日本一の最低男~私の家族はニセモノだった~8話あらすじネタバレ
「わたくし大森一平は弟の子供達と家事、育児をし、皆さんのこの社会を一番好きな社会でいられることをお約束します」
「なんで選挙に立候補しようと?」
「俺を退職に追い込んだ上司を見返すためだよ」
一平は水を掛けられて、目が覚めました。
観ていた景色は彼の夢でした。
起きると、朝陽がおねしょしてしまっていました。
その後、真壁と会い、今後について話し合う、一平。
「なんであんなこと言っちゃったかな」
「現実世界ではそんな馬鹿な事言うなよ」
先ずは見た夢で本性が出た事を話題にします。
「言うわけないだろ。報道マン時代に二枚舌三枚舌でその場をしのぐスキル身に付けたから」
「その場しのぎで乗り切れるほど、選挙は甘くないぞ。」
「大丈夫、うまいこと言えちゃうから」
「全然だめだよ。地方選挙は小さな票の積み重ねだ。大江戸区議選は、2000票も集めれば当選できる。1票たりとも取りこぼさないつもりでもっと真剣に考えろ。」
「わかったよ。この前、商店街青年部との信頼関係もばっちり作れたし。」
一平(香取慎吾)は町会長の二階堂慎太郎(岩松了)から大江戸区で予定している再開発事業の話を聞きます。
「あ、そういえばこの前、町会長の二階堂さんから聞いたんだけど再開発って何?初耳だったから驚いたよ。その計画ってどんなの」
「俺もまだそんな詳しく知らない」
真壁(安田顕)にも確認しますが、どのような計画かは詳しく知らないそうです。
「じゃあまだまだ先の話ってことか」
ふと、武流が相談にきました。
「武流、え、相談?」
「その節は本当に有難う御座いました。もう武流や宮島さんたち青年部の皆さんのおかげで、ふれあい冬祭りを復活させることができました。」
「こっちこそ楽しかったよ」
「ふれあい冬祭りは大江戸の風物詩でしたし、開催できて町が元気になった気がします」
「やったぁ。それで俺に相談ってのは」
「ぺーやん大江戸第一小学校が学童になったのは、1週間前に突然、閉鎖になったの知ってるか?」
「いや、突然、閉鎖なんてあるんだ」
「補助金の不正受給が発覚して潰れたらしい」
一平は大江戸第一小学校が閉鎖になり、補助金の不正受給が切っ掛けで学童に変わった話を、武流から聞きました。
「それで子供を預けていた親たちは早急で、次の預け先を見つけなければなきゃいけなくなって」
「そりゃそうだろ。共働きの親は放課後に子供を見てもらうことも必要だもん。それなくなっちゃったら仕事できないでしょ」
そんななか、一平は「ふれあい冬祭り」一緒に復活させた同級生、剣持武流(田中美央)や、商店街青年部の宮島誠(須賀健太)から小学校近くの学童が突然、閉鎖されたことを聞きます。
「そうなんです」
「宮島の子供もその学童に通ってたんだ。」
「夜7時まで子供を預かってくれるところがなかなかなくて。今は子供に鍵を持たせて放課後は一人で過ごさせているんですけど、まだ小4なので心配で」
誠の息子もその学童に通っていたのですが、預け先が決まらず、困っているとのことです。
「それでぺーやんに相談なんだけど、学童が見つかるまでの間、子供を預かってもらえないか?」
「え?」
「お前、弟の子供の育児を引き受けているって言ってたし、ふれあい冬祭りの借りは返すって言ってたよな」
「言ったけど…」
「難しいですね」
「やっぱないか」
子供を預かってほしいと頼まれた一平。
「地方選挙は小さな票の積み重ね…困っている時波はお互い様。子供の1人や2人も一緒。預かりますよ」
「地方選挙は小さな票の積み重ね」という真壁の言葉を思い出し、引き受けることにしました。
「実は預かり先が決まっている子どもは一人じゃないんだ」
しかし、他にも預かり先が見つかっていない家庭がありました。
その夜、一平は正助(志尊淳)に学童閉鎖で困る子供達を預かる事になったと報告しました。
「また調子のいい事言って」とひまり。
「宮島君のところ意外にもあと2人いるって。」
「朝陽も来年大丈夫かな」
「朝陽、来年、小1か」
「一平おじさん忙しくなるの?保育園のお迎え遅くなっちゃう」
「大丈夫、預かるのは少しの間だけだから。正助くんが迎えに行けない時は行くよ」
