君が心をくれたから7話あらすじネタバレ
逢原雨(永野芽郁)が触覚を完全に失うまでに残された時間は、あと1日犯ほどに追っていました。
雨は花束を買ったついでに、自分が歩けなくなった時の杖を買いました。
祖母の雪乃(余貴美子)を亡くしたばかりの雨のことを気遣う千秋(松本若菜)。
「大丈夫?おばあさまを亡くされて…」
「あと34時間、触覚を喪うまであと1日半です。この先のことを思って不安になる気持ちは分かります。しかしあるはずです、触覚があなたに教えてくれることが。」」
日下(斎藤工)はこの先のことを考えて不安になっている雨に、彼なりの言葉で声を掛けました。
朝野太陽(山田裕貴)の家を訪れた雨は、太陽の父、陽平(遠藤憲一)や従業員たちから歓迎を受けます。
その席には望田司(白洲迅)も招待されていました。
「太陽の恋人、雨ちゃんの初披露だ。」
「逢原雨と申します。宜しくお願い致します。皆さん今日は盛り上がりましょう!乾杯!」
雨はぎこちなく、声を掛け、白洲、太陽の妹、春陽、父、陽平(遠藤憲一)や、陽平の仕事仲間達と飲みます。
はしゃぐ、陽平たちとは裏腹にどこか様子がおかしい太陽に気付いた、司。
春陽(出口夏希)はそんな司に、「サッカーをやっているならミサンガを造ってあげる」と言って、雨にも手伝いを頼みました。
籍を外して外のベンチでビールを飲んでいた太陽は、やってきた司と話します。
「何なんだろう、雨ちゃんの病気って…五感を喪う病気がないなら雨の症状の原因は何だろう」とこぼすのでした。
司は医師の友人の話として、「何らかの後遺症で五感を喪う病気と思い込んでいるかもしれない。大丈夫ですよ。」と太陽に話しました。
「そのためには乗り越えなきゃいけないことがあるんだ。」
その言葉を聞いて、少し安堵する太陽。
その頃、雨は陽平から、太陽が「自分の花火をあげたい」という希望を持っていることを教えられました。
「数値的には赤い花火は作れない。彼奴はまだ若い、それに焦っている。今年がダメでもまだ次があるさ。」
実は太陽は、雨に見せるために、「桜まつり」で自分の花火を挙げたいと陽平に申し出ていました。
しかし、そのためには音頭をとる長崎花火協会の会長の審査を受けて、認めてもらう必要があります。
陽平からその話を聞いた雨は、「お父さん、太陽にチャンスをあげてほしいです。」と頼みます。
「いや、まだあいつには…」
「済みません、余計なことを言って…」
その日の帰り、太陽と雨は並んで赤い傘をさして歩きます。
「みんなが思う赤色どんなかなって思って。」
色彩障害で赤が見えない太陽はふと思いました。
翌日。
春陽とミサンガを作っていた、雨。
「ねぇ春陽ちゃん、春陽ちゃんは花火師になりたいんじゃないの?」
「でも結局、お父に、お前には務まらないって言っていた。私も気持ちが軽かったんだよ。ねぇ、私、お兄と雨ちゃんに結婚してほしいと思っている。雨ちゃんが尾根ちゃんならハイパー嬉しい。」
「私も春陽ちゃんが妹なら嬉しい。」
「春陽ちゃん、人生は長く続くと思っているけど、あっという間だと思うよ。だからあの時やっておけばよかったってことやればいいと思う。」
「ありがとう、”お姉ちゃん”。」
雨は初めて、年下の春陽から姉のような友人のような距離感で頼られたことで、笑みを浮かべるのでした。
その頃、太陽は桜まつりの花火を任せられる仕事を引き受けようという話を、陽平と話し合っていました。
「桜祭りの花火やってみるか?雨ちゃんがお前の花火が見たいって。審査は厳しい。どうだ、太陽。審査受けてみるか?」
「雨ちゃんが?」
その日の夜。
「桜まつりの件、断ったんだ。今の俺には無理だよ、赤い色も克服できていないし。次の春に合格出来たらと思う。」
「次の春…」
雨には来春には時間がありません。
来春に自分自身が生きているかも不安な雨ですが、太陽に気を遣いました。
「ううん、なんでもない、頑張ってね。」
その夜。
千秋に相談。
「思わず次の春まで待てないって言いそうになりました。そうすると太陽君が自分を責めちゃう。でも本当は全部話して行ってほしかった。目が見えるうちに雨に花火を見せるよって。」
「せめて、タイムリミットだけでも…」
「彼女の身に何が起きたのか、つらい秘密を抱えていたのではないか。彼は答えの出ない問を一生、死ぬまで考え続けます。あなたが選ぼうとしている道はそういう道です。」
