まんぷく第26週(最終週)のあらすじ
まんぷくヌードルがやっと完成し、発売となった。
しかし、美味しいという評判にも関わらず、予想の1/3しか売り上げは伸びなかった。
100円から値引きをすべきだと妥協案もあがったが、立花萬平は、スーパーや小売店でのまんぷくヌードルの販売を取り止め、夜中に働く人がいる場所に営業を始めることにした。
まんぷくヌードルは、本当に必要な人に届き始めていたが、いつまでも営業で小売を続けていはいられない。
福子がふと思いついたアイデアを応用し、萬平は自動販売機でまんぷくヌードルを販売することを思いついた。
しかし、まんぷくヌードルは、相変わらず古い世代にはなかなか受け入れ難い商品。
そのことに気がついた福子は、頭の柔らかい若者達に向けてまんぷくヌードルを売り出してみてはどうかと萬平に提案する。
福子の話を聞いた萬平は、若者達が求める自由の象徴である歩行者天国でまんぷくヌードルを売り出すことを決めた。
いよいよ歩行者天国当日。
まんぷくヌードルは完売、大成功で終わった。
まんぷく第26週(最終週)の感想
2018年10月1日から始まった第99作目「まんぷく」。
第26週は最終週。
とうとう終わってしまいました。
「まんぷく」がどのように締められたのか、第26週を順に追っていきたいと思います。
とうとうまんぷくヌードルが発売になりました。
立花家には、加地谷さんや野呂さんから、まんぷくヌードルを食べて美味しかったと電話がかかってきました。
世間では、“まんぷくヌードル”は美味しいと高評価を得ていたようです。
しかし、まんぷくヌードルは、予想の1/3しか売り上げを伸ばすことはできませんでした。
発売から2週間経っても売り上げは伸びません。
福子はスーパーに行ってサクラを装ったり、意を決してご近所で食べ歩きをしてみたり、色々とやってはみるものの効果はありませんでした。
まんぷくヌードルが売れないことに、デザインを担当した純也は自責します。
しかし、純也のせいではないのです。
まんぷくラーメンが売れなかった時、忠彦さんも自分を責め、自信を失ったことがありましたが、デザインのせいではなかったのです。
パーラー白薔薇では、まんぷくラーメンの時同様、100円という正規の価格でまんぷくヌードルをメニューに加えてくれましたが、注文は入りません。
皆の努力はなかなか花咲かすことはありませんでした。
そんな中、努力というよりも妥協、値引きをしてはどうかと提案されます。
もちろん萬平さんはそれに応じません。
それどころか、スーパや小売店での販売を止め、夜中に働いている人達のところへ小売の営業を始めることになったのです。
営業には、商品開発部の茂と源も借り出され、夜通し営業回りをしました。
この方法について、茂は初めて、萬平さんへの反発を覚えます。
しかし茂は、これには何か意味があるのだと、仕事を渋ることはありませんでした。
その結果、なにわタクシーに50ケースのまんぷくヌードルを購入してもらうことのできた茂は、まんぷくヌードルを必要な人達と接し、まんぷくヌードルを求められていることを肌で感じることができる大きな経験をします。
しかし、いつまでも夜通し営業回りを続けるわけにはいきません。
そんな状況を打破したのは、福子の何気ないアイデアでした。
現在、コンビニの24時間営業について問題視されていますが、この時代には24時間営業のお店どころか、コンビニさえもありません。
初めて24時間営業を始めたお店はが1975年に生まれたことから、24時間営業なんていう発想はなかなか思いつけることではありませんが、夜中にまんぷくヌードルを売ることができたらと福子は思いついたのです。
福子のアイデアから、萬平さんは自動販売機でまんぷくヌードルを売ることを思いつきました。
自動販売機からお湯が出て、フォークを付けるというさらに画期的な方法です。
そんな中、福子は、安くて美味しくて便利意外のまんぷくヌードルの魅力が、もっとまんぷくヌードルの売り上げになるのではないかと、鮮明には頭に浮かばない“何か”としばらく戦っていました。
第26週の半ばには、最終週の貴重な1話を費やした鈴の生前葬という出来事もありました。
最近、鈴の夢枕に咲が立つことが多くなっていました。