すると、区内の待機児童問題を憂慮していた正助も、職場にシフトを相談して手伝うと申し出てくれました。
「僕、お手伝いにいきましょうか。最近、保育士が増えてシフトの融通を利かせてもらえるようになったんです。早番だったら一平さんのお手伝いに行けますし。僕、放課後児童支援の資格持ってますんで」
「これで小さな票の積み重ねもばっちり」
「なんか悪いこと考えてない?」
「ちび都」
ひまりの勘の鋭さに、都に重なる一平なのでした。
翌日の昼頃。
「お疲れ様です。」
保育士の好美(八木優希)に声を掛けられた、正助。
「お疲れ様」
「小原先生、今日、早番でしたよね?」
「急にシフト変えちゃってごめんね」
「それより大変ですね。保育園で面倒見たあとに家に帰ってまた見るなんて」
「あー、まぁでも一平さん一人だと、なんかあった時心配だし大人が2人いたほうが安心でしょ」
「小原先生ってほんと優しいですね」
翌日から一平たちは宮島隆(中村羽叶)と枝龍之介(石塚陸翔)、ひまり(増田梨沙)と同学年の高田美月(松岡夏輝)の3人を預かることになりました。
さっそく、その子供、美月、陸、龍之介の鋭さと生意気さにたじたじ。
「ねぇおじさんテレビ局で働いてたの?」
「それ見ちゃったか。そうなんだよ。おじさん、ニュースナイトっていう高視聴率番組のプロデューサー任されてさ」
「なんで辞めたんですか?」
「色々っていろいろだよ」
「もしかして不祥事ですか?横領とか」
「不倫だ」
「俺は横領も不倫もしていない!クビにもなってない!」
反論する一平。
「だったらなんで辞めたんですか?」
「それは…」
「言わないってことはやっぱクビじゃん」と陸(中村羽叶)。
「この年でリストラされたら厳しいですよね」
「そろそろおやつの時間だね、おじさん用意してくる」
「最近の小学生はませてる。愚痴も達者だし生意気だし」
ひまりに味方になってほしくて愚痴をこぼす一平。
「最近の小学生の愚痴を最近の小学生に言わないでくれる?」
「こっちにもいた」
「ひまり、美月ちゃん同級生だろ。
「美月ちゃん一人なんだよな。一緒に遊んであげたら?」
「そう言って私に手伝わせようとしてる?」
「そんなふうに聞こえた?」
「そんなふうにしか聞こえなかったけど」
「どうせ部屋で勉強してんだったらここでやればいいじゃん。みんなでワイワイした方が楽しいよ」
「ワイワイしてるとこ集中できないから、おじさん頑張ってね」
そこへ、正助が帰って来たので、正助に役割をバトンタッチしました。
「それで正助くんに押し付けてきたんだ。」
「人聞きの悪いこと言うなよ。俺は夕飯の買い物があるから。仕方なく出てきたの」
「だったらさっさとこんなとこでサボってないでご飯の支度したら?」
「口の悪い店員だね」
「サボるくらいなら、子供預かるなんて言わなきゃいいのに」
「そういうわけにはいかないんだよ」
「なんか魂胆があるの?」
「魂胆?俺は本気でこの町の人達の為に!悪いこと考えてないから。最近ではひまりまで都化して困ってるんだから」
「ひまりちゃんも悪人と善意を見分けられるようになったか。」
「俺は悪人じゃないから人の善意を疑わないで!」
「善意ねぇ。でもね、ひまりちゃんや朝陽くんを傷つけることしたらこの店出禁だからね」
「ひまりと朝陽が選挙のこと知ったら傷つくよな、そうだ真壁に頼もう」
「ねぇ、あれ持ってない?」
美月から月経用品を貸してくれるよう求められた、ひまり。
すぐさま渡します。
「ありがとう」
「あのさ、小原さん今度一緒に宿題してくれる?」
言葉に詰まるひまりに、美月は遠慮してしまいました。
「あ、ごめんね。無理しなくていいよ」
その後、子供達のうち、美月と陸は帰りましたが、龍之介の母が、急なトラブルで延長保育を一平に頼みました。
「龍之介くんのお母さんって介護士だよね」
「お父さんはトラックの運転手」
正助も龍之介の情報を知っていました。
間もなく、8時に龍之介の母、枝久二子(星野真里)が来ました。
「ごめんなさい、お夕飯までいただいて。ご迷惑おかけしてしまって」
「え?また延長?」
「龍之介君、美味しくない?」
「いえ」
「味が合わなかったら言ってね」
ふと、朝陽が夕食前に眠ってしまいました。
「寝ながら食うな」
一平は朝陽を抱き上げて寝かしつけるのでした。
「正助くんなにしてるの?」
