ライオンの隠れ家

ライオンの隠れ家最終回 それぞれのプライドを見つけたライオンたち

ライオンの隠れ家最終回あらすじネタバレ

洸人(柳楽優弥)が家から忽然と姿を消しました。

「いません。お兄ちゃんいません。」

美路人はパニックを起こし、1階に降りて、愛生に伝えました。

「お兄ちゃん探します!」

「僕も行く!」

「暗いからダメ!待って」

「お兄ちゃん友達いる?」

「お兄ちゃん友達いません。」

「職場の人は?」

美路人は美央(斎藤飛鳥)に電話をしました。

「お、お兄ちゃんいません。いますか?」

慌てて、愛生が電話を代わりました。

「もしもし、小森洸人の姉です。今日、美路人のお迎えがなかったので。弟がどちらにいるかわかりますか?」

「小森さん今、休職中でして、私も分かりません」

不安で仕方ない美路人(坂東龍汰)は、自分が面倒になったから出て行ったのではないかと愛生(尾野真千子)に問いかけます。

「お兄ちゃん、僕が面倒臭いですか?僕が面倒くさいからいなくなりました?」

「何言ってるのそんなわけないでしょ」

「お兄ちゃん僕が嫌いになりました?」

「美路人、ずっと一緒にいてくれた人をそんなふうに言うんじゃないよ!洸人はいつもあなたのこと一番に考えているから」

「なんでいなくなりましたか」

「そういう時もあるよ。」

「そういう時はいつですか?」

「大丈夫、今は一人になりたいんだよ、きっと」

愛生は美路人をフォローします。

その頃、洸人は東京にいてあてもなく彷徨っていました。

人生で何かを選択する時は美路人のことを考えていた洸人。

「美路人のお迎え行ってくれる?あ、ごめん、図書館行くんだっけ。いつも優しいお兄ちゃんでいてくれてありがとうね」

子供の頃の思い出が走馬灯のように蘇り、美路人に伝えたかった正直な気持ち、家族への想いが彼のなかで溢れ出します。

「洸人、野球しようぜ」

「ごめん、今日は弟と帰ってDVD見なきゃいけないんだ」

「えーいいじゃん。野球してそれからDVD見ればいいじゃん」

そこへ高校生だった愛生が、洸人に助け船を出しました。

「野球やりたいんやろ?ほら行ってこい」

そし現在の洸人は、かつて自分が通っていた大学を訪問し、普通の暮らしが自分にもあったのではないかと思いを馳せます。

工藤楓(桜井ユキ)が電話をかけてきたので、待ち合わせの居酒屋に向かう、洸人。

「済みません。お呼び出しして。まさか東京にいるとは思いませんでした。」

「たまたま」

「とりあえずビールですか?」

「はい」

「おお」

「あ、今、今回の一連の事件を背景を含めて記事にまとめているところなんですけど、その原稿を愛生さんと小森さんにもチェックしていただきたくて。あっ、データのほうがいいですよね?」

