オクラ~迷宮入り事件捜査~9話あらすじネタバレ
飛鷹千寿(反町隆史)は元妻の井状愁(観月ありさ)が10年前に起きた警察官連続殺人事件の実行犯であることを知りました。
「実行犯は、愁だ…」
千寿の言葉に、利己は言葉を失いました。
真相を突き止めた千寿でしたが、犯人は結城倫子(白石麻衣)だと愁に敢えて嘘をつき、爆弾の起爆装置に使われた携帯電話に、倫子の指紋を付けさせました。
千寿は偽造した証拠をオクラの押収品として部署に隠せば、自責の念に駆られた愁が取りに来ることを予測したうえで、張り込みました。
利己は千寿に対し、なんで倫子をわざわざ犯人に仕立て上げる必要性があったのか聞きました。
「確かめたいんだよこの10年。俺が見てきた彼女は、どのような人間だったか」
オクラのメンバーはいつも通り、出勤し、倫子に愁が犯人だという事実を中庭で話しました。
「そんな嘘だよ」
「彼女が自責の念に駆られて指紋がつけた携帯を取りにくれば」
「倫子さんに罪を着せたら」
利己は、愁が倫子を裏切る恐れを心配していました。
「それはない、出汁に使って悪かった」
その夜、千寿が待つ「オクラ」に愁がやってきました
「来ると思ったよ。10年前の連続警察官殺人事件の犯人は君だったんだな、愁。これだ」
愁の刺青の腕が映る写真を見せる、千寿。
「でもそれだけじゃ私が犯人って分からないよ」
「ファイルに名前を検索したらあった」
「いつから知ってたの?」
「これを見るまで君が犯人だって思わなかった」
「私の演技もなかなかってことね」
「演技だったのか?」
「ううん。いつバレてもいいと思っていた。ずっと審判が下るのを待ってる気持ちだった。今回の捏造を頼まれた時ついにこの日が来たんだなって。」
「わかってたのか」
「そりゃそうよ、夫婦だったんだから」
祈里(青木さやか)や幾多(橋本じゅん)は、千寿と利己から愁が犯人だとのちに知り、ショックを受けました。
「愁さんが…父親を殺した犯人を知って倫子さんつらいだろうに」
「良い人そうなのに」
千寿達の協力者、阿澄(三浦獠太)も、千寿から後に電話で聞いて動揺を隠しきれません。
「え?愁さんが…そんな」
千寿の取り調べを受けることになった愁は、倫子の身体検査を受けました。
「お父さんを殺した犯人を見つけた時、絶対殴ってやろうと思った。でもそれが愁さんだったなんて」
「謝る前に私が見た事、感じたことを伝えておこうかなと思って」
自信が製造した爆弾で一連の事件を起こしたことを認めます。
「これから10年前に、起きた警察官連続殺人事件についてお話をさせていただきたい。久常未来警部と結城真一警部補を爆弾で殺したのはあなたですか?」
「はい。事件の一カ月前から爆弾を作りました。携帯の爆弾です、それを門真警部補に送り、フィットネスジムで待機していました。久常警部が、フルフェイスの男に扮した門真警部補を追って行くのを見て、起爆装置を爆破させました。結城警部補を殺害した事件でも同じタイプの爆弾を使いました。今度は現場近くの美容院で待機して…2人の姿を携帯で確認した後、起爆させました。」
「爆弾を仕掛けた建物の近くにいたのは何故?」
「確実に任務を遂行する為です。」
「犯行に及んだ動機は?」
「指示を受けたからです」
「指示、ですか?誰の」
「誰の指示かも誰が仲間かもわかりません。私達はただそれぞれに任務を与えられるだけでした」
「公安部が関係していますか?」
「そうだと思います」
「公安部喉の部署ですか?」
「分かりません。正確に言えば存在しません」
「存在しない?」
「公安部に異動した際、ある部隊に入るよう、指示されました。上層部はハイドアンドシークと呼んでいました。」
「極秘任務は具体的に…」
取り調べ中に、利己は危機を察して取調室へ急ぎました。
案の定、愁を狙った銃撃が起こりました。
「伏せて!」
千寿は慌てて、愁を庇いました。
「警視庁のライフルならどのライフルか分かります。科捜研ならすぐわかります」
そしてそれは警視庁公安部内の存在しない部署、「ハイドアンドシーク」の指示だと告白します。
「一旦、中止しよう」
