家庭教師のトラコ３話あらすじネタバレ
寅子（橋本愛）は、守（細田佳央太）がお笑い芸人を目指して、路上ライブをしているところに遭遇。
母親にきちんと話すべきだと促しますが、世間体とプライドが高い母がそんなこと許すわけがないと諦めがち。
売れないお笑い芸人なんてまして論外だという、里美。
息子の本当にやりたいことなど知らず、里美（鈴木保奈美）は、守の成績が上がらないのは授業料の不足だと思い、寅子に２０万円も払います。
守は今の時代に学歴が必要なのか、学歴が良くても会社で問題を起こす人もいると愚痴をこぼします。
それだけお金があれば、ここの授業料を払えるのにとお笑い養成所のことを寅子に伝える、守。
その夜、上原家で、夕食をご馳走になる、寅子。
みんなの前で打ち明けるよう、守に促しますが、言えるわけもなく、守はなぜ父が銀行員になったのかを訪ねました。
しかし、寅子は守の家族の経歴をペラペラと語り、一同を絶句させます。
有能さや上品な家柄を大事にする利明（矢島健一）や異父姉兄に言えるわけもない守。
頭の回転は速い守は、LGBTQなど性的マイノリティに寄り添った社会づくりがしたいと宣言。
寅子は、お笑い養成所に入ってしまうことを勧め、「既成事実」をつくることを守に提案。
里美から受け取った授業料を「先行投資」といって、守に渡し、突き放します。
後日。
知恵は、寅子に、将来なりたいものを伝えました。
ケーキ屋と新聞配達がしたいという知恵（加藤柚凪）。
しかし、そのことを両親に告げようとすると、母（美村里江）も、父（細田善彦）も多忙。
翌朝。
高志（阿久津慶人）を訪問。
高校か大学に入り、自信をもってやりたいことを宣言できるようにすると、高志。
その日の夜、福多（中村蒼）は、寅子に手料理を振る舞いながら、子供の頃、何になりたかったか寅子に聞いてきました。
福多によると、寅子は、恐竜になって悪い奴を倒すと言っていたらしいのです。
翌週、願書と２０万円を握り、お笑い養成所を訪れる守。
里美に黙って入学することに怖気づきます。
寅子は、そんな守の心の声を代弁し、守の気の弱さを明るく指摘。
そんな前に派手な芸人風のコスプレをした寅子が、「里美にちゃんと話すべき、自分の熱意と家族の理解が必要」ともう一度、アシスト。
とうとう、守は、里美に芸人になりたいことを告げます。
しかし、案の定、里美は大反対。
「勉強や運動は苦手だけど、周りを笑わせることは得意で、教壇から見たらみんな笑顔はみんなバラバラなんだよ。この光景が忘れられなくて、みたいなって思っている。」
「プロはそんな甘いものじゃない、お笑いの世界は厳しくて守が思っているほどハード。すぐに投げだす決まっている」ときっぱり。
里美がそう言い切るのは実は理由が隠されていたのです。
それは、彼女がかつてアイドルを目指していたものの、挫折。
実家に戻るわけにもいかず、銀座のホステスになり、守の母となり、今があります。
守に対し、いい学校、いい会社に入ることが将来の近道。
「母上いつも、父や姉上に気を遣ってばかりで、俺はずっとしたくもない習い事させられてずっと苦しかったんだよ。母上は今幸せなのかよ。ステップファミリーだから義理の家族の顔色伺ってさ・・・俺を利用するなよ」
「あなたのためを思って・・・！」
「どこが？俺はもう決心ついた。養成所にも入るし、お笑い芸人になる」
世界で一番笑わせたい相手は母親である守。
それを理解した寅子は、わざと子役事務所の子供を利用し、寅子は自分の子供のふりをさせて、かつての守が芸人になって人を笑わせたいという本来の核心をついてきます。
家を飛び出した彼に、里美を納得させるための２０万円を使った次の手は、お笑い芸人の出発として、ステージをさせること。
有名になりたいなら、芸人に本当になりたいなら、バイタリティを持つことが重要と促す、寅子。
息子の反応と寅子のことを知るために、里美は智代の定食屋へ。
寅子は生徒の中にある潜在能力を引き出すのがうまいと答える、智代と真希に聞きます。
真希は「流しそうめんと遊園地」、智代は、「薔薇と転校」と答え、それぞれ息子たちが変わり始めたきっかけを里美に伝えました。
里美は高志の前で熱血な陽気な教師を演じる寅子に呆然。
そして、寅子にメールをし、「大恥をかくにきまっている」という返信に悶々とします。
しかしそれは寅子の狙いでした。
守は地道に努力していて、お笑い芸人としての才能に片鱗が。
集客力が意外とあり、軽快なトークで、周りを笑わせていました。
その夜。
守に海外留学を提案する父、利明。
