開に状況が読み込めない、桜と光り。
「おい、タイムカプセルあったぞ」同級生の一人がタイムカプセルを発掘。
令子の同級生たちが、タイムカプセルのリンク先である、二次元コードでアクセスすると、麗子に脅迫状を送る和代の姿が映りました。
「脅迫状、お義母様の仕業だったのね!」
なんと、和代は八王子に恋心を寄せていました。
「え?!亡くなった旦那様一筋だったんじゃ!」と桜。
「うるさいわね!亡くなった夫の思い出なんかいくらあったって満たされない。それより近くの殿方の手を握っていたほうが、言いに決まってるじゃない!若いのが良いに決まってるじゃない」
「まさか脅迫状なんて」
「あなただってハッチに色目使っているくせに」
この状況に怒り心頭の、令子の夫、たかし。
「まさかお前…!」
「あなたに言われたくないわよ、キャバクラで女遊びしているくせに!」
「はぁ?!俺はそんなことしてない!」
週5で通っているキャバクラチュー学校ってなによ?」
また同級生が別のタイムカプセルを見つけました。
それは「キャバクラチュー学校シニアボーイ、たかし」と書かれた、たかしの名刺が。
「キャバクラチュー学校シニアボーイタカシ?」
「リストラされた俺をこの店が拾ってくれたんだ」
「そんな大事なことどうして隠してたのよ。この嘘つき!」
「お前だって嘘をついているじゃないか!あれ!」
「え?なんで?」
「俺が知らないと思っているのか?誰だよあの男!夫婦でフランスに行ったことないじゃないか!この大ウソつき」
「こんなことをするために家事をおそろかにしていたなんて、それでも田中家の嫁ですか?恥を知りなさい」
「ううう…うるせぇんだよ!このくそばばぁ!あなたは仕事ばっかりで私のことなんか全然興味ないし、お母さんは口を開けば嫌味ばっかり。すみれは何を考えているか分からないし、ああもういや!私、これからは八王子くんと新しい人生を歩むことにしたから。私、八王子君と家族になる。」
「ありがとう、すごく嬉しいよ、お母さん!」
八王子の言葉に驚愕しますが、なんと、すみれの彼氏は八王子でした。
「お母さんが結婚を認めてくれたよ、良かった、すーたん」
「やったぁママありがとう。」」
「あなた言ったわよね、家族を守りたいって」
「ああその言葉に嘘はない。お母さんを大事にします」
「はぁー!?」
「どうせ普通に紹介しても反対されるから、まずは彼の良さを知ってもらおうと思ってね」とすみれ。
「そういう意味か」
「たしかに嘘はついていないですね」
「じゃあ庭の水道を壊した犯人は」
「ごめん、私。私が呼んだ。ママの同級生だって知らなかったんだ。でも許してもらえて良かったね、ハッチ」
「俺も令ちゃんと再会した時は驚いたよ。そうだね、すーたん」
なんと、すみれの彼氏は、八王子だったのです。
「許さない」
「そんなこと許しません」
「気が変わったのよ」
「なんで…おばあちゃんまで、さっき許してくれたじゃん。なんでそうなるのよ」
「八王子くんは私がファーストキスをした相手なのよ」
「ごめん、全然覚えてないよ」
「あんなに眩しい思い出忘れたの?!」
「あれ、おい、またタイムカプセルがある。人命救助の表彰状だ、田中たかし…」
「田中たかし?あなた!なんであなたの名前がタイムカプセルに」
「でもあってもおかしくないんじゃないか。俺はクラスメートだから」
「嘘でしょ!知らないわよ、あなたなんか」
「普通気付くだろ!20年間も夫婦でいたのに」
ただでさえ、混乱ななか、麗子の夫、田中たかしも玲子と同級生でした。
そこで、三田園はたかしが元バスケ部で、昔から影が薄かったことを伝えました。
「まさか、プールで溺れかけていた人を助けたのって」
「やめて、、言わないで!聞きたくない!」
「あの時、溺れていた君を助けたのは…俺だー!」