「ああ…」

「後でお送りします」

「はい、えーでは…お疲れ様です。東京へはお仕事で?」

「いえ、家を出て色々考え事ごとしてたらいつのまにか」

「え?茨城から東京まで?長い散歩ですね。」

「気づいたら昔通っていた大学の前にいて色々あって中退したんですけど」

「自然とそっちに足が向いているってことは何か心残りがあるんじゃないですか?」

「やり残したことがあるなら挑戦したらいいんじゃないですか?ほら社会人になってからも学び直す人っていっぱいいるし」

「いやでもそんなつもりで来たんじゃないと思うんですけどね。今更った感じだし」

「新しい事を挑戦するのに今更とかないですよ。思いっきりいってどーんと飛び込んじゃえばいいんですよ」

そして洸人は無事、茨城の家に帰宅します。

「洸人お帰り」

「お兄ちゃんお帰り」

美路人とライオンの出迎えも無視し、2階へ。

「ご飯どうする?」

「ああ、良いよ」

その夜。

「お兄ちゃんどこに行っていましたか?一人になりたい時ですか?」

「え?」

「お兄ちゃん、明日も一緒にいますか?家にいますか?お、おやすみなさい」

あくる日の夕方。

「みっくん迎えに行ってくる」

「洸人、ちょっとパソコン貸して」と、愛生。

「僕の部屋にあるから使って」

愛生は履歴書を書いて仕事探しのついでに、洸人が大学の社会人入学の情報を検索していたのを見て、洸人が大学進学を考えていることを察しました。

洸人は美路人を迎えに行きました。

「この間は迎えに行けなくて済みません」

「いえいえ」

「みっくんの1000人画廊の絵が完成したんです。」

洸人は、美路人と喜びを分かち合おうとするものの、彼は素っ気ない態度でした。

その後、愛生とライオンこと、愁人(佐藤大空)を連れて、1000人の画廊のライオンの絵を見ました。

しかし、美路人は納得がいかず、すたすた歩いてしまいました。

寅吉の店で夕飯を食べ、ぎっくり腰の寅吉の代わりに、愛生が料理をしました。

愛生と洸人の気持ちを知ろうとしてくれました。

「どうした?聞くよ。」

「姉らしいね」

「お姉さんさせてよ」

「みっくんには絵を描くことができるけど、これから自分には何ができるか…だから大学の前にいた。将来のこと分からないけど離れて見た方がいいと思って」

「洸人が家を出て行ったのは自分のせいだと思っていたみたいだよ」

「自分が面倒くさいからお兄ちゃんが出て行ったと思ったらしいよ。どれだけ近くにいてもとお互いが何を思っているかなんてわからないってことだよ。思いは言葉にしてちゃんとぶつけないと」

その夜、貞本の結婚10周年パーティに呼ばれました。

貞本家には愛らしい三男が生まれ、赤ん坊の三男をみんなに見せる、貞本。

そこには、貞本の一人息子や美央もいました。

「おお、ライオンくん!あっちにおもちゃやお菓子がいっぱいあるよ。一緒行く?」

美央は愁人を気遣いました。

「僕のマブです、小森洸人です!」

洸人は、急に結婚10周年で貞本からスピーチを頼まれました。

「貞本の家族はいつも温かくて、僕にとっては羨ましい存在でした。貞本は奥さんや職場の人の話をいつも俺思想にしてくれるんですけど、僕は…」

言葉に詰まる洸人を受け入れる、貞本。

「僕は自閉症スペクトラムの弟がいることを聞かれても言葉を濁してきました。でも家族を愛する気持ちはしっかり言葉にしないとと貞本家の皆さんから教わったので、この場を借りて伝えます。美路人、僕はみっくんのことが大好きで、みっくんの描く絵が大好きです。みっくんが絵を描けることに嫉妬したこともあったけど今はみっくんのことを尊敬しています。これまでいろんなことがあったけど、みっくんがいるおかげで乗り越えることができました。僕にとって弟はこれからも自慢の家族です。ありがとう」

「小森!最高だ!」貞本は洸人を励まします。

その後、美路人は絵の中にウミネコを描きました。

「うみねこはどこへ行こうと自由です」

かつて、美路人が言っていたことを思い出す、洸人。

「みっくん、お兄ちゃん東京の大学を受け直そうと思う。家を出て東京で一人暮らしをしようと思う。ずっと迷っていたけどこの絵を見て決めた。みんなと離れて暮らすことになるけど、僕達のプライドはずっとここにあるからね。離れていても、ずっとプライドの仲間だよ?いいかな?」

