119エマージェンシーコール1話あらすじ・ネタバレ
朝、咳が出て目が覚めた一人の少女。
なんと自宅が火事になっていたのです。
リビングに降りると、その子には姉がいて、姉は言葉を失っていました。
その少女は幼い頃の、指令管制員、粕原雪でした。
「119番消防です。火事ですか?救急ですか?」
横浜市消防局指令課3係で、通話を受けた粕原雪(清野菜名)。
「あの、火事でなんか燃えてて」
「あなたは今どこにいますか?火の傍?」
「なんていうか近くで」
「消防車を向かわせるので住所を教えてください」
「もしもし聞こえますか?もしもし」
「住所教えないとだめですか」
「消防車向かわせなきゃいけないから教えてくださいますか?」
「彼女にフラれて愚痴を書いてたら燃えてて、だから消してほしいんです、火」
「申し訳ないけどそう言ったことに対応できません」
雪の隣には、教育係として兼下陸夫(瀬戸康史)が指導にあたっています。
「ネットの火消しに対応はできないんで。こんな火消しに対応することはない」
その後も、父親が餅を詰まらせた通報や、しょうもない通報を当てにするエマージェンシーコール。
指令管員、与呉(よご)心之介(一ノ瀬颯)と箕輪健介(前原滉)は、持ち
緊急性のない119番通報に対しては厳しい態度をとる兼下の様子を係長の高千穂一葉(中村ゆり)は苦笑いで見ていました。
休憩時間になると、同僚の与呉心之介(一ノ瀬颯)や、箕輪健介(前原滉)は、兼下の指導は無愛想ですが、もうすぐ終わるとフォローを入れました。
「あと20時間半よ20時間半、兼下さんの指導」
「いえいえ、兼下さんのことでは」
「良いのよ、俺も兼下さんの指導嫌なのよ」
「ジャンクコール、あれ兼下さんが作った用語なんだよ」
「へぇ業界用語かと思ってた」
しかし、当の雪は気にしない様子です。
同じく同僚の新島紗良(見上愛)はみんなの話に加わらずにいました。
高千穂は、自分のデスクに兼下を呼び、雪への指導に愛がないのではと注意します。
「ちょっと愛がないんじゃないかな、粕原さんへの指導のこと」
「だから最初に俺、指導係に向いてないって言ったじゃないですか」
「向いてないからやらせてんの」
「大体なんでこんな時期に新人なんて」
「補充要員があの子しかいないからしょうがないでしょ。ねぇ田中くん」
「はい」
「あ、田中くん仮眠室のシーツ最近洗剤変えたか業者さんに確認してほしい」
2人の会話を聞いていた、総務の田中悠(三浦獠太)に事務的作業を頼む、高千穂。
兼下は、自分は、最初から指導係が向いていないと断ったと反論し、移動時期ではないのに何故、雪が来たのかと不満を漏らしました。
高千穂は銀行を退職してまで司令官制員になった雪は大事に育てなければならないと諭すのでした。
「兼下なら分かるでしょ。指令管制員は直接人の命を救えるわけじゃないし、頑張っても感謝されることなんてめったにない。寧ろ通報者からの罵詈雑言で心がすり減る。そんな仕事一番にやりたいって人間がこの消防の世界でどれだけ貴重か、わざわざ銀行辞めてまで指令管制員になりたいって言ってくれた子、大事に育てないでどうするのよ。それにね、あの子はずば抜けているのよ、あの子は耳が良いのよ」
さらに、高千穂は、雪はずば抜けた能力を持っていると教えます
それは雪が一度聞いた声や音を忘れないでいる事でした。
その夜、司令センターに現れた堂島信一(佐藤浩市)を雪は憧れの眼差しで見ています。
それにはある理由が隠されていました。
「もしもし、あなたさっきネットの炎上で通報してきた人の友だちじゃない?今度は本当に胸が痛い?」
「だる、面白んな!」
「今度、そういう対応きたら堂島さんに対応してもらおうよ。レジェンドだから」
「今度、レジェンドだって言ったら、罰金だぞ、再雇用された爺なんだから」
そんな時、雪が受けたネットカフェの男性客からの119番通報を被きりに管制員たちは次々に通報を受けます。
「119番消防です、火事ですか?救急ですか?」
「ネットカフェが燃えてて」
「美浜町みなと倶楽部ですね。」