「明日の夕飯の作り置きしようと思って。明日にすると遅くなっちゃうから」
正助と一平は育児にてんてこ舞いです。
介護士をしている龍之介の母、久仁子はさらに、夜9時まで彼を預かるよう、頼んでいました。
「あの明後日もうちは延長をお願いしたいんですけど、どうしても外せない会食がありまして」
とうとう宮島も保育の園長を一平に頼みました。
翌朝。
真壁との選挙出馬に向けた打ち合わせも育児のストレスで、手中出来ない一平。
真壁は一平を厳しく注意します。
「んー、これまで感じた理不尽や社会の課題をさ…もう少し盛り込んだら。おい聞いてるか?」
「ん?なに?」
「おい大丈夫か?」
「年明けには出馬表明する。政治活動も本格化していくだぞ。子供預かるのもほどほどにしたらどうだ?」
「親とかその家族の票をとるためだよ。お前が言ったんだろ?地方選挙は小さな積み重ねだって」
「いやそりゃそうだけどさ、ボランティアなんだからどっかで線引きしないと、どんどん親の要求が増えて選挙との両立が不可能になるぞ」
「でもただ仕事しているだけなのに、すみませんすみませんて頭下げている母親見てる何も言えなくて。なんで預ける側か預かる側、どちらかが無理しないと成り立たない世界なんだろうな。その仕組み自体おかしいと思わない?」
「それも政策に盛り込めよ。学童不足の問題は社会問題だ。仕組みを変えるってことは社会を変えるってことだからな。この間頼まれた件、今度の土曜日でいいか」
「社会を変えるには仕組みを変えるってことか」
「あのまた9時過ぎまで預かっていただけませんか。小原さんには甘えてしまって」
一平は正助を注意します。
「手伝ってもらっているのにこんなこと言うのあれなんだけど、あんまり良い事ばかり言わないでほしくてさ。」
「良い事?」
「龍之介君のお母さんに言ったよね?何時まででも預かるから気にせず働いて下さいって。」
「ああ、他に子供を見てくれる人がいないって困ってたので」
「困ってるからってなんでも受け入れちゃうのは」
「あ、いや、そういうわけじゃないんですけど」
「全ての要求には対応できないよ。」
「でもなんとか無理をしたら」
「どこかで誰かが無理することが成立するのはこれは本当に成立したことにはならないんじゃないかな?これ成立させちゃったらこの仕組み自体が、いつまでも改善されないし、周りに頭下げなきゃ子育てできない社会のまま何も変わらないと思う。」
「一平さんの言うことは分かります。ただ親が見られない子供を放置するわけにいかないんです。子供達の為になんとか成立させることが大人の役割なんじゃないかなって。あ、延長時間は一人で見ますので。済みません」
その後、待機児童の数をパソコンで調べた、一平は次の対策を練ります。
「まずは受け皿を考えないとな」
翌日。不登校問題で助けてくれた会長に相談することにしました。
「急にお呼び建てして済みませんでした。」
「いえいえ、その節は有難う御座いました」
「大森さんのおかげで、PTAの皆さんも不登校問題に関心を寄せてくれるようになって助かってます」
「それは良かったです、今日は会長にお願いがあります。」
「私にお願いできることがあるなら何なりとお申し付けください。」
一平は学童待機児童の件で要望書を出してほしいと会長に相談します。
「実は区長に要望書を要請していただきたいと思っているんです。」
「要望書?」
「学童の待機児童解消を求める要望書なんですけど、少しでも多くの署名があったほうが効果的なので、会長にお力になってもらえないかと」
「お力になりたいのはやまやまなんですけど、署名が集まるかどうか。」
「難しいですかね?」
前に通学路に該当を設置してほしいという要望書を出したことがあるんです。その時は沢山の署名を集めて出したんですけど区は結局なにも動いてくれなくて」
「効果がなかったんですね」
「それ以来、要望書は意味がないとみんな諦めてしまって。一応、呼びかけてみますけどあまり期待しないで下さい」
「わかりました。宜しくお願い致します。」
一方で、龍之介が学童から帰る時間が以前と違い、寝不足であることを知る、正助。
「うちの味が合わなかったらおじさん作るよ。好きな料理教えて」
「うちでみんなで揃って食べたい」
