まんぷく 第91話のあらすじ
立花萬平の池田信用組合理事の退任が梅田銀行の幹部会議で決定した。
組合は存続、組合員には引き続き融資がされることが約束された。
担保となった家屋と土地が裁判所によって競売にかけられ、福子はこれから暮らす借家を決めた。
昭和32年暮れ。立花家は新しいスタートを切った。
まんぷく 第91話の感想
萬平さんは理事長職を退任することで、池田信用組合の存続、池田の産業発展に協力して欲しいと梅田銀行に願い出ました。
数日後、萬平さんの提案は受け入れられました。
理事以外の職員は残ることができ、組合は存続されます。
梅田銀行の決定を報告しに来た矢野さんは、「お辞めになってもどうか頑張ってください」と一言最後に残して去って行きました。
当初の資金援助の終了、貸付金の返済、何か裏があり、それに矢野さんが関わっているのではないかと思っていましたが、矢野さんは本当に梅田銀行の指示で動いていたようです。
疑ってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。
矢野さんの一言が嬉しく、思わず泣き出しそうになってしまいました。
これからの池田信用組合は、引き続き真一さんが支えてくれます。
しかし、萬平さんだけに責任を負わせる形になり、真一さんは萬平さんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
だけど、理事を辞めるというのは萬平さんが提案したことです。
萬平さんも真一さんが組合に残ることで安心だと思うので、安心して、池田の産業発展を支えていって欲しいものです。
萬平さんは織田島製作所にも報告に向かいました。
組合と梅田銀行が強く結びつくことで組合は安定。織田島製作所への支援も引き継いでいくよう約束をしてくれました。
織田島製作所の社長達は感謝の言葉を述べながら涙を流します。
前話第90話では、生産開始の見通しが立たない、約束していた融資はどうなった、見捨てたのか、と随分とひどい物言いでした。
なんだかあまりにも都合がいいと感じてしまいます。
そんな風に言われていたことを萬平さんが知っていたかどうかはわかりませんが、物作りの楽しさを思い出させてくれたと織田島製作所に感謝します。
萬平さんが理事長を退任し、萬平さんのことを大好きな茂は、物作りの現場に戻るなら一緒についていきたいと願い出ます。
しかし、茂は今や北浜食品の幹部社員になっていました。
タカを養う必要があります。
子供ができた時にはもっと大変です。
現実を受け入れはするけれど、誰かが必要になった時は1番に声をかけて欲しいと茂は萬平さんに再度願い出ました。
萬平さんはその願いでを受け入れます。
一方、家屋や土地が裁判所により競売にかけられたため、福子はトシちゃんと借家探しに出ました。
見つけたある一軒家の家賃は2,000円。
理事長だった人がこんな所で暮らすなんてとトシちゃんは言いますが、萬平さんはそんなことを気にする人でないと福子は言います。
敷地の中に入ると、裏庭には畑がありました。
野菜を作ればお金を使わずに済むと福子はとても嬉しそうです。
トシちゃんは、そんな福子を見て、福子が「本当は恐い」と涙した日のことを思い出していました。
これまでだって色んなことがあったのに、福子は今までにない不安な姿を見せました。
福子は、トシちゃんの前でひとしきり泣くと、まるで憑き物でも取れたかのようにスッキリした顔になりました。
涙を流すことをとても我慢してきたのでしょう。
その分、それが解消されたので、前向きになれたようです。
トシちゃんが思い出している一方で、福子はこの家を借りることを決めました。
そして、福子の言うように萬平さんは福子の決定に何も言いませんでした。
池田信用組合の新理事長には、宮下宗吉という梅田銀行の人物が就任しました。
宮下さんの挨拶の後、萬平さんが最後の挨拶をします。
宮下さんは、萬平さんが築き上げた組合と言いましたが、萬平さんは組合を築き上げたのは職員のみんなだと言います。
そう思うからこそ、それを潰しかけたことにひどく苛まれていたのです。
萬平さんは、47歳で0から再出発することになりました。
この年齢での再出発を厳しいと言う人もいるかもしれないけど、萬平さんはこれからもう一花咲かせようと張り切っているそうです。
萬平さんがこんなに前向きなら、きっとこ大丈夫です。
萬平さんは、家財道具が無くなった立花家に帰宅をしました。
福子・源・幸は、家族水入らずで萬平さんを労います。
鈴は、早速、克子のところへ行ったようでした。
福子と萬平さんが結婚してからも鈴はずっと一緒に暮らしてきました。
戦争や泉大津での大変な時期も一緒に乗り越えてきました。
立花家に鈴がいないというのはなんだか寂しいものです。
そんな鈴がこれから暮らすことになる香田家の食卓には、豪勢な食事が並べられていました。
家が差し押さえになってからというもの、立花家ではおかずは一品と寂しいものでした。
鈴は、その状態をすっかり落ちぶれてしまったと表現します。
自分の娘夫婦を落ちぶれたと言う表現はいかがなものでしょう。
しかし、すぐに克子やタカが否定します。
お金が無くても家族が元気なそれでいい…福子はそんな風に言っていたそうです。
福子は心が豊かなのです。
忠彦さんがお金の援助を申し出ても、その代わりに鈴をよろしくとお願いをしたそうです。
鈴はため息をつきます。
源や幸に会えないのが寂しいのか、それとも後ろめたいのか。
香田家にはタカも吉乃もいるし、後ろめたいわけではないと言いますが、本当のところはやっぱり寂しいのかもしれません。
翌日。
家の柱に刻まれた子供達の成長を家族みんなで振り返ります。
8年の思い出が詰まった家。
新しい家で新しい思い出を作るために、立花家は仲睦まじく新しいスタートを切りました。