獣になれない私たち 最終話
放送日:2018年12月
日本テレビ水曜ドラマ
獣になれない私たち 最終話のあらすじ
一夜を共にした深海晶と根元恒星。
2人はそれぞれ後悔の念に駆られていた。
お互いに向き合って話そうとするも、晶の部下・松任谷夢子と上野発、晶の元彼・花井京谷、恒星の元カノ・橘呉羽とその夫・カイジに次々に邪魔をされ、向き合う機会を失ったまま恒星は晶の前から姿を消してしまった。
獣になれない私たち 最終話の感想
結ばれた2人。残ったものは後悔
オープニングなのに、何となく重い雰囲気のBGMが流れます。
晶は、姿を消した朱里に連絡を。
恒星は、加担している粉飾決算の書類を作り直した連絡を。
重いのはこれらだけが理由ではありませんでした。
呉羽のスキャンダルに巻き込まれた5tap。
極秘営業をしている中、晶はお店を訪れました。
晶は、恒星と一夜を共にしたことを後悔していました。
そしてそれは恒星も。
晶にはもうひとつ抱えていることがありました。
九十九社長に言いたいことを言った晶でしたが、何ら変わりないいつもの調子の社長に返り討ちに遭い、会社を休みます。
休みを取ると社内に晶からの一斉メールが届きます。
晶は当日急に休むということがなかったようで、松任谷さんや上野くん、その他の社員も晶のことを心配していました。
しかしただ1人、社長だけは「深海は仮病か!」といつもの調子です。
すべては社長のせいなのに…。
会社を休んだ日の夜。
晶は5tapの前を通るも中に入るかどうか悩みます。
後ろから恒星がやって来て、2人は鉢合わせしてしまいました。
2人は気まずい雰囲気です。
普段はカウンターに並ぶ2人ですが、テーブル席で顔を突き合わせます。
お互い弱っていたことからの事故であり、これからも今までどおりでいいのではないかと恒星は言いますが、理由はどうであれ、晶は納得できない様子。
晶が何か言いかけようとすると、松任谷さんから電話が入りました。
晶のことを心配した松任谷さんと上野くんは、晶の家の最寄りの駅まで来てくれていました。
晶は5tapに2人を呼びます。
5tapに現れた松任谷さんと上野くんは、社長に何も言えなかったことを謝りました。
だけど、晶にとっては、会いに来てくれただけでも嬉しいことでした。
晶のおかげで会社を辞めることを止めれたので、今度は晶が辞めるのを止めたいと言う上野くん。
辞めて晶が幸せになってくれたらいいと言う松任谷さん。
ただ2人共、本音は辞めて欲しくありません。
松任谷さんと上野くんが帰ると、晶と恒星は再び顔を突き合わせて話しをします。
晶は合意したことに後悔。
恒星の背中から後悔が滲み出ていたと言うのです。
晶が帰る時、恒星は目を覚ましていて、何かを思っている顔をしていました。
恒星は想定外だったことに後悔をしていたのです。
そんなところにまた2人を邪魔する人物が現れます。
京谷でした。
京谷は朱里と連絡が取れず、晶の元を訪れたのです。
朱里は晶の家から姿を消し、晶はてっきりマンションへ帰ったのだろうと思っていたようですが、マンションに朱里の姿はありませんでした。
心配した2人は捜索願を出すために警察に向かいます。
しかし、朱里は意外と近いところにいました。
どういうわけか、三郎が知っていたのです。
自分を殺して本当に死んでしまう前に…。晶、退職願を提出する
捜索願を出すために晶は京谷と警察に向かっていると、朱里からメールが入ります。
「生きてます。2人そろってバカじゃない?」
朱里はどうして2人でいることを知っているのかと、晶と京谷は辺りを見回します。
その様子を観ていると、2人が交際していた理由がわかる気がしてきました。
朱里が無事だとわかると、晶は5tapに戻り、再び恒星と顔を合わせるも、また晶の携帯も恒星の携帯も鳴り始めます。
2人で話すことを優先したい気持ちはあるけれど、携帯の画面を見ると、恒星には橘カイジから、晶には呉羽から電話がかかってきていました。
呉羽とカイジは、呉羽のスキャンダルが原因でホテルの部屋に軟禁状態になっていました。
カイジはナンバー2に社長を譲り、呉羽はブランドの拠点を海外に置き、2人はシドニーに出ると言うのです。