長谷川区長(堺正章)に待機児童の養成所を相談する一平。
「学童の待機児童問題の解消ねぇ」
「区内で学童が潰れてしまったのは、ご存知でしょうか?受け皿として、新しい学童を増やすか定員を増やすか何か対策をとっていただけないでしょうか」
「こういうのはさ子供支援課に提出してくれよ」
「そうなんですが、区長にじきじきお願いしようかと考えているんで」
「大森くん僕だってこの事、真剣に考えてるんだよ。2、3年後には増設しようと」
「今待機している子供達が中学生になってしまいます。今、困っている子供達が沢山いるんです!」
長谷川区長に待機児童の記録を書類で見せて、訴えても、長谷川区長は我間接でした。
「沢山ね、署名か、36人ですか?」
「お願いします、困っている人がいるのは沢山なんです」
「あ、もしもし、この間は美味しかった…ご馳走になりました。まだお願いしますよ」
一平は長谷川が会食の件の電話に出てしまい、あてにならないと諦めるのでした。
正助は、さくらつぼみ保育園の原から電話が。
朝陽の保育園です。
「あの今日、早くお迎えに来られないでしょうか。お友達とのトラブルで朝陽くんが落ち込んでしまって」
「原先生から聞いたよ。こうきくんにハンカチ貸してくれたんだね」
「こうきくんがさやかちゃんのハンカチ勝手に使って喧嘩になっちゃったの。」
「こうきくんは他のお友達のハンカチを使うのが当たり前になっちゃってたかもしれないね」
「僕のせいでこうきくんはさやかちゃんと喧嘩して、先生に怒られちゃった」
「朝陽はこうき君の為にハンカチ貸したでしょ。それは優しいことなんだよ」
「優しくないよ!こうきくん泣いてたよね。それってこうきくんの為って言わないよね」
我が子の言葉にハッとさせられる、正助。
間もなく、久仁子がやってきました。
「最後ぐらいちゃんとご挨拶したかったので。」
「最後?」
「受け入れてくれる民間学童がようやく見つかったんです。陸君と美月ちゃんのお宅も見学に行っているので来週からそこに3人移る事になると思います」
「近くにまだ空いている学童あったんですね」
「あ、いや、隣の区にあるんです。ちょっと距離遠いし、効率の10倍近くお金がかかるみたいで。」
「それって大変じゃないですか?」
「大変ですけど他に入れるところがないんで。あでも、延長料金まで払えば、10時まで預かってくれます。これでようやく仕事と育児の両立ができそうです。夕食にはお弁当も出してくれますし」
「でも10時ってどうなんですかね。それだけ遠くの学童で、10時では家に着くの11時近くになっちゃいますよね」
「ええまぁ」
「お仕事忙しいのは分かりますけど、10時ってのはさすがにどうなんじゃないですか」
ここで、正助が親と保育士の立場として口を出します。
「仕方ないじゃないですか。どうしても早く帰れない仕事はありますし、働かなければ、子供を養っていけませんし。仕事をしながら子供を育てるって誰かが無理したり、我慢したりしないと成立しないんです。社会が変わるのを待っていられないんです。仕事も子育ても待ってくれないんです。社会が変わるまで誰かが無理してなんとか成立させなきゃって。でも僕はその無理が子供にいかないように僕達大人が子供を支えなきゃなって。生意気言ってすみません」
その後、久仁子が帰ってから洗濯物を畳みながら、話し合う一平と正助。
「その場しのぎじゃなにも解決しないですよね。」
「そうだね」
「僕ができることは保護者や子供達の無理を減らしてあげることぐらいです。一平さん。僕、正式に学童をやりたいと思ってるんです。忙しい親御さん達を支えつつ、子供達にとって、第二の家になる学童を作りたい。ひまりと朝陽も通わせれば一緒にいられる時間が増えますし」
「それって正助くんが子供の頃にしてもらいたかったことを子供達にしてあげたいから」
「いえ、自分の為にやりたいんです」
「じゃあこの家使ってみる?じゃあ親父の部屋、潰してスペース広げてみる?元々、俺がやり始めたことだし」
「そりゃお父さん怒ります」
「僕は社会が変わるまでやることをやります。だから一平さんは政治家になって社会の仕組みを変えて下さい。朝陽とひまりには言わないで下さい。選挙の為に一緒に暮らし始めたこと。2人も一平さんのこと信頼しているので。やっぱり傷つくと思うので」
