嘘解きレトリック3話あらすじ・ネタバレ
祝左右馬(鈴鹿央士)の探偵事務所で助手として働く、浦部鹿乃子(松本穂香)。
事務所の掃除をする鹿乃子は、近所の人からよく声を掛けられるようになりました。
左右馬の室内はガラクタだらけです。
「へぇススキのお茶なんて知らなかった」
「田舎育ちなもので」
ススキのお茶を左右馬に振舞う、鹿乃子。
「どうして先生の部屋にはガラクタがこんなにあるんですか?お金ないんですよね。人からもらったものをもらっている。頂戴なんて言ってないのに。」
貧乏探偵の左右馬が人からもらえるものを全てもらっているからでした。
左右馬はある事を思いついてやってきたのは古道具屋でした。
リヤカーに乗せて、鹿乃子と町へ出かけました。
「でもまぁ値打ちはせいぜい」
左右馬は鹿乃子の嘘を見抜ける力を利用し、ガラクタを値切られないようにしようと考えていました。
店主(前野朋哉)の嘘を見破った鹿乃子からのハンドサインで、左右馬は言い値でガラクタを売る事に成功しました。
「結局損をするのは僕か親父さん。」
「わかった90銭で!そうちゃんにはかなわないよ。実は六十番街で酔っちまって財布を盗られたよ。かみさんに怒られた。」
そんな時、店主は「六十番街」で酔い潰れ、財布を盗まれてしまったことを2人に話しました。
ある日、左右馬の友人で刑事の端崎(味方良介)は警察で、六十番街の窃盗事件に目を付けていました。
「うちの蕎麦屋にしなよ。そこの蕎麦屋よりうちのほうが美味いよ」
そんな蕎麦屋の店主の嘘すら、鹿乃子には能力でわかってしまい、左右馬と共に別の店で腹ごなしを済ませるのでした。
ふと通りすがった女性が食べていたものを見て、鹿乃子が一度も食べたことがない事を知った左右馬。
その屋台が丁度見えてきたので、左右馬は、お焼きを2個買いました。
一つは鹿乃子に、もう一つは古道具屋の店主にあげに行った左右馬。
彼は、左右馬を訪ねてきます。
「こんにちは。うわすごい!」
部屋が鹿乃子のおかげでどうにか片付いていたので、端崎は泥来ます。
左右馬は端崎をぞんざいに扱いますが、友人と呼べる存在を持たない鹿乃子には羨ましい限りでした。
左右馬が訪問の要件を聞くと、端崎が雑誌記事の写真を見せました。
「六十番街」にできた料亭の写真ですが、端崎は移り込んでいる美しい仲居(中田クルミ)が松葉牡丹の君ではないかと言い出します。
「きちんと浦部くんに話して聞かせろ」
「お前の家みたいに振舞うな」
「先月、大家さんに草刈り頼まれて、こいつが腹壊した」
「話を逸らすな、原因は貴様がよこした九十九焼だぞ。」
なんと、鹿乃子が先程、飼ってもらった九十九焼の店の物でした。
3日前の九十九焼を食べてしまった端崎は激しい腹痛に苦しみました。
数日前、左右馬からもらったつくも焼きを食べた端崎は食あたりで倒れ込みます。
左右馬が大袈裟だと去ると、一人の女性が端崎を介抱します。
「その時に介抱してくれたのはこの人。半襟に松葉牡丹の絵柄がついていました。名はおろか顔も朧げだがこの人だと思うのです。」
その女性の顔は見ていないものの、彼女の着物に松葉牡丹の絵柄があったことを覚えており、お礼だけでも言いたいとやってきたのでした。
女性の顔を見ていた左右馬は、写真と見比べます。
「違う。全然違う」
鹿乃子は左右馬の嘘を見抜きます。
「しっかり見てくれ!ほら!どうだ!…そうか。朦朧としたなかの面影などあてにならない。左右馬の記憶力だけは確かだな」
「浦部くん、左右馬の下で働くのは大変でしょうが君のようなしっかりした助手がいて良かった。ああ見えて古い友人なんだ。奴に代わって宜しくお願い申し上げます」
その古い友人にどうして先生は嘘をついた?もし違うなら写真の人が松葉牡丹の君。
先生は私が嘘に気付いていること、わかってるよね?
