まんぷく 第92話のあらすじ
昭和33年元日。
立花萬平と福子、子供達は、新しい家で初めてのお正月を迎えた。
食卓はこれまでの元日と違い寂しいものだったが、子供達は福子が作った料理を美味しいと言って食べた。
食事を終えた萬平と福子、子供達は、元日から裏庭の畑を耕した。
そこに次々に年始の挨拶にと来客が訪れる。
まんぷく 第92話の感想
池田信用組合の理事を退任し、8年暮らした家から萬平さんと福子、子供達は新しい家へと出発しました。
追い詰められたといった雰囲気もなく、皆楽しそうに笑い、新しい門出といった感じです。
昭和33年元日。
萬平さんと福子、子供達は新しい家で初めてのお正月を迎えました。
部屋は狭く閑散としていますが、所狭しとちゃぶ台を囲む姿は温かい感じがします。
しかし、立花家のこの年の元日の食卓はとても寂しいものでした。
持ち金がないというのもあるかもしれませんが、今までは理事長ということで、元日から沢山の来客があったためご馳走が並べられていたそうです。
今は萬平さんが無職になってしまいましたが、萬平さん新しいことを始めようとやる気満々でした。
福子は、萬平さんが何を始めるのかワクワクしています。
泉大津に行った時も福子はとてもワクワクしていました。
でも、子供達はなんだか不安そうです。
立花家とは対照的に香田家の門構え豪華で、居間は賑やか、食卓にはご馳走が並んでいました。
京泉大学に行っている学と重之も帰省し、皆お正月の晴れ着まとい華やかで、そして賑やかです。
今年は何かいいことをと願う鈴は、茂とタカに曾孫が見たいと言い出します。
さらに、誰かいい人がいないのかと、25歳になった吉乃も流れ弾に当たってしまいます。
楽しい時間が過ぎていく中で、克子はふと、福子が寂しいお正月を送っているのではないかと心配になりました。
鈴は、めでたい正月に福子の話を出さないで欲しいと言います。
可愛い我が子のことをそんな風に言うなんて…と、なんて薄情なのだろうとこの時は咄嗟に思ってしまいました。
真一さんが年始の挨拶に立花家にやって来ました。
真一さんは玄関口で声をかけますが、中からの反応はありません。
家の中より少し遠いところから楽しげな声が聞こえてきます。
萬平さんと福子は、子供達と一緒に畑を耕していました。
手を休め中に入ると、子供達は萬平さんが作った福笑いで遊び、とても楽しそうです。
萬平さんは池田信用組合その後について真一さんに尋ねました。
萬平さんが理事長を退いた後も、真一さんは組合の専務理事として組合を支えていました。
組合の年末の決算はぼちぼちだけれど、取り付け騒ぎで預金を全額おろした組合員達も戻ってきたということで、萬平さんも安心したようです。
仕事の話が一旦終わると、真一さんは子供達にお年玉を渡しました。
子供達は、お年玉を貯金箱に入れるよう萬平さんに言われます。
お年玉をもらったのは子供達だけではありませんでした。
萬平さんは真一さんから退職金も渡されます。
萬平さんの退職金は5万円。
最近2億といった桁違いの金額を見たせいか、5万円の退職金に安さを感じますが、この当時の5万円は大きいものなのでしょう。
お年玉とは意味合いは違いますが、予想をしていなかった収入を萬平さんは手に入れることができました。
この5万円は新しいことをするための資金になります。
ひととおり話を終えると、トシちゃんが年始の挨拶にと来てくれました。
お年賀はカステラです。
子供達はトシちゃんからもお年玉をもらい、また、萬平さんに貯金箱に入れるようにと言われます。
トシちゃんとほとんど差のない時間で、世良さんも年始の挨拶に来てくれました。
世良さんのお年賀はウィスキーです。
このウィスキーに視聴者が盛り上がります。
ウィスキーの銘柄が、同じく朝の連続ドラマ「マッサン」で作られたドウカウィスキーだったのです。
ウィスキーだということはわかってはいましたが、ラベルまでは見ていませんでした。
皆さんよく見ていると感心します。
子供達は世良さんからもお年玉をもらいます。
そしてまた、萬平さんに貯金箱に入れるようにと言われます。
そんな萬平さんとは違って、「使う時は使えよ」世良さんはと言いました。
世良さんらしいですね。
真一さん・トシちゃん・世良さん3人の来客を迎え、立花家は賑やかになってきました。
そして、最後に年始の挨拶に来てくれたのは鈴と香田家と神戸家でした。
鈴は、子供達の顔を見に来たと明らかに強がっている様子です。
香田家と神戸家からも子供達はお年玉をもらいます。
「金や!金や!」と源は現金なほど喜びます。
そんな調子に乗った源に、萬平さんは貯金箱にお年玉を入れるよう今度は怒ったような口調で言います。
だけど、「何でも貯めすぎは良くない」と世良さんは萬平さんのことおかまいなしです。
お金をコツコツ貯めるタイプだろう萬平さん。お金を自由に使うタイプだろう世良さん。
相反している雰囲気がどんどん面白くなっていました。
狭い部屋はあっという間に埋め尽くされました。
香田家で作られたご馳走も並べられ、食卓も豪勢です。
克子は、この訪問の言いだしっぺは鈴だと福子に言いました。
誰よりも福子達のことが心配だったのは鈴だったのです。
福子の話をしないで欲しいというのは口だけで、心中はやはり違っていました。
寂しいお正月になるかと思った立花家は楽しいお正月になり、これまでのことがまるで嘘のように平和です。