「それは大丈夫、ちゃんと真壁に頼んであるから」
翌日、真壁が来ました。
「おじさん誰?」と、朝陽。
「一平おじさんのお友達で、真壁と申します。政治家の秘書のお仕事をしています」
「いつも一平さんがお世話になってます」と正助。
「一平、次の区議会選挙に出てこの町の政治家になってくれないか?」
「一平おじさん、政治家ってなに?」と朝陽。
「この町をね、よくしてくれる人のことです」一平の代わりに優しく答える、真壁。
「お前はここに戻って来てから、ふれあい冬祭りの復活、不登校支援、それから保育園の環境改善など、様々な活動に取り組んでくれた。町の為に動ける男にどうしても、この大江戸の区議会議員になってもらいたいんだ。家族の問題も結婚の問題も地域の問題も日常に溢れている問題は全て政治に繋がっていて、個人で解決するには義務がある。でも、政治で解決するには政治家を動かさなきゃいけないし、政治家はね必ず動いてくれるわけじゃない。だからみんな政治に期待しなる、それじゃあ、いつまでたっても社会は変わらない。そんな誰かの無理で成り立っている社会はそれは間違っている。ひまりちゃんや朝陽くんが大きくなった時に、そんな社会であってほしくないんです。だから一平、この町の為に力を貸してくれ、頼む」
「一平さん、僕からもお願いします」頭を下げる、正助。
「しょうがない、やるか」
朝陽は一平の腕に、「がんばれ」と書かれた動物のシールを張りました。
「一平おじさん頑張れ」
「政治家になっていい街にしてね」とひまり。
「ひまり…」
「まずは選挙があるけど絶対に勝ってやる」
「選挙に絶対なんてないぞ」
「水を差すなよ」
「よしじゃあ一平さんの選挙に勝てるようにいつものあれやるか」
「今日も張り切っていこう、おー!」
小原家と一平のいつもの活力の出し方に微笑ましく、真壁も加わるのでした。
「本当に年明けから始めるの?ゆっくり準備して4月からでも良かったのに」
「そのつもりだったんですけど、園長先生に言ったら短時間のパート勤務に切り替えてもいいよって言うんで」
「じゃあ3月まで保育園と掛け持ちか、働くね」
「大丈夫です。学童はまだ人数が少ないんで」
「3人共戻ってきてよかったね」とひまり。
「また龍之介お兄ちゃんとご飯食べれるね」
「毎週水曜日以外はね、だって。水曜日はおうちで食べるって」
「あれ?なんで私の分があるの?」
「もしかしたらひまりも参加したいんじゃないかなって。無理しなくていいからさ、でも名札があったらいつでも参加したい時に参加できるでしょ」
「ありがとう」
友だちがなく、人と関わることが少し苦手なひまりに、正助は配慮したのでした。
その後、美月とひまりは仲が縮まり、宿題の答えのヒントを見つけて喜んでいました。
「そうかわかった」
「約分できるから」
男の子たちは朝陽と馴染みます。
そんななか、夜に長谷川と真壁に呼ばれた一平。
「この街の再開発の件で君に頼みたいことがあってさ」
「再開発の件」
「一平、今回の再開発の計画はお前の家も入ってるんだよ」
せっかく、学童を作ったにも関わらず、再開発計画には、立ち退きが条件でした。
「再開発が始まったらあの家も立ち退きになる」
「大森くん、もちろん協力してくれるよね?」
長谷川のにこやかな笑顔に、一平は顔がこわばり、新たなる問題に直面したと感じるのでした。
日本一の最低男~私の家族はニセモノだった~8話感想・みどころ
待機児童を増やさないための対策と、政治で解決するには政治家が動かなければならない、でも政治家は動かない現実が歯がゆいですね。
長谷川を見ているとまさにそうですね。
待機児童が増えている現実と、要請書を一平が見せても美味しい会食に目がありません。
さらに、彼は今後、「再開発計画」と称して、一定の家庭の立ち退きと都市開発事業に挑もうとしています。
正助が親の立場で、働く親の立場や状況を考慮し、自身が保育士として、親子に出来る事をする細やかさが素晴らしかったです。
一方で、一平も選挙に出馬する目的がありながらも、地域の親子たちの架け橋になろうと奮闘した心構えは、やはり最低男というよりも最高男でしたね。
さて、次回は政治編に突入です!再開発計画に、反対派の市民や、長谷川の陰謀に、一平は立ち向かいます。