ライオンの隠れ家2話あらすじネタバレ
「もう3日も帰って来てない」
橘祥吾(向井理)は妻子の行方を案じています。
河川敷で救助隊は捜索を続けています。
「これ、息子さんのですか?」
「違います」
その頃、週刊誌記者、工藤楓(桜井ユキ)と天音悠真(尾崎匠海)は定食屋でうどんを食べてから仕事へ向かうのでした。
洸人(柳楽優弥)は、自閉症スペクトラム障害の弟、美路人(坂東龍汰)の叫び声で目を覚まします。
「遊ぼうよ!遊ぼうよ!」
「わああああー!ダメです!ダメです!」
ライオンが、洸人(柳楽優弥)と美路人(坂東龍汰)の両親の仏壇のお鈴を鳴らしていました。
発達障害の感覚過敏がある美路人は、パニックを起こしてしまいました。
今に降りると、いたずらをするライオンと美路人のパニックでそこはひどい状態になっていました。
朝から2人をフォローした洸人は、ライオンを自宅で預かることに不安を覚えるのでした。
ライオンの親は、生き別れた異母姉の愛生(尾野真千子)ではないかと疑います。
「返信をいただけませんか?もしできないなら、これ以上、預かる事は難しいです。」
さらに、ライオンから渡されたスマホに、2回目のメッセージが届きます。
「ソフトクリームの広場で、鐘の鳴る頃に」
メッセージの意味が分からないまま、洸人は美路人とライオンを連れて図書館に出かけることにしました。
「みっくんお休み?」
「土曜日はお兄ちゃんとパン屋さんと図書館へ行きます。だからダメです」
「ええー本物のライオン見たことないから見たいよ!」
図書館とパン屋と公園に行くのが洸人と美路人の土曜日のルーティーンです。
こだわりがあり、そのルーティーンを壊したくない美路人は頑なに拒否しました。
「洸人?置いてくよ」
「あ、待って、ライオン!靴!」
ライオンが土足で上がったことに少しイラっとした洸人ですが、10代前半で出て行った異母姉、愛生が同じことをしていたことをふっと思い出しました。
「やはりあの子は…」
図書館に着くと、洸人はたまたま手にした一冊の絵本から謎のメッセージの場所に察しがつきました。
ソフトクリームを地面に落とした熊の子供の絵本の内容に、メールに書かれた場所が、「ことぶきタウンモール」だとわかります。
「分かりました。行きます」
「X」を名乗る相手に即座に返信した、洸人。
美路人にライオンのことを頼み、急いでその場所へ向かいました。
「ライオンと2人で待っていられる?」
「お兄ちゃんとパンを買って、お兄ちゃんはカレーパンを食べます。公園で本を読んでくれます」
いつもの日課を話す、美路人。
「パンを食べ始めるころには戻るからライオンのこと頼める?ここに書いてある通りでいいから」
「できません!はい、わかりました」
「ライオン、みっくんの言うことちゃんと聞くんだよ?邪魔しないこと」
「はい」
しかしその指定の場所に着くと、警察から電話がかかってきました。
少年時代に、美路人がソフトクリームを落としてパニックになり、好奇の目に晒された時がありました。
洸人が複雑な思いを抱きながらも、愛生は冷静になって、美路人の服についたソフトクリームを拭っていました。
「ほら、フラフラすんな」
その頃、図書館ではライオンが遠くにいる見知らぬ親子を見て、羨ましく眺めていました。
「ライオンのお母さんどこにいます?ライオンのお母さんどこにいます?…死んじゃったの?」
「…死んでない!」
ライオンは美路人の質問に怒ってしまいました。
ショッピングモールの洸人は、子供支援課で働く美央(斎藤飛鳥)と偶然出会いました。
「あっ、洸人さん。ここのパン美味しいんですよ。30分並んで買えたんです。」
「ごめん、これから人と会うんだ。」
「デートですか?」
「違うよ、姉だよ。姉と会うんだ。もう長らく会ってない」
「じゃあ私は席を外した方がいいですよね」
「あ、いてくれて構わない」
「ん?なにか私達撮られている!あの人!」
後を追いかけると、白い服に身を包んだ男(岡山天音)がいました。