しかし、この時はこれは冗談で、現実、呉羽が謝罪会見を開くという報告でした。
それはそれでいいとして、何故、晶と恒星が呼ばれたのでしょう。
すぐに会見が開かれます。
呉羽はデリケートなことも聞かれるも、結果、謝罪の甲斐なく、大きな爆弾を世間に投げつけたことになりました。
「本性が出た」、呉羽の会見を見ていた朱里は呟きました
本性というよりも、呉羽らしい会見でした。
そして、そんな朱里はあっさりと晶に見つかってしまいました。
「あの会社で働けなくても自信を失くすことない。どこかに自分に合う場所がある」
晶は朱里にそう言うと、自分自身もその場所を探すと言います。
会社に出向いた晶は、社長と一対一で腰を据えて話をし始めました。
「社長の怒鳴り声は恫喝だ」「普通に話して欲しい」「社長と言葉が通じなくて悲しい」「一方通行の関係はしんどい」「自分を殺して本当に死んでしまう前に辞めます」…晶は退職願を提出しました。
晶は心だけでなく、身さえも殺してしまいそうな時がありました。
しかし当然、社長が大人しくしているはずがありません。
「何が不満や!」と怒鳴ると、「不満を言ってきた」と発言する佐久間さんに続き、次々と話を聞いて欲しいと他の社員も言葉を発し始めます。
「次の職場でも頑張ってください」上野くんにそう言われ、晶はやっとツクモ・クリエイト・ジャパンを退職することができました。
一方恒星は、加担していた事実も一緒に粉飾決算について税務署に報告をします。
そして、粉飾決算を頼み込んでいた人物の会社に乗り込むと相手を殴り、事務所を畳んで晶の前からも姿を消してしまいました。
タクラマカン斎藤さんは、「またいい飲み友達ができるよ」とは言うものの、すっきりしない別れです。
無職になった晶。
部屋の更新手続きも終え、これからのことに思いを馳せていたのでしょう。
ビールを飲んでいると、恒星から電話がかかってきます。
明日は5tapの周年記念パーティー。
晶は一緒に飲もうと恒星を誘います。
ナインテイルドキャッツで乾杯
5tapの周年記念パーティー当日。
そこには朱里もいましたが、松任谷さんと上野くんと佐久間さんに連れられ、社長もやって来てビックリです。
松任谷さん達は晶を待ち、三郎は恒星を待ちます。
晶と恒星はクラフトビールの工場にいました。
2人にとっての思い出のヴィンデージビール“ナインテイルドキャッツ”で乾杯します。
13,500円もする10年ものの“ナインテイルドキャッツ”。
このドラマを観るようになってからクラフトビールがとても気になるようになりました。
“ナインテイルドキャッツ”というものが存在するのならば飲んでみたい。
どうやら、“ナインテイルドキャッツ”というものは存在せず、“ナインテイルドフォックス”を真似たようです。
“ナインテイルドフォックス”でも飲んでみたいと那須高原ビールのHPを見ると、1番高いもの以外すべて売り切れ!
「獣になれない私たち」効果なのでしょうか。
恒星は仮住まいのアパートに住んでいるそうです。
「命あっても人生終わり」そう言う恒星に、晶はビールで人生を例えた言葉を残します。
「終わってない。変わっただけ。鮮やかには変われなくても、ちょっとずつ変わっていて苦くなる。このビールみたいに熟成されて」
カイジと呉羽は本当にシドニーに。
京谷は橋爪部長と一緒に合コンに。
朱里は三郎が働くラーメン屋さんで働き、それぞれがそれぞれの幸せのために歩き出しました。
“ナインテイルドキャッツ”を飲み終えると、晶と恒星は近くにある教会に向かいます。
以前、2人は聖アンドレ教会に行きましたが、鐘の音を聞くことができませんでした。
今回2人が向かった教会の鐘が鳴るのは16時。
「鳴らなくても聞こえなくても一緒にいることできるかな」と晶が聞くと、恒星は「俺達次第」と答えます。
16時。
今回もやっぱり鳴らないのだろうか。
そう思いながら観ていると、ゆっくりと鐘が動き出し、鐘の音が鳴り出しました。
お互いを求めるように手を繋ぐ晶と恒星。
恋に落ちる時に鐘が鳴るばかりではなく、こうやってゆっくりと時間をかけて育んでいくことで聞こえてくる鐘の音もあるようです。