数日前。
鹿乃子は、左右馬からウソの検証をする訓練をされていました。
「声以外で変に聞こえたことはないです。破る音は同じです」
違う内容の紙を見せたり、遠くでお金が落ちているとほらを吹き、鹿乃子の察知能力を確認する、左右馬。
「明日は雨です」
「明日は晴れ」
「そうですよね、それも嘘じゃない」
「君の力は未知の物への心理は問えないわけだ。つまり君を使って賭け事で大儲けできない」
「そんなこと考えてたんですか」
「それじゃあ明日は雨が降る」
「嘘です」
「明日の天気も1000年の天気も分からない。さっきのは僕の意識。雨が降るか降らないかを殺気は聞いた。僕の意見を言ったんだ。嘘を突こうと思って言ったんだよ。それが思い込みや勘違いでもその人が嘘だと思っていないことは嘘だと聞こえない。鹿乃子君は発言する人の嘘の意識がわかる。それが君の能力だ。」
鹿乃子は自分の特殊能力にとことん向き合う、左右馬の一生懸命さに喜びを感じていました。
その夜。
いつものように、「くら田」の倉田ヨシ江(磯山さやか)と達造(大倉孝二)の店で夕食を食べます。
同じ店に食べに来た端崎と「松葉牡丹の君」のことで、喧嘩になってしまいました。
「もう少し彼女を知りたい。命を助けてくれたのは彼女だけだ。人の純粋な気持ちをバカにするな。へぇ、探偵はそんなに見抜いたのか」
「人は見かけによらない」
「どこの誰かも分からないのに関係ない」
「そうだな、貴様には関係のないことだ」
聞かれたくないことは誰だってある、私は先生に嫌われたくない。
人と違う不思議な力を持つ自分を拒否しないでいてくれる左右馬に嫌われたくないという思いを胸に秘める、鹿乃子。
翌日。
倉田家の小学生の一人息子、タロ(渋谷そらじ)を優しく見守る近隣住民。
「タロ坊、学校どうだ?楽しいか?」
「まぁまぁかな」
「またいっちょ前に。俺がガキの頃はおませだったからな」
ふと、タロはお金に困っていると思われる腰の曲がった高齢者らしき男性とぶつかりました。
鹿乃子は探偵事務所を訪ねてきた藤島千代(片山友希)と会いました。
「ところでどうして九十九町へ」
「たまたま偶然あそこを通りがかったの。左右馬様に会いたいと思ってきたのではなくてよ。…気の抜けた味ね」
一緒に九十九焼を食べる、2人。
「ねぇ左右馬様の家はあそこ?」
「ええ。」
「ご一緒に住んでいるってこと?」
「2階を貸してもらっているだけで」
「私、探偵小説が好きなの。探偵小説をいつか書くの。これは私の夢ではありませんわ。私の本当の未来。鹿乃子さん、あなたの夢はなぁに?探偵助手になりたかったの?ごきげんよう。」
「あ、耕吉さん!」
鹿乃子と話していると、途中で千代を迎えに来た耕吉(宮崎秋人)に遭遇し、千代は彼の車で帰って行きました。
その頃、松葉牡丹の着物を着た女性を確信した、腰の曲がった男は、左右馬でした。
「お客さん、ご宿泊?…なにすんだいこのスケベ爺!」
左右馬は女性が松葉牡丹の着物の女性だと確信します。
その夜、鍋を食べている時、鹿乃子は左右馬がニラ嫌いだと見抜きました。
「他の雑草は食べるのにどうしてニラだけ?」
「そういえば、お使い頼まれてくれる?」
翌日、鹿乃子は左右馬が包んだ新聞記事を頼りに、松葉牡丹の女性を探しに出かけます。
古道具屋の店主(前野朋哉)は女性の店の地図を描いてくれました。
昼間、左右馬を訪ねてきたタロには、腰の曲がった老人が左右馬だと気付かれてしまいました。
