オクラ~迷宮入り事件捜査~

オクラ~迷宮入り事件捜査~1話 ミステリアスな熱血刑事と合理主義のバディ

オクラ~迷宮入り事件捜査~1話あらすじネタバレ

飛鷹千寿(反町隆史)は、洞察力に長けた機転が利く敏腕刑事です。

しかし、ある事件がきっかけで、警視庁捜査一課特命捜査情報管理室、通称「オクラ」に追いやられてしまいました。

2014年、自転車で逃げる犯人を自転車に乗って追いかける、千寿。

相棒の結城真一(平山祐介)と共に、犯人のアジトである印刷工場へ。

「俺じゃねぇ!俺じゃねぇんだ!」

「警察の残業代いくらか知ってるか?事件が終わるまで帰れない。全額支給なんて夢のまた夢。ほんとうにやっちゃうよ。」

「本当に俺じゃねぇんだよ!」

その声は犯人が仕掛けた爆弾の起爆装置から流れていました。

爆弾が爆発し、千寿は結城と共に事故に巻き込まれました。

そして、結城は亡くなりました。

2024年。

ホストクラブの黒服の男に因縁を付けられた千寿を、不破利己(杉野遥亮)は無銭飲食を知りました。

豪遊し、領収書には千寿がホストクラブで遊びまくり、潜入捜査の目的で、スタッフルームに忍び込んだ証拠もありました。

お蔵入りの未解決事件に関する膨大な資料のデータ入力が主業務の部署で、捜査権はあるものの、「刑事の墓場」とも呼ばれています。

そこへ赴任したのは、利己。

特命捜査情報管理室室長、幾田学(橋本じゅん)は、利己に、千寿がかつて有能な刑事だと説明しました。

「かつては優秀だったんだけどね、色々あって。君が行くところは特命捜査情報管理室、オクラです。」

この部署には千寿の他に、元組織犯罪対策部で、ヤンキーだった、結城倫子(白石麻衣)、定年間際の刑事で、3分しか役に立たない、鷲沢泰造(宇梶剛士)、ギャンブル隙の室長、幾多学(橋本じゅん)、元公安部の牧原祈里(青木さやか)、サイバー犯罪対策課で活躍していたハッカー、吉岡雷(前田旺志郎)が所属しています。