「ううん、続けて」
オクラの部屋では、幾多、祈里、吉岡(前田旺志郎)は、狙撃騒動が取り調べ中に起きた事で、戸惑っていました。
「狙撃が起きるとは」
「倫子さんは愁さんの援護を」
「吉岡君は愁さんのデータを洗い直して」
「あなたには知ってほしい、元々、感情が欠如したような人間で。離婚して父に引き取られたんだけどろくでもない人でね…」
愁は父親から虐待を受けていました。
「それで警察官に」
「公務員なら誰にも文句言われないでしょ。友達もいなければ恋人もいない。親にも警察官になってから一度も会ってない。それが、上にとって都合のいい人間だったのかもしれない。」
上層部は愁に、機械音声を使いながらしゃべりました。
「失礼します。」
部屋には人はいなく、AIで上層部が話しかけていました。
「座りたまえ」
「君が井伏君か…」
「はい。」
「噂は聞いている世。精密機械と呼ばれてるそうだな。君には公安部に行ってもらいたい。ただし、国家の機密事項に関わる重要かつ特殊な任務だ。できるか?」
「任務とならば従います。」
「そして僻地の訓練場へ連れて行かれて、銃器の使い方から格闘技、トラップづくり、工作員みたいな訓練を受けることに。そこで私は爆弾のスペシャリストにさせられた。1日中、狭い部屋に閉じ込められてひたすら爆弾を作らされて…それで、鑑識課に戻されて、実行部隊に」
「それがハイドアンドシーク」
「最初は蓬田春樹さんに爆弾を作らせることでした」
かつて、千寿が逮捕した蓬田とも爆弾作りに絡んでいました。
その蓬田が仕掛けた爆弾で、祈里の夫は亡くなりました。
そして1年後、久常が鷲沢の目の前で亡くなり、次に、真一が同じ事故で命を落としました。
「何の迷いもなかった。儀で医者の遺族や恋人がどんな思いを抱くのか、そんな大切な事さえ気にも留めなかった。事件はそれだけじゃなかった。結城真一の体にはチップが埋め込まれていて、ハイドアンドシークのチップが入っていた。あなたが結城さんを撃ってチップを取り出したんでしょ」
「最初から知ってたのか?」
あの日、倫子の大切な父、真一から、体内にハイドアンドシークのチップが入った自分を撃つように命じられ、葛藤の末、発砲した、千寿。
「わたしは、あなたからチップを奪うように命じられた」
愁は目に涙を潤ませながら答えました。
その頃、志熊(有澤樟太郎)と利己は愁を取り調べ中に撃って口封じしようとした銃を鑑識に特定してもらいました。
「捜査一課のライフル。愁さんを狙ったのは一課のライフルってことか」
「俺を狙ったのは任務ってことか」
愁の取り調べは続きます。
そこで、愁は、千寿と出会って人生が変わったことや、自分が多大な犠牲を生んだ爆破テロの犯人の一人だという罪悪感に苦しんでいた胸の内を打ち明けました。
「あなたは1年前に結城君を失ったことで自暴自棄になっていた。でも何度か会っていくうちに徐々に打ち解けてくれるようになって。自然と笑顔が増えていった。でも想定外のことが起きた。私もあなたと時間を過ごすうちに心から笑えるようになっていた。あなたを好きになっていた。いつしか任務よりあなたの思いに応えたい気持ちが強くなっていた。一緒にいると楽しくてこれまで味わったことない感情がどんどん芽生えていった。同時に自分が犯した罪の大きさも実感するようになった。幸せになればなるほど苦しかった」
千寿と愁の間にはかつて命がありました。
「名前は?」
「まだ早くない?」
「今から沢山話しかける」
ふと、2人の元に夕方、宅急便が届きました。
「お父さんからだって」
「ここのことも、住所も子供が生まれたことも言ってない。」
それは爆発物でした。
愁を狙ったであろうその荷物の中身を察した、愁は、千寿を連れて家を出るものの、間に合わず、巻き込まれてしまいました。
妊婦だった愁は病院へ搬送され、付き添う、千寿。
「ねぇ赤ちゃんは?ねぇ赤ちゃんは…」
千寿と愁の子供は爆破事故により、亡くなってしまいました。
まだ8カ月で、生まれてくるはずの我が子を失った悲しみを思い出した、千寿と愁。
「ハイドアンドシークとの関係は?」