「はい。同じプライドの仲間です」

「ありがとう」

「できた!」

愁人はうみねこの絵を描きました。

「みっくん、お兄ちゃんのウミネコ、下手かな」

「はい下手くそです」

「はっきり言うなぁ」

3人のそれぞれの自立と旅立ちを意味するかのように、ウミネコが鳴きました。

「まぁ美路人と愁人のことは私が見るよ」

「これから準備に忙しくなるけど」

寅吉と愛生は洸人と美路人、愁人のいないところで話し合います。

「どうだい?仕事は見つかりそうかい」

「なかなかですよ。」

「まぁあれだけ有名になってたし、警察沙汰になったし」

「愛生ちゃん、うちで働かねぇか?ぎっくり腰のこともあるし」

「本当ですか?!有難う御座います!」

「もちのろんだよぉー」

愛生は寅吉の心意気と優しさで、彼の店で働くことになりました。

翌朝。

美路人は、アートグループホームで自立の為に暮らすことを洸人に伝えました。

「4月からここで暮らします。アートグループホームです。」

「ここお泊りと違ってずっと暮らすんだよ?大丈夫?」

「大丈夫です。挑戦してみます」

一方、洸人は市役所を辞めて大学で学び直すことに。

「お世話になりました。有難う御座いました。」

「小森さん、よっと何も言わずにすっと帰らないでくださいよ。」

「さっき挨拶したからいいかなって」

「ちゃんとお見送りさせてくださいよ。これ合格祈願の御守りです」

洸人に大学合格祈願の御守りを渡す、美央。

「俺も榮太郎からの御守り」

貞本も息子の榮太郎の手作りメダルを洸人に渡しました。

微笑ましいお守りに笑みを浮かべる、洸人。

「私、毎週末、東京に会いに行きますよ」

「え?毎週末は多くない?」

「あ、じゃあ月2で」

「月2って小森さんのなんなんですか」

「うるさいなーあなただって小森さんのなんなんですか」

仲間の温かい見送りに心がホッとする洸人でした。

「月2って、コンビニでコーンフレーク買うレベルじゃん」

夕方、美路人と洸人は、4月から住むアートグループホームの鳥羽から説明を受けました。

「鳥羽さんは僕のファン28号です」

「ファン、増えたね」

「グループホームで出会って、その時から、美路人さんの絵の大ファンになったので。ここに来てもらえることになって嬉しいです。ホームではサポートが付きますが、身の回りのことは自分でやっていただきます。ご家庭で練習してみてください」