そんな情報管理室に所轄から不破利己(杉野遥亮)が新たに配属されることが知らされました。

「定時に帰りたがる牧原さん、3分しか役に立たない昭和刑事の鷲沢さん、ヤクザの組を倒した元やんの結城さん…」

「なんなんですかその紹介は。」

「不破君ってなんで刑事の墓場に来たのかな。」

利己は、優秀な刑事だという評判でしたが、オクラに配属された時点で、ワケアリの様子で祈里は不思議がっていました。

時を同じくして、情報管理室に1通のメールが届きました。

「ちょっといいですか、12年前の事件でメールが来ています。」

「どうせ、が背だろ」

「メールは、事件の容疑者です。」

メールの発信者は12年前に、女子小学生、市井葉月。

当時10歳で、母親との口論の末、頬を叩かれてから家を飛び出した少女でした。

葉月は遺体で見つかりました。

殺人事件の容疑者として捜査線上に浮かびあがっていたものの、証拠不十分で逮捕出来なかった、矢継周作(黒田大輔)でした。

「北城山に行って彼女と語り合ってきた。矢継周作」

「俺が担当した事件だ。矢継は葉月ちゃんと会ったことは認めたが、捜査官は挙動不審な彼を黒だと思っていた。」

容疑者本人からの情報で沸き立つ、オクラ一行。

当時、事件の捜査にあたっていた千寿は、利己、倫子とともに被害者の遺体が発見された山の雑木林へ向かいます。

「証拠がなかったんだよ。奴をパクれなかった証拠が」

オクラを目の敵にする刑事、加勢(中村俊介)と、加勢の部下の志熊亨(有澤樟太郎)。

「オクラの新人を拝みにな。なにやらかして刑事の墓場に潜り込んだ。」

その後、むしゃくしゃした千寿は、倫子を連れて、捜査と偽ってカフェでパフェを注文しました。

ストレスが溜まった時は、パフェを食べるのが千寿の定番です。

「昔はお前の親父と事件だって駆けずり回っていた。」

「私の誕生日に死ななくてもしなくてもいいじゃない」

倫子の誕生日に、真一は殉職しました。

12年前、葉月の遺体が見つかった雑木林へ向かった、千寿、倫子、利己。

「あんたねデリカシーってものがないの?」

「デリカシーがあれば捜査できるんですか?」

「可愛くねぇ!」

「そろそろ帰ろう」

「手が汚れる」

「港区女子か?!いいからさっさとやれ!」

「何か見つかればそれは容疑者が後から置いたものになりますね。・・・死にたくない」

利己は事件現場で、アイドルがついたノートから、「死にたくない、ママ大キライ」という文字が。

それは葉月の字でした。

その後、葉月の遺族である母を訪ねました。

「北城山で葉月ちゃんの証拠らしきものが見つかりました。直筆の文字が書かれているものがなにかありますか?」

「好きなんですか、このアイドル」

「あの子が好きだったんで。葉月ちゃんはアイドルの養成所に通いたかったんですよね」

12年前。

「アイドルの養成所だって、高校卒業してからにしなさい。学校にも行かないで。いい加減にしなさい。私は貴方の為を思って言っているの!」

言い争いの末、葉月の頬を突発的な苛立ちで叩いてしまった、芳香。

「それじゃ遅いってなんでわからないの?ママはいつも私を思い通りさせる。ママなんて大嫌い!」

「娘の好きに気付いてやれなかった。夫とも別れて、家に引きこもるようになりました。」

「あなたは娘さんの死を免罪符にして、甘えている。その自堕落な生活を改善したほうが良いんじゃないんですか。」

葉月の家を出てから、倫子は無神経で遺族を傷つける発言をした、利己を厳しく叱りました。

「あんた言いすぎだよ!身内を亡くしたことないの?身近な人を殺されるって相当えぐいんだよ!犯人が捕まらないことを葉月ちゃんのお母さんは願って願って・・・!」

自らも、千寿と捜査中に亡くなった父、真一を思いながら激しい気持ちを訴えた、倫子。

「同情なんて捜査にいらない」

「たしかに被害者に肩入れするのは良くない。俺は矢継に会った。」

「あそこに葉月ちゃんがいたような気がした。法律上あそこに踏み込めない。でも法を犯していれば救えた命だったかもしれない。」

千寿は、科捜研の井伏愁(観月ありさ)に頼んで、ノートを調べてもらいました。

彼女は千寿の元妻で、仕事では頼もしい存在です。

「貸した借りは飲み代で相殺しようか」

強行犯係の加勢(中村俊介)は千寿に言いました。

「あのキャバクラ、摘発された。お前、そのネタ掴んであの店に潜入したのか?」

「昔は熱血漢の刑事だったんだよ。結城さんのお父さん・・・結城刑事のことがあって、情熱が以前よりはない。」

その後、オクラでは、12年前の矢継が今住んでいる場所をデタラメにして、引っ越していたことを発覚。