「たまたま会社の同僚に会っただけです」
即座に疑われないようにメールする、洸人。
美央の車で、男の行方を追い掛けます。
その頃、公園に来たライオンと美路人は、お腹を空かせたライオンが駄々をこねていました。
「ベンチに座ります」
「はーい。お腹空いた!」
「お兄ちゃんが来るまでダメです。ダメです!」
「ケチケチケチ!」
「うるさいです!うるさい!」
美路人はライオンの声にパニックを起こしますが、ライオンは、空腹に耐えきれず、クリームパンを食べて静かにしていました。
しかしそれは美路人のクリームパンでした。
「それ僕のクリームパンです!」
「お腹空いた!みっくんの意地悪!」
「バスに乗ります。15時45分のバスに乗ります」
「洸人は?」
「お兄ちゃんは来ません!バスは来ます!」
その後2人は洸人が来ないので、美路人と共に15時45分のバスに乗ろうとしました。
しかし、肌身離さず持つライオンのぬいぐるみを公園に落としたライオンは、バスに乗らず、公園に戻って行ってしまいました。
美央は洸人にライオンのことを気に掛けました。
「ライオンくんだっけ…、お母さんは小森君のお姉さんなの?」
「そうかもしれない」
その頃、バスの中で、置き去りにされたフラッシュバックを起こしていました。
「ライオン!ライオンがいません!ライオンがいません!…どうしよう、また一人です。また一人です。」
バスの運転手に止められるものの、好奇の目に晒されながら、美路人のパニックは止まりません。
その頃、ライオンは無事、ぬいぐるみのライオンを見つけ、美路人のところへ戻ろうとしますが、美路人はバスに乗っていません。
そのぬいぐるみには盗聴器が仕掛けられています。
ライオンの動向を録音して追っている白い服の男(岡山天音)。
彼は、ある理由で、携帯を何台も持っていました。
その後、警察から電話がかかり、洸人は警察へ。
「みっくん、ライオンは?一緒にバス、乗らなかったの?」
「わかりません、怒らないで下さい!」
「公園は一緒にいた?」
「ライオンが僕のクリームパン食べました。お兄ちゃん来ませんでした。」
「それはごめん何回も電話かけたんだけど」
「バス、一人でした。ま、また一人でした!」
美路人はバスで置き去りになったことを思い出しました。
洸人が大学時代、美路人とバスに乗ると、同級生に声を掛けられました。
「洸人じゃん。就活終わった?どうしてるの?」
「あ…ま、まぁ」
洸人は自閉症スペクトラム障害の本を読んでいて、充実した学生生活を送っている友人と自分の境遇を悲観し、バスを突発的に降りてしまったのでした。
間もなく、美路人がパニックを起こしてしまいました。
ライオンは一人で歩きながら、美路人が「ライオンのお母さん死んじゃった?」の言葉に悲しくなってしまいました。
それでも自分を幼いながらも奮い立てせます。
「僕は百獣の王だ…」
美央は、車で、ライオンの痛々しい痣を思い出し、胸が切なくなりました。
その時、白い服の男が彼女の乗る車の窓をノックしました。
「ライオンがどこ行ったか思い出せる?」
「ライオン…ブランコ」
美路人はXから送られてきたメールに添付された、写真の飲み物の色とブランコから、居場所を特定しました。
ライオンは美路人といた公園の反対側の公園にいました。
「みっくん、洸人!はぐれてごめんなさい」
「大丈夫だよ、落ち着いて。もう安全だから」
安全といっていいのか?洸人は迷いました。
姉はなぜライオンの居場所が分かったのか僕達は見張られているのかもしれない…。
洸人は、ライオンと自分たちの生活が愛生と、白い服の男(岡山天音)を通じて、遠隔操作で監視されていることが分かりました。
夜に、寅吉(でんでん)がクリームスイカを持って現れました。
「スイカ買ってきたんだ。どうだ?おお、小僧も食べるか?」
「小僧じゃなくてライオン!」
「そうか、寅吉とライオンだからライバルだな」
寅吉は快くライオンの相手をしてくれました。
