大豆田とわ子と3人の元夫最終回話あらすじネタバレ
「好きになれる自分と一緒にいたいし一人でも幸せだと思う」4度目の結婚はせず、独身を貫く決意をした大豆田とわ子(松たか子)。
3人の元夫である、八作(松田龍平)、鹿太郎(角田昇広)、慎森(岡田将生)は、とわ子を保護者のように見守っています。
一度は、「しろくまハウジング」の買収を検討していると、城久間悠介(平埜生成)から、宣言されますが、その買収問題も無事、解決し、平和な日常が戻ったとわ子。
朝の4時54分頃に、とわ子の元に、慎森(岡田将生)から電話が。
仕事の関係でハワイにいる彼は、生活環境の不満を吐露。
とわ子は鬱陶しさに無視します。
出勤すると、とわ子を過去に口説いた船乗りを名乗る男(斎藤工)が詐欺容疑で逮捕されました。
彼はとわ子を含めた詐欺に引っ掛けようとした女性をモザイク加工でネットに載せていました。
しろくまハウジングでは、加工された女性の顔を見ながら、とわ子を笑う設計部の三上(弓削智久)や、カレン(高橋メアリージュン)、大壺羽根子(穂志もえか)。
「一番騙されそうだよね、このOさんって人。あまりに無邪気で」
顔の部分が隠されているので、しろくまハウジングの社員たちは、とわ子だと気づきません。
とわ子の会社で部下たちのまとめ役である重鎮、六坊(近藤芳正)は、「詐欺師に騙されてつらい思いをしている人たちを笑うな。仕事しろ」とみんなを叱咤するのでした。
八作の店、オペレッタで、とわ子は初恋の相手だった甘勝岳人(竹財輝之助)と偶然再会します。
甘勝と楽しそうに話しながら、思い出話に花を咲かせる、とわ子に嫉妬した鹿太郎は、抑えきれない感情を伝えるため、慎森に電話が出ません。
とわ子は自宅に置いて亡くなった母の荷物が詰まった段ボールを見つけ、父、旺介(岩松了)と離婚する前の母が書いた手紙が出てきます。
そこには母にまつわるとわ子も知らなかった衝撃の事実で、母は女性が好きであったこと。
とわ子に対し、娘の唄(豊島花)は、ボーイフレンドの西園寺ができますが、彼女は彼氏に宿題を代行していることや、西園寺に買い物を頼む行動が増えていました。
我が子が都合の良いように利用されていることを察知し、唄がそれを自分たちが生きる現実だと思っていることに腹を立てるとわ子。
思わず電話に出て、西園寺に説教をしたとわ子はそれが唄を傷つけることになります。
唄は元々、お世話になった憧れの医師がいました。
しかし、女性が医学部に受かりにくい現実や、西園寺と恋人になってから、彼の医師になりたい夢や医大へ進学する将来を応援し、自分は彼を支えようとしていました。
とわ子は一緒に来ていた両親にそのことを話し、家庭をあまり顧みなかった父、
そこで、後日、鹿太郎に謝罪の仕方を教えてもらいながら、西園寺家へ菓子折りを持って訪問したとわ子。
しかし、西園寺はかなりの我儘で、とわ子に対して持ってきた菓子折りに文句やこだわりを言っては追い返す始末。
唄は母、とわ子から手紙のことを聞きます。
とわ子の実母が亡くなっていて、父、旺介と継母、幾子(石村みか)が、自分のことも唄のことを任せている状況を理解していましたが、旺介とは衝突。
「今まで父親らしいことしてもらった記憶がない」と傷つく言葉を旺介に言ってしまいました。
とわ子の母は、険悪な雰囲気の2人を穏やかに窘めます。
送り先の人物、真(風吹ジュン)に会うことを母に提案。
温厚な中年女性、真はとわ子の母、つき子のバレエ教室の仲間で、なんと、とわ子実母、つき子が好きな相手だったのです。
とわ子の母は現代で言うLGBTでした。
真はとわ子に対し、「つき子は娘のあなたのことを愛していたのよ、家族のことを誰よりも思う人だった。あなたはずっと不安だったのよね。人は誰しも心に穴を持っていて、それを埋めるために生きているのよ」