千秋は寄り添い、日下は相変わらず厳しく突き放すのでした。
「あれ、雨どうしたの?話し声が聞こえたから。」
「春陽ちゃんと話していたの。ミサンガの事どうしようかって。」
「太陽くん、お願いがあるの、ぎゅってしていてほしいの。朝までずっと。」
「良いよ。」
太陽と雨は温かいベッドでハグしながら横になります。
「あのね太陽君、私たち付き合って3週間だね。それでも私、太陽君の事愛している。この先目が見えなくなっても、耳が聞こえなくなっても、あったかさを感じられなくなっても、思っていることを伝えられなくなっても…ずっとずっと愛しているからね。それだけは変わらない。ずっと変わらない。」
「俺も愛している。」
「ふふ、嬉しいすごく嬉しい。ありがとう、太陽君。」
そして、雨の触覚はなくなっていきました。
翌朝、触覚を喪った雨はフラフラ状態で落ちました。
頭から血が出た雨。
「雨、救急車呼ぶよ。おでこから血が出てる。」
「何も感じないの…何も痛みも感じないの。」
雨の診察をした医師が出てきました。
「先生、雨は!」
「脳には異常がありません。一つ、気になることが…」
太陽は雨の肩にそっと手を置きますが、雨は既に触覚がありません。
「雨?」
「ないんだね…触覚。」
「大袈裟だなぁ、入院なんて。」
「検査入院したほうが良い。雨、病気じゃないよね?触覚がなくなるなんておかしいよ。教えて!どんなことでも受け止める。」
日下の言葉が頭に蘇りました。
「彼は一生答えの出ない問いを考え続ける。」
「へんなかんじ。さっきまであんなに温かかったのに、心地よかったのに…なくなっちゃったんだな、私の触覚」
「ねぇ、何が…?」
「奇跡なの」
「え?」
「私、奇跡を背負ったの。」
「奇跡?」
「今から言うことも起こることもなにがあっても驚かないでね。千秋さん、日下さん」
千秋と日下を呼び出す、雨。
「私は案内人の日下です。こちらが…」
「千秋です。」
「我々は貴方の軌跡を見届けるためにここにいます。」
「あの奇跡ってなんなんですか?説明して下さい。」
「太陽君、前に事故に遭ったよね?意識を亡くしている時このままじゃ太陽君は死んじゃう。助ける方法が一つだけある。私が五感を差し出せばあなたを救うことができるって。・・・だよね、急にそんな事言われても信じられないよね。夢かと思っていたよ。でも私、その奇跡を受け入れた。だけど安心して、全然、平気だから。」
「ふ、ふふ…あり得ない。そんな、奇跡なんてあるはずないって。雨はこの人達に騙されているんだよ。」
「ほんとのことよ」
「黙っててくださいよ。貴方達、雨になにをしたんですか!言ってくださいよ、本当事言って下さいよ!」
太陽は日下と千明に掴みかかりそうになりますが、通り抜けられます。
太陽は日下と千秋がようやく幽霊だと気付きました。
「朝野太陽くん…この奇跡は真実です。私達の姿は、逢原雨さんと朝野太陽さん以外には見えません。」
日下は能力を使って雨が自分達と契約した様子を太陽に透視させました。
「どうして…なんで?」
「雨ちゃんはずっと悩んでいたわ。あなたに何か言えばあなたが自分を責めるからずっと一人で闘っていたのよ。わかってあげて。」
「ほんとなの?本当に奇跡を?じゃあ雨が夢を諦めたのも…昨日の言葉も…全部、俺の為に。俺が奪ったんだ。」
「違うよ」
「雨の夢も、幸せも…」
「違うから!」
太陽は号泣して真実を受け入れました。
「俺の五感を雨に差し出してください。それで奇跡を終わらせてください。」
「できません。一度奇跡を受け入れたら全ての奇跡を受け入れるまで終わらない。」
「じゃあ俺はただ雨が苦しむのを何もできずに見守るしかないんですか?五感を奪われるのをなにもできずに」
「そのとおりです。貴方に彼女を救うことはできません。」
変わらず冷酷に現実を突きつける、日下と泣き崩れる太陽。
屋上にて。
太陽は死のうとします。
「そんなことをしても五感は取り戻せない。あなたが死ねば雨さんは死んでしまいます。」
雨は杖を支えに歩いて近づいてきました。
太陽は胸がいっぱいになり、どうしたらいいか分からず、泣きます。
「私なら大丈夫、後悔なんかしてないよ。」
「大丈夫なわけないよ。だってパティシエは雨の子供のころからの夢だったのに。匂いも歩くことも、なのにどうして…俺なんて死んで良かったのに。助けることなかったのに。救う勝ちなんてちっともない。」
雨は太陽に寄りかかりました。