「もう消防車は向かっています。大丈夫ですよ。非常口は見えますか?壁沿いに歩いて、ハンカチを持って口を覆って進んでください。喋らなくていいので電話は切らないで。絶対に助けますから」
「出れました」
「出れました?店の外ですか?」
「裏の階段…なんか荷物あって通れない」
「消防隊が救助に向かいますから安心して下さいね。それまで電話を繋げておきます」
「はぁ、救急隊と消防隊が来た」
「消防隊と救急隊員が来るまでこちらの電話を切らないで下さい」
その後、通報してきた男性は、救急隊と消防隊が駆け付け、無事助かりました。
「3係からの引継ぎは以上です、宜しくお願い致します。」
仕事官僚の報告をする、高千穂。
翌日。
「あっ、兼下さん今日までご指導有難う御座いました」
「ああまぁ次から一人で頑張って。朝の声量じゃねぇな」
「あっ、そうだ、ネットカフェの火災、対応した消防隊員の方をご存じですか?」
「なんで?」
「男性を避難させた場所が適切だったのか気になって聞いてみようかと」
「余計なことしなくていいから。あの通報者は救助されて無事だった。粕原がそれ以上、知る意味あるか?現場の隊員の時間まで使って。」
「それは…」
「俺達指令管制員の仕事は、通報者の状況を正確に、迅速に現場の隊員に繋ぐこと。通報切ったらそこで終わり。最終的に命を助けるのはいつだって現場の隊員だし、通報syだって消防隊や救急隊の姿を見て初めて安心する。俺達はそれまでの繋ぎだ。」
「繋ぎって」
「じゃお疲れ」
「愛がないっていうか愛想がないな、彼奴は。」
「係長!」
「ねぇこの後、暇?中華街に飲めるところがある」
「俺、文科系なので、出た、健康なのか不健康なのか分からない体育会系の吞み会苦手。」
「ええ、美味しいのにな、24時間勤務明けの朝からハイボール。粕原は?」
「ごめんなさい、やめておきます」
「うん、断り方が清々しい」
そして、柏原はネットカフェで通報してきた男性がいた現場を訪れ、当時の状況を回想しました。
男性(梶裕貴)の通報を受け、非常口はあった、ちゃんと落ち着いて説明すれば良かったと反省点を探します。
「済みませんここは立ち入り禁止です」
「私、指令管員の柏原雪です。」
「こんな時間に何を?」
「通報者の立場を想像したくて」
「消防隊員の仕事、信用できないかもしれないですけど、勝手に通報者のこと想像しないでください」
その後、家族からの電話を受け取る、雪。
「もしもしあんたいつ帰って来るのよ」
「そんなに忙しいのか?指令管制員って」
「3交代制で休みないよ、新人だから休日に勉強しようと思って」
「偉いぞ」
「あ、お父さんまた私のマッサージ器使ったでしょ。それよりお姉ちゃんは?」
「今年も連絡なし、便りがないのは元気な証拠よ」
雪は、両親との関係は良好ですが、姉の小夏(蓮佛美沙子)とは何らかの問題を抱えています。
初独り立ち出勤当日。
「今日から独り立ちだね。」
「頑張ります」
「司令官制員は個性的だから。兼下は口は悪いけど根は良い奴だから」
「俺がどうかしたって?」
「ううん、柏原さんはどんな指令管制員になりたいの?」
「想像力を持つ指令管制員になりたいです」
「もしもし、119番です、火事ですか?」
「臭いなんか臭くて横浜市中区のマリンモールにいるだけど、なんか臭いの」
「それはガス臭い感じ?」
「ガスではないと思うんだけど」
その後、案の定、マリンモールで異臭騒動があり、報道されました。
初日の対応をそこそこ兼下に褒められる、柏原。
「ジャンクコールの相手するなって言われたので」
「まぁいきなり消防車向かわせなかっただけましだ」
間もなく、雪は、異臭騒動があったマリンモールへ現場検証に向かいました。
ガスではないのだとしたら、空調が効いていなかっただけかもしれない。
その後、莉乃という子供のキーホルダーが鳴る音に思わず声をかけてしまった、雪。
「いかのお寿司、いかのお寿司」
莉乃は慌てて走って、転んでしまいました。
「あのさ、いかのお寿司ってなに?」
「ママが覚えておきなさいって。莉乃、もうすぐお姉ちゃんになるんだ。ママのお腹に赤ちゃんがいるの」
「そっか、じゃあ莉乃ちゃんは覚えたこと実行したんだね。偉い」
