家庭教師のトラコ2話あらすじネタバレ
根津寅子(橋本愛)は、定食屋を営み、夫と離婚中の智代(板谷由夏)の息子、高志(阿久津慶人)を教えることになります。
しかし、彼が店のレジから5千円を盗むところを偶然、目撃。
お客に渡したかもしれないとぼんやりとする智代。
しかし、智代に告げることはなく、高志と2人きりになると、「君は何が知りたいのかな?」と問いかけます。
「なんで僕がしたこと言わなかったの?」と質問する高志。
「5千円を何に使うか知らなないから。お母さんにプレゼントを買うつもりかなって思って。」と答えます。
実は高志はいじめを受けていて、相手からカツアゲの電話がかかってきました。
事実を知った、寅子。
「お母さんには心配かけたくない。ばっくれたら何されるかわからない」
「高志、いじめっこの言いなりになっちゃダメだぞ。君は頭良いんだから」
「先生は負けずに戦えって言うの?3人がかりで無理だよ」
そこで、一緒に同行し、「課外授業」が始まりました。
その頃、息子がいじめられているなど知りもしない智代。
元夫の満男(丸山智己)から、「私立に合格しなかったら高志の親権は渡してもらう」と念押しされていました。
高志を連れていたいじめっ子たちの前に現れた、寅子。
説教するかと思いきや、カツアゲした金を何に使うか尋ねます。
「この中に、お母さんが病気だったり、恵まれない人に何かしたいって理由がある子がいるのかな?」
使い道が、スマホゲームの課金だとわかると、「ダメだ、こいつらに金を渡しちゃ」と言って、さっさと一人帰ってしまいます。
しかし、いじめっ子たちに負けて、5千円を渡してしまった、高志。
寅子は「宿題」と称して、「お母さんが出している角煮定食、どのくらいあれば、5千円に達するだろうなぁ。あの5千円が本当はどう使われるべきか考えてみようか」と提案。
一方、中村家を引き続き、担当することになった寅子。
早速、知恵(加藤柚凪)が「早くお勉強しよう」と大張り切り。
娘の成長を喜ぶ母、真希(美村里江)。
「保育園にみんなに一緒に遊ぼうって言われたら、みんなお部屋に入っちゃったの。どうして?」
知恵がいじめを受けていることをやんわり伝えた、寅子。
「進化の過程よ。でも知恵ちゃんみたいにいつまでもいじめの意味が分からないままでいられたたいいのにね」
次に上原家に二度目の訪問をした寅子は、言い訳ばかりして勉強をしない守(細田佳央太)に受験以外に何かやりたいことがあるのではないか?と迫りました。
母、里美(鈴木保奈美)に夫の銀行から20億円融資してくれと頼んだり、不可解な行動をとります。
冗談だと誤魔化しますが、寅子は里美が家で後妻であることを理由に、夫や守の長男と長女から、大人ならではのいじめを受けていることを知りました。
そんな2人と違って、定食屋の息子である高志をなぜ、教えることにしたのか聞く、福田福多(中村蒼)。
「あそこの角煮定食が美味しかったから」と答えますが何か別の理由がある模様。
再び、高志の元を訪ね、カツアゲされた5千円は何に使えば良かったのか?高志に聞きます。
「先生に払う授業料かな」
「家の経済的なこととか」
出したいくつかの答えに「全然面白くない」とダメ出しばかり。
そんなと寅子に嫌気がさした高志。
「もう家庭教師なんかいらない。先生いなくても一人で受かってみせる。この先生、俺をからかったり、パワハラみたいなことしているから、だから授業中は覗くなって言うんだ。」
とっさについた高志の嘘を寅子は大人として受け止め、解雇に納得。
「僕は勉強も絵も何もできない。床を這いつくばって小銭拾ったり、親父ギャグ言ってみっともないんだよ。僕がクラスの奴らからなんて言われているか知ってる?角煮定食!角煮亭ショックだよ!最悪、この汚い店を継がなきゃいけないじゃん。」
さらに、智代にまで苛立ちをぶつけ、店のことを悪く言ってしまいました。
「お母さんのことはなんといってもいいけど、このお店はおじいちゃんが一生懸命やってきたお店なんだよ。母さん前も話したよね?」
「勉強だってしたくてしてないんだよ。いやいややっていたんだよ」
「・・・そんなにお母さんのことが嫌なら父さんのところにいけば?」