咲は、鈴はあまり先が長くないといったことを言っていました。
それもあり、鈴は少し弱気になっていました。
ある日の夢枕、若くして亡くなって後悔があるのではないかと鈴は咲に問いました。
咲は、皆に「ありがとう」と言うことができたから後悔はないと返します。
その返答を聞いた鈴は、自分も生きているうちに皆に「ありがとう」と伝えたいと、生前葬を行うことにしました。
葬儀場には、鈴と関わる多くの弔問客が集まってくれました。
その中には、泉大津で鈴の子分だった赤津さんの姿も…。
弔辞は世良さんから始まり、最後は鈴の希望から、克子と福子もお別れの言葉を述べます。
福子は、咲の写真と共に鈴にお別れをすることにしました。
福子は、咲が亡くなった後、一生懸命咲の代わりをしようとしたけれど、それができなかったどころか鈴に心配や苦労をかけてしまったこと、だけど山あり谷ありの萬平さんとの生活に文句を言いながらも生活を共にしてくれたことを感謝しました。
苦労の原因はどれも萬平さんのせい。
自覚のある萬平さんも鈴に感謝を述べます。
しかし、まだまだこれでは終わらないと、萬平さんは鈴を冷っとさせます。
ハンカチ必須の涙の生前葬は、萬平さんのおかげで笑顔で終わることができました。
生前葬が終わり、本題であるまんぷくヌードルは、新しい販売方法が決まりました。
福子の頭の中でもやもやしていた“何か”が形になったのです。
これまでまんぷくヌードルの購買層は、主婦や仕事をしている大人達をターゲットにしてきました。
自動販売機も同様に。
しかし、自動販売機で買って、その場で立ち食いをするというのは、古い世代からすると行儀が悪い行為。
それがヒントになったのです。
歩いて食べても行儀が悪いと思わない、頭の柔らかい若者達に向けて販売してみてはどうかと福子は萬平さんに提案します。
福子の話を聞いた萬平さんは、たまたま手に持っていた新聞に書かれていた歩行者天国に目をつけました。
この頃、歩行者天国はとても珍しく、学生運動で大人への反発をしてきた若者にとって歩行者天国は自由の象徴のようなもの。
そんな場所で、既成概念が取っ払われたまんぷくヌードルを食べることもまた、自由の象徴のようなものです。
歩行者天国でまんぷくヌードルを売り出す許可はすぐに取ることができ、様々なことを予想して準備が始まりました。
そして、いよいよ歩行者天国の日。
今では当たり前に見える歩行者天国も、この頃はとても画期的な“イベント”として扱われていました。
福子やタカ、吉乃もまんぷくヌードルの販売を手伝ってくれました。
皆の成功への祈りを背負い始まった歩行者天国は大盛況!
お湯が足りなくなって沸くことさえも待てないほど、まんぷくヌードルは100円で売れまくり、完売という結果を残しました。
まんぷくヌードルは、若い世代の間ではファッションのひとつになるほど流行り、歩行者天国の翌日には全国の問屋から注文が入り、スーパーでも100円で売れ、まんぷくヌードルは大ヒット商品となりました。
まんぷくヌードルの販売数は10万超え。
まんぷくヌードルが話題になり、売れるようになったらという条件が整ったので、萬平さんは、しばらく真一さんに会社を任せ、福子と一緒に世界の麺を食べ歩く旅へと出ていきました。
こうして「まんぷく」は幕を閉じました。
大阪東洋ホテルに電話をかけてきた萬平さん。
大阪東洋ホテルで電話交換手として働いていた福子。
声を交わしただけの2人は、出会い、恋をし、結婚して夫婦になりました。
あの時の1本の電話から、2人が荒波に揉まれながらここまでくることを、誰が想像できたことでしょう。
2人には、本当に色々なことが襲いかかりました。
中でも、萬平さんが憲兵に捕まったり、GHQ(連合軍総司令部)に逮捕されたりしたことは、とても痛い思い出として残っています。
その度に、周りに支えられながらも福子は萬平さんを支えてきました。
福子はそうやって萬平さんを支えてきただけでなく、萬平さんの発明にも随分と貢献をしてきました。
どれもこれもが萬平さん1人では成功のできなかったことです。
福子の笑顔や逞しさ、それをもう観ることができないのが残念ですが、しばらくは、萬平さんと一緒に麺の旅を楽しくどこかで続けてもらえれば何よりです。