莉乃は子供用の防犯対策を実施して、雪を警戒していたことが分かりました。
「ごめんね。びっくりさせちゃって。」
「お巡りさんは110番、火事救急は119番」
「覚えておくと良いよ、お姉さんは火事救急の電話の向こう側にいる人なの」
その後、莉乃の母、絵美事情を電話で説明しました。
間もなく、絵美は莉乃を迎えに来ます。
「済みません、有難うございました。」
「いえ」
「やっぱり一人で行くの早かったかな」
「大丈夫、莉乃、一人で行ける、ママお休み」
「有難う」
妊婦の母を気遣う、莉乃を雪は優しく見守りました。
同じ頃、マリンモールでは妻と息子といて、雪を見かけました。
現場では、指令管制員の箕輪(前原滉)に、兼下は何故、雪が銀行員から指令管成員になったのか聞きます。
「なんで柏原は銀行員から指令管制員に?」
「プライバシーの侵害なので言えません。自分で聞けばいいじゃないですか」
「救急をこんなことに使わないで下さい。他に通報したい人が使えません」
案の定、箕輪に断られた、兼下。
その後、桜浜橋の横断歩道でキックボードに乗った男性にはねらそうになった女性の対応をする、雪。
「ぶつかった方に声をかけていただけませんか?」
「ちょっとお兄さんお兄さん」
「呼吸はしていますか」
「分からない」
「心臓マッサージを教えます、私と一緒に」
「そんなのそっちの仕事でしょ!」
パニックになっている女性と柏原のやり取りに口を挟む堂島(佐藤浩市)。
「救急車が到着するまで待機するよう指示しろ」
その後、現場にちゃんと到着したか確認をとった、高千穂。
「分かりました、はい有難う御座います。病院には搬送できたけどその後の正確な安否はわからないって」
「そうですか」
「わざわざ現場に問い合わせたんですか?」
横から口を挟む、兼下。
「今回の事案は通報者の位置特定に課題が残った。現着に問題がなかったか確認するのは司令課として大事な仕事でしょ?」
「済みません、私がもっとちゃんと聞きだしていれば」
「あれが最善だった。現に救急隊も迷うことなく現着できたって。柏原さん、一つ一つの通報者に向き合わないほうがいいよ」
高千穂は、通報者に感情移入して、現場検証までする柏原を少し窘めます。
「兼下さん」
「電話があった。中央署の消防隊長から。また行こうとしているだろ、現場。柏原の家はこっちだぞ。昨日電話あった。消防隊長から。」
雪がネットカフェの現場へ向かったことで、横浜中央照応所の救助隊員、上杉昴(酒井大成)と中央消防隊長の飯田(谷恭輔)は、迷惑していました。
そこで、上杉が兼下に雪の行動を電話で報告したのです。
「ああいや大したことがないけど、兼下の新人が現場に来てた。粕原っていう女性が」
「まぁ俺って言うか下の奴らがちょっとな。現場は自分の命まで懸け働いてる。安全圏にいる人間に、軽い気持ちで踏み込まれてもいい気はしない。兼下なら分かるだろうけど」
消防隊長の上杉から通報があったのです。
「余計なことするなって言ったよな」
「勝手なことして済みません。でもこれは通報者の気持ちを想像する為で」
「想像なら頭の中でできるだろ」
「でも現場を見ないでする想像は、ただの妄想になっちゃいますし、そんなにダメですか。現場に行くのって。」
「粕原はまだわかってない、通報を切ってそこで終われることがどれだけ恵まれているか、通報者の声を繋ぐだけで、最終的には、現場の消防隊員に任せるしかない。昨日のキックボードの男性、亡くなったそうだ。どれだけ俺達が頑張ったって救えない命は確実にある、現場にいる人間はその現実を直接自分の目で見て触れてイヤってほど実感している。そこに繋ぎである俺達が後からのこのこと飛び込んで想像して何ができる?なにもできないだろ!上にパワハラ申告するならどうぞ、俺は指令管にそこまで思い入れがないから」
落ち込む雪は、キックボードの被害者が刑事に聞き取りをされている様子を目撃します。
「ねぇもうどうするのこれ。」
「救急車を向かわせています。男性は意識がありますか?」
「ないない、だからないってば!ちょっとお兄さんお兄さん」