売り言葉に買い言葉で親子は気持ちがすれ違ってしまいました。
父親の元に行く寸前、レジのお金を盗ったことを伝えて去った、高志。
翌日。
ストレスの胃痛で病院に来た、智代。
そこでは、病院のスタッフに成りすました寅子が、「課外授業」で知恵に病院の仕組みなどを社会科見学で教えていました。
智代に対しては、高志が自分がどうしたいか決めることだと諭し、寅子のことを気にかける彼女に、新しい生徒が見つかったと言いました。
しかし、寅子が教えている新しい生徒は、父親と祖母の家に家出した、高志。
高志に対し、あの5千円は本当な何に使われるべきだったのか?ともう一度、問いかける寅子。
「店の固定資産税とか」という高志に、寅子はまだ彼が本当に大切なものがわかっていないと察します。
その日の夕食。
高志は祖母からスマホをプレゼントしてもらいました。
「わかってないんだよ、母親のくせに」
「だからあんな人と結婚するのは反対だったのよ」と、祖母の潤子。
高志に対し、母親へのモラハラに近い発言をする大人げない2人を黙ってみる寅子。
高志の意志を聞かず、大人だけで話を進めていること、金で解決しようとしている点にも気づきました。
寅子は場の空気を読み、満男と潤子には、高志の転校を勧めました。
「転校先の学校ならいじめをするような子に出会うことはないですから」
「逃げるみたいに卑怯だと思っていたら違うぞ。劣悪な環境からは逃げなきゃ」
満男と潤子は高志に優しく語り掛け、寅子は高志の転校を同意。
転校届を代わりに担任に出し、高志がいじめられていることを指摘、さらに、高志に対しても別れの挨拶をするように促します。
これは高志の本心を探るための目的。
高志は思わず逃げ出しますが、いじめっこたちは高志に、貧乏人からカツアゲするから楽しいとひどいことを言います。
「どうして僕を助けてくれないんですか?いじめられてるってわかっているのに」
「敵が来たらアメリカに守ってくださいみたいなことを言うなよ。」
寅子は、通りすがりの高校生が同じく、カツアゲされている光景を目撃。
高校生たちにあえて絡み、カツアゲから自分を守るには、目の前の現実から逃げないことを伝えました。
「いじめをする奴は、憂さ晴らししたいだけ。人をいじめて、傷つけたいだけだよ。」
敢えて自分の頬を殴らせ、高校生たちに頭突きをし、寅子はいじめに立ち向かう勇気を教えました。
さらに、警察のふりをした福多に大事にならないよう、途中で止めてもらいました。
帰宅すると、智代が満男と大喧嘩。
高志には自分のことから逃げずにいるため、転校に反対。
一方、満男は、高志が生活環境でいじめられることを恐れ、智代のような貧乏暮らしよりはお金がある生活を優先させようとします。
特に満男は優しい父親のふりをして、智代が女性であることや、生活環境から彼女を見下す態度をとります。
そこで、寅子は穏やかに、大事なのは高志自身の気持ちだと伝えました。
智代は、高志に「あんたが心から決めたならそうしていい。嫌なことから逃げないで立ち向かってほしい」
その夜、寅子は智代の店で角煮を頼みます。
寅子は高志の状況を何も知らずに、彼を追い詰めてしまったことを後悔。
高志のためだと思っているけど、結局は自分の独りよがりだったことを実感。
そこで、レジの中に入った母親のメモを渡しました。
「なんで僕に何もかも決めろって言うんだよ。僕はまだ子供なのに。俺をいじめた奴や親に文句を言えよ」
「先生が嫌いな言葉はな、①がわからない、②がしょうがないだよ。しょうがないっていうのは自分では何もせずに諦める、だからわからないより質が悪い。自分のことから逃げるな!暗闇の中に突っ込んでいってもっと自分がどうしたいか頭使って考えろよ」
そこで、高志はいじめっ子と立ち向かい、智代が5千円稼ぐのに角煮定食を25個売って、25回もお客に感謝を伝えていることをいじめっ子たちに伝えました。
「自分のことをいじめてもいいから、殴ってもいいから、あの5千円は取り戻さないといけない、俺は最低な息子なんだ。頼むからあの5千円返せよ」
高志は、取り戻した5千円で母に、カーネーションの代わりの花を買いました。