倫子は実家問い合わせ、吉岡(青木さやか)はメールの発信源など役割分担をする「オクラ」立。

「オクラの意地を見せるぞ!」

しかし、手掛かりが見つからず、意欲が低下する千寿達なのでした。

「あれだけ走り回って手掛かりゼロ。」

「矢継の実家の両親は亡くなっている。」

「これって葉月ちゃんの?」

葉月が応募しようとしていたアイドルグッズのノート。

「これ、葉月ちゃんが親に内緒で買ったもの。」

「小学生がファン食らうにはいるなら親の同意が必要です」

「このシリアルナンバー・・・」

ファンクラブメンバーのシリアルナンバーから矢継の居所に辿り着く可能性を察した、千寿達。

「矢継の家にもこのキーホルダーがあったぞ!矢継がファンクラブに?」

そこで夜に、矢継の家に向かう、千寿と利己。

「それこそラストチャンスというのは我々を試しているのかと思います。」

「写真撮って倫子に送れ。」

矢継の家の郵便物を利己に渡す、千寿。

矢継の家を12年前の捜査中に訪問したことがあった、千寿。

あの時、矢継の玄関には、葉月が好きなアイドルのキーホルダーが複数ぶら下がっていました。

僅か10歳で殺された葉月を助けられなかった思いが駆け巡りました。

「本当は12年前こうするべきだった。」

矢継が住んでいた家のドアをけ破る、千寿。

「この中に必ず証拠があるはずだ。」

「器物損害に不法侵入、始末書だけじゃ済みませんよ。」

その様子を冷静に呆れながらも見守る、利己。

そして、アイドルグッズにまみれた部屋の中から、葉月が誘拐され、暴行を加えられ、殺される瞬間を収めたビデオカメラが見つかりました。

「ごめんなさい・・・あっ!」

あまりの残忍性に、胸を痛める、千寿は最後まで映像を見ることができませんでした。

「矢継はステージ4の癌で入院してる。それでも自白させてやる」

「こんな状況で自白を強要させたら大問題になりますよ

「残念ながら俺はそんな物分かりが良い刑事じゃないんだ」

車に乗る千寿と利己ですが、千寿は交通規制する道路に飛び出し、病院へ走って向かいました。

そして、矢継が入院している病院へ着いた、千寿。

「矢継・・・苦しんでいるところ申し訳ないが、お前をパクリにきた。お前は母親と喧嘩した葉月ちゃんを公園で見かけて声を掛けた。彼女を自宅に連れ込んで本性を現した。」

「冷静になったらどうですか!」

「何のためにやってきた」

「彼は犯罪者である前に重症患者です!」

「ここで終わらせるわけにいかねぇんだよ!」

12年前ー。

矢継周作は、葉月に暴行を加え、殺そうとしました。

「お前は自分の性癖を彼女に押し付け、暴力を振るい、物を投げ、生きる気力を奪った。14日も餓死させて・・・餓死した彼女を山頂に捨てた。」

「あれから12年だよ。お前は散々逃げ回って葉月ちゃんのお母さんは色々なものを犠牲にした。家族、仕事、生き甲斐・・・それはずっと自分を責め続けているからだ。なのにあの人は自分が応援してあげていれば家を飛び出さなかったんじゃないか、殺されなかったんじゃないか・・・お前がのうのうと罪から逃げている間に。捜査に進展はありませんってつらかったよ!自分のせいで生きることを諦めていく彼女の姿を見るのが!でもお前が犯行の証拠を手に入れた!やっとこれで犯人逮捕の報告ができる。それがどうして!どんな姿になろうと罪を償ってもらう。最期まで自分を責め続けている彼女を救ってやれよ。俺がわかるか!あのままあの世なんてな、自分が葉月ちゃんを殺したって言え!」

「にーよん好きなの?」

「ねぇこれ着てよ」

「やめてよ。やだよ、恥ずかしいよ。」

「着ろって言ってんだろ!」

医療器具に繋がれた矢継を前に、彼のした残虐非道な罪を思い出させる為、葉月が亡くなる瞬間までを抑えたビデオカメラの音声を流す、千寿。

矢継はそんな千寿に対し、罪悪感もなければ、子供の死を悼み、遺族を思う千寿に薄ら笑いを浮かべるだけでした。

そこには、生々しく、痛々しいその記録は葉月が暴力を振るわれる場面や、矢継に飢えさせられていく様子が遺されていました。

「何してるんだ患者に。あんた何者だ。」

「このめちゃくちゃな刑事の同僚だよ。」

しかし、矢継は息を引き取りました。

被疑者死亡の結果に、複雑な思いを抱く、千寿に缶コーヒーを渡す、利己。

「お疲れ様でした。」

葉月の母、芳香の元を訪ねる、千寿。

「矢継は被疑者死亡となりました。葉月ちゃんのノートに残されたものです」

「ご尽力いただき有難うございました。」

「ママ大キライなんて言ってごめんね。ママは私の事誰よりも心配してくれているから反対したんだよね。なのに何も知らずに怒ってごめんなさい。会ってちゃんと謝りたいよ。ママ、大好きだよ」