「飛鷹千寿はチップを持っていない。上にはそう報告した。でも信じてもらえなかった。あんなに泣いたのは初めてだった。お腹の子を失ったのは私が大勢の人を傷つけた罰なんだって。勿論それで罪が消えるわけじゃない。でもそうやって乗り越えるしかなかった。あなたと別れたのは子供を失っても、まだ幸せでいられる自分がつらかったから。こんなふうに買われたのは千寿、あなたのおかげだよ。」
「ならどうして黙ってた?」
「本当は組織を抜けてすぐに全部話すつもりだった。でもあなたから未解決事件の証拠捏造を頼まれて、協力することが贖罪のように思えたの。でもしんどかったな。あなたや倫子ちゃんの前で嘘をつき通すことが。何より未解決事件の被害者や遺族の苦しみを知る事で自分が犯した罪の大きさを知ることがつらかった。それでも私が協力することで、一人でも多く救われるならって」
倫子が取り調べ室に駆け込みました。
「なんで!なんでそんな気持ちにもっと早くなってくれなかったんですか!そんな話を聞かされたらどう憎んでいいかわかんないよ」
「そうだよね。ごめん。本当に…ごめんなさい。」
志熊は尾瀬管理官(松角洋平)にライフル銃のデータを見せてもらいました。
「志熊、取り調べどうなってる?」
「まだやってます」
その頃、オクラの幾多と鷲沢はライフルが使われた屋上を調査。
「ライフルどこだ…」
「私は向こうを調べます。お願いします。」
祈里と吉岡も怪しい警察官を見つけました。
「あなたが井伏さんを撃った?答えなさい!」
祈里が警察官の男を取り押さえて問いただしていました。
取調室では、愁がハイドアンドシークを抜けた経緯を確認する、千寿たち。
「どうやってハイドアンドシークを抜けた?」
「首都爆破テロの爆弾を作る事が条件でした。加勢君もハイドアンドシークに関わっていたんじゃないかな」
「だったら誰が…」
「さぁ」
「加勢殺しは別にいる」
「爆弾の詳細を知っているってことは警察関係者に間違いない。」
「取り調べを中断して下さい。これ以上続ければオクラの責任問題になるそうです」
「不破、ライフル銃、帳簿のコピーだ」
志熊は利己に帳簿のコピーをこっそり見せました。
「手錠は?」
愁に手錠をかけることを躊躇う千寿は2人で並んで歩き、愁を拘置所へ措置することにしました。
「これだけは伝えとく。誰が何と言おうが俺は君に救われた。そして君に感謝している。愁のおかげで自分の信念を貫くことができた。」
「うん、私も」
しかし、愁は何者かに撃たれました。
「私もこれだけは伝えとく、誰がなんといおうとあなたの正義を伝える…ありがとう、ごめんね」
「愁…?愁?愁」
愁は千寿の腕の中で言葉を発することはありませんでした。
そして屋上で愁を撃った犯人を追跡する利己。
「ここでしたか、幾多室長」
なんと、幾多(橋本じゅん)が愁を撃ったのでした。
ゴルフクラブにライフル銃を隠し持っていた、幾多。
「取調室で見つけた銃弾の線条痕から狙撃に使われたライフルを特定しました。ライフル銃の帳簿には、あなたの名前が記されていました。あなただったんですか?あなたが黒幕なんですか?」
幾多は彼の言葉に黙りこくってしまいました。
オクラ~迷宮入り事件捜査9話~感想・みどころ
つらすぎますよ。
愁は家庭の愛に恵まれず、機械的で無愛想な人間だった過去。
そこから千寿と出会い、笑顔が増え、これまでの愁の経験から人生が薔薇色のように激変したことは本当に良かったのに…。
ハイドアンドシークに関わり、多くの警察官のパートナーや家族を任務遂行のために犠牲にしてきた彼女が背負う十字架は計り知れません。
千寿も愁も、倫子の父、真一に関しては、共通の罪悪感を抱いていると思いました。
愁は本来、とても優しい人だから、倫子の複雑な気持ちと、愁を信頼していた気持ちが喧嘩する気持ちに共感します。
そして、最後に、愁がやはり口封じに撃たれるのは想定していましたが、やはりつらいものがありますね。
まさか、あの飄々とした大らかな幾多室長が。
さらに、本当の黒幕がもう一人いるので、まだまだ白熱した展開が止まらない9話でした。