また母親の家で生活がしたいと告げます。
「お母さんに何かしたい、僕のことばかりじゃなくて、自分のために母さんにはお金を使ってほしい」
智代は高志の純粋で不器用な行動と優しさに何度も、「馬鹿だねぇあんた」と口にしますが、心から内心は喜んでいました。
「俺、ほんと馬鹿なんだよ、家庭教師また寅子先生に頼んでもいいかな」
帰宅後、寅子は身の回りの世話をしてくれている、福多(中村蒼)から、家庭教師をする真の目的を匂わせで、追求されました。
「施設長の先生、心配していたよ。寅子のこと」
「忙しいって適当に返事しておいてよ。あんたは良いじゃん、施設出てから本当の親のように里親に引き取られて」
「ねぇ前の時よりも、寅子、焦っていない?子供2人も手名付けたんだからさ、そろそろ・・・」
寅子の真の目的は明らかになっていませんが、彼女の出生が関係している模様です。
高志と智代は和解しましたが、問題は、上原守の件でした。
守は実は、お笑い芸人を目指していて、そのことを家柄上言えずにいるのです。
その夜、彼は、図書館でアルバイトをすると母親に嘘をつき、路上で芸人になるために一人、コントを開始。
そして、真実を寅子に見られてしまいました。
家庭教師のトラコ2話感想・みどころ
「いじめ」について、今回は大人と子供の視点で展開していき、寅子特有の「生き抜く力」を伝える「課外授業」は、受験勉強以上に、見ている視聴者にも、生徒にも、はっとさせられるものを感じさせますね。
まず、今回のターゲットである、高志はいじめっこからのカツアゲに従うばかりで、自分の意思がまるでなかった少年でした。
まずは、いじめっこに立ち向かい、父親と祖母の甘やかしてくれる家庭に逃げるのではなく、母親の有難みに気づくこと。
また、智代が角煮定食を25回売って、25回、客に感謝を伝えて頭を下げている行動が伴い、5千円になる仕組みを教えていましたね。
親が自分のためにどれだけ頭を下げ、お金を稼ぐために地道な努力をしているかを高志に教え、経済的な貧困から自分はいじめを受けていて、誰も守ってくれないという被害者意識をなくすことを訴えていると思いました。
高志が自分の置かれた環境から逃げ続け、何がしたいのか、自分の意思を家族に伝えて前に進むことを伝えた「授業」は、ドラマを見ている大人でも、子供に伝えたい生き抜く力かもしれません。
寅子自身は、家庭環境に何かしら闇を抱え、児童養護施設にいた過去から、「お金」や、「甘え」が大嫌いになった人間性がよくわかります。
当初、1話では知恵にも「わからない」じゃなくて、自分の頭でしっかり考え、何がしたいか明確にすること、周りに甘やかしてもらうのではなく、決めるのは自分自身だと教えていましたね。
高志の両親は彼の意志をどちらとも聞かずに、少し自分たちは、高志のためにこれだけのことを「してあげている」という押し売りが感じられました。
父親の満男は母親である祖母から自立できずにいて、「母親なんだから」、「母親のくせに」など、「母親」、「女性」に対して、世話をして当然、理解して当然のようなところがりました。
また、母親と共に、金で物事を解決して、「高志のため」を口実に、彼が自分のことから向き合わなくなる土台をどんどん取り入れているようにみえました。
母の智代は、高志に愛情がきちんとありますが、夫と共に高志にどうしたいか詰め寄るのは違う気がします。
ですが、下町の定食屋を切り盛りしながら、我が子への大きな愛が不器用にすれ違ってしまった切なさもありましたね。
知恵ほどではないですが、高志はとても意志が弱く、いじめを受けているのは他人や親が「なにもしてくれない」から、環境のせいにしないことが、「課外授業」の中に取り入れられていると思いました。
「しょうがない」「わからない」って大人もつい、逃げ腰になったり、自分の本当にしたいことに気づかなくて目を背けていること、現実逃避しがちなことに気づかせてくれる2話でしたね。
さて、芸人になりたいという夢をひそかに持つ、朗らかさで本当の自分に蓋をした、守が、裕福で世間体を気にしがちな両親や兄姉とどう向き合うか、必見ですよ。