「もしもし聞こえますか?」
「呼吸は聞こえますか?」
「そんなのわかんないわよ!」
「私と一緒に心臓マッサージを…」
「無理無理、やったことないし、そういうのはそっちの仕事でしょ。いいから早く来て!」
キックボードに乗った男性と、通報者の女性との会話を思い出し、自分が相手の状況を想像することは間違いなのかと悩む、雪。
そんな雪に堂島はフォローする意味で言葉を掛けるのでした。
「こんなとこで弁当広げなくても」
「私が指令管制員を目指したきっかけがあるんです」
かつて、就活生時代、横浜市消防局の消防フェスタにて、堂島の喋りを聞いていた、雪。
「消防車や救急車に乗れるわけでもないし、自分の手で人を助けるためでもない。でもねこう考えてみてくれないかな?人々の助けてっていう声を最初に聞くのは指令管制員なんだ。声と音だけど限られた情報から電話の向こうの状況を想像する。そして時には命を救うための方法を判断するんだ。現場の隊員が自らの手で命を救おうとするならば、指令管制員は想像力で人を救うんだよ」
「それを聞いて私、消防局に入って指令管制員になろうと思って。」
「結構意味あるんだな。ああいうイベントも」
「でもどれだけ想像しても救えない命は絶対ありますよね?だから一つ一つの通報に向き合わない方がいいですか?通報したら全部忘れちゃうぐらいのほうが」
「忘れることと切り替えることは意味が違うんじゃないか?たとえ1秒前に何があったとしてもさ、今この瞬間、助けを求める声に応えて、命を繋ぐそれが俺達の仕事だ。想像力は全部そのために使え。それができるなら、救えた命も救えなかった命も忘れる必要なんかねぇ。ごちゃごちゃ言わないで弁当食ってろってことだよな」
「119番通報です。火事ですか救急ですか?」
「マリンモールのエレベーターに閉じ込められました」
「私マリンモールの警備員です。閉鎖時にトラブルがあって」
「臭いにおいがするのよ」
「臭いにおい?」
「気分が悪くなったのは匂いのせいですか?」
またしてもマリンモールでの異臭騒動を感じとる、雪。
次々とマリンモールの異臭で、困る客たちからの通報が、指令室に届きました。
「助けてください」
「もしかして莉乃ちゃん?ほら私この前マリンモールであった、覚えてる」
「覚えてる」
「どうかしたの?なにかあった?」
「火事」
「お父さんとお母さんは?」
「今日英語教室で」
「火事が起きているのはモールの中?」
「うん」
「モールのどこか分かる?そこから何か見えるかな?」
横浜中央消防隊の上杉達も到着。
「莉乃ちゃんまずは火の傍から離れよう。怖いよね。でも大丈夫、絶対助けに行くから」
「なくしちゃったの。英語教室のバッグなくしたら変なところに来ちゃった」
「変なところ、なにがあった?」
「機械みたい、工場みたい」
「そっか、有難う、莉乃ちゃんがいる場所がわかったよ。火はまだ出てる?息は苦しくない?」
「あっ!」
「莉乃ちゃんもしもし?聞こえる?」
莉乃がすぐに現場検証に行った機械室にいることを察した、雪。
その後、莉乃が何らかのトラブルに巻き込まれ、通報が切られました。
マリンモールの異臭が報道され、消防隊が機械室に駆け付ける者の、莉乃がいないとの情報が。
いてもたってもいられず、雪はパソコンで自分と莉乃のやり取りを確認します。
持ち前の聴力と想像力を活かし、莉乃がいる場所を探り当てようとしていました。
たしかに莉乃ちゃんは機械室にいた…この時、莉乃が何かを見て気付いたと知りました。
鈴の音と電子音が鳴り響きます。
莉乃は雪が機械室で見た清掃ロボットに、英語教室のバッグが引っかかっていることに気付きました。
「こちら柏原です、女の子は掃除用のロボットを追いかけたと思われます。」
現場の外には莉乃の母、絵美が娘の無事を願っていました。
間もなく上杉達消防隊員は、電子音が鳴る場所へ到着します。
室内は、既に燃えていて、莉乃が倒れていました。
「横浜中央消防署です、女の子の救助完了」
上杉に抱きかかえられ、救助された莉乃は、意識も呼吸もあるものの、念のため、救急搬送されました。