「あるよ!あるに決まっているじゃん。太陽君には価値がある、君がないって言っても私が何百回でも何千回でも言うから。君には誰にも負けない素敵な価値があるよって。だってあなたは、私の人生を変えてくれたから。太陽は、この世界に必要だよ。」
雨はその後、自宅に戻る事ができました。
「日下さん、今更だけど分かったんです、触覚って…なんであるか分かったんです。幸せを確かめる為にあるんですね。沢山教えてもらったな、この手に、肌に、沢山の幸せを。でもこんなことなら…もっと確かめておけばよかった。次の感覚が表示される時、彼と2人だけでいさせてください。」
「わかりました。」
「間違ってなかったですよね?私の選択」
「あなたの選択は間違っていない。だから残り1ヶ月、自分の幸せだけを願えばいい。」
太陽を深夜に呼ぶ、雨。
「今何時?」
「今0時。この時計に0時になると次に奪われる感覚が表示されるの。次は、目か、耳…ごめんね、太陽くん、黙っていて。沢山心配かけてごめんね。」
雨は太陽に腕時計を見せました。
太陽も腕時計が気になります。
「視覚だ…。ついに来ちゃったか。タイムリミットは34日後。3月24日…」
その日は桜祭りの日でした。
どうして私は生きてゆくのだろう?もうすぐすべてを失うのに、つらい明日をどうして生きてゆくんだろう?
雨の手を握る、太陽。
「ごめんね、雨。雨の大事なもの沢山奪って。本当にごめんね。」
そんなのひとつだ、たった一つだ。
「左手、貸して?さっき2階で作ったの。力加減が分からないけどなかなか上出来でしょ?」
雨は作ったミサンガを太陽の左手に巻き付けますが、うまく結べません。
「たくさん奪ったか。そんなことないけどな、でもそう思うなら一つだけもらっていい?あなたの花火を私に見せて?次の春まで待てない。あと1カ月しかない。でももし太陽君の花火を見ることができたら、もうそれ以上、何もいらない。だからお願い、赤い色になんか負けないでよ。」
私が明日を生きる理由、それは…
「雨…」
太陽の顔にぎこちなく触れ、微笑みます。
「負けるな、太陽、自分に負けるな。」
雨はそう言って、太陽を抱き締めました。
「大丈夫、太陽君ならできる…きっとできるよ。」
「叶えるよ。今度こそ叶える。絶対叶える。目が見えなくなる前に…雨に花火見せるから。」
「やったぁ。じゃあ、約束ね?」
「約束。」
時間のない、雨のために、「桜まつり」の厳しい審査に立ち向かい、花火を作る為に決意を固めた、太陽なのでした。
君が心をくれたから7話感想・みどころ
雨からとうとう、触覚が奪われてしまいました。
転んでも、痛覚がないため、血が出ても、階段から落ちても、雨が無自覚なのが切なすぎました。
なんで…なんで、雨と、彼女を支える太陽にそんな起こらなくて良い「奇跡」が起きてしまったのか。
五感が失われていく雨の環境は、別の角度から捉えると、弱気だった彼女が立ち直る強さを経験させるためではないでしょうか。
前の職場での失敗と、母親からのトラウマに苦しめられ、自分のことに億劫になっていた雨。
味覚、嗅覚が奪われた挙句、パティシエになる希望を失い、祖母の死も経験したことで、心を強くするきっかけになったと思います。
精神的な自立を意味するきっかけが、五感をなくし、当たり前のように思えていた日常が徐々に奪われていく不安に立ち向かう精神力を日下と千秋は彼女に与えたのではないかと。
それにしたって、色彩障害がある太陽を助けるには五感を差し出すって…酷ですよね。
太陽は雨に起きている事実をようやく知って、強い責任感を感じてしまうのは分かります。
自分が飛び降りれば雨を助けられるのでは…なんて血迷うことだってありますよ。
「俺には生きている価値がない」って言ってしまうことだってありますよ。
「太陽君には価値がある。君がないって言っても何万回、何千回だっていう、あなたは私の人生を変えてくれた。」
太陽がかつて、愛する祖母、雪乃に引き取られ、普通の生活を手に入れても、母親の虐待のトラウマから、自分に価値がないと悩んでいた時期にかけた熱い言葉。
太陽が雨を助けるように彼女の生きる世界を照らし、雨が太陽の、希望を失った心に、優しい雨を降らせるような絆に感動しました。
雨と太陽は出会うべくして出会い、今があるのだと感じる7話でした。
次週、雨と太陽は「結婚」を考えますが、春陽の兄を思うあまりの予想外の行動に注目したいですね。