さらに、スイカの種が食べれない美路人の為に、種をとってくれました。
翌朝。
ライオンの母、愛生からの連絡は来ず、新しい日常が戻りました。
日中は洸人と美路人が仕事でいない間、ライオンを寅吉に預けることに。
こうしてライオンとの日常が過ぎていくなかで、甲府警視庁にいた祥吾(向井理)は、河川敷で見つかった血痕のついた服は、彼の妻、つまり、愛生のものだとわかりました。
「あのどうだったんですか?」
「残念ながら見つかった血痕は奥様のものだとわかりました…」
「そんな…!なにかの間違いでしょう」
刑事の高田快児(柿澤勇人)は、祥吾の反応を怪しんでいました。
夜に、須賀野かすみ(入山法子)のバーで飲む、記者の楓と悠真。
きな臭い親子、橘愛生とその息子の失踪事件を追っています。
「こんなとこでネタ拾っているの?」
「この間取材した亀ヶ谷議員、あれただの不倫じゃなかったんですよ。6股不倫です」
「あらお友達?」
「最近うちに転職してきた人」
「亀ちゃんちょっと危ないことに手を出しているみたいね。なんかリニアの工事に便乗して裏で派手に地上げやってるんだって。」
かすみは常連である、亀ヶ谷議員を知っていました。
「天音、裏とっといて !」
「そういえばきな臭い親子の行方不明事件があるけど知ってる?」
話を切り替える須賀野かすみ(入山法子)。
笛の川で血痕が付着した服は、橘愛生だとわかりました。
偶然、その女性が、姉と同じ、橘愛生という名前で、その息子が愁人だと報道していました。
なにかにピンときた洸人は家ではしゃぐライオンに試しに、呼びかけました。
「愁人?」
「なに?」
ここで、洸人はライオンの本名が愁人だと確信しました。
本名を呼ばれたライオンは、ずっと「ライオン」と名乗って自身の素性を隠したがっていた為、固まってしまいました。
ライオンの隠れ家2話感想・みどころ
それまでは凪のようなゆっくり流れる日常ががらりと変わってしまった、洸人。
美路人の発達障害によるパニックなど、ヤングケアラーの苦悩も伝わりました。
大学の同級生に話しかけられた洸人が、同級生と同じ普通の日常を送れないジレンマを抱えている葛藤がとても切なかったです。
弟さえいなければ、両親を失った自分は苦労することなかっただろうという蓋をした彼の心の奥底が見えました。
美路人のことを愛しているけれど、障害のある家族との生活に日々、心が消費され続けている洸人の立場は他人には計り知れないものがあると思いました。
そんな彼に、寅吉という、ライオンを日中見てくれる大人がいることはほんの僅かの光ではないでしょうか。
ライオンの母、愛生を巡り、愛生の服に血がついていたけれど、愛生はわざと行方をくらまして夫の祥吾から逃れようとしていると思います。
妻の愛生の行方を血眼になって探す祥吾。
普通の真面目で品行方正な振る舞いに背筋が凍りました。
彼のように家庭を大事にしそうな柔和な雰囲気がある男が、ライオンこと、愁人にひどい暴力を振るっている二面性を猶更感じさせました。
愛生と同じ行動パターンをとる無邪気な、ライオン。
しかし、ラストで「愁人」と本名を呼ばれた時の過去に引き戻されたような表情がとてもつらかったです。
ライオンと名乗り、自分を守ってきたに違いない、ライオンこと、愁人。
報道されているように、異母姉の愛生が大事に育て、守り抜いてきた息子だと察した、洸人。
愁人と呼んだ時の、佐藤大空さんの曇った瞳、それまで明るく笑っていた顔に焦りが見え、虐待を受けた子供特有の「凍り付いた瞳」そのものでした。
愁人と呼ばれてつい反応してしまった自分の後悔や、真実を知られたくなかった不安が目の色に表れていましたね。
佐藤大空さんの演技を、主演の柳楽優弥さんも、「演技が上手いという言葉では収まり切れない、絶妙」と絶賛しています。
ライオンの触れられたくないパンドラの箱を徐々に開けようとする洸人とライオンの関係が音を立てて崩れ始めようとした2話でした。