莉乃は母の絵美とようやく再会し、絵美は救急車に乗る娘の無事と自分の後悔を口にしました。
「莉乃ごめん、ママのせいで本当にごめん」
「莉乃、お守り持ってたよ。それにお姉さんが119番に通報すれば大丈夫だって」
「そっかそっか…」
娘の無事に涙ぐむ絵美と、救急隊に搬送されていく、莉乃。
粕原の機転により、莉乃は助かりました。
マリンモールの火事の原因が報道されます。
報道を一緒に見ていた与呉に箕輪は説明を求めますが、与呉は説明できません。
「結局これどういうことだったの?」
「うーんえっとですね、えーなんて説明すればいいんだろ」
指令管制員の一人、新島紗良(見上愛)は、今回のマリンモールで起こった火災の原因について、箕輪と与呉(一ノ瀬颯)に細かく説明しました。
「制御不能になった清掃ロボットが地下にある冷房設備にぶつかり、冷媒であるアンモニアが漏れ出したことでその異臭が空調を伝わって館内に飛散していた。さらに清掃ロボットは電気系統の設備にも繰り返し衝突していた為、停電康プリン暗0の故障火災まで発生した。こういうことですね」
「急に喋った」
「びっくりしすぎて何も頭に入って来なかった」
莉乃のバッグが引っかかったロボットは、空調にぶつかり、停電やスプリンクラーの故障が火災に繋がったとのこと。
「なんで俺が」
粕原宛ての手紙を持ち、頼まれた用事を面倒臭そうにしている、兼下。
「おい、粕原」
「1回目の異臭騒動の後マリンモールに行ったろ?」
「げ、バレたか」
「勝手に現場に行ったこと俺は許してない」
「でも、私からもいいですか?兼下さん、指令管制員の仕事はつなぎだって言ってましたね。私達は通報者の情報をつなぐだけで最終的に命を助けるのはいつだって現場の隊員だって。」
「それが?」
雪は、子供の頃、指令管制員だった堂島に幼き頃に姉と共に助けられていたのです。
「どういう意味だよそれ?」
「私それだけじゃないと思います。だって私知ってるから、指令管制員のおかげで救われる命があるって」
「とにかく私は繋ぎはつなぎでも命を繋ぎたいと思っています。指令管制員は助けてって声を受け取る一番初めの存在だから。私達が想像することで未来に繋がる事もあると思うから。考え方は違うかもしれないけど今後ともよろしくお願いします。…すいません、そんな怒らなくても!」
さらに怒られると構えていた雪ですが、兼下から、絵美と莉乃からの感謝の手紙を渡されました。
「これ届いていたので」
仕事にやりがいを少し感じられ、身を引き締める、雪なのでした。
119エマージェンシーコール1話感想・みどころ
途中から、高知県の緊急津波速報で、番組の放送が中断されましたね。
無事、放送再開して何よりです。
正義感が強く、信念を曲げない、粕原雪。
通報者に寄り添う真心を持つ雪に共感しました。
想像力を持って通報者の生きた声の為に、命を繋ぐ手助けがしたいって思いますよ。
一方で、他人に感情移入しすぎて、行動しがちな雪は同僚達からどうしても受け入れ難いですよね。
雪自身が子供の頃に堂島に助けられた過去や、就活時代に聞いた堂島の子供防災の公演での教えを胸に刻む姿は失敗しても応援したくなります。
厳しくあたる指導員だった、兼下も家族と平穏に暮らしていますが、何か抱えているみたいで、彼の過去も気になりました。
雪を取り囲む指令管制員たちの人を助けたいという思いや、通報者の様々な状況は、視聴者側にも緊迫感を与えますね。
通報のケースによって、実際こんな災害や事故に遭ったら冷静ではいられなくなるだろうなと感慨深いです。
例えばキックボードに乗った男性に轢かれそうになった女性の苛々した様子。
人が倒れて、意識があるかどうかわからなかったら落ち着いて心臓マッサージなんてできませんよね。
でも女性も苛立つ感情を雪にぶつけすぎていて多少大人げないなとも思いました。
最後に物語中盤で知り合った子供の莉乃が、火災に巻き込まれながらも、雪を覚えて通報したことが本当に良かったです。
莉乃が助かってほしいと親のような気持ちでハラハラして見ていました。
受電から命を繋ぎ続ける決意をした雪の正義と熱意を見守りたい1話でした。