とわ子は真の優しさを理解し、彼女のなかで母へのわだかまりが解けました。
唄はとわ子と真の姿を見て、自身の西園寺への恋愛観の間違いを理解し、もう一度、自身が医大を目指すことを決意。
旺介は、とわ子に対して、親子の時間をとれなかったこと、母と離婚したことを詫び、とわ子に普通の子供と同じように、甘えさせる時間・親が子供と作る時間をつくらなかったことを反省します。
他の子供は親に自転車に乗るのを教えてもらうことがあったのに、とわ子にはそれがなかった。
娘を転んでも一人で歩ける子に育ててしまった、もう少しよその子のように甘えられる機会を作るべきだったと言うのです。
とわ子は「今更、気にしなくていい、父親らしいことなにもしてくれなかったと言ってしまったけれど全面的にそうだとは思っていないよ。中村さんも田中さんも、鹿太郎さんも転んだ私を起こしてくれた」と父をフォローします。
甘勝と後日会うことになり、食事をしながらお互いを懐かしみ、友情を感じ合う2人。
鹿太郎は、とわ子が甘勝とイイ感じになっている様子を唄に電話で伝えました。
唄は新しい一歩を踏み出す母を応援しますが、鹿太郎は嫉妬全開で苦虫をかみつぶしたような顔をしていました。
唄が母の幸せを彷徨すると、ますます腹が立つ気持ちを顔に出すのでした。
とわ子は甘勝と別れてから、自動ドアに挟まってしまい、助けを求めます。
自動ドアに顔が挟まったことを「甘勝さんにぎゅっとされてキュンキュンした」と娘の唄に報告したことで、鹿太郎は不満爆発。
とわ子がどうにか通行人に助けてもらってから帰宅すると、甘勝のことが気になって仕方ない元夫3人がとわ子の家にアポイント無しで訪問。
慎森が最初はハワイ帰りでお土産を持って、とわ子を訪ねたところから始まり、鹿太郎と八作も到着。
3人は「初恋の人」甘勝がとわ子の家に来ていると誤解して、部屋中を探しますが、勘違いだと理解します。
しかし、3人は図々しくも、とわ子の家で勝手にご飯を作って食べ、とわ子を巻き込むのでした。
ハワイからのお土産をとわ子と鹿太郎と八作に渡した慎森。
元夫ととわ子は、外国の新聞紙風のTシャツを着て、お酒を飲み、ボウリングごっこに興じます。
とわ子は3人の元夫をボウリングに見立てて、投げるふりをしました。
はしゃぐうちに眠ってしまったとわ子は、3人の元夫から「大豆田とわ子は最高。僕たち今でもとわ子ちゃんが好きなんだ。とわ子ちゃんがみんな大切なんだよ」と言われ、再婚を申し込まれる夢を見ました。
目が覚めたとわ子を温かく見守る3人の元夫、鹿太郎、慎森、八作。
彼らはなんと、夢と同じように、「今でもとわ子が大切で、とわ子のことがみんな好き。とわ子は最高の女性」と優しい言葉をかけるのでした。
翌日、出勤したとわ子は、八作の親友の彼女、三ツ矢早良(石橋静河)は幼稚園教諭になって頑張っている様子や、鹿太郎に恋心を寄せた女優の美怜(瀧内公世美)のロケを偶然見かけました。
また、慎森との恋に別れを告げた翼もトランペットを吹いて、路上でパフォーマンスをしていました。
3人の元夫たちに見守られ、仕事も順調にこなし、新しい生活に前向きに取り組む、大豆田とわ子なのでした。
大豆田とわ子と3人の元夫最終回 感想・みどころ
とわ子は小鳥遊(オダギリジョー)との恋に終わりを告げ、学生時代の初恋の相手であった甘勝(竹財輝之助)と共に優しい時間を過ごし、5度目の恋か?!と思わせる急展開でした。
しかし、とわ子は彼との再会や会話のうち、お互いに友達でいることでしか成立しえない関係を悟り、独身生活を続ける潔さはカッコよかったです。