「謝るなんて・・・字が書けるようになったんだね。葉月、葉月ごめんね、ごめんね」

「葉月さんにはあなたの思いはちゃんと届いていました。失礼な発言をして申し訳ありませんでした。」

葉月の母、芳香を生活態度が甘えていて、娘の死を免罪符にしていると失言したことを謝った、利己。

「葉月が最後にどんなことを思っていたのか、それが分かっただけで充分です。今すごくあの子に会いたい。会ってこの手で抱きしめたい。抱き締めたいです。」

「意外だったなお前が謝るなんて」

「病院からの訴え退いた」

「この後一杯どうだ?」

「そういうの時代遅れなんで、いいです」

帰り道、千寿は利己と別れ、バーへ。

「周りはお前を人情味ある刑事だと思っている。お前はそんな善人じゃない」

「千寿さんは加勢さんと違いますよ」

「かつての上司をディするんじゃねぇよ」

「おお、愁ちゃん!」

そこへバーにやってきた千寿の妻、愁(観月ありさ)と合流しました。

ところが、千寿を電話で呼び出した、利己。

「矢継はどうしてあのメールを出したのか」

「自責の念に駆られたのかと思いきや自分を捕まえた警察を嘲笑いたかったのかもしれません。でも病院の情報では、矢継は1カ月前から入院していて、ネットが使える環境にいませんでした。メールの出所は、振り込め詐欺をしていた店から送られていました。あなたと最初に出会ったキャバクラですよ。メールの出所がばれないようにネット環境を誤魔化していた。店員はあなたがスタッフルームにいた時、矢継を名乗って警視庁にメールが送った。矢継が1カ月前に入院すると葉月ちゃんが殺された様子のビデオカメラの電源は入らない。我々より先に誰かがあの家に入ったということです」

「それが俺だって言いたいのか?全部憶測にすぎない」

「これは山で発見したノートを入れたビニール袋です。3人共手袋をしていたけど、あなたはあのノートに触っている。ノートを隠した時に付着したんでしょう。あなたは矢継を法廷に引きずり出すべく今回の一連の事件を企てた。飛鷹警部補、あなたは事件を捏造したんですね?答えろ!」

利己の言葉に黙って睨みつける、千寿なのでした。

オクラ~迷宮入り事件捜査~1話感想・みどころ

初回から千寿の情熱的な思いや、型破りで周囲をヒヤヒヤさせる行動に、興奮と、感情が忙しかったです。

今回のケースは12年前、10歳だった葉月という子供の誘拐殺害事件。

犯人の矢継がとにかく憎いほど許せません。

アイドル志望の子供を・・・あんな、あんな目に遭わせるなんて。

暴力を振るい、性癖を押し付け、飢えさせて生きる気力すら失わせる・・・その様子をビデオカメラに収める彼の猟奇的な行動と心理に、千寿が彼に抱く激しい憎悪に共感しました。

ステージⅣで矢継が死ぬ寸前な状況のなか、千寿が彼に馬乗りになって荒々しくも、遺族である葉月の母を思った怒りは凄く分かります。

なんで被疑者死亡の書類送検なんだろうって悔しくてたまりませんよ。

葉月の母が彼女のアイドルになりたいという意志をしっかり聞いてやれなかった後悔も伝わってきました。

母親としては、まだ小学4、5年生の子供が、売れないアイドル活動をしたり、芸能界に搾取されていくことなど含めて、心配が募ったでしょう。

でも、芳香も頬を叩くことはやめてほしかったですね。

ビンタなんて令和の今、子供にするものではないですから。

母との口論の末に家を飛び出した葉月が公園で、矢継に出会わなければ良かったですよ。

同じ「推し」を応援する見知らぬ大人に、警戒心が解けてしまったことが、あまりにも悲しすぎました。

母親に内緒でアイドルグッズを買い、アイドルになる事を夢見ていたいたいけな子供の命を、人生を壊した矢継の死が無念でなりません。

矢継役の黒田大輔さんの演技が寒気がするほどうまかったです。

そして、終盤では12年前の葉月の事件で、矢継を法の元へ引きずり出すべく、自らメールを偽造して、警視庁に送った飛鷹千寿の心の底が心配になる1話でした。

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