「わあー!やめて…誰…あなた達誰なの?来ないで!私は令子13歳…。これからこの学校で沢山思い出を作るの!君の行く道は果てしなく遠い…」
「ママ、どうしたの?」
令子は混乱から突拍子もない発言をしますが、同級生たちは玲子の歌う歌を懐かしみ、誰も責めませんでした。
帰宅後、令子は自分の田中家での立場が悪くなり、家を出て行こうか考えました。
「まず」
「それは私が家に来た時のシャンパンなので、気が抜けております」
「今の私に丁度いい、すっかり使い物にならなくなった」
「先程、大奥様からご依頼終了の御申しつけが来ましたので。こちら…今回の請求書で御座います。」
「ご苦労様、私ももうこの家にいられないわね。あの人の言うとおりね、夫が同級生だったのに、20年一緒にいて私よく気が付かなかったな、美しい思い出に縋って現実を見ようとしてこなかった。自分の都合のいいように書き換えられたただの思い込みだったなんて。バカだったな、なんだったの私の50年。もう取り返しがつかない、思い出したくもない」
「気の抜けた役に立たないシャンパンと半量の塩を入れて、チーズやお刺身てんぷらにぴったりのシャンパン塩の出来上がり。ぜひ一度お試しください」
「だから?」
「別にただそれだけで御座います。では失礼致します」
「しょっぱ、でも美味しい」
令子は三田園が作ってくれた塩を舐め、彼女のなかで何かが変わりました。
その後、令子は離婚し、八王子はなんと、和代と結婚しました。
「一人身最高」
「今の方がずっと幸せそうですね」
「結婚したらしいですよ」
「あんな若い子と?」
八王子の婚約相手が、田中令子の高校生の娘、すみれだと心配する、一同。
光が八王子の近況を結家政婦紹介所のみんなに見せました。
八王子は、和代と結婚しました。
「そういえば来年、ここの10周年のお祝いってやるんですか?」
「やるわけないでしょたかが10年くらいで。50周年になったらやりましょう」
「ってことはあと」
「40年後」
「それまでできます?家政婦」
三田園は40年後、令子とたかしに仕えている様子を想像するのでした。
「失礼します、このシャンパンとっても美味しいわ」
令子はたかしと老夫婦となり、三田園特製のシャンパンを嗜んでいました。
家政夫のミタゾノ1話感想・みどころ
10周年の家政夫のミタゾノ、2025年も快進撃は止まりません!
ミタゾノの、家庭の秘密に待ち針を刺すようなピリリとしたブラックユーモアが爽快です。
今回は、(故)中山美穂さんが登場し、寂しさと共に、中山さんに感謝を示す初回放送でしたね。
家族をあまり顧みない夫と、ウェブライターとしてリアルに充実した生活を取り繕う、妻、まだまだ生意気盛りな高校生の娘、厳格に世間体を重んじる義母。
しかし、その義母である和代が、まさか八王子にお熱で、令子に嫌がらせをしていたなんて…。
おまけに、八王子は令子の高校生の一人娘、すみれの彼氏ってめちゃくちゃですよ。
すみれと八王子が児童婚しなくて本当に良かったです。
さらに、同級生だった、たかしと令子。
家庭でも存在が薄い彼が、令子と結婚したものの、20年も忘れられていたなんて切なすぎました。
いかがわしい店に出入りしていて私も疑いましたが、リストラされて、キャバクラのボーイのバイトをしていたとは意外でした。
田中家の皆さん、バイトなんだし、浮気していないから許してあげようって思っちゃいました。
田中家の恥って令子を罵った、和代…人の事言えないですよ。
恋をするのに年齢は自由ですけどね。
それぞれの本当の幸せに向けて、良い意味で解散した田中家の幸せを願いたくなります。
ミタゾノが40年後、復縁したのかどうか分かりませんが、夫婦になった令子とたかしにシャンパンを振舞うラストシーン。
時の流れが心を繋いだラストでしたね。