とわ子は新しい一歩を踏み出し、3人の元夫、鹿太郎、八作、慎森に優しく見守られ、なおかつ、お節介を焼かれ、余計に心配されながらも、自分の納得いく人生の答えを見つけられて救いでしたね。
娘の唄(豊島花)がモラハラ気味な高校3年生の西園寺に恋をしてしまい、女性が受かりにくい医学部という現実を受け止めて、恋人を応援する側になるところは切なすぎます。
唄もとわ子とは違った角度で、男運に恵まれないところがあるなと感じましたし、とわ子が必死に娘の唄が、西園寺から完全になめられていて、「都合のいい男の言うことをきく働きアリ」のように扱われている状況に、親として行動を起こしたところはステキでした。
一人娘だからこそもあるし、まだ恋にも人生にも未熟な唄が傷つくことを恐れ、自身と同じように恋愛で人生を左右されることは避けたいというとわ子の母心が伝わりました。
まだ16歳の唄は、「ママ、最低」と初めてとわ子に反発したけれど、これは唄ちゃんが完全に世間知らずだなということを思い知らされる事実だと思いましたね。
高校生で唄よりも年上の西園寺は顔こそ出しませんでしたが、唄のことを思い、とわ子が持ってきた菓子折りにも味や店のこだわりを訴えて、自分が唄を傷つけたなんて一ミリも思っていない成長途中すぎるところがモヤモヤしました。
とわ子がいち早く、唄と西園寺の様子から危ないことを察知して行動力、持ち前の言葉攻めで、西園寺を黙らせることができてほっとしましたよ。
唄も、とわ子の母で、本当の祖母が、性的少数者のレズビアンだったことを知り、自分のように支配された愛ではなく、お互いを思いやり、大切にする愛に触れたことで改心できましたね。
とわ子の母が好きだった相手、真(風吹ジュン)は本当に温かい人で、とわ子も唄も出会って損はない光のような存在でしたね。
とわ子の気持ちを汲み取り、優しく寄り添う姿はとわ子にとって、遠く離れた距離にいる「第二の母」のような存在を感じました。
「人は心の穴を埋める為に生きている。」という名言はしみじみと心に刺さりました。
とわ子が父に対し、「父親らしいことしてくれた記憶がない」と思春期の子供のような態度をとっていたけれど、父の旺介(岩松了)も、とわ子を無理やりにでも、心や行動を大人にさせてしまう環境をつくったことを詫びていて、胸が痛みました。
「お前を転んでも一人で起き上がれる子にしてしまった」という言葉がズシっときましたね。
「父親らしいことを全くしてもらったことがないとは言ってないよ、私には、中村さんも田中さんも、佐藤さんも私を起こしてくれた。」
とわ子の返事がすごく切ない・・・旺介からみたら、とわ子に普通の子供のように「甘えさせる時間」が不足していたことを余計、後悔させる返しだったなと思います。
確かに、「私は一人でも大丈夫」と言えるまでぶれない姿勢で、妻や母の経験を積んできたとわ子。
いつだって芯が強く、前を向いて新しい恋に二度も失敗しても、自分を見失わない、視聴者が見習いたくなる女性に成長しているのではないかな。
3人の元夫は、とわ子にとって、まるで今も「王子様」のような存在。
元恋人・元妻だからこそ、とわ子の人間性や行動パターンを理解して、不器用で、少年のような幼稚な行動をとることもあるけれど、離婚しても、とわ子をプリンセスのように扱っていて、とわ子は恵まれた環境にいますよね。
3人の元夫とゆるく、ほっこりさせられる優しい時間と、唄の成長を彼らと見守り、仕事に精を出すとわ子の晴れやかで平凡な日常は今後も長く続くことでしょう。
結婚しなくては女性は幸せになれないという社会に未だに残る偏見を否定し、負けない心を持って、自分を貫くとわ子や、離婚後も、とわ子を一人の女性として愛し、尊敬する3人の元夫と、またいつか会いたいと思える最終回でした。