その夜、ようやく鹿乃子はその宿へ。
ばったり、左右馬に遭遇します。
「どうして親友の端崎さんに嘘を?どうして?!」
「いた!あの女が財布を!」
古道具屋の店主(前野朋哉)が急に、刑事の端崎と共に、店に駆けこんできました。
「鹿乃子くんアベックのふりして!」
咄嗟に、他人の振りをする2人。
女性、松葉牡丹(中田クルミ)が、スリだと言って来ました。
「お前だな、財布泥棒。俺の財布から金抜いたんだ。」
「離して!私は何も知りません!」
間もなく、橋崎も合流し、牡丹は逮捕されていきました。
「先生は松葉牡丹さんが泥棒だって最初から気付いていたんですか?」
「あの時、あの女は馨の財布を盗ろうとしていたんだ。あの女は俺が正体を見抜いた事に気付いた。古道具屋の店主の話に状況が似ていたし、馨を無駄に傷つけることはないと思っていたけど。」
「先生は橋崎さんを思っての嘘だったのですね。」
「僕に言えなくてずっと悩んでいたでしょ。僕ずっと古道具屋さんへ行く君をつけていたよ。」
「わざと嘘ついて私の反応を見ていたんですか?」
「やろうと思えばすぐ君のことなんかすぐ騙せるんだよーまだまだだな。」
「なにがしたいんですか?!」
「それくらい、僕は君を受け入れる。君が僕の嘘を聞いていたことを僕が嫌がるんじゃないかって。嘘が聞こえる力をただ便利だと思っていない。一緒にいると嘘を聞く方も聞かされるほうもしんどいことも便利なことも出てくると思うけど、一人でぐるぐる悩まないで。君はもう一人じゃないんだから。一緒にいるから悩むだからさ。一緒に抱えるよ?」
そっと手を差し伸べる、左右馬。
左右馬の内面の温かさにまた心が救われ、泣いてしまう、鹿乃子。
「鹿乃子くん、月見蕎麦食べて帰ろうか?」
先生のお役に立つ、それが今の私の夢です。
嘘解きレトリック3話感想・みどころ
スリの女性を見抜き、彼女に介抱してもらったことをきっかけに一目惚れした友人の刑事、端崎のために、優しい嘘をついていた、左右馬。
彼の不器用さと、端崎と彼にしか分からない心のすれ違いにハラハラしました。
すっかり、松葉牡丹の君こと、牡丹に恋する端崎は、某刑事ドラマの「陣川公平」のように見えて微笑ましかったです。
左右馬は優しく、人が何を求めているのかなど相手の気持ちにとても敏感ですよね。
生真面目で純粋な鹿乃子を少々からかいながらも、彼女が自分の能力のせいで自分から拒まれることを恐れていることを一番に理解し、寄り添う姿が琴線に触れました。
一人ぼっちで普通の人にはなにものが理解できるせいで、故郷では嫌われ、母に負い目を感じていた、鹿乃子。
嘘を見抜く力のせいで生きづらさを感じている彼女にとって、左右馬は一筋の希望の光ですね。
私も男とか女とかではなく、鹿乃子を理解する左右馬のような、ただ隣にいて、歩幅を見守る友人がほしいとさえ思ってしまいました。
誰も理解しえないことと生きる、鹿乃子の葛藤に共感します。
鹿乃子は自分には友達がいないと言っていたけど、藤島千代が、もう既に友人ではないでしょうか。
千代は口が悪く、はっきりと思ったことをそのまま言う癖があるものの、根は優しい女性です。
天真爛漫で自由な彼女と、おとなしくて控えめで、優しい鹿乃子は、若い女性特有の友情が築けそうです。
左右馬と鹿乃子は、これ以上ないくらい、人の気持ちがわかる優しい人間性が垣間見れ、温かい2人の背中をまだまだ見守りたい3話でした。