異母兄姉たちからも疎まれた守は、母を納得させるためにサクラを雇ったととっさに嘘をつきました。
家庭で自分の居場所のなさを痛感する守。
「どうせ邪魔ものな厄介払いすればいい、父上の言う通りにしますよ」
里美は夫を説得しますが、父の言うとおりにイギリスに留学することに。
空港にいて、自分の本当にやりたいことを投げ出す、守を説教する寅子。
「相手に同意を求めて安心したいだけだろ？私の嫌いな言葉は、わからない、しょうがない、すごくないだ。貧しさで学校に行けない人達もいるんだ、自分に逃げて、ヘラヘラ言い訳してんじゃねぇよ。２０万円を無駄にされたのはうざいけど、家族の空気読んで、自分から目を背けているお前なんかすごくねぇよ」
守のことをのけ者にする家族と、守の変化に気づいた里美。
守は一大決心がつき、お笑いライブの観客アンケートを寅子からもらいます。
そこに、母親が書いた精一杯のメッセージを受け取りました。
東大を目指して頑張るけど、お笑い芸人を目指すことも諦めないことを家族に告げました。
「僕の名前を昔からどこへでも書く。母の書いた字はすぐわかる。ただ、俺の母親をこれ以上馬鹿にするのをやめてくれませんか？俺のことを笑いものにするのはいい、笑われるのは俺のエネルギーになるから。母は最高なんだ。９９％が笑われても、母さんが笑ってくれればそれでいい。」
「この子は私なんかが思うよりずっとすごい子だと思います。東大も入って、お笑いさんにもなれる。今まで馬鹿にされてきたけど、この子のおかげで今まで生きてきたんだから。これからはこの子のやりたいようにやらせます。私はこの子の母親なんだから」
津軽弁で夫と義理の子供たちに抗議した、里美。
その勢いに思わず、絶句する利明や、守の兄と姉。
守は東大勉強を、里美は息子を理解し、彼の声に耳を傾けることに。
その夜、母親に関することで闇を抱えた寅子のことを指摘する福多。
「３人の子供も手懐けたし、次は母親なんだろう？寅子、その地球儀だってお前の母親が唯一残したものだよな」
そのまた翌週は知恵の家に泊まります。
しかし、知恵の母、真希はリストラに！
次の寅子の狙いは、子供たちの母親でした。
家庭教師のトラコ3話感想・みどころ
芸人を目指していて、トーク力も頭の回転の速さも申し分ない、守。
ステップファミリーという立場や、母親が義理の父や姉・兄の顔色を伺う姿に心を痛めている様子。
母親のために、したくもない習い事をして、本当の自分を偽ってきた守の葛藤がとても如実に描かれていました。
里美は「あなたのため」、「売れないお笑い芸人になって何になる」など、一見、子供を理解しない親のような態度ですが、実は彼女自身がなりたかったアイドルを諦め、息子には同じ思いをしてほしくない優しさが潜んでいましたね。
里美は元々の性根が、子供への愛情を持っているので、憎まれ口をたたきあいながらも、守と本当の意味で親子関係を構築できて良かった。
息子のためを言い訳にし、自分が義理家族というコミュニティのなかで生き抜くことを重視していた里美も、守の本当にやりたいことと、彼の優しさを改めて知ったことで、成長したのではないでしょうか。
一方で、彼女が結婚した夫の利明とその娘と息子は、知識と教養はあっても、人への思いやりが圧倒的に欠如しているダメ人間に思えました。
利明は家族の空気を重視し、怒鳴ったりはしないものの、実の息子の守や、妻となった里美には愛情なし。
利明を見て育った姉と兄も、利明を馬鹿にし、自分たちこそ優秀だと高を括っていますが、人としては無能ですね。
守にはお笑い芸人になる才覚がたしかにあり、人を自然と笑わせる能力や、場の空気を変える力がありますよね。
しかし、家庭では陽気なふりをして自分の本当の仮面を脱げない、「ピエロ」。
本当の自分に蓋をしていた守。
寅子に「すごくない？俺」がどれだけ間違っているか、愚かなのかを指摘され、受験とお笑い芸人を両方目指す決意や、母の愛を痛感し、成長したラストは刺激的でした。
そんな守を演じる、細田佳央太さんの演技はすごいですよね。
ついこの間までは、「ドラゴン桜」にて、障がいがありながらも、昆虫の知識や記憶力を持つ青年「健太」を演じていた人と同一人物ですよ。
がらりと雰囲気や間が変わり、陽気でおバカなふりをして、自分のやりたいことを曲げない守の背中が楽しみな３話でした。
寅子は次に、子供たちの心を掴んだ後で、次のターゲットは母親。
寅子に地球儀を渡し、去って行った母親の人物像、寅子がお金に異常に執着することの真相の扉が、次週は少し覗けそうですね。