「頑張ります!」

「大丈夫です。練習します。お兄ちゃんは4月から大学生です。ライオンは小学生です。」

「ご家族の新しい船出をこの舟木、心より応援していますよ」

美路人の働く「プラネットイレブン」のCEO兼デザイナーの舟木(平井まさあき)も、

何度も通ってきたこの道を僕達はあと何回一緒に歩けるのだろう。

その夜、寅吉がサンタになって、小森家を尋ねてきました。

食卓では、七面鳥などクリスマス料理に舌鼓を打つ小森家。

「サンタさんだぁー!」

喜ぶ愁人に、美路人は現実を教えます。

「寅じいです、寅じいサンタクロースです」

「美路人、正体言うな」

「愁人、ママからメリークリスマスだよ」

愁人は愛生から黄色と茶色のライオンカラーのランドセルをもらいました。

「うわぁランドセルだぁ!がおー!」

洸人はライオンを抱き上げます。

「ライオン、大きくなったんじゃない?」

家族で新年の参拝へ行き、それぞれの幸せを願いました。

そして、小森家以外の人々もそれぞれの道へ。

「差し入れです」

愛生の偽造死を手助けした罪で拘留中の柚留木(岡山天音)には、愛生からクリスマスに小森家で撮った写真と白い服が送られ、微笑みました。

「判決を言い渡します。被告人を懲役3年に処する。あなたはこの先正しい道を歩けると思っています。」

裁判長から、橘祥吾(向井理)は懲役3年の刑を言い渡されました。

祥吾は裁判の結果を受け入れました。

洸人の合格発表の日。

「合格しました!」

「おおーやったぁ!おめでとう」

洸人は無事、大学へ合格し、愛生、愁人、美路人は心から祝福しました。

刑事の高田快児(柿澤勇人)と工藤楓、天音悠真(尾崎匠海)は、カラオケスナック「かすみ」のママ、須賀野かすみ(入山法子)のスナックで過ごしていました。

楓に悠真はスクープ連載記事の許可をもらったことを嬉しそうに報告します。

「工藤さん、週刊真相のWebと誌面で特別連載のOK出ました!」

「へぇやるじゃん!」

「えっ?でもいいの?私社外の人間なのに?」

「編集長、工藤さんに戻ってきてほしそうでしたよ」

「やだよ」

「だと思って断ってきました」

「これで偽装死なんて悲しい事件がこの先起こらない社会になる事を願うよ」

「楓ちゃんが山梨にいるってことは事件の匂いを嗅ぎつけてきたわね?」

「山梨葡萄病院っすか。あそこの副院長、裏で臓器売買のブローカーと繋がってますもんね」

「へぇそうなんだ。」

「まさか知らなかったですか?今のマジで言わないでくださいね!怒られる!」

その後、リンゴ殺人事件を歌って大騒ぎしていました。

「今日は事件とか忘れて飲みに来た」

夕方の小森家。

「みっくんも明日から新しい生活が始まるね」

「お兄ちゃん東京に行きます。東京行くの怖いですか?」

「不安だけどわくわくする。みっくんは?」

「不安だけどワクワクしています。」

「一緒だ」

「連絡はこまめに取り合おうね」

「連絡は毎日ですか?毎日送ります」

「みっくん、お兄ちゃんさ、大学で勉強した後でやりたいことがあるんだ。本に関わる仕事をしていつか、みっくんが集めた本を出したい」

「僕はお兄ちゃんのファン1号です」

そして、小森家に春が来ました。

愁人は小学1年生に、洸人は社会人学生に、美路人はアートグループホームへ入所します。

「じゃあ後は宜しく」

「なにそれ。行ってらっしゃい」

かつて姉が言っていたように、「あとは宜しく」という洸人に微笑む、愛生。

東京の大学へ旅立つ、洸人、小学校に行く愁人、グループホームに行く美路人。

「じゃあここで売買、またね、ライオン」

「ライオン、さよなら」

「またね、行ってきます」

「またね」

それぞれの道を歩いていきました。

「みっくん」

「はい」

「じゃあ、またね」

「はい」

自立の為に向かって歩く美路人とハイタッチする洸人。

バスに乗る、美路人は兄の洸人がいなくてパニックになる彼ではなくなりました。

清々しい笑顔で、美路人は新たな景色へ向かって歩き出します。

洸人は弟を送り、彼の道を歩いていきました。

僕達はまた嵐のような出来事に巻き込まれるかもしれない、でも僕達ならきっと。

ライオンの隠れ家感想・みどころ

洸人、美路人、ライオンこと、愁人のそれぞれの旅立ちに心が温かくなるくらい涙が止まりません。

いつまでも家族は一緒にいることができない現実を受け入れ難かった美路人が、自ら4月にグループホームに入ることを決意するなんて…。

あんなに兄がいないとパニックを起こしていたみっくんが、ラストシーンで洸人と別れた時、バスに乗る清々しい表情が忘れられません。

坂東龍汰さんが実際に、自閉症スペクトラムの障害を持つ人達と接し、徹底して「美路人」を自身に取り入れた努力の賜物です。

絵画の才能豊かな弟に嫉妬したこともあったけど、自閉症を持つ弟を尊敬しているという洸人の言葉は、美路人と同じ障害を持つ私自身も救われました。

洸人と美路人は支え合うだけの関係ではないこと、愛生と愁人は親子として愛情と優しさ溢れる世界に生きていることが改めて伝わりますね。

ライオンを虐待から助けるだけでなく、障害を持つ家族と生きること、「きょうだい児」だった、洸人の葛藤など、すぐ隣にある現実にフォーカスを当てた本作品は永久保存版です。

心が迷子になっていた愁人の父で愛生の元夫、祥吾も更生の道を歩いて行けることでしょう。

柚留木が愛生の偽造死を助けたことで、逮捕されている描写は切ないものがありましたが、彼と愛生、小森家の繋がりは、「同じプライドの仲間」だからこそです。

洸人も美路人も、愛生とライオンも、優しい時間を共に過ごす人に恵まれていますよね。

マフラーを誰かに巻くような、心を結ぶバトンが、洸人から美路人へ、そして、ライオンへ